その他

薬剤性過敏性症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome: DIHS)

はじめに
薬疹の一種ですが、Stevens-Johnson症候群やTEN(toxic epidermal neclolysis)と違って、薬の他にウイルス感染(HHV-6が代表的)が関係してくる病気です。原因となる薬は抗痙攣剤が圧倒的に多く、その他尿酸を下げる薬などがありますので、神経内科で診断されることもあるかと思います。
薬を飲み始めてから発症するまでに時間がかかるのが特徴で、多くは3週間以上で平均4週間と言われていますが、なかには1年以上たって発症することもあります。
薬剤を中止したのちも症状が進行して、軽快するまでに1ヶ月以上の経過を要することも多く、典型的には臨床的に二峰性を示します。この二峰性の症状の出現に、HHV-6の再活性化が関与していると言われています。

診断基準(5つ以上) appendixも参照

    1.薬剤投与開始3週間以上から増大する斑状丘疹性発疹
    2.リンパ節腫脹
    3.発熱(38℃以上)
    4.白血球増加(10000//mm3以上、異型リンパ球増加、好酸球増加)
    5.肝機能障害(ALT100U/L以上)
    6.ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)再活性化

推定原因医薬品
報告例のある薬剤はあまり多くありませんが、本も頻度が高いものはカルバマゼピンです
カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ゾニサミド、、ラモトリジン、アロプリノール(痛風治療薬)、サラゾスルファピリジン(サルファ剤)、ジアフェニルスルホン(抗ハンセン病薬)、メキシレチン、 ミノサイクリン、ジルチアゼム、ピロキシカムなど

原因ウィルス
DIHSにおいて再活性化が見られるHHV-6は、HHV-6AとHHV-6Bに分類されますが、病原性を持つのはHHV-6Bで、小児期には突発性発疹の原因ウィルスとして有名です。そのため、成人ではほとんどの人が既感染です。HHV-6は、単球に潜伏感染し、活性化T細胞に感染することがその増殖に必要のようですが、正確な再活性化の機序は不明です。EBVのように再活性化のマーカーはないので、HHV-6 IgG抗体の経時的な測定により判断します(appendixも参照)。
その他、CMV、EBV、HHV-7の再活性化を伴った報告があります。

1

治療
ステロイド治療:ステロイドパルスや30-50mg/kg内服など
免疫グロブリン大量静注療法
HHV-6に対するウィルス薬はないですが、CMVが検出された場合にはガンシクロビールなど

appendix
dihs

脳血管 静脈系 走行/解剖

はじめに
神経内科医は脳動脈に関しては詳しいですが、脳静脈血栓症、硬膜動静脈瘻の理解には静脈の解剖、および静脈の脳内での灌流支配領域[ref]の理解が必要になります。

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小脳出血 診断/治療

参考小脳の血管支配

疫学
小脳出血は頭蓋内出血全体の9-10%を占める。50歳以上の中年~高齢者に多く、男性に多い。病因としては高血圧とその持続による細動脈病変が約80%で、脳内微小動脈瘤の破綻によると考えられており、過剰飲酒も危険因子となる。上小脳動脈分枝の破綻が大多数だが、後下小脳動脈分枝の破綻の場合もある。その他の原因として、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、海綿状血管腫、動脈瘤、凝固異常、抗血栓薬(抗血小板薬および抗凝固薬)内服、アミロイドアンギオパチー、腫瘍、コカインなどの薬剤使用がある。テント上の脳外科手術の後に起こるremote cerebellar hemorrhageと呼ばれる稀な病態もある。高血圧に関連した小脳出血はそのほとんどが歯状核に始まり、同側の小脳半球に広がる。虫部を越えて対側の小脳半球へ広がることもあるが、直接脳幹まで出血が広がることは稀である。浮腫によって脳幹や第4脳室が圧排され、脳幹圧迫による呼吸障害、意識障害が起こるほか、第4脳室を経て他の脳室まで広がると水頭症をさらに増悪させる。

