微小脳出血 (CMBs) 診断

概念
微小脳出血(cerebral microbleeds; CMBs)とは破綻した毛細血管からわずかな赤血球が血管外へ流出する現象を指します。病理学的には流出した赤血球が血管周囲のマクロファージ内に取り込まれ、ヘモジデリンとして蓄積された状態です。多くのCMBsは通常のMRIでは出血巣として描出が難しい約5mm以下のサイズですが、最近になって撮像が可能となったT2*強調画像やsusceptibility-weighted imaging (SWI; 磁化率強調画像) では、微小出血巣に存在するヘモジデリンが点状で円形の低信号領域(シグナル消失領域)として描出することがでるようになりました。そのため、その臨床的意義を検討した報告が飛躍的に増加しています。

疫学
高齢者では健常人でも比較的検出されます。45-50歳では6.5%、80歳以上で35.7%にCMBsが検出されますので加齢によって増加することがわかっています。その他、以下の原因疾患を持つ方は多くのCMBsが検出されます。

原因疾患、鑑別疾患
以下のような病態で、CMBsが検出されます
孤発性
 高血圧性細動脈症
 脳アミロイドアンギオパチー
遺伝性脳小血管病
 CADASIL
 CARASIL
 ファブリー病
 遺伝性アミロイドアンギオパチー など
自己免疫性疾患
 全身性エリテマトーデス(SLE)
 Sneddon症候群 など
血液疾患
 鎌状赤血球症
 播種性血管内凝固症候群(DIC)
 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
その他
 可逆性白質脳症(PRES)
 放射線性血管障害
 頭部外傷
 もやもや病
 感染性心内膜炎
 粘液腫 
鑑別疾患:海綿状血管腫、血管奇形、石灰化(特に基底核)、血管のflow void(フロー・ボイド)、淡蒼球や小脳への鉄沈着、その他フェリチンを含めたミネラルの沈着などが鑑別として上げられます。

病型
CMBsが検出される部位に従って、深部型、皮質/皮質下に分布する脳葉型、両者の混合型に分類されます。原因の鑑別にも有用で、非常に重要です。

    深部型:深部白質/基底核/視床/脳幹にCMBsが検出されて、高血圧性細動脈症、遺伝性脳小血管病などでよく見られます。
    脳葉型:脳アミロイドアンギオパチー(炎症性を含む)に比較的特異的な所見です
    混合型:どちらかというと高血圧性細動脈症が多いかと思われます。ちなみに小脳半球病変も高血圧性変化でよく見られるようです

cmbs deep
T2*強調画像、FLAIR画像:T2*強調画像(左)ではCMBsが点状の低信号病変として明瞭に描出されており、主に深部白質、基底核、視床に分布している。FLAIR画像(右)では虚血性小血管病変が散在しているが、CMBsを示唆する低信号病変は目立たない[refより引用]
cmbs caa
T2*強調画像:脳葉型CMBsの分布で、特に側頭葉、後頭葉の皮質及び皮質下にCMBsが認められます。CAAに特徴的な所見です。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください