はじめに
ウィルスや細菌などの感染性の病原体により主に脳幹が障害された病態で、脳幹を主な障害部位とすることの多い病原体がいくつかあります。用語として、brainstem encephalitisあるいはrhombencephalitisが混在しています。
鑑別としては、以下のような病態が上げられます
- 1. 自己免疫性脳幹脳炎:Fisher症候群/Bickerstaff脳幹脳炎、Behcet病、SLE、Relapsing polychondritis、Sjogren症候群、Sarcoidosis
2. 傍腫瘍性脳幹脳炎
3. 腫瘍性脳幹脳炎:悪性リンパ腫など
原因
- 細菌性:リステリアが最多
ウィルス性:HSV-1/-2、Enterovirus 71 > VZV、EBV、CMV、HHV-6、日本脳炎など
その他:結核性、真菌性、マイコプラズマ
検査
- 血液検査:抗糖鎖抗体、抗神経抗体など
髄液検査:病原体の検索のため最も重要です
脳MRI:出来れば造影MRIを
Blink reflex:V, VIIに関しては、核下性/核上性のどちらの障害なのかを類推できます