Hereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroids (HDLS) 診断

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はじめに
今まで様々な名称で呼ばれていた疾患です。略語のみ紹介すると、以下のような疾患名が混在していました。ALSP/HDLS/POLD/ALAS/AOLNS/DLS/LENAS/NALS
このなかで、例えばALSPはAdult onset leukoencephalopathy with neuroaxonal spheroids and pigmented gliaの略になります。最近ではHDLS(神経軸索スフェロイドを伴う遺伝性白質脳症)と呼ばれることが多い様です。疾患名が示唆するように、成人発症の白質脳症を来たし、病理学的に腫大した軸索を認める疾患です。

遺伝形式
常染色体優性遺伝、あるいは孤発性(de novo mutationなど)

原因
colony-stimulating factor 1 receptor (CSF1R) はミクログリアに強く発現していてその分化へ強く影響しますが、CSF1R変異(特にハプロ不全*)に起因するミクログリア機能異常に伴う脱髄性疾患です。同様のmicrogliopathyは、那須ハコラ病 (Nasu-Hakola disease)も有名です。
CSF1Rは、同じく単球系の破骨細胞の分化にも重要で、大脳白質病変と骨病変の双方を合併した家系も報告されています [ref]

症状
比較的進行は早く、4-8年で除脳硬直になる場合もあります。
認知機能障害、行動異常、抑うつで発症(発症平均年齢42歳)
数年の経過で運動障害(失調、錐体路徴候、パーキンソニズム など)
てんかん

検査
MRI
:前頭葉優位・脳室周囲白質に対称性にT2WIで高信号変化(Frontal dominant)。U-fiberは保たれます。脳梁は菲薄化し小脳や脳幹病変を伴うものもあるようです。
脳CT:前頭葉白質の萎縮,脳室周囲や脳梁の細かな石灰化[この細かな石灰化は、比較的特異性が高くCT saggital像での撮影が望まれます[ref]
MRS:Cho peakの上昇が見られます
髄液検査:病勢に伴いNF-Lが上昇するようです
遺伝子検査:信州大学、新潟大学などで測定頂けます



脳CTはsaggital像が、HDLSの特異的な石灰化部位を検出するのに有用のようです[refより抜粋]

病理
NF染色などにより腫大した軸索 (tau陰性、ユビキチン陰性、α-synuclein陰性)が観察され、脱髄性疾患ですので髄鞘が菲薄化します。PAS染色されるマクロファージも見られます。ミクログリアの形態異常、CSFR1染色性低下が見られます。

*ハプロ不全とは?
姉妹染色体同士のうち一方に変異が起っても通常はもう一方の染色体によって補われることになりますが、作られるタンパク質の量が不足するために片方の染色体だけではまかないきれず表現し優性的に遺伝する現象。

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