IgG4関連疾患 診断

はじめに
IgG4関連疾患IgG4-related disease)は、血清IgG4高値と罹患臓器への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする全身性、慢性炎症性疾患です。組織学的には、periaqueductal inflammationと管構造の周辺の炎症が目立つようです。
血清IgG4は稀に上昇を認めないことがあり、病理学的にCD138陽性の形質細胞の増加と、IgG陽性形質細胞の中に占める、IgG4陽性形質細胞の増加を証明するべきと考えられます。
神経系では、眼窩内炎症による涙腺/外眼筋肥厚、肥厚性硬膜炎、末梢神経障害などで関わることが多いと考えられます。
症状

    リンパ節腫脹:最も出現頻度が高く8割で見られます
    涙腺炎:涙腺の腫大など
    慢性硬化性唾液腺炎
    自己免疫性膵炎
    硬化性胆管炎
    肺病変
    甲状腺病変による低下症:22%
    尿細管間質性腎炎
    後腹膜線維症:13%
    炎症性動脈瘤
    前立腺炎

神経系

    肥厚性硬膜炎
    下垂体炎
    外眼筋肥厚
    炎症性偽腫瘍
    末梢神経障害

検査

    血液検査:多クローン性高γグロブリン血症、IgG4測定、鑑別としてsIL-2R、SS-A/B、Castleman病と鑑別のためIL-6測定
    シルマーテスト:涙腺分泌機能低下の有無(肥厚していても必ずしも障害されるわけではない)
    ガムテスト:唾液腺分泌機能低下の有無
    生検:リンパ節や唾液腺などまずはアプローチしやすい場所で
    全身CT:IgG4関連疾患で変化が出る候補となる臓器の肥厚/腫題の有無
    MRI:神経系の場合は、造影脳MRI、造影眼窩MRIなど

病態
1. IgG4について
IgG4は健常人ではIgGの5%以下で、IgG1-IgG3と比べると最も少ないのですが、IgG4のFc領域は、補体(C1q)やFcγ受容体への結合が弱いため、免疫活性化における役割は少ないと考えられていいます。そのため、IgG4関連疾患にて産生されるIgG4の病原性に関してはまだ解明されていません。
その他の特徴として、IgG4は形質細胞より分泌された後、他のIgGと異なり、F(ab)領域が他のF(ab)と交換され、1分子で異なった2つの抗原を認識(bispecific Ab)できるようになりますので、このような特徴が自己免疫的な反応に関連している可能性もあります。
2. 免疫反応について
IgG4産生は抗原刺激下で、Th2サイトカイン(IL-4, IL-13など)によって産生誘導されますが、実際に組織学的にもTh2優位な免疫反応が見られ、制御性細胞が多く誘導されているなどの特徴があります。つまり、Th2優位な免疫反応において、さらにregT(IL-10を産生する)が活性化された状況のときにIgG4が産生誘導されると考えられています。一方で、Th2サイトカインはIgEや好酸球浸潤も誘導、TregはTGF-βも産生し線維化を促進しますので、この「線維化」促進が肥厚性硬膜炎の形成に関わっているのかもしれません。

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