その他

血管炎性末梢神経障害 治療

基本的には、現疾患に特異的な治療が必要になります。そのため、原因疾患により治療法が異なります。原疾患の治療ガイドラインも参考にしましょう。
たとえば、
1. non systemic vasculitic neuropathy治療
2. Churg-Strauss症候群
免疫グロブリン投与が保険適応となり治療の選択肢として考慮できます。さらに、多彩な全身症状と好酸球増多を示しCSSと鑑別が問題となる好酸球増多症候群(HES)や慢性好酸球性白血病(CEL)は、分子標的薬であるイマチニブ投与が効果的であるため、FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子異常の有無を検査し診断を再考してみましょう。

3. ANCA関連血管炎
治療開始からシクロホスファミドなどの免疫抑制薬をステロイドに併用した方がよい場合があります

対症療法:血管炎による血栓形成に対して抗凝固薬あるいは抗血小板薬や血流改善薬、軸索再生を促す目的でビタミンB12などの投与を考慮してもよいと思われます。

治療方針の立て方

    1. 全身性血管炎では、ニューロパチー以外の腎障害,肺胞出血,消化管穿孔など致死的な重要臓器障害に十分注意し、必要に応じて当該科の専門医と治療方針について検討する
    2. できる限り早期に治療を開始する
    3. 虚血による障害は軸索損傷にいたる場合が多く、損傷した軸索の再生は緩徐であるため、迅速に治療を開始し炎症を抑え、損傷を最小限に食い止める治療(寛解導入療法)が必要
    4. 慢性期には,長期にわたり寛解を維持するための治療(維持療法)も必要

一般的に寛解導入・維持療法の第一選択薬はステロイドですが、実際には,原疾患ごとにステロイドの効果が異なるので、治療薬の選択には十分な検討が必要です。また、HBVやHCVに関連したPANでは、ステロイドや免疫抑制薬により肝障害の悪化が懸念され治療薬の選択方針が異なるので、ウィルス活動性の確認は治療開始前に必須です。

患者指導のポイント
本疾患は、寛解導入療法から維持療法、対症療法、リハビリなど長期にわたる可能性があるため、はじめに診療の長期的展望について十分なインフォームドコンセントを得ておくべきです。さらに、ステロイドの副作用に加えて、種々の免疫抑制薬投与により、結核、ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス感染症などの日和見感染症を起こしやすいことを十分説明し、予防対策などを厳重にする必要があることも指導します。

リハビリテーションのポイント
筋萎縮と手足の変形を予防するために、できるだけ早く症状にあわせた理学療法、作業療法を開始すべきです。原疾患が寛解維持できても末梢神経の修復再生には時間がかかるため、障害肢の機能回復を待つ間から肢位不良や関節拘縮予防のために短下肢装具、手首副子などの各種装具の使用が役に立ちます。また,手足の末梢循環不全や感覚障害を念頭において、リハビリにあたり手足の外傷には十分注意しましょう。

敗血症 update

Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock: 2016. Intensive Care Med. 2017 Jan 18.
成人患者における敗血症および敗血症性ショックの管理に関するガイドライン

Hydroxyethyl starch 130/0.42 versus Ringer’s acetate in severe sepsis. N Engl J Med. 2012 Jul 12;367(2):124-34.
重症敗血症に対する緊急輸液療法において合成膠質液は例え低分子量のものであっても、酢酸リンゲル液よりも90日後の予後の悪化や透析依存の可能性を上げてしまう

肺炎、誤嚥性肺炎 update

Risk of pneumonia associated with use of angiotensin converting enzyme inhibitors and angiotensin receptor blockers: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2012 Jul 11;345:e4260.
ACE阻害薬の使用に伴う肺炎のリスクはACE阻害薬の非使用と比べて34%、ARBの使用に比べて30%低く、同様な結果は脳卒中患者および心不全患者のサブグループ解析でも認められた

医師のための国際学会出張オンライン予約術 底値を目指して(海外旅行にも応用可能)

国際学会
国際学会をなるべく安く予約する方法を以下に示します。出張費用に余裕がある時には、業者に任せるなどなるべく手間のかからない方法が良いかと思います。以下の記事を読む必要はありません。
国際学会は参加費も高いですし、費用に余裕がない時に、以下を参考に安くてお得な旅費になるように頑張ってみてください。学会の参加費支払いと同様に、お得なチケットはなるべく早く検索/予約することが重要です(直前だと割高プランしか購入できません)。発表スケジュールが決定したらすぐに検索を開始してください。

