Balo病(Balo’s concentric sclerosis) 診断

はじめに
1927年、ハンガリーの病理学者Balo Jozesfにより初めて報告されました。同心円状の非常に特徴的な病変をもつ、(炎症性)脱髄性疾患です。多発性硬化症と異なって、多くは単相性の経過を取りますが、再発・寛解の経過を呈するものも報告されています。つまり、多発性硬化症やADEM(急性散在性脳脊髄炎)との異動が問題となります。
約70%がアジアで報告されていますので、発症地域に偏りが強いようです

症状
しばしば発熱、頭痛、倦怠感などの前駆症状が見られることがあります。症状は病変により様々です。
頭痛、意識障害、無言無道:皮質症状を認めることもあります
片麻痺、錐体路症状
感覚障害
など

検査
血液検査:HHV-6感染との関連も疑われているので、念のためHHV-6抗体など
髄液検査:髄液細胞数増多、蛋白増加、OCBの出現、抗AQP4抗体は多くの例で陰性
MRI:病変は一つのこともあれば、複数のこともあります。稀に脊髄病変の報告もあります。同心円状の病変が見られますが、発症初期は同心円がはっきりしないこともあります。一部のlayerでは造影増強効果やADC低下を認めます
MRS:Lactate peakやlipid peakの上昇が見られます [ref]
FDG-PET:病変部位を中心に、その周辺まで比較的広範囲にFDG集積低下病変を認めます


脳MRI(T2強調画像):左頭頂葉に1つの同心円状病変を認めます。脱髄変化の強いT2高信号が強いlayerと、髄鞘が比較的保たれているか考えられるT2高信号が淡いlayerが交互に並んでいます。DWIや造影MRIを施行すると、このlayerは3種類に分類出来ると個人的には考えています。

病態
病理学的には脱髄が目立つlayerと髄鞘が保たれたlayerが同心円状に見られます。本疾患では、MRSで乳酸ピークが目立つことから、虚血やミトコンドリア機能異常がその病態として疑われています。また、FDGの低下を認めることからenergy failureが存在する可能性もあります。
なぜ、同心円状になるのかはよく分かっていませんが、ischemic preconditioning説は同心円病変の説明には都合が良く、報告があります[ref]

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