その他

その他の筋炎 診断

1. リウマチ性疾患に伴う筋炎

2. 感染症に伴う筋炎

    ウィルス性
    真菌性
    結核性
    寄生虫性
    細菌性

3. 肉芽腫、肉芽腫様構造物に伴う筋炎

    サルコイドーシス
    Wegener’s肉芽腫症
    Crohn病
    Gralunomatous myositis

4. 好酸球性筋炎、筋膜炎
5. 薬剤性
6. 骨化性筋炎(外傷性?)

関節リウマチによる筋炎(Rheumatoid myositis)

概念
RAの合併症としては非常にまれです。[ref]
RAに伴う筋炎であるのか、PM/DMを合併したのか鑑別は難しいと思いますが、RAに伴う筋炎では、筋炎の存在にも関わらずCK正常から低下することが多く注意が必要です。
一般的にはRAに罹患して4-6年後に発症します。

症状

    筋痛、筋力低下、筋萎縮、筋攣縮など:近位筋優位

検査

    血液検査:CKは正常でも否定できない。アルドラーゼなどを測定する。CCP抗体、RA、ESR、CRP、MMP-3など
    針筋電図
    筋MRI
    筋生検

病理
一般的な炎症性筋炎の所見に加えて、血管周辺のリンパ球、組織球の集族など

リウマチ性疾患とCK値
RA、SLE、Spondyloarthropathiesなどでは、血清CK値は正常よりも低値を示すことがあります。機序としては、CK inhibitorの存在、クリアランスの上昇、炎症性プロセス、post-transcriptional modification、酵素分解の上昇、(免疫抑制剤などによる治療中)、などが想定されています。

ミコフェノール酸モフェチル (セルセプト)

はじめに
Mycophenolate mofetilはよくMMFと略されます。生体内で、ミコフェノール酸に加水分解されて、活性化T及びBリンパ球でのプリン合成系を選択的に阻害することによって、増殖を抑制します。
神経内科の分野では、保険適応はないものの、MS, NMO, MG, CIDP, 神経サルコイドーシスなど自己免疫性疾患で使用されます。日本より欧米での使用経験が多く、副作用もあまりなく使いやすいようです。血中濃度は測定できません。

処方例
セルセプト:1回1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口服用(1日2,000mg)。なお、1日3,000mgを上限とする。

副作用
副作用は他の免疫抑制剤と同様ですが、頻度はそれほど高くない印象です。
併用禁忌:生ワクチン
免疫グロブリン低下、血球減少、PML、BK腎症、リンパ腫発症、高尿酸血症、消化性潰瘍などなど

脳血管性認知症 治療

基本的には、脳血管障害の危険因子の管理と抗血栓療法が最も重要です。さらに、効果は乏しいと思いますが認知症に対する対症療法も行います。

1. 脳血管障害の危険因子の管理

    高血圧:ARB, ACEI, Ca-blocker, 利尿薬
    脂質異常症:スタチン+エイコサペンタエン酸
    糖尿病
    生活指導:運動、喫煙、ダイエット

2. 抗血栓療法

    非心原性:プレタール>アスピリン or プラビックス?
    心原性:プラザキサ、ワーファリン

3. 認知症の対症療法

    認知機能障害、BPSDに対しては、ADの項目を参照

ファブリ(Fabry)病 治療

リソソームに存在する加水分解酵素の一種、α-ガラクトシダーゼの活性が低下し、糖脂質のセラミドトリヘキシド(CTH)が分解されない疾患です。日本では以下の2製剤が酵素補充療法として使用可能です。

    α-ガラクトシダーゼ酵素製剤(リプレガル)
    β-ガラクトシダーゼ酵素製剤(ファブラザイム)

ちなみに、脳血管障害に対する酵素補充療法の有用性は不明です。

酵素補充療法
リプレガル 0.2mg/kg(生食希釈)を40分から2〜3時間ほど時間をかけて点滴静注 2週間に1回
あるいは
ファブラザイム 1mg/kgを点滴静注 2週間に1回

    本治療の問題点
    生涯投与が必要で、医療費が高額
    進行した臓器障害は非可逆的
    アレルギー反応が特に男性に多い

対症療法

    末梢神経障害:感覚障害に対する治療は、カルバマゼピンがよく効くようです
    胃腸障害
    腎機能障害:食餌療法、ACE阻害薬など。重症例はHDや腎移植
    心機能障害:強心剤、抗不整脈薬、ACE阻害剤、利尿剤、ペースメーカー、バイパス手術
    脳血管障害:血圧コントロール、抗血小板剤、心原性の場合は抗凝固療法、スタチン