1. おおよその値段を把握する

海外のホテルや航空券の手配に関して、Hotels.comEXPEDIAなど外資系のサービスが日本語化されたサイトがありますが、それらの最低価格保証制度を導入している外資系サイト間による値段の違いはほとんどありませんので、複数の外資系サイトを比較する必要はありません(時間の無駄です)。
まず、使用方法が比較的簡便な、EXPEDIAで出張先のホテル、及び、ホテルを検索する時に出る「航空券を追加」ボタンなどを駆使して、おおよそのホテルと航空券の値段を把握しましょう。また、JTBなどの我が国のツアー会社の、ホテル/航空券を含めた価格も念のため検索しましょう。JTBHISなどのツアーはキャンセルが出来ない難点もありますが、EXPEDIAなどよりも安いツアーが存在する可能性があります(その場合、そこで予約して手続き終了です)。残念ながら、JTBでは高い!、となった場合には、2. 以下に進みます。

2. Refundableなホテルは迷わず押さえてしまう
キャンセル時に完全な(100%)返金可能である条件を確認します(cancellation policyを確認:最終予約画面の下段に多くの場合表示されています)。EXPEDIAでは、かなり安いセール価格の部屋でない限り、チェックインの2-3日前まではキャンセル可能です。しかもオンラインでキャンセルボタンを押すだけですので、罪悪感も少なくて済みます。
少し気になるホテルがあり、キャンセル可能な設定であれば、迷わず予約してしまいましょう。予約して精神的なゆとりができたところで、さらにお得なホテルを「時間があれば」探すことになります。


上図:Expediaの予約画面。上記のプランは値段が安い代わりに「返金不可」、下記のプランは100%返金可能(キャンセル手数料無料)の表示があります。まずは返金可能なプランを押さえてしまいましょう。

3. 航空券は?
航空券の価格もEXPEDIAで検索します。しかしながら、これらのサイトで検索してもLCC(格安航空会社)のチケットは検索から外れている可能性が少しだけ残ります。EXPEDIAの検索結果以外に、目的地までのLCCが存在しないかどうかは、googleなどで丁寧に検索しEXPEDIAの検索結果と比較する必要があります。
その他の価格検索として、JTBHISなどでも検索してみても良いでしょう。得てして日本のサイトは最初に表示された価格よりも、最終的に税金やサーチャージを含めた価格が高くなり、最初からそれらの価格が含まれていることの多い外資系のサイトが私は好きです。EXPEDIAなどで検索している限り、その他の外資系サイトやJTBなどと比較して値段の違いはほとんどありません。
航空券に関しては、ホテルと異なりRefundableな航空券は割高であるという問題点があります。すでに行き帰りの日程が確定している場合は、non-refundableな安いチケットを押さえるために4. に進んでください。
日程の変更可能性がある場合:ANAJAL、Unitedなどの正規サイトから予約しましょう(コードシェア便の場合は双方の正規サイトで比較)。すでに、この段階ではEXPEDIAなどによる検索結果により、目的とする便名ははっきりしているかと思います。ハイシーズンでしかも予約が遅れぎみの場合には、すでに格安価格のチケットは売り切れているため、正規サイトの価格とEXPEDIAの価格に違いはないこともあります。さらに、正規サイトから予約した場合には、安いチケットであっても15,000円などのペナルティーを支払うことによりキャンセルが可能になったり、日程の変更が可能になる(changeable)など、柔軟な対応ができる可能性もあります。また、マイレージを使用したビジネスクラスへのアップグレード(upgradable)が可能なチケットの購入も可能です。

4. 本当に最安値なのか?
ステップ2までで、refundableなホテルを予約して、精神的なゆとりが生まれていることかと思います。その段階で、一休みして、あとは時間のある時により条件の良いホテルや航空券がないかを検索します。

