末梢神経(Sural nerve)病理所見

末梢神経標本内に存在するもの
神経細胞(軸索)、シュワン細胞(基底膜あり、ミエリン)、Fibroblast(基底膜なし)、血管(血管内皮細胞、Pericyte)、膠原線維、コラーゲンマトリックス

末梢神経障害の病的プロセス
 軸索障害

    急性:ミエリン球(Myelin ovoid)の多発と、有髄線維密度の減少
    慢性:有髄線維密度が減少し、ミエリン球は目立たず、再生神経線維を示唆するミエリンが菲薄化した小径有髄線維が2-3固まったClusteringの所見(thin myelinated cluster)

 脱髄

    急性:髄鞘を有しない軸索(Naked axon)やミエリンをマクロファージが貪食している像(軸索は保たれている点がミエリン球と異なる)
    慢性:髄鞘の菲薄な線維やオニオン バルブ(Onion bulb;有髄線維がシュワン細胞に囲まれたもの)

神経生検で診断可能な疾患
1.血管炎に伴う末梢神経障害

    血管炎の有無:症動脈周囲の血管に細胞浸潤がないか、血管がフィブリノイド変性を来たしていないかをチェックしてください。できれば、皮膚や短腓骨筋でもチェックし、末梢神経の標本もしばしば検索のために切り進むことがあります。
    神経線維脱落パターン:有髄線維の減少とミエリン球を認めますが、多くの場合神経束ごとに、有髄線維の脱落の程度に差があることがあり、血管炎性末梢神経障害を示唆する所見として重要です。

2.サルコイドーシス、アミロイドーシス

    神経周膜、神経上膜のサルコイド結節の有無、Congo red染色によるアミロイド物質の有無や電顕でのアミロイド細線維の確認が必要です。皮膚や短腓骨筋の標本もあること好ましいと考えられます。

3.CIDP

    ときほぐし標本では、絞輪間距離の短縮とミエリンの菲薄化が有名で、エポン標本では髄鞘を有しない軸索(Naked axon)、再髄鞘化したミエリンの菲薄化した有髄線維や、オニオンバルブが見られます
    また、神経内膜への細胞浸潤や、神経周膜下(あるいは神経内膜)の浮腫が見られ、神経束ごとに有髄線維密度に差がある(これは、血管炎性末梢神経障害で特徴的な所見ですが)こともよくあります

cidp edema

神経周膜下の浮腫

4.POEMS症候群
CIDPと同様に、脱髄性の変化を示しますが、Myelin ovoidなど軸索変性所見もまた示します

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