その他

PET概要

はじめに
SPECTとともに、PET(Positron Emission Tomography)画像は様々なトレーサーが開発されていて、分子の生体における機能を見ることが出来ます。また、定量性にも優れています。日本語では、陽電子放射断層撮影という難しい名称が割り当てられています。代表的なトレーサーを以下に示します。

18F-FDG PET
FDGはブドウ糖と同様にグルコーストランスポーター(GLUT)により細胞内に取り込まれますが、解糖系には入らず細胞内に蓄積されます。
このトレーサーにより、細胞の糖代謝を測定することが出来ます。腫瘍であれば細胞の活性、脳であれば脳血流を間接的に判断することとなります。

11C-CFT (DAT)、11C-raclopride (D2R) PET
11C-CFT (DAT)はドパミン神経細胞の節前機能のマーカー
11C-raclopride (D2R)は節後機能のマーカー
ですので、パーキンソン病では主に11C-CFT (DAT)が低下しますし、MSAでは両方が低下します

Flumazenil PET
GABA(ベンゾジアゼピン)受容体を可視化、定量化するトレーサーです。一般的には、GABA受容体の発現の低下がてんかん原性をもたらすという考えの元に、てんかんの焦点診断に使用されることもあります

[11C]PIB PET
アミロイドPETと呼ばれているもので、アミロイドの沈着部位を間接的に可視化します。アルツハイマー病やアミロイドアンギオパチーなどアミロイドが病態の可能性が考えられている疾患で使用されています。

疾患分類

脳血管障害 認知症 変性疾患
脱髄・炎症 感染性疾患 筋疾患
末梢神経障害 脊椎、脊髄 腫瘍、肉芽腫
不随意運動 代謝性疾患 先天性疾患
内科疾患に伴う 機能性疾患 外傷、外科
合併症 治療法 副作用
症候、解剖 検査、画像 全身管理など


線維束性収縮 (fasciculation) 診断

はじめに
線維束性収縮(fasciculation)は筋腹に肉眼的にみられる筋の小さな攣縮ですが、不随意運動に分類されることは適切ではないかと思われます。基本的には、筋線維群もしくは一つの運動単位の無規則な自発収縮です。筋腹の一部がピクッと動く素早い収縮として、正常な状態でも出現しますので自覚されたことのある方も多いかと思います。
線維束性収縮(fasciculation)の観察に重要なことは、contraction fasciculationとの区別のため随意収縮の残らない真の安静をとった上で観察することです。また皮膚表面を軽くたたいて誘発することもよく行われます。

病態
主には脊髄前核細胞(下位運動ニューロンの細胞体)の障害によって起こり得ると考えられてきましたが、最近の検討では軸索や接合部(シナプス前終末)の異常あるいは上位運動ニューロンの興奮性の増大などの病態の報告も増えています。

原因
健常人(benign fasciculation)でも見られますが、以下のような病態が有名です。特に、ALSでは特に下位運動ニューロン障害が目立つ例ではかなりの頻度で出現します。その他の疾患では、頻度は稀です。

検査

    針筋電図:肉眼的に確認されない筋でも検出可能です
    筋超音波検査

Contraction fasciculation
巨大化した運動単位の正常随意活動で、随意収縮時に体表から粗大なランダムな筋束の収縮として見られます。基本的には、慢性の神経原性病変によって下位運動ニューロン数が高度に減少して、残存する個々の運動単位に属する神経線維の本数が神経再支配によって著明に増大することによって生じます。マニアックな方は、安静時に出現するfasciculationと区別します。

ビタミンB6異常症 診断

はじめに
VitB6は水溶性で、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(この3種類はSRLで測定可能)と、これらのリン酸エステル型であるピリドキシン-5’-リン酸 (PNP) 、ピリドキサール-5’-リン酸(PLP)、ピリドキサミン-5’-リン酸 (PMP) の総称で、主に補酵素としてアミノ基転移反応や脱炭酸反応など多くの代謝調整系反応に関わっています。
欠乏症による神経症状とともに、過剰症(intoxication)による神経症状も出現するのも特徴です。
吸収部位は、小腸(passive diffusion)で、その後肝臓でリン酸化されます。

