その他

振子様眼振(ocular flutter)

はじめに
振子様眼振は、基本的には急速相と緩徐相の差がなく、一定の周波数で水平、垂直、回旋に眼球が運動する運動です。ocular flutterと呼ばれることが多いのですが、Ocular myoclonusと呼ぶ方もいて混乱気味の概念ではあります。

原因
1. 先天性
2. 後天性

    多発性硬化症などの脱髄性中枢神経疾患
    Symptomatic oculopalatal tremor(OPT)の一症状
    脳幹部卒中、腫瘍
    中枢神経Whipple病
    脊髄小脳変性症 
    失明        
    など

Thrombolysis In Cerebral Infarction (TICI) score

Grade 0:No Perfusion. No antegrade flow beyond the point of occlusion.

Grade 1:Penetration With Minimal Perfusion. The contrast material passes beyond the area of obstruction but fails to opacify the entire cerebral bed distal to the obstruction for the duration of the angiographic run.

Grade 2:Partial Perfusion. The contrast material passes beyond the obstruction and opacifies the arterial bed distal to the obstruction. However, the rate of entry of contrast into the vessel distal to the obstruction and/or its rate of clearance from the distal bed are perceptibly slower than its entry into and/or clearance from comparable areas not perfused by the previously occluded vessel, eg, the opposite cerebral artery or the arterial bed proximal to the obstruction.
Grade 2a:Only partial filling (<2/3) of the entire vascular territory is visualized. Grade 2b:Complete filling of all of the expected vascular territory is visualized, but the filling is slower than normal.

Grade 3:Complete Perfusion. Antegrade flow into the bed distal to the obstruction occurs as promptly as into the obstruction and clearance of contrast material from the involved bed is as rapid as from an uninvolved other bed of the same vessel or the opposite cerebral artery.

核上性眼球運動障害

概念
PSPやMa2抗体陽性の傍腫瘍脳幹脳炎などで遭遇する垂直性眼球運動障害、多発性硬化症や脳血管障害で遭遇する水平性眼球運動障害を知ってること、核上性眼球運動障害の場合には人形の眼現象が陽性になることを知っていれば、ある程度OKと思われます。

核上性眼球運動の神経回路

  1. 視覚情報を元に後頭眼野で視覚誘導性眼球運動のコマンドが、また前頭眼野で随意性の眼球運動のコマンドが作られ、脳幹に伝えられ、情報は水平成分と垂直成分に分離します。
  2. 水平成分は傍正中橋網様体(PPRF)、垂直成分はrostral interstitial nucleus of MLF(riMLF)に伝えられます。
  3. その後眼運動神経核に信号が伝えられる。

障害部位

垂直性:中脳レベルの障害で出現します。垂直注視中枢の障害はパリノー症候群とも呼ばれています。特に、rostral interstitial nucleus of MLF(riMLF)、カハル間質核 interstitial nucleus of Cajal(iNC)などが特異的な障害部位として有名です

水平性:橋に存在する内側縦束(medial longitudinal fasciculus: MLF)、傍正中橋網体(paramedian pontine reticular formation: PPRF)が、障害部位として有名です

若年性パーキンソン症候群 診断

若年性パーキンソン症候群

概念
レボドパが著効するパーキンソン症状ですので、PDの一部と考えられますが、多くは20歳代に発症して、血縁結婚の認められる劣性遺伝形式をとることの多いことから、PARKなどの遺伝子変異の関与が疑われます。

特徴
以下のような臨床的特徴が有名です。ジストニアの合併が高いことが特徴とともに、瀬川病との鑑別が問題となります

    発症年齢は20歳代が多いが,40歳を少し超える発症者も存在する
    多くの症例は血縁結婚の認められる劣性遺伝形式をとる
    AR-JPの半数はParkin遺伝子(PARK2(parkin), PARK6(PINK1), PARK7など)、その他遺伝性が明らかでなく病因不明な群もある。SPGの論文も増えている印象もある
    歩行障害やdrawingの障害が最初のサインのことが多い
    上肢より下肢優位にジストニア姿勢を認める
    無動が少なく、認知機能障害が少ない
    振戦は目立たず、安静時というよりは姿勢時に多い
    自律神経症状としては発汗充進が認められることもあるが希である
    筋緊張が強く、固縮のみならず痙縮を認めることもある
    起床直後は症状が緩和されるsleep benefitが見られる
    レボドパが著効する
    薬物治療の開始早期よりジスキネジアやwearing offを起こしやすい

検査

    MIBG心筋シンチ:例えば、PARK2(常染色体劣性遺伝)関連JPでは、Lewy病理は見られないためMIBG心筋シンチグラフィーでの取り込み低下を認めないようです。
    皮膚生検:α-synuclein depositsはパーキンソン病との鑑別に有効との報告があります
    DAT scan:取り込みは孤発性PDと類似あるいはより強い低下の報告があります

その他は、パーキンソン病と同様に疾患特異的な検査異常はありません。

病理
PDと異なり、Lewy小体なしと言われていましたが、少数例で陽性の報告もあります

鑑別診断
レボドパ特異的著効性については、同じくレボドパが著効を示す小児発症のジストニアとの関連が重要です。そのため、プテリジン代謝異常の有無、GCH-I遺伝子変異の有無の検索が必要になることもあります。

