Clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion(MERS) 診断

はじめに
拡散強調像、拡散係数画像(ADC)は、日本ではほぼルーチンに施行されているため、特に日本から多く報告されるようになった、可逆性の脳梁膨大部病変を伴う軽症脳炎/脳症(clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion; MERS)とよばれる予後良好な疾患群です。
脳梁膨大部病変のはっきりとしたメカニズムは不明ですが、ADCが低下する細胞内浮腫を示す画像所見ですが、多くのMERS患者では低ナトリウム血症を認めますので何らかの関係があるかもしれません。

臨床
小児に多く、先駆症状として発熱(94%)、嘔吐(25%)、下痢(15%)、咳嗽(12%)などを認めます。
その後、せん妄状態(35%)、痙攣(33%)、意識障害などを発症しますが、多くの場合は1ヶ月以内に回復します。

原因

    原因がはっきりしないことも多いのですが、感染症ではインフルエンザウイルス、ロタウィルス、アデノウィルス、VZV、HHV-6、サルモネラ菌、O-157大腸菌などの報告があります。その他、脳梁膨大部病変を認める物として以下のものが有名です。髄液IL-6が上昇する例が、比較的多く報告されています。
    薬剤性:化学療法 1クール目直後や抗痙攣薬減量後
    代謝異常
    膠原病に伴う血管炎
    腎不全、電解質異常
    外傷や痙攣など

画像
mers

脳MRI:DWIで高信号、ADC値の低下を認める脳梁の楕円形の病変です。T1の低信号、T2やFLAIRの高信号はとてもsubtleです。
時に、前頭頭頂葉皮質下白質、小脳などの可逆性信号変化を合併することもあります。
MERSは一過性病変であるにも関わらず急性期脳梗塞など細胞障害性変化を来す疾患と同様に病変部のADC値は低下します。このあたりが、同じ一過性病変を来すPRESや、高地脳症などにおける血管原性浮腫とは異なる病態と想定されます。

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