片麻痺性片頭痛(Hemiplegic migraine)

参考:up to date

はじめに
片麻痺性片頭痛(Hemiplegic migraine:HM)は稀な病態ですが、片頭痛発作に伴って一過性の片麻痺を生じる病態で、migraine with auraの特別な表現型(motor aura)と考えられています。片麻痺以外に、昏迷、小脳失調、痙攣、半盲、失語などの神経学的徴候も伴うこともあります。多くの場合はこれらの神経症状は60分以内に消失しますが、数週間持続した例も報告されています。
発症年齢は12から17歳と若年社に多いですが、50歳代発症の報告もあります。
cortical depressionなどがその病態の原因と考えられていますが、片頭痛はしばしばRCVS、脳血管障害などを合併するため、脳MRI、MRAなどで機能的な病態なのか器質的な病態なのか評価する必要があります。

分類

    孤発性HM(SHM):家族歴のない場合ですが、de novo mutationの場合などの可能性もあります
    家族性HM(FHM):CACNA1A、ATP1A2、SCN1A遺伝子など

検査

    脳MRI:多くの場合正常ですが、稀に大脳皮質の浮腫性変化を認めることがあります。また、家族性の場合は小脳萎縮を認めることもあります [ref]
    脳SPECT:過還流、低還流などの所見を検査施行時のタイミングにより血流変化を認めることがあります

hm

Migraine with aphasiaの症例、左側頭葉から後頭葉にかけて脳溝が目立たずむくんでいるように見えます。脳SPECTでは、提示していませんが同部位の強い血流低下を認めました。

片頭痛発作とともに、軽度の右麻痺と失語が出現し数週間持続した方の脳MRI。左側頭葉皮質の浮腫性の変化と軽度の白質の高信号が一過性に出現しました。MRAでは血管の異常はなく、SPECTでも一過性の高度の低還流を認め、HMの病態と考えました。

治療
確立したものはないのですが、以下のような薬剤が使用された報告があります。一方で、片頭痛急性期治療に用いられるトリプタン製剤やエルゴタミンは血管収縮作用があるため使用しない方が良いという考えもありつつ、使用してもそれほど危険ではないというdataもあり、一定していません。

    Flunarizine (商品名:ミグシス) 10mg  1回/日
    Verapamil (商品名:ワソラン)  120mg 2-3回/日
    Sodium Valproate (商品名 :デパケン) 500ー2000mg 1回/日
    Lamotrigine (商品名 :ラミクタール) 100ー500mg 1回/日
    Acetazolamide (商品名 :ダイアモックス) 250ー1000mg 1回/日

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