低Na血症

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はじめに
神経内科領域では、低Na血症状は摂取不足、薬物による副作用(抗痙攣薬やバクタ[ST合剤]など)、下垂体/視床下部疾患、SIADHなどで経験することが多いかと思います。特に、MRHEとSIADHは鑑別に苦慮した経験がある方も多いかと思います。単純な摂取不足出ない場合には、一般的な血液検査に加えて、以下の検索を必要に応じて上から優先的に検索を開始してください。

    蓄尿
    血漿浸透圧、尿浸透圧
    尿中Na、K、Cr量
    FENa(fractional exretion of sodium):糸球体で濾過されたNa量のうち、最終的な尿中に排泄される割合
    ADH
    ACTH、コルチゾール
    レニン、アルドステロン
    甲状腺機能

鑑別
まずは、尿浸透圧と血漿浸透圧を比べてみることから鑑別が始まります。その結果、低張性低Na血症と判明した場合には、尿浸透圧に注目して中毒と溶質不足を除外してください[参考]。ここから、本格的な原因検索がはじまります。原因により治療法は異なりますので可能な限り鑑別が必要です。
低張性低Na血症に関しては、体液量(細胞外液量)により、鑑別を行いますが、特異的な評価方法はなく区別が難しいことも多いようです。主には、体重、バイタルサイン(血圧・脈拍・尿量)、中心静脈圧(カテーテルによる測定/頸静脈による推定/下大静脈径)、脱水・溢水を示唆する身体所見、血液・尿検査所見などによる推定を行います。
hyponatremia

治療

1. 原疾患の治療
最も重要です。速やかに鑑別、治療を行ってください。

2. Na補正
まずNaを加えることによりどの程度Na濃度が補正されるのか計算する必要が有ります。例えば、体重 40 kg女性、血漿Na濃度 110 mEq/Lの方に3%食塩水(Na濃度 513 mEq/L) 100 mLを投与した場合、血漿Na濃度はいくつになると類推されるでしょうか?

Edelman式は以下の通りです。
血漿Na濃度(PNa)=(体内総Na量+体内総K量)÷(体内全水分量:TBW)

ここでTBWは女性の場合、体重に50%をかけますので、TBW=20Lになります。すると、補正前の体内総Na量+体内総K量は、血漿Na濃度(110 mEq/L)xTBW(20L)=110×20になります。
さらに、3%食塩水(Na濃度 513 mEq/L) 100 mLを投与すると、
補正後の血漿Na濃度=110×20(補正前のNa+K)+補正に使ったNa量(513mEq/Lx0.1L)÷補正後のTBW(20+0.1 L)=112 mEq/L
従いまして、尿排泄がないと仮定すれば110から112 mEq/Lと2mEq/L上昇する計算になります。

別な方法として、1Lの輸液でどれくらい血清Na濃度が変化するかを予測する式(AdrogueーMadiasの式)を使う方法もあります。
ΔNa={投与Na濃度 [+投与K濃度] – 血清Na濃度}÷{体液量+1}
上記の例で、3%食塩水1Lを投与すると仮定すれば,Na濃度上昇分(ΔNa)は
513(投与Na濃度)ー110(血清Na濃度)÷ 20+1(体液量+1)= 19.2 mEq/L
実際には1Lではなく、100ml投与したので、19.2÷10=約2 mEq/L

一般に無尿の場合(これがこれらの式の大前提です)、3%食塩水を1 mL/kg静注すると血清Naは約1 mEq/L上昇するという原則を覚えておくと便利のようです。また、これらの式を使用した計算をしてくれるサイトやアプリもあります。
浸透圧性脱髄症候群予防のため最初の24時間で血清Na濃度の上昇は4~6 mEq/Lに抑える必要がります!!

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