症状、神経学的所見
小脳出血の症状としては、小脳梗塞と同様に急性発症のめまい、嘔気・嘔吐、頭痛、歩行時のふらつきや立っていられないといった主訴が多い。診察所見では、発症早期には四肢、体幹の運動失調、眼振、構音障害が見られ、発症時の意識消失もあり得る。持続する出血や出血周囲の浮腫により脳幹が前方へ圧迫されると、意識障害と共に病側注視麻痺、斜偏視、Ocular bobbing(両側眼球が間欠的に急速に下方へ偏倚し、ゆっくり水平位に戻ることを繰り返す)、瞳孔不同、対光反射の減弱または消失、末梢性顔面神経麻痺、ホルネル徴候、錐体路徴候、呼吸障害が出現する。意識障害は、小脳出血全体の50%までに出現すると報告され、発症数時間後から5日までの間にいつでも起こり得るが、最初の2-3日までに最も多い。

検査、診断
頭部CTが迅速かつ早期からの出血同定に有用である。より微小な出血の検索には、MRIのT2*画像やSusceptibility Weighted Imaging (SWI)が有用である。また、高血圧の既往がなく、出血の位置が典型的でないもの、異常血管の石灰化のあるもの(脳動静脈奇形)、くも膜下出血を合併しているもの(脳動静脈奇形、アミロイドアンギオパチー、動脈瘤)、癌の既往があり出血の大きさに比して浮腫が強いもの(原発性または転移性脳腫瘍)、出血性梗塞が疑われるもの、テント上や他の部位にも出血があるものなどは、高血圧性の出血ではない可能性を考え、CTA、MRA、DSAを追加する。血液検査では一般の血算、生化学、血糖、PT、APTT、フィブリノゲンなどの凝固検査に加えて、必要に応じて凝固異常の原因となる疾患の検索を行う。

治療
通常の高血圧性脳出血では凝固系に異常がない場合血液製剤の投与は行わない。血管強化薬(アドナ)、抗プラスミン薬(トランサミン)は考慮してもよい(グレードC1)。
急性期の血圧は、できるだけ早期に収縮期血圧140mmHg未満に降下させ、7日間維持する(グレードC1)。使用する降圧薬としてはCa拮抗薬あるいは硝酸薬の微量点滴静注が進められ、Ca拮抗薬のうちニカルジピンを使用してよい(グレードC1)。
抗血栓療法中の脳出血であれば抗血栓薬は原則としてすみやかに中止する。
脳浮腫、頭蓋内圧亢進に対して高張グリセオール投与は考慮され(グレードC1)、マンニトール投与は進行性に臨床所見が増悪した場合は考慮して良い(C1)。
外科手術の適応については、小脳出血では最大径が3cm以上で神経学的症候が増悪している場合、または小脳出血が脳幹を圧迫し脳室閉塞による水頭症をきたしている場合には手術の適応となる(グレードC1)。一般に開頭血腫除去術および脳室ドレナージ留置を行う。94人の小脳出血患者では手術適応となったのは33%であったという報告がある

予後
小脳出血の死亡率は25%-38%と報告されている。術後の予後は、半数以上は機能的に自立すると考えられるが、予後不良と関連する因子として術前の意識障害(Glasgow Coma Scale: GCSが低い)、血腫径が3cm以上であること、第四脳室の圧排の程度が高度であることなどがしばしば挙げられてきた。一方、術前の意識障害が高度であることは長期予後とは関連しなかったという報告もあり、脳幹梗塞が広範であったり、多数の合併疾患がある患者でなければ術前の意識障害が強くても手術の適応を検討すべきであるという意見もある。

Appendix
Head impulse test
Head thrust testとも言う。前庭眼反射を見ることで末梢性の障害であるか中枢性かを見分けるのに役立つ。被検者は検者の前に座り検者の鼻をずっと見ているよう指示される。その上で、検者はすばやく被検者の頭を一方向に約20度回転させる。前庭眼反射が正常であれば被検者は検者の鼻をずっと見続けることができるが、前庭眼反射が障害されている場合は頭部と同じ方向へ眼が動き、その後検者の鼻へ戻るためのすばやい眼の動き(saccade)が生じる。これを陽性とする。小脳梗塞では通常、Head impulse testは陰性である。

Wegener肉芽腫症 診断

はじめに
最近は、多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with Polyangitis: GPA)と呼ばれるようになりました。