症状
欠乏症
 末梢神経障害
 てんかん(先天性の酵素機能異常もあり)
 ホモシステインの上昇
過剰症:過剰摂取が原因として主なものです
 sensory neuronopathy(後根神経節障害)
 自律神経障害
 光線過敏症

その他
VitB6は神経細胞への毒性が知られています。そのため過剰症では神経細胞障害が出現します。特に末梢神経などのBNBの脆弱な部位に障害が起こりやすいと推測されています。

 

血管炎性末梢神経障害 治療

血管炎症候群ガイドライン 2017年改訂版

基本的には、現疾患に特異的な治療が必要になります。そのため、原因疾患により治療法が異なります。原疾患の治療ガイドラインも参考にしましょう。
たとえば、
1. non systemic vasculitic neuropathy治療

2. EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)Churg-Strauss症候群
免疫グロブリン投与が保険適応となり治療の選択肢として考慮できます。さらに、多彩な全身症状と好酸球増多を示しCSSと鑑別が問題となる好酸球増多症候群(HES)や慢性好酸球性白血病(CEL)は、分子標的薬であるイマチニブ投与が効果的であるため、FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子異常の有無を検査し診断を再考してみましょう。
1. 寛解導入
ステロイドパルス療法、その後プレドニン1mg/kg/日、経過をみながら漸減。5mg/日以下を目標にします。
免疫グロブリン大量静注療法:後遺症が強い場合
2. 寛解維持
アザチオプリンシクロフォスファミドなどの免疫抑制剤:ステロイド漸減時に好酸球が上昇する場合
ヌーカラ皮下注用100mg(IL-5抗体):難治例やステロイドの5mg/日以下への減量が難しい例

3. ANCA関連血管炎>ANCA関連血管炎ガイドライン 2017
治療開始からシクロホスファミドなどの免疫抑制薬をステロイドに併用した方がよい場合があります。
1. 寛解導入
ステロイドパルス療法、その後プレドニン1mg/kg/日、経過をみながら漸減。5mg/日以下を目標にします。
エンドキサンパルス療法:寛解導入療法としてステロイドパルス療法単独よりも、エンドキサンパルスも併用することが多いです。
リツキサン:ステロイドパルス+エンドキサンパルスという寛解導入のスタンダード治療に追加されることもあります
血漿交換療法:特に腎機能障害が強い例
2. 寛解維持
免疫抑制剤:MMFMTXAZA
など

対症療法:血管炎による血栓形成に対して抗凝固薬あるいは抗血小板薬や血流改善薬、軸索再生を促す目的でビタミンB12などの投与を考慮してもよいと思われます。

治療方針の立て方

  • 1. 全身性血管炎では、ニューロパチー以外の腎障害,肺胞出血,消化管穿孔など致死的な重要臓器障害に十分注意し、必要に応じて当該科の専門医と治療方針について検討する
    2. できる限り早期に治療を開始する
    3. 虚血による障害は軸索損傷にいたる場合が多く、損傷した軸索の再生は緩徐であるため、迅速に治療を開始し炎症を抑え、損傷を最小限に食い止める治療(寛解導入療法)が必要
    4. 慢性期には,長期にわたり寛解を維持するための治療(維持療法)も必要

一般的に寛解導入・維持療法の第一選択薬はステロイドですが、実際には,原疾患ごとにステロイドの効果が異なるので、治療薬の選択には十分な検討が必要です。また、HBVやHCVに関連したPANでは、ステロイドや免疫抑制薬により肝障害の悪化が懸念され治療薬の選択方針が異なるので、ウィルス活動性の確認は治療開始前に必須です。

患者指導のポイント
本疾患は、寛解導入療法から維持療法、対症療法、リハビリなど長期にわたる可能性があるため、はじめに診療の長期的展望について十分なインフォームドコンセントを得ておくべきです。さらに、ステロイドの副作用に加えて、種々の免疫抑制薬投与により、結核、ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス感染症などの日和見感染症を起こしやすいことを十分説明し、予防対策などを厳重にする必要があることも指導します。

リハビリテーションのポイント
筋萎縮と手足の変形を予防するために、できるだけ早く症状にあわせた理学療法、作業療法を開始すべきです。原疾患が寛解維持できても末梢神経の修復再生には時間がかかるため、障害肢の機能回復を待つ間から肢位不良や関節拘縮予防のために短下肢装具、手首副子などの各種装具の使用が役に立ちます。また,手足の末梢循環不全や感覚障害を念頭において、リハビリにあたり手足の外傷には十分注意しましょう。

