その他のミトコンドリア異常症

1. mitochondrial neurogastrointestinal encephalopathy syndrome (MNGIE)

はじめに
常染色体劣性伝形式をとるまれな疾患です。通常10代から20歳代に気づかれます。最も目立つ症状は、著明な全身のやせと消化器症状(消化管運動不全や下痢)で、他に、眼瞼下垂、末梢神経障害による手足のしびれなどが見られます。白質脳症から疑われることもあります。
筋生検では赤色ぼろ線維、チトクロームc酸化酵素部分欠損など、何らかのミトコンドリア異常の所見が見られます。

発症
10-60歳、60%は20歳以下

病態
核DNAにコードされるthymidine phosphorylase遺伝子(ECGF1)の異常による疾患
白質脳症のないものはPOLG遺伝子の変異が原因のことが多いと思われます
筋型mtDNA欠乏症は小児期に発症し、緩徐進行性の筋力低下、外眼筋麻痺、乳酸アシドーシスなどを示す疾患で、核にコードされるthymidine kinase遺伝子(TK2)の変異による

症状
進行性の消化管運動不全(嘔気、胃食道逆流、食後悪心、周期性腹痛・腹部膨満感、下痢)
眼瞼下垂、外眼筋麻痺、難聴
脱髄型末梢神経障害(異常感覚)
対称性遠位優位の筋力低下(下肢優位)などの症状が発作性に出現

診断
問診:上記症状+常染色体劣性遺伝形式の家族歴
脳MRI:びまん性白質脳症(脳梁は保たれる/病変がないケースは少ない)
血液検査:血漿中 thymidine≧3μmol/L、deoxyuridine≧5μmol/L
酵素活性:白血球中Thymidinephosphorylase酵素活性がcontrol値の10%以下に低下
遺伝子検査:Thymidine phosphorylase遺伝子(TYMP)変異(ほぼ100%で)

治療
対症療法
嘔気:domperidone、経管栄養、胃ろう造設
腹痛:腹腔神経叢ブロックによるbupivacine投与
末梢神経障害:amitriptyline、gabapentine、phenytoin 等
二次的な合併症予防:誤嚥予防、憩室有無スクリーニング、ミトコンドリア機能を干渉しうる薬剤の中止

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