ホテル:Expediaなど外資系サイトは会員登録をするとクーポンが定期的に送られてきますし、登録していなくてもgoogleで「expedia クーポン」と検索することによりコードを入手できます。丸腰で予約せず、予約時にクーポンコードを入力して少しでも宿泊価格を下げましょう。この際、キャンセルの心配がなければキャンセル不可能の部屋を予約し、step2で予約したキャンセル可能の部屋を実際にキャンセルする方法もあります。
クーポン以外にも、株主優待、ホテル系会社の会員、マイレージ会員など総合的に判断して、EXPEDIA経由以外にも正規サイト経由、マイレージ会員経由など最もお得な方法を考える必要があります。ステップ2で予約した方法を超える最安値での予約法は100%存在するはずです。
また、上級者編ですが、HotwirePricelineを使用する方法もあります(参考サイト)。私は、これらのサイトを今まで30回以上使用しています。EXPEDIAで予約したホテルのキャンセル可能な日程であれば、オークション・non-refundableというサイトの趣旨を十分理解した上で使用することをお勧めします。
上記方法で、より安いホテルの予約ができた場合にはstep2で予約したホテルはキャンセルしてください。

航空券:最後のダメ押しとして、Kayak(管理人が10年前から愛用している比較サイト)やgoogleで目的地までの航空券でお得なものがないかを検索します。ホテルと同様に、EXPEDIAクーポンやポイントプログラムに加入している予約サイトがあれば、それらを使用して予約する必要がありますし、ホテルも航空券も同じサイトで同時に予約すると安くなる可能性もあります(EXPEDIAのAir+割など)。同様に、超上級者編ですが、HotwirePricelineを使用する方法もあります。

5. その他

    海外旅行保険:クレジットカード付帯の保証で心配な方は、加入を。数千円ですので、あまりサイト比較の必要はありませんが、空港で加入するよりもオンラインでの加入が安いと思われます。
    VISA関係:米国の場合、米国渡航におけるESTAのオンライン申請など
    現地通貨の調達:ドルやユーロはお持ちかと思います。私は、しばしばマニアックな現地通貨の購入を空港よりもお得な、外貨宅配サービスでgetしています(幾つかのサイトがありますので、検索してみてください)。
    学会参加費の事前支払い:旅費を浮かせても、early-bird registrationを逃したら何の意味もありません。。。
    レンタカー:国際免許証の期限の確認を忘れずに。私は贔屓にしているレンタカー会社はないので、HotwirePricelineEXPEDIAで予約しています。
    EXPEDIAの旅程を確認:本当に旅程からキャンセルしたホテルが削除されているかどうかを念のため確認しましょう。
    ご家族同伴の場合:家族分の航空券をマイレージで取得可能か確認する。ホテルの部屋の宿泊人数を確認する。など、modifyが必要になります。パスポートの有効期限は、予約した旅程+2ヶ月分ぐらいあるかの確認も忘れずに。

振子様眼振(ocular flutter)

はじめに
振子様眼振は、基本的には急速相と緩徐相の差がなく、一定の周波数で水平、垂直、回旋に眼球が運動する運動です。ocular flutterと呼ばれることが多いのですが、Ocular myoclonusと呼ぶ方もいて混乱気味の概念ではあります。

原因
1. 先天性
2. 後天性

    多発性硬化症などの脱髄性中枢神経疾患
    Symptomatic oculopalatal tremor(OPT)の一症状
    脳幹部卒中、腫瘍
    中枢神経Whipple病
    脊髄小脳変性症 
    失明        
    など

Thrombolysis In Cerebral Infarction (TICI) score

Grade 0:No Perfusion. No antegrade flow beyond the point of occlusion.

Grade 1:Penetration With Minimal Perfusion. The contrast material passes beyond the area of obstruction but fails to opacify the entire cerebral bed distal to the obstruction for the duration of the angiographic run.

Grade 2:Partial Perfusion. The contrast material passes beyond the obstruction and opacifies the arterial bed distal to the obstruction. However, the rate of entry of contrast into the vessel distal to the obstruction and/or its rate of clearance from the distal bed are perceptibly slower than its entry into and/or clearance from comparable areas not perfused by the previously occluded vessel, eg, the opposite cerebral artery or the arterial bed proximal to the obstruction.
Grade 2a:Only partial filling (<2/3) of the entire vascular territory is visualized. Grade 2b:Complete filling of all of the expected vascular territory is visualized, but the filling is slower than normal.

Grade 3:Complete Perfusion. Antegrade flow into the bed distal to the obstruction occurs as promptly as into the obstruction and clearance of contrast material from the involved bed is as rapid as from an uninvolved other bed of the same vessel or the opposite cerebral artery.