敗血症 update

Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock: 2016. Intensive Care Med. 2017 Jan 18.
成人患者における敗血症および敗血症性ショックの管理に関するガイドライン

Hydroxyethyl starch 130/0.42 versus Ringer’s acetate in severe sepsis. N Engl J Med. 2012 Jul 12;367(2):124-34.
重症敗血症に対する緊急輸液療法において合成膠質液は例え低分子量のものであっても、酢酸リンゲル液よりも90日後の予後の悪化や透析依存の可能性を上げてしまう

肺炎、誤嚥性肺炎 update

Risk of pneumonia associated with use of angiotensin converting enzyme inhibitors and angiotensin receptor blockers: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2012 Jul 11;345:e4260.
ACE阻害薬の使用に伴う肺炎のリスクはACE阻害薬の非使用と比べて34%、ARBの使用に比べて30%低く、同様な結果は脳卒中患者および心不全患者のサブグループ解析でも認められた

医師のための国際学会出張オンライン予約術 底値を目指して(海外旅行にも応用可能)

国際学会
国際学会をなるべく安く予約する方法を以下に示します。出張費用に余裕がある時には、業者に任せるなどなるべく手間のかからない方法が良いかと思います。以下の記事を読む必要はありません。
国際学会は参加費も高いですし、費用に余裕がない時に、以下を参考に安くてお得な旅費になるように頑張ってみてください。学会の参加費支払いと同様に、お得なチケットはなるべく早く検索/予約することが重要です(直前だと割高プランしか購入できません)。発表スケジュールが決定したらすぐに検索を開始してください。

1. おおよその値段を把握する

海外のホテルや航空券の手配に関して、Hotels.comEXPEDIAなど外資系のサービスが日本語化されたサイトがありますが、それらの最低価格保証制度を導入している外資系サイト間による値段の違いはほとんどありませんので、複数の外資系サイトを比較する必要はありません(時間の無駄です)。
まず、使用方法が比較的簡便な、EXPEDIAで出張先のホテル、及び、ホテルを検索する時に出る「航空券を追加」ボタンなどを駆使して、おおよそのホテルと航空券の値段を把握しましょう。また、JTBなどの我が国のツアー会社の、ホテル/航空券を含めた価格も念のため検索しましょう。JTBHISなどのツアーはキャンセルが出来ない難点もありますが、EXPEDIAなどよりも安いツアーが存在する可能性があります(その場合、そこで予約して手続き終了です)。残念ながら、JTBでは高い!、となった場合には、2. 以下に進みます。

2. Refundableなホテルは迷わず押さえてしまう
キャンセル時に完全な(100%)返金可能である条件を確認します(cancellation policyを確認:最終予約画面の下段に多くの場合表示されています)。EXPEDIAでは、かなり安いセール価格の部屋でない限り、チェックインの2-3日前まではキャンセル可能です。しかもオンラインでキャンセルボタンを押すだけですので、罪悪感も少なくて済みます。
少し気になるホテルがあり、キャンセル可能な設定であれば、迷わず予約してしまいましょう。予約して精神的なゆとりができたところで、さらにお得なホテルを「時間があれば」探すことになります。


上図:Expediaの予約画面。上記のプランは値段が安い代わりに「返金不可」、下記のプランは100%返金可能(キャンセル手数料無料)の表示があります。まずは返金可能なプランを押さえてしまいましょう。

