分枝粥腫型梗塞 (Branch atheromatous disease: BAD) 診断

はじめに
分枝粥腫型梗塞は、Branch atheromatous disease (branch occlusive disease)という英語病名を割り当てて、略してBAD、BODなどと呼ばれています。参考サイト>こちら
1本の穿通枝の梗塞であるラクナ梗塞と区別が難しい面もありますが、lipohyalinosisなど高血圧症性の小血管病変による梗塞(ラクナ梗塞)とは異なって、比較的大径の穿通枝が母動脈から分岐する近傍でアテローム性病変により狭窄あるいは閉塞して、比較的広い範囲の穿通枝梗塞(ラクナ梗塞のサイズを超える >2.0cm on MRI)をきたすもので、主にはレンズ核線条体動脈(lenticulostriate artery; LSA)や傍正中橋動脈(Pontine paramedian artery; PPA)領域で見られます。


この概念の基盤となったは、1971年の2例の剖検例です。PPA領域の梗塞ですが、上図左(A)のように橋底面に達する梗塞では、脳底動脈壁から分岐する部位でアテローム性に閉塞してることが報告されました。

診断
現段階では、穿通枝の分岐部の粥腫を検出する画像がないため本当に病理学的に検討されたBADなのかどうか確認する手段がありません。したがって、明確な診断基準がなく、現段階では以下のような基準を満たすものに、BADが多く含まれるのではないかと考えられています。しかし、この基準はTOAST分類では原因不明(その他の不確定な原因: Undetermined)、あるいは最近の概念ではESUSに含まれてしまう病型です。特にESUSは塞栓性の病態を念頭に置いているにもかかわらず、BADが含まれてしまうのは大問題です。

    病変長径 >2.0cm
    MRA:50%以上の狭窄病変なし
    心原性の高リスク疾患なし
    凝固異常などなし

しかし、将来的にはMRI技術の発達により、下図(high resolution MRI)のようにDWIで病変が2cm以上の穿通枝梗塞例において、脳底動脈でも中大脳動脈でも、eccentricな分枝部の粥腫が積極的に証明できるようになると思われます。もう少しの辛抱です。

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