    鼻、耳、眼、上気道(E)および肺(L)の壊死性肉芽腫性血管炎
    腎(K)の巣状分節性壊死性糸球体腎炎
    全身の中・小型動脈の壊死性血管炎

以上の、3つで特徴づけられる全身性血管炎症候群です。病理形態学的な特徴として、肉芽腫症と呼ばれるように上気道・肺・全身の血管の壊死性肉芽腫性病変を認めます。

全身性の症状
上気道(E):初発症状として多く、鼻出血、膿性鼻汁、中耳炎など
肺症状(L):咳嗽、血痰、胸痛、呼吸困難など
腎症状(K):腎炎(pauci-immune型巣状壊死性半月体形成性腎炎)を合併します(70-80%)

神経系合併症
肉芽腫による障害、血管炎による障害の二つがメインとなります。神経系の合併症としては、以下が有名と思われます。
末梢神経障害:血管炎性末梢神経障害を引き起こします
 多発単神経炎
 多発神経炎:血管炎が原因であってもpolyneuropathy症状を来すこともあります
 多発脳神経障害:眼窩内肉芽種による視神経障害が最多、その他、硬膜肥厚による障害など
中枢神経障害:硬膜、軟膜の炎症を中枢として分類して良いのか疑問も残りますが、、、
 脳血管炎:稀
 肥厚性硬膜炎
 髄膜炎
 脊髄障害:髄外出血による障害があります

検査

    血液検査:C-ANCA(PR3-ANCA)(感度は91%,特異度は99%)
    尿検査:血尿、蛋白尿、急速に進行する腎不全
    生検:鼻粘膜に病変があると、最も簡便に生検が行えます。とにかく罹患臓器で、病理学的に以下の変化を検出することが最も重要と思われます。
    病理学的特徴:壊死性肉芽腫性血管炎で、フィブリノイド壊死や巨細胞を認めます。

[エオジン好性] 核内封入体病(Neuronal intranuclear inclusion disease; NIHID) 診断

はじめに
特徴的なMRI所見を有する白質脳症の原因疾患の一つとして知られています。1980年代にSung, Haltiaらが中枢神経系に広汎に分布する神経細胞内のエオジン好性ですりガラス状に染色される核内封入体を確認した剖検例を報告しました。孤発例・家族歴ともに診断時の年齢は60-70歳代が多いため、神経内科医が係ることが多いですが、原因遺伝子は2019年に報告されました[ref]。

  • 幼児型:小脳失調、不随意運動、痙攣などを主体として10年以内に死亡することが多いようです
  • 若年型:性格変化、学習障害、錐体路徴候、小脳失調などを呈し、幼児型よりは緩徐に進行します
  • 成人型:60-70歳代に発症して、緩徐進行性の経過を取ります
  • その他:末梢神経障害,自律神経障害など
  • 症状

  • 認知症:成人型では中核症状です
  • 不随意運動
  • 小脳失調
  • その他:末梢神経障害や自律神経障害など、症状の多彩さは罹病期間に必ずしも依存しないようです
  • 検査
    皮膚生検:脳生検は侵襲が高いため、皮膚生検がしばしば行われます。診断に必須の検査です。皮下脂肪組織の脂肪細胞、線維芽細胞、皮膚付属器の汗腺、毛嚢を構成する細胞にも核内封入体が高頻度に観察されます。
    MRI:DWIで遷延化する、皮髄境界に沿った高信号が特徴的です。進行に伴い白質は萎縮し、びまん性に広がるT2WI/FLAIR高信号が出現します。大脳白質のみならず大脳皮質、脳幹、小脳にも信号変化を認めることがあります。nihid


    NIHID 脳MRI画像[Sone et al., JNNP. 2014:354-6.より転載]。右の拡散強調画像(DWI)で見られる皮髄境界に沿った高信号が特徴的とされています

    神経病理所見
    大脳白質での髄鞘脱落、海綿状変化が報告されています。その海綿状変化はU-fiberにアクセントを持って見られ、DWI高信号と対応すると考えられています。
    封入体は円型でエオジン好姓を示し、HE染色でも観察できます。疾患名と異なり神経細胞だけでなくグリア細胞やシュワン細胞でも様々な頻度で検出されます。電子顕微鏡では封入体は錯綜する線維性および顆粒状構造物の集簇からなり、限界膜は持たないようです。封入体は、抗ユビキチン抗体が一般的に用いられて、陽性になります。
    核内封入体が神経細胞主体に観察される幼児・若年型に対して、成人型ではグリア細胞主体に核内封入体が認められる傾向があるようです。

