線維軟骨塞栓症(FCE, Fibrocartilaginous Embolism)診断

はじめに
椎間板の特にnucleus pulposus(髄核)を構成する成分(線維軟骨)が塞栓源となり、多くは脊髄梗塞、稀に椎骨嚢底動脈系の脳梗塞をきたす疾患です。人間より、犬など小動物の報告が多いのも特徴です。髄核が発達しているのでしょうか?同様に、髄核が発達している若者も比較的危険性は高いと想定されています。
線維軟骨が塞栓を引き起こすメカニズムは幾つかの仮説が提唱されています[ref]。

    1. latterally ruptured disk(椎間板が横方向に突出)がradicular arteryに到達する:この説は組織学的にはあまり支持する所見が得られていないようです
    2. 本来無血管のはずのdiskが変性とともに血管新生が生じることでリスクが上昇する
    3. 髄核の椎体への突出(Schmorl結節)が椎体内の類洞へ→髄腔への静脈叢→脊髄循環へとretrogradeに進む
    4. 髄核が類洞から直接vertebral arteryに到達しretrogradeに進む:下図論文はこの説を支持している。できればretrogradeに進むためには、Valsalva maneuverが必要か?



Refより抜粋

危険因子

労作時に腰痛を自覚して、急激に対麻痺を発症するなどが特徴的な病歴になります。

    背部痛
    Osteoporosis
    椎間板変性
    椎体骨折
    腰椎症の手術
    交通事故
    ステロイド長期投与
    落下事故
    重いものを持ち上げようとして力む
    過剰な運動
    Valsalva maneuverをきたすほどの強い咳
     など

診断
病理学的な診断は困難ですので、画像診断や臨床的な状況証拠(上記危険因子など)が重要です。画像的には、DWIが亢進するような脊髄梗塞病変に影響を与えることが可能な血管支配領域に、椎間板の変性やSchmorl’s nodes、時にAVFなどがあることが診断の根拠になります。
画像や病理の特徴は手始めに、AJNR 2005 26: 496-501を参照ください:頸髄病変の記載が乏しいですが

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