核上性眼球運動障害

概念
PSPやMa2抗体陽性の傍腫瘍脳幹脳炎などで遭遇する垂直性眼球運動障害、多発性硬化症や脳血管障害で遭遇する水平性眼球運動障害を知ってること、核上性眼球運動障害の場合には人形の眼現象が陽性になることを知っていれば、ある程度OKと思われます。

核上性眼球運動の神経回路

  1. 視覚情報を元に後頭眼野で視覚誘導性眼球運動のコマンドが、また前頭眼野で随意性の眼球運動のコマンドが作られ、脳幹に伝えられ、情報は水平成分と垂直成分に分離します。
  2. 水平成分は傍正中橋網様体(PPRF)、垂直成分はrostral interstitial nucleus of MLF(riMLF)に伝えられます。
  3. その後眼運動神経核に信号が伝えられる。

障害部位

垂直性:中脳レベルの障害で出現します。垂直注視中枢の障害はパリノー症候群とも呼ばれています。特に、rostral interstitial nucleus of MLF(riMLF)、カハル間質核 interstitial nucleus of Cajal(iNC)などが特異的な障害部位として有名です

水平性:橋に存在する内側縦束(medial longitudinal fasciculus: MLF)、傍正中橋網体(paramedian pontine reticular formation: PPRF)が、障害部位として有名です

若年性パーキンソン症候群 診断

若年性パーキンソン症候群

概念
レボドパが著効するパーキンソン症状ですので、PDの一部と考えられますが、多くは20歳代に発症して、血縁結婚の認められる劣性遺伝形式をとることの多いことから、PARKなどの遺伝子変異の関与が疑われます。

特徴
以下のような臨床的特徴が有名です。ジストニアの合併が高いことが特徴とともに、瀬川病との鑑別が問題となります

    発症年齢は20歳代が多いが,40歳を少し超える発症者も存在する
    多くの症例は血縁結婚の認められる劣性遺伝形式をとる
    AR-JPの半数はParkin遺伝子(PARK2(parkin), PARK6(PINK1), PARK7など)、その他遺伝性が明らかでなく病因不明な群もある。SPGの論文も増えている印象もある
    歩行障害やdrawingの障害が最初のサインのことが多い
    上肢より下肢優位にジストニア姿勢を認める
    無動が少なく、認知機能障害が少ない
    振戦は目立たず、安静時というよりは姿勢時に多い
    自律神経症状としては発汗充進が認められることもあるが希である
    筋緊張が強く、固縮のみならず痙縮を認めることもある
    起床直後は症状が緩和されるsleep benefitが見られる
    レボドパが著効する
    薬物治療の開始早期よりジスキネジアやwearing offを起こしやすい

検査

    MIBG心筋シンチ:例えば、PARK2(常染色体劣性遺伝)関連JPでは、Lewy病理は見られないためMIBG心筋シンチグラフィーでの取り込み低下を認めないようです。
    皮膚生検:α-synuclein depositsはパーキンソン病との鑑別に有効との報告があります
    DAT scan:取り込みは孤発性PDと類似あるいはより強い低下の報告があります

その他は、パーキンソン病と同様に疾患特異的な検査異常はありません。

病理
PDと異なり、Lewy小体なしと言われていましたが、少数例で陽性の報告もあります

鑑別診断
レボドパ特異的著効性については、同じくレボドパが著効を示す小児発症のジストニアとの関連が重要です。そのため、プテリジン代謝異常の有無、GCH-I遺伝子変異の有無の検索が必要になることもあります。

    瀬川病
    瀬川病以外のプテリジン代謝異常(劣性遺伝性GCH-I欠乏症)
    劣性遺伝性TH欠乏症
    Wilson病 無動固縮型:銅とセルロプラスミン
    フェニルケトン尿症、SCA2,3、有棘赤血球

その他の筋炎 診断

1. リウマチ性疾患に伴う筋炎

2. 感染症に伴う筋炎

    ウィルス性
    真菌性
    結核性
    寄生虫性
    細菌性

3. 肉芽腫、肉芽腫様構造物に伴う筋炎

    サルコイドーシス
    Wegener’s肉芽腫症
    Crohn病
    Gralunomatous myositis

4. 好酸球性筋炎、筋膜炎
5. 薬剤性
6. 骨化性筋炎(外傷性?)