    総合内科専門医資格認定試験 ぎりぎり合格体験記


    2017年度クエスチョン・バンク 総合内科専門医試験 予想問題集 vol.2

    2015年度に内科専門医試験のみ受験(措置的受験)しました(サマリーなし)。なかなかタフな試験であったため、対策を記載します(本記事は2016年度の試験も参考にup dateしています)。一方で、以下の対策に加えて、日常診療の中で経験する他分野の合併症を論理的に最近の知識も含めて理解しようと努力する姿勢があるかないかは、合否に重要と思われます。
    神経内科疾患 10個のポイントは>こちら

    1. 最低限やっておくとよいこと
    専門医試験を受けた印象では、以下の上記2つ(a, b)+余裕があれば過去問を解く(c)ことでほぼ100%合格可能と思われます。この条件を達成するためには通常の勤務状況ですと、最低限、試験1-2ヶ月前には開始下さい。

      a. イヤーノート 2019 内科・外科編:基本的にはイヤーノートを購入して付いてくる「quick check; QC」を覚えることで合格できます(きちんと覚えれば、これのみで合格可能です)。なかなか紙媒体を開いて覚える時間はないと思いますので、スマートフォンにイヤーノートアプリを入れ、スマフォ版内科専門医試験quick checkを入れるとスキマ時間に効率よく覚えることが出来るのではないかと思いますので推奨します(書籍版YNを購入するとアプリ版インストールの大幅割引クーポンが付いていますし、そもそもアプリ版YNを購入しても良いかと思います)。その他のYN本体やup to dateはわからない領域の勉強に調べる程度で、すべて読むことは不可能ですので、通読しようとしないで下さい。一方で、YN付属のアトラスは眺めておくと良いように思います(特に血液疾患の試験対策に役立ちます)。
      毎年3月に新しい年度版が発売されますが、専門医試験であれば最新でなくても良いように思います。
      b. クエスチョン・バンク総合内科専門医試験 予想問題集:私の試験の時には存在しませんでした。2016年7月頃と、2016年度専門医試験の比較的試験直前に発売された本です。
      2017年7月にクエスチョン・バンク 総合内科専門医試験 予想問題集 vol.2が発売されました。ちなみに2017年度版(vol.2)は2016年度版に紹介された問題の改訂ではなく、異なる問題を収載するようなので両方持っていても良いかと思います。実際の問題に形式は似ていますが、やや易しいため、勉強の出だしにちょうどよいと思います。解説も充実していておすすめです。
      c. 過去問を解く:2016年度の認定医・専門医試験の抜粋(過去問集第1集)が2017年4月下旬に発売されました(解説はないようですので、昨年の問題の傾向をつかむ程度になりますが)。
      その他、内科学会では毎年セルフトレーニング問題 50問を出題し、少なくとも5年に1回合格点を取ることを専門医の維持に必要な条件としています。正確には専門医試験の過去問ではないのだと思いますが、問題の形式、傾向は非常に類似しています。毎年6月頃に50問出題されるセルトレ最新版の解答は、出題年度の12月に配られますので試験年度の9月には内科学会からの正式の解答は入手できませんが、自分で調べたり当該科の専門医に答えを聞いたりして解いてみるのも良いかと思います。一方で、過去のセルフトレーニングは、生涯教育のためのセルフトレーニング問題集を購入することにより問題、解答を入手できます。また、認定医試験過去問は解説はありませんが無料で内科学会のwebsiteからDLできます。また、内科学会雑誌にも一部の過去問と解説が掲載されています。
      d. その他:以下の様な書籍も発売されていますが、勉強時間に余裕がある人以外はやめておきましょう。

    medicina 2017年 4月号 総合内科医の必修臨床問題182問:2017年度はこのような特集も発売されました
    目でみるトレーニング 第3集:2016年に発売された第3集以外に、古いversionが2種類存在します。写真が多く親しみやすいですが、問題数はそれほど多くありません。写真勝負の問題には向いていると思われます。
    認定内科医・認定内科専門医受験のための演習問題と解説〈第3集〉:問題が古いように思われます。第4集が出れば良いですが、、、
    内科系専門医試験 解法へのアプローチ 第2集