パーキンソン病の精神症状(幻覚、妄想)治療

はじめに
パーキンソン病では、しばしば抗パーキンソン病薬の投与に関連して幻覚や妄想が出現します。特に腎機能障害症例へのシンメトレルの投与では幻覚や意識障害が強く出ますので注意が必要です。
軽い症状であれば経過観察でよいのですが、症状が強い場合は薬剤の減量や精神病薬の追加、場合によってはECTが必要になることもあります

原因
ガイドラインに従って治療を行う前に、まずは原因、促進因子の有無を確認しましょう
1. 内因性
 加齢、精神病素因、認知機能障害、Lewy小体病性変化
2. 外因性
 抗パーキンソン病薬、抗うつ薬、過活動性膀胱治療薬(抗コリン薬)、抗ヒスタミン薬、催眠鎮静薬
3. 促進因子
 a) 身体的要因
 感染、脱水、代謝内分泌異常、低酸素、栄養障害
 中枢性神経障害(脳梗塞、脳腫瘍、けいれん、慢性硬膜下出血など)
 運動能力低下(骨折、疼痛、パーキンソン症状の悪化)
 手術、視力障害、アルコール離脱
 b) 社会的要因
 退職、ストレス、身体症状など
 c) 環境要因
 入院、転院などなど

治療法
一般的には、以下の様に治療を行います。抗パーキンソン病薬の減量、精神病薬の追加は運動症状を悪化させることが多く慎重に行う必要があります。ECTは運動症状もまた改善させる可能性があります。
1. 抗パーキンソン病薬の減量:下記のガイドラインに従う
2. 精神病薬の追加

    非定型抗精神病薬
    クエチアピン(商品名:セロクエル):運動症状の悪化があまりないのが利点、DMでは使えない
    リスペリドン(商品名:リスパダール):昔からよく使用されます
    アリピプラゾール(商品名:エビリファイ):dopamine system stabilizer
    オランザピン(商品名:ジプレキサ)
    クロザピン(商品名:クロザリル)
    定型抗精神病薬
    精神科と相談しましょう

3. その他の薬剤
アリセプト、レミニールなどのコリンエステラーゼ阻害薬や抑肝散
4. ECT

間歇型一酸化炭素中毒 診断

概念
急性一酸化炭素中毒から、回復後に2-40日程度の潜伏期間を経て、急激に認知機能障害、精神症状、パーキンソン症状などを呈する遅発性神経症状(delayed neurologic sequelae:DNS)が知られていて、間歇型一酸化炭素中毒と呼ばれています。
病態生理は不明ですが、二次的血流障害、細胞毒性、NO、免疫学的機序などの関与が示唆されているようで、一部の変化は可逆的です

症状

    認知機能障害、失見当識
    精神症状:錯乱、不安、焦燥、情動不安定、幻覚、妄想
    けいれん
    パーキンソン症状

検査
脳波:
脳MRI:比較的急性期は、両側淡蒼球T1強調像低信号,T2強調像高信号病変。間欠型一酸化炭素中毒では,脳室周囲から半卵円中心を主体とする白質にびまん性のT2強調像高信号病変
危険因子
急性期に以下の様な因子があるとリスクが高まることが知られています

    意識消失、神経学的異常
    心筋虚血
    代謝性アシドーシス
    年齢が36歳以上
    COHb>25%
    暴露>24時間

神経病理
淡蒼球の虚血や壊死、大脳白質の脱髄や壊死、黒質網様部の虚血や壊死、大脳皮質の海綿状壊死、海馬の壊死など様々ですが、白質や淡蒼球の障害が比較的特徴的です。

医学分野のPC用書籍

医用画像解析アプリ OsiriXパーフェクトガイド
DICOMビューワーとして有名なOsirixは、触っているだけで何となく画像は動きますが、そろそろ自己流を脱却しましょう

糖尿病 update

Bardoxolone methyl and kidney function in CKD with type 2 diabetes. N Engl J Med. 2011;365:327-36.
2型糖尿病性腎症に対するbardoxolone methyl投与により、24週時点でeGFRの優位な改善を認め、52週時点でも優位な改善効果は持続した

Marcus Gunn瞳孔

Wiki

視神経炎で時々見られます
Relative Afferent Pupillary Defect (RAPD)とも呼ばれます

現象
ごく軽微な視神経障害では、健側眼に光を数秒当てた後に患側眼に光を当てると (swinging-flashlight test)、わずかに収縮した後に逆に散瞳が起きます。
これは相対的求心性瞳孔障害またはMarcus Gunn瞳孔と呼ばれています。似た名前の、Marcus Gunn Phenomenonとは異なりますので注意下さい。
視神経線維の減少で対光反射が減弱しているために起き、軽微な視神経障害の特有な症候のようです。

病態
一側の求心路に障害があるとき、交互対光反応試験で健側眼から患側眼に光を当てると、健側の間接対光反射の方が強いために、患側眼は光が当たっているにもかかわらず散瞳します。