3. 航空券は?
航空券の価格もEXPEDIAで検索します。しかしながら、これらのサイトで検索してもLCC(格安航空会社)のチケットは検索から外れている可能性が少しだけ残ります。EXPEDIAの検索結果以外に、目的地までのLCCが存在しないかどうかは、googleなどで丁寧に検索しEXPEDIAの検索結果と比較する必要があります。
その他の価格検索として、JTBHISなどでも検索してみても良いでしょう。得てして日本のサイトは最初に表示された価格よりも、最終的に税金やサーチャージを含めた価格が高くなり、最初からそれらの価格が含まれていることの多い外資系のサイトが私は好きです。EXPEDIAなどで検索している限り、その他の外資系サイトやJTBなどと比較して値段の違いはほとんどありません。
航空券に関しては、ホテルと異なりRefundableな航空券は割高であるという問題点があります。すでに行き帰りの日程が確定している場合は、non-refundableな安いチケットを押さえるために4. に進んでください。
日程の変更可能性がある場合:ANAJAL、Unitedなどの正規サイトから予約しましょう(コードシェア便の場合は双方の正規サイトで比較)。すでに、この段階ではEXPEDIAなどによる検索結果により、目的とする便名ははっきりしているかと思います。ハイシーズンでしかも予約が遅れぎみの場合には、すでに格安価格のチケットは売り切れているため、正規サイトの価格とEXPEDIAの価格に違いはないこともあります。さらに、正規サイトから予約した場合には、安いチケットであっても15,000円などのペナルティーを支払うことによりキャンセルが可能になったり、日程の変更が可能になる(changeable)など、柔軟な対応ができる可能性もあります。また、マイレージを使用したビジネスクラスへのアップグレード(upgradable)が可能なチケットの購入も可能です。

4. 本当に最安値なのか?
ステップ2までで、refundableなホテルを予約して、精神的なゆとりが生まれていることかと思います。その段階で、一休みして、あとは時間のある時により条件の良いホテルや航空券がないかを検索します。

ホテル:Expediaなど外資系サイトは会員登録をするとクーポンが定期的に送られてきますし、登録していなくてもgoogleで「expedia クーポン」と検索することによりコードを入手できます。丸腰で予約せず、予約時にクーポンコードを入力して少しでも宿泊価格を下げましょう。この際、キャンセルの心配がなければキャンセル不可能の部屋を予約し、step2で予約したキャンセル可能の部屋を実際にキャンセルする方法もあります。
クーポン以外にも、株主優待、ホテル系会社の会員、マイレージ会員など総合的に判断して、EXPEDIA経由以外にも正規サイト経由、マイレージ会員経由など最もお得な方法を考える必要があります。ステップ2で予約した方法を超える最安値での予約法は100%存在するはずです。
また、上級者編ですが、HotwirePricelineを使用する方法もあります(参考サイト)。私は、これらのサイトを今まで30回以上使用しています。EXPEDIAで予約したホテルのキャンセル可能な日程であれば、オークション・non-refundableというサイトの趣旨を十分理解した上で使用することをお勧めします。
上記方法で、より安いホテルの予約ができた場合にはstep2で予約したホテルはキャンセルしてください。

航空券:最後のダメ押しとして、Kayak(管理人が10年前から愛用している比較サイト)やgoogleで目的地までの航空券でお得なものがないかを検索します。ホテルと同様に、EXPEDIAクーポンやポイントプログラムに加入している予約サイトがあれば、それらを使用して予約する必要がありますし、ホテルも航空券も同じサイトで同時に予約すると安くなる可能性もあります(EXPEDIAのAir+割など)。同様に、超上級者編ですが、HotwirePricelineを使用する方法もあります。

5. その他

    海外旅行保険:クレジットカード付帯の保証で心配な方は、加入を。数千円ですので、あまりサイト比較の必要はありませんが、空港で加入するよりもオンラインでの加入が安いと思われます。
    VISA関係:米国の場合、米国渡航におけるESTAのオンライン申請など
    現地通貨の調達:ドルやユーロはお持ちかと思います。私は、しばしばマニアックな現地通貨の購入を空港よりもお得な、外貨宅配サービスでgetしています(幾つかのサイトがありますので、検索してみてください)。
    学会参加費の事前支払い:旅費を浮かせても、early-bird registrationを逃したら何の意味もありません。。。
    レンタカー:国際免許証の期限の確認を忘れずに。私は贔屓にしているレンタカー会社はないので、HotwirePricelineEXPEDIAで予約しています。
    EXPEDIAの旅程を確認:本当に旅程からキャンセルしたホテルが削除されているかどうかを念のため確認しましょう。
    ご家族同伴の場合:家族分の航空券をマイレージで取得可能か確認する。ホテルの部屋の宿泊人数を確認する。など、modifyが必要になります。パスポートの有効期限は、予約した旅程+2ヶ月分ぐらいあるかの確認も忘れずに。