    2. 専門医試験問題の傾向
    勉強するときに知っておくと便利と思われる試験の傾向を記載します。

      内科学会が好きな病気は細かく学習:過去問を解くことによりわかると思いますが、内科学会は稀ではあるけれども好きな疾患があり、それらの疾患はかなり細かいところまで聞かれます。例を挙げると、以下の様な疾患です。

      アルドステロン症(全ての負荷試験を記憶)、IgG4-RD、自己免疫性肝炎、PBC、IPMN(嚢胞と鑑別、画像も)、MCTD、好酸球性肺炎+IL-5、肺分画症(の画像)、肺胞蛋白症、DPB、MM or MGUS、ボルテゾミブ、NOAC+脳出血、リツキサンなどの免疫抑制剤とHBV、HCVの新たな治療、ANCA関連疾患[GPAEGPA]、ARS抗体症候群、家族性脂質代謝異常、新たな糖尿病の内服薬(長時間作動型DPP-4の使い方や、腎機能障害例で推奨される内服薬など)、TTP、HUS、コレステロール血栓症、IE、プリオン病、筋緊張性ジストロフィー、副腎白質ジストロフィー、ミトコンドリア脳筋症、貧血の鑑別(サラセミアなど特殊疾患を含める)、血小板異常症、本態性血小板血症などの骨髄増殖性疾患、溶血性貧血(PNHやAIHA)、アレルギー性疾患(ラテックス-フルーツとか)、冠攣縮性狭心症、膜性腎症、アミロイドーシス、リケッチア感染症、デング熱、ライム病、Peutz-Jeghers、Cushing病、PMR(と側頭動脈炎)、免疫チェックポイント薬も選択肢に出現し始めた、遺伝子変異による肺癌とその治療、などなど

      古典的検査:呼吸音、心音、スパイログラムの波形、心電図、胸部x-p(シルエットサイン)は必ず出題されます
      計算:血漿浸透圧、BMI、FENa、カルシウム補正、ネフローゼ、AaDO2のインデックスは計算できるようにしましょう。Na補正式も知っていると良いかもしれません。
      内科救急JMECCの内容も数問出題されます
      臨床統計:相対危険度、寄与危険度などの統計的な問題も少し出てましたが、2015年度は出なかった様に思います
      分子標的薬リツキサンはCD20に対する抗体で悪性リンパ腫などのB細胞増殖性疾患に使う。エクリツマブは補体に対する抗体でPNHなどの補体介在性疾患に使う。などなど沢山有るので、できればまとめてから覚えましょう
      神経内科医:このwebsiteは主に神経内科医が閲覧していると思います。神経内科の過去問を解く必要はありませんし、そのような時間があれば他の領域の勉強をして下さい。実際の試験を受けるとあまりの簡単さに過去問を解いたことを後悔するでしょう(他科の領域は、その専門医が解くと同様に簡単に思っていることを考えると悲しくなりますが、、、)。神経内科医以外は>神経疾患10個のポイント
      マルク所見:YN付属のアトラスを眺めて下さい、白血病の変異遺伝子は必ず出る
      感染症:グラム染色からagentを類推させる問題は出題されますし、感染症は平均点も低くかなりマニアックな感染症も出題されます。細菌感染症では、グラム染色像を見て、おおよその菌体を絞り込む能力は最低限必要です。例えば、以下の様な感じでしょうか。
       グラム陰性球菌:髄膜炎菌、Moraxella catarrhalis
       グラム陽性連鎖球菌:肺炎球菌
       インフルエンザ菌:小型で短いグラム陰性桿菌
       キャンピロバクター:螺旋状のグラム陰性桿菌
       ヘリコバクターピロリ:グラム陰性螺旋状桿菌
       レジオネラ:グラム染色で染まらない

