Overshunting associated myelopathy(OSAM)診断

はじめに
Overshunting associated myelopathy(OSAM)とは、VPシャント挿入に伴って低髄圧になった場合に、Craniocervical junction(CCJ)を中心に脊髄硬膜外静脈が拡張して、圧排性にmyelopathy(頸髄症)を起こす疾患です。低髄圧であることと、シャント抜去によって神経症状の改善がみられることが多いことから、シャントによるoverdrainageが原因と推察されています。


Anterior epidural venous plexus、posterior epidural venous plexusが、本疾患で拡張する静脈です。

症状

    四肢麻痺、錐体路症状
    感覚障害、感覚性失調
    低髄圧であるにも関わらず、頭痛が出現しないという特徴があるようです

検査

    髄液:圧の低下
    頸髄MRI:両側前方、及び後方から圧迫されるため特徴的な画像を呈します(下図)
    脳MRI:髄液圧低下を反映した、硬膜の肥厚、下垂体の腫大、小脳扁桃の下垂。overdrainageによる側脳室の狭小化を見ることもありますが、その所見がないこともあります。
    造影CT/造影MRI:脊髄硬膜外静脈怒張がCCJ-C3付近にみられます


頸髄造影MRI:本例では上位頸髄前方に造影される構造物を認め、これにより頸髄が圧迫されています。この造影されている構造物が、脊髄硬膜外静脈です。refより抜粋

病態
Monoro Kellie doctorine(頭蓋内の容積は一定であり、脳そのものと髄液、血液の和は一定に保たれる)の法則を持ち出すことによって、以下のような仮説が考えられています。しかし、VPシャントの場合は、なぜ頸髄硬膜外静脈が拡張するのかはっきりとはわかっていません。
1. VPシャントにより側脳室から直接髄液が喪失
2. Monoro Kellie doctorineにより静脈還流量を増やして代償機構が働く
3. 脊髄硬膜外静脈の拡張
また、増加した静脈血は内頸静脈、椎骨静脈、硬膜外静脈を介して頭蓋外に流出します。OSAMにおいて、内頸静脈のflowが悪い症例がありステントを留置した症例報告もありますが、効果が乏しかったことから内頸静脈のflowの障害は本疾患の病態に強くは関与していないと考えます。

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