はじめに
sCJD VV2はsCJDの6型の中で欧米ではMM1型に次いで多い亜型で、病初期には「視床の病変」を特徴としますが、本邦では非常に稀で2014年現在までに2報の報告があるのみです(そのうち1報はwestern blotting dataなくVVが確認されているのみ)[ref 1, 2]。
疫学
平均発症年齢は64歳(41-83歳)、罹病期間は6ヶ月程度(3-18ヶ月)と言われています。
症状
初発時症候は四肢体幹失調を認めることが多く、引き続き認知機能障害、眼球運動障害、構音障害、感覚障害、精神症状などが出現します。不眠を認めることもある
CJDに特徴的なミオクローヌスも出現しますが病初期には目立たない印象があります。
検査
髄液:14-3-3蛋白と総Tau蛋白陽性率はほぼ100%です
MRI:拡散強調画像で視床前方から視床枕にかけての経時的に広がる高信号域が特徴的です。変異型CJDのpulvinar signとは逆で視床前方から始まることが多いようです。その後、大脳皮質、基底核、小脳などに異常信号が広がります。
病初期(左)には視床前方に高信号が見られますが、その後、視床全体に異常信号が拡大するとともに、基底核や大脳皮質にも高信号が出現しています
[ref2より引用]