    その他

      ビルに喫煙所や自販機はあることが多いと思います(会場による?心配なら会場となるビルに確認を)。
      トイレは不可とアナウンスされますが、手を上げるとついてきてくれます。
      試験時間はあまり余裕はありません。早めのペースで解答ください。ペース配分には時計が必要ですが、会場内に時計がない場合もあるようです。腕時計を持参ください(スマフォの時計は禁止されています)。
      お昼ごはんは周りで探すよりも、当日会場に到着前にコンビニで購入して持参して下さい(我々の会場は近くにデニーズがありましたが、混んでいました)。室内かあるいは天気が良ければ建物から気晴らしに外に出て食べることになると思います。その他、ガムとか飴とか室内で食べることもできます。
      鉛筆と消しゴム以外に、鉛筆削も用意しましょう。
      後日、点数が手紙で送られてきます。結果を見ると、総合内科は平均点低い(次に平均点が低いのは感染症と膠原病/アレルギー)。我々のような昔の人種には、総合内科とは?どうやって勉強するの?ここで良い点を取れると楽なのでは??と思います。

    3. 措置的試験の体験記
    2015年は9月14日、日曜日に試験でした。会場はベルサール渋谷ガーデンです。家からは30分程度の場所です。7-8月ぐらいにそろそろやばいなと思い始めましたが、誰でも同じ状況ですが、夏休み(旅行)、雑用、研修医勧誘などいろいろあり、やはり脳卒中専門医試験と同様に前日夜中まで勧誘会で飲みまくってから試験へ。脳卒中専門医試験の時は三次会まで出席しましたが、今回は二次会を途中で帰りました。
    YNのアトラスを確認し、目でみるトレーニング 第3集: 内科系専門医受験のための必修臨床問題、書籍版YNを購入したものの開かなかったために書籍に挟まれているアプリ版インストール割引クーポンの期限切れてしまい(泣)仕方なく使用した書籍版quick checkは結局前半1/3のみを一度確認する程度で、過去問があるなどの情報もなく試験に望みました(その反省を活かし、対策を今回まとめさせていただきました)。その他、内科系専門医試験 解法へのアプローチも購入してありましたが、少し眺めた程度でした。購入した参考書を放置するとしても、購入後に一度はパラパラ開いてから本棚に放置することをお勧めします。。。
    当日は20分早く到着。途中、鉛筆削りをgetしようとコンビニに4-5軒寄りましたが発見できず、鉛筆を追加で購入しました。。。とても大きな会場で試験が始まりました。同じようなマルチプルチョイスの試験を3回に分けて解く必要があります。必死で集中して解こうとするものの、二日酔いで、全く集中できませんでした。心の拠り所は、神経内科領域問題です。これは、問題もろくに読まずに数秒でマークしても95%程度の点数でした。それ以外は余裕はなく、考え、悩む問題も多く決して時間に余裕はありません。特に2限目は、途中、2回もトイレに行かなくてはならなくなり最悪のコンディション、問題解き終わるのもギリギリでした。3限目テスト終了時にはぐったりと疲れ果てていました。勉強にはなるけれども二度と受けたくないというのが正直な印象です。
    終了時の印象としては、もしかしたら落ちたかもというものでした。心配になり、翌日googleで検索していると総合内科専門医試験の2ch掲示板を発見しました。同じような問題で悩んでいる受験者の意見を見ながら安心したり、アドバイスがあったりします。今回、試験終了後にこの掲示板を見た感想は、「専門医試験を受けることが決まったら月に1度は、2chをチェックするべき」というものでした。様々な有用な情報が記載されています。受験される方は是非参考にして下さい。
    ちなみに、2015年度専門医試験の平均点(私の点数ではなく)は以下のとおりです。

      全体平均 63点(以下、点は略)
      消化器 67.4
      循環器 70.8
      内分泌/代謝 64.3
      腎臓 63.9
      呼吸器 69.0
      血液 62.6
      神経 61.7
      アレルギー/膠原病 58.5
      感染症 59.6
      総合内科 49.9

    4. 試験後の感想
    問題自体は教育的で、普段勉強することのない他領域の内科疾患を勉強出来、臨床での思考レベルは上昇します。しかしながら、試験自体は二度と受けたくないと思うほど大変です。必ず、一度で合格するように調整、情報収集することをお勧めします。本番の試験中に2回休みが入りますが、その間、もしも点数に不安を感じた場合には、解けなかった問題の答えを確認することなど手持ちの資料で最後まであがいてください(似たような問題が、休憩後の試験で出題されることがよくあります)。知り合いがいれば、休み時間にLINEで答え合わせgroupを作成をしても良いかもしれません。
    試験後のoutcomeとしては、勉強はしても他疾患の診療に当たることは少ないのであまり役には立ちません。指導している若手や研修医へのウンチクが増える程度でしょうか?(若手にとっては嬉しくない?)

