Rituximab(リツキサン) 治療

はじめに
ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル抗体ですので、B細胞がclonalityを持った増殖する、非ホジキンリンパ腫がまず保険適応になりました。B細胞/T細胞の割合を測定すると、B細胞の割合が、0~1%までにも低下します。
その後、真に病原性を持った抗体を原因とした自己免疫疾患への分子標的療法として、その効果が報告されるようになりました。

リツキサンと神経疾患
CD20を標的としますので、リツキサン治療の本命は、PCNSLです。一方で、以下のような神経疾患でも効果を得ることが出来ると思われます[ref]。

B細胞について
B細胞は古典的には二つのsubgroupに分かれます。
B1:寿命が長く、innate免疫システムの一部で、polyreactiveなIgM抗体を産生。自己分裂能があって、胸膜腔や腹膜腔で細菌に対する防御を担っています
B2:adaptive免疫システムで、骨髄で分化して、抗原特異的なimmature B細胞に分化します。その後、末梢のリンパ組織で抗原依存性phaseに入ります。それは、脳でも同様です。されに、成熟したメモリー形質細胞(long lived plasma cell)へと分化します。
[refより抜粋]

形質細胞について
Short-lived plasma cells:成熟B細胞がT細胞依存性抗原刺激を受けると、刺激から1週間以内に形質細胞に分化します。この形質細胞(Short-lived plasma cells)が産生した抗体が抗原刺激後14日以内の一次免疫応答の主体で、早期抗原除去に寄与すると考えられています。Short-livedですので、寿命は数日以内と短いのが特徴で、産生抗体はそのV領域に体細胞突然変異を起こしていないため、抗原への親和性は低いようです。
リツキサンは、CD20陽性であるpreB〜matureB cellは除去します。そのためshort-lived plasma cellsへの分化はなくなり、一次免疫応答は減弱します。
Long-lived plasma cells:高抗原親和性を獲得していて、かつクラススイッチによりIgGクラスの抗体を表面に発現した胚中心B細胞は次に記憶B細胞や形質細胞に分化します。この記憶B細胞の一部は末梢を循環したり、骨髄や脾臓の辺縁帯(marginal zone)に移動に長期にわたり生存します。
再度同一抗原の刺激をうけた記憶B細胞はすみやかに高親和性IgG抗体を産生する形質細胞に分化します。また、胚中心で分化した形質細胞の一部が骨髄において長期にわたって生存、抗体を産生し続ける能力を持ったlong-lived plasma cellsに分化します。このlong-lived plasma cellsはリツキサンでは除去されません。

CD20について
リツキサンが標的としているCD20の特徴は以下の通りです
CD20:分子量 3335kDa。B細胞の表面抗原で、特に骨髄でのpre-B-cellからB cell stageから発現して、形質細胞で失われます(上図)。作用は不明点が多いようですが、Cainfluxを介したB細胞の活性化に関連しているという報告もあります。CD20は、抗体産生性の形質細胞には発現していませんので、リツキサンの投与にって血清IgGなど全体的な抗体価の低下は起こりませんが、病原性の抗体(pathogenic antibody)産生は低下するという報告はあります

副作用
特に、感染症、B型肝炎の増悪、PMLに注意が必要です [リツキサン使用ガイド]

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