    瀬川病
    瀬川病以外のプテリジン代謝異常(劣性遺伝性GCH-I欠乏症)
    劣性遺伝性TH欠乏症
    Wilson病 無動固縮型:銅とセルロプラスミン
    フェニルケトン尿症、SCA2,3、有棘赤血球

その他の筋炎 診断

1. リウマチ性疾患に伴う筋炎

2. 感染症に伴う筋炎

    ウィルス性
    真菌性
    結核性
    寄生虫性
    細菌性

3. 肉芽腫、肉芽腫様構造物に伴う筋炎

    サルコイドーシス
    Wegener’s肉芽腫症
    Crohn病
    Gralunomatous myositis

4. 好酸球性筋炎、筋膜炎
5. 薬剤性
6. 骨化性筋炎(外傷性?)

関節リウマチによる筋炎(Rheumatoid myositis)

概念
RAの合併症としては非常にまれです。[ref]
RAに伴う筋炎であるのか、PM/DMを合併したのか鑑別は難しいと思いますが、RAに伴う筋炎では、筋炎の存在にも関わらずCK正常から低下することが多く注意が必要です。
一般的にはRAに罹患して4-6年後に発症します。

症状

    筋痛、筋力低下、筋萎縮、筋攣縮など:近位筋優位

検査

    血液検査:CKは正常でも否定できない。アルドラーゼなどを測定する。CCP抗体、RA、ESR、CRP、MMP-3など
    針筋電図
    筋MRI
    筋生検

病理
一般的な炎症性筋炎の所見に加えて、血管周辺のリンパ球、組織球の集族など

リウマチ性疾患とCK値
RA、SLE、Spondyloarthropathiesなどでは、血清CK値は正常よりも低値を示すことがあります。機序としては、CK inhibitorの存在、クリアランスの上昇、炎症性プロセス、post-transcriptional modification、酵素分解の上昇、(免疫抑制剤などによる治療中)、などが想定されています。

ミコフェノール酸モフェチル (セルセプト)

はじめに
Mycophenolate mofetilはよくMMFと略されます。生体内で、ミコフェノール酸に加水分解されて、活性化T及びBリンパ球でのプリン合成系を選択的に阻害することによって、増殖を抑制します。
神経内科の分野では、保険適応はないものの、MS, NMO, MG, CIDP, 神経サルコイドーシスなど自己免疫性疾患で使用されます。日本より欧米での使用経験が多く、副作用もあまりなく使いやすいようです。血中濃度は測定できません。

処方例
セルセプト:1回1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口服用(1日2,000mg)。なお、1日3,000mgを上限とする。

副作用
副作用は他の免疫抑制剤と同様ですが、頻度はそれほど高くない印象です。
併用禁忌:生ワクチン
免疫グロブリン低下、血球減少、PML、BK腎症、リンパ腫発症、高尿酸血症、消化性潰瘍などなど

脳血管性認知症 治療

基本的には、脳血管障害の危険因子の管理と抗血栓療法が最も重要です。さらに、効果は乏しいと思いますが認知症に対する対症療法も行います。

1. 脳血管障害の危険因子の管理

    高血圧:ARB, ACEI, Ca-blocker, 利尿薬
    脂質異常症:スタチン+エイコサペンタエン酸
    糖尿病
    生活指導:運動、喫煙、ダイエット

2. 抗血栓療法

    非心原性:プレタール>アスピリン or プラビックス?
    心原性:プラザキサ、ワーファリン

3. 認知症の対症療法

    認知機能障害、BPSDに対しては、ADの項目を参照

ファブリ(Fabry)病 治療

リソソームに存在する加水分解酵素の一種、α-ガラクトシダーゼの活性が低下し、糖脂質のセラミドトリヘキシド(CTH)が分解されない疾患です。日本では以下の2製剤が酵素補充療法として使用可能です。

    α-ガラクトシダーゼ酵素製剤(リプレガル)
    β-ガラクトシダーゼ酵素製剤(ファブラザイム)

ちなみに、脳血管障害に対する酵素補充療法の有用性は不明です。

酵素補充療法
リプレガル 0.2mg/kg(生食希釈)を40分から2〜3時間ほど時間をかけて点滴静注 2週間に1回
あるいは
ファブラザイム 1mg/kgを点滴静注 2週間に1回

    本治療の問題点
    生涯投与が必要で、医療費が高額
    進行した臓器障害は非可逆的
    アレルギー反応が特に男性に多い

対症療法

    末梢神経障害:感覚障害に対する治療は、カルバマゼピンがよく効くようです
    胃腸障害
    腎機能障害:食餌療法、ACE阻害薬など。重症例はHDや腎移植
    心機能障害:強心剤、抗不整脈薬、ACE阻害剤、利尿剤、ペースメーカー、バイパス手術
    脳血管障害:血圧コントロール、抗血小板剤、心原性の場合は抗凝固療法、スタチン