    5. 神経内科医以外の内科医ための神経疾患10個のポイント
    神経内科領域は馴染みがない病態も多いかと思います。一体、神経内科疾患のどの疾患が頻度が高い、あるいは試験に出題されやすいのでしょうか?簡潔にまとめてみました。こちらのページを参照下さい。

    脳動脈解離の画像診断基準

    脳動脈解離の画像診断基準
    【確実例】 下記I、II、IIIの何れかの基準を満たすもの

      I 脳血管造影にてintimal flapまたはdouble lumen, pearl and strings, string signのいずれかの所見が認められる。
      II MRI, MRA(断面像)にてintimal flapまたはdouble lumenが認められる。3D-CTAや超音波検査でも解離血管の断面が十分に描出され、明らかなintimal flapやdouble lumenが認められた場合も同様の扱いとする。
      III 下記のIV, V, VIのいずれかの所見が認められ、経時的に繰り返した画像検査にて各所見に明らかな変化が認められる。ただし解離以外の原因が否定的な場合のみに限る。

    【疑い例】 下記のIV, V, VIのいずれかの基準を満たすもの

      IV 脳血管造影にて上記?にあげた所見以外の動脈解離が示唆される非特異的所見(pearl sign, taperd occlusion)が認められる。
      V MRA血管像にて脳血管造影上のpearl and string sign, string sign, pearl sign, tapered occlusionに相当すると考えられる所見が認められる。
      VI MRI T1強調画像にて壁内血腫が示唆される高信号が認められる。

    脳動脈解離の病型分類
    A 原因による分類

       I.外傷性
       II. 非外傷性(特発性)

    B 部位による分類

       I. 頚動脈系
          頭蓋外解離
          頭蓋内解離
          両者の合併
       II. 椎骨脳底動脈系
          頭蓋外解離
          頭蓋内解離
          両者の合併
      III 上記I、IIの合併

    C 症候による分類

      I. 無症候
      II. 脳虚血型
      III. クモ膜下出血型
      IV. 上記のII、IIIの合併型
      V その他の症候型(脳卒中以外の症候のみ)

    PET概要

    はじめに
    SPECTとともに、PET(Positron Emission Tomography)画像は様々なトレーサーが開発されていて、分子の生体における機能を見ることが出来ます。また、定量性にも優れています。日本語では、陽電子放射断層撮影という難しい名称が割り当てられています。代表的なトレーサーを以下に示します。

    18F-FDG PET
    FDGはブドウ糖と同様にグルコーストランスポーター(GLUT)により細胞内に取り込まれますが、解糖系には入らず細胞内に蓄積されます。
    このトレーサーにより、細胞の糖代謝を測定することが出来ます。腫瘍であれば細胞の活性、脳であれば脳血流を間接的に判断することとなります。

    11C-CFT (DAT)、11C-raclopride (D2R) PET
    11C-CFT (DAT)はドパミン神経細胞の節前機能のマーカー
    11C-raclopride (D2R)は節後機能のマーカー
    ですので、パーキンソン病では主に11C-CFT (DAT)が低下しますし、MSAでは両方が低下します

    Flumazenil PET
    GABA(ベンゾジアゼピン)受容体を可視化、定量化するトレーサーです。一般的には、GABA受容体の発現の低下がてんかん原性をもたらすという考えの元に、てんかんの焦点診断に使用されることもあります

    [11C]PIB PET
    アミロイドPETと呼ばれているもので、アミロイドの沈着部位を間接的に可視化します。アルツハイマー病やアミロイドアンギオパチーなどアミロイドが病態の可能性が考えられている疾患で使用されています。