神経ベーチェット病 診断

概要
神経ベーチェット病は、好中球性炎症を来すベーチェット病あるいはベーチェット病が疑われる患者に中枢神経症状を来たした病態です。ベーチェット病の診断基準は>こちら
ベーチェット病とは口腔内アフタ、ブドウ膜炎、外陰部潰瘍の3徴を特徴とする再発性炎症性疾患ですが、約11%に中枢神経病変を合併するそうです。
神経症状の合併は男性に多く、脳幹病変がよく認められるのが特徴です。
もう一つ大事なことは、急性型神経ベーチェット病はシクロスポリン投与により誘発される、もしくはベーチェット病特有のシクロスポリンの副作用の可能性が示唆されていることです。

病型
脳実質内病変(脳幹が多い)による神経局所症状に加えて、発熱、髄液細胞増多が目立つ急性型神経ベーチェット病と、認知機能障害、小脳失調、高温障害などが変性疾患の様に徐々に進行して、MRIでは脳幹や小脳萎縮、第三脳室の拡大を認めるものの脳実質病変が目立たない慢性進行型神経ベーチェット病の2種類が知られています。

症状

  • 口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍や腸管病変
  • 外陰部潰瘍
  • 眼症状:前眼部病変・ぶどう膜炎・網膜血管炎による、霧視や視覚障害を特徴とします
  • 血管病変:血栓性静脈炎、肺動脈瘤など
  • 神経症状:髄膜炎症状、認知機能障害、小脳失調、脳幹症状、運動麻痺、脊髄症状等の中枢神経症状が病変部位により出現します。
  • 筋病変:非常に稀ですが、筋肉に筋炎に似た病態が見られます

検査
特異的検査所見はないため、ベーチェット病の有無の検索、他の疾患の有無の検索が必要です。

髄液:好中球有意(あるいは好中球をある程度含む)の髄液細胞増多を急性期は認めますが、経過とともにリンパ球主体となります。また、髄液IL-6活性が神経Behçet病の活動性と一致して上昇することが多いようです
もちろん、感染症、肉芽腫性疾患の鑑別のため、適宜ウィルスPCR、結核PCR、クリプトコッカスAg、ACE、sIL-2Rなどを提出して下さい
血液:HLA-B51、血中von Willebrand因子、IgD測定など。HLA-B51が陰性の場合は、好中球性炎症という意味で類縁疾患である、Sweet病のHLA(B54, Cw1)を検索するのも一つの方法かもしれません。
画像:脳幹、小脳、基底核、視床、内包などに病変が好発して、神経線維に沿って上行、下行したり、腫瘤様の病変を形成して、Mass effectを呈することがある(brain tumor like NBD)など様々で、やはり特異的所見はありません。しばしば浮腫を伴います。
解剖学的に、脳幹部は小静脈側副路の発達が大脳など他の部位よりも悪く、小静脈を侵すこの疾患では、脳幹部、小脳、基底核に静脈うっ滞及び静脈性梗塞による病変が多いことが比較的特徴的ではありますが。。。

nb

脳MRI: FLAIR画像、造影T1画像
両側中脳(右有意)にFLAIR高信号領域を認めます。また、右端の画像では一部に造影効果を認めます。

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