進行性多巣性白質脳症(PML) 診断

PML診療ガイドライン2017:詳細な記載があります是非参照されて下さい

はじめに
進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy: PML)は特に免疫抑制状態にある場合に、ポリオーマウイルス属二重鎖環状DNAウイルスであるJCウイルスが変異型になり、脳のオリゴデンドロサイトに感染し、多巣性の脱髄病変を呈する感染性中枢神経脱髄疾患です。なかなかよい治療法が開発されていません。

疫学

    大脳白質が病変の主座ですが、小脳や脳幹といったテント下病変もあります
    本邦での発症頻度は人口1000万人に約0.9人
    普通は小児期にJCVに感染するため、成人健常人の70-80%が抗体を持ちます
    HIV感染症、血液系悪性腫瘍疾患、自己免疫疾患、生物学的製剤による治療などが原因になります

発症メカニズム
JCVは腎臓、脾臓、骨髄、リンパ組織や脳に持続感染しています。普通は、archetypeのJCVで存在しますが、これがPML型JCVに変異することによりPMLを引き起こします。
pml

検査

    髄液検査:JC virus PCRが確定診断に必要です
    脳MRI:脳室周囲白質・半卵円中心・皮質下白質などの白質病変が主体です。T1低信号、T2高信号、DWIは新しい病変のみ高信号、造影効果はほとんど見られませんが、生物製剤に伴うPMLでは時に造影効果を伴います。
    FDG-PET:FDGは低下します。悪性リンパ腫などとの鑑別のため。
    脳生検:JC virus PCRが陰性の場合には必要になります

PML診断基準

    1.成人発症の数カ月で無動無言状態に至る亜急性進行性の脳症
    2. 脳MRI/CTで、白質に脳浮腫を伴わない大小不同融合性の病変が散在
    3. 白質脳症をきたす他疾患を臨床的に除外できる
    4. 脳脊髄液からPCRでJCウイルスDNA検出
    5. 剖検または生検で脳に特異的な病理所見とJCウイルス感染の証明

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