合併症

起立性低血圧 update

Counteracting effect of supine leg resistance exercise on systolic orthostatic hypotension in older adults. J Am Geriatr Soc. 2013;61:1152-7.
高齢者における神経因性起立性低血圧を有する患者において、起立直前の下肢の抵抗運動(仰臥位運動)が、起立時の血圧低下を減弱することが示唆された

Management of neurogenic orthostatic hypotension: an update. Lancet Neurol 2008;7:451-8.
神経因性起立性低血圧の治療についてのupdate

胆管炎

概念
悪性腫瘍や結石による胆管閉塞により生じた胆汁うっ滞に感染が合併した結果生じる胆管壁と内腔の炎症です。細菌感染の原因として、十二指腸から胆管への逆行感染や門脈からの血行感染が考えられている。

診断
以下の症状が古くから有名です

    胆管炎
    Charcot の三徴(黄疸、発熱、腹痛)
    急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)
    Raynoldsの五徴(三徴にショック、意識障害を加えたもの)

検査
血液検査

    胆道系酵素やビリルビンの上昇
    (落下結石などで急速な結石嵌頓が生じた場合は肝酵素の上昇が優位)
    感染を伴う場合は白血球の上昇やCRP陽性

腹部超音波検査

    結石自体の描出率は低いため、胆汁うっ滞のサインで間接的に診断します
    11mm以上の総胆管拡張、肝内胆管拡張(parallel channel sign, shot gun sign)など

治療
治療の基本はドレナージです。
保存的治療
禁食、輸液、胆道系に有効な抗生剤((Ampicillin/sulbactam (ユナシン) 1回 1.5 g 6時間毎静注)、あるいはSBT/CPZ(スルペラゾン)、最近ではニューキノロン剤も使用される)投与。
ドレナージ
胆道の減圧と胆道内感染胆汁の排除のため行いますが、この胆道ドレナージが最も基本となる治療です。特にAOSCでは胆道ドレナージの絶対適応で速やかに治療しましょう。ていうか、消火器の先生にやってもらいましょう。

予後
胆管炎の原因疾患によるものの、結石によるものであれば比較的良好です。

急性胆嚢炎

病態
大部分は結石による胆嚢管閉塞により胆嚢内に胆汁がうっ滞し、細菌感染が加わって発症します。

症状
発熱、右季肋部痛、右肩甲骨下縁や背部への放散痛が特徴的な症状で、誘因としては脂肪過量摂取、暴飲暴食、過労などが挙げられます。
身体所見は以下が有名です。

    右季肋部に圧痛
    叩打痛
    Murphy徴候(右季肋部を圧迫していると、吸気が痛みのために中断する)

検査
腹部超音波検査

    胆石の存在
    胆嚢の腫大(長径8cm、短径3.5cm以上)
    胆嚢壁の肥厚(4mm以上)
    sludge formation
    胆嚢周辺の低エコー域は胆嚢周囲膿瘍の可能性を示唆します。

治療
以下の三つが治療の柱です。
保存的治療
 禁食、輸液、安静臥床、胆道系に有効な抗生剤(Ampicillin/sulbactam (ユナシン) 1回 1.5 g 6時間毎静注)、抗コリン剤投与
ドレナージ
 保存的治療で改善を認めない場合、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)、経乳頭的胆嚢ドレナージ(ENGBD)等のドレナージの施行
手術
 壊疽性胆嚢炎、気腫性胆嚢炎、胆嚢穿破、穿孔例は緊急手術の適応。

予後
適切な治療を行えば多くの場合軽快します。ただし、高齢者などでは炎症が遷延し敗血症などの重篤な合併症に至る場合もある。
胆嚢癌の合併症例も存在するため、治療後もfollowが必要でです。

脂質異常症、肥満

Effect of two intensive statin regimens on progression of coronary disease. N Engl J Med. 2011;365:2078-87.
ロスバスタチンおよびアトルバスタチンの最大量投与により、ロスバスタチン群ではLDLコレステロール値がより低く、HDLコレステロール値がより高くなったが、双方ともに冠動脈硬化の有意な退縮が得られた

Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet. NEJM 2008;359:229-41.
低脂肪食よりも,単不飽和脂肪を多く含む地中海式食事や低炭水化物食の方がそれぞれ糖代謝,脂質代謝の改善に優れており,減量にも有効である

Body mass index and magnetic resonance markers of brain integrity in adults. Ann Neurol. 2008;63:652-7.
BMIの大きい中年では,脳のMRSでの解析によると神経マーカの低下が見られ,加齢性変化が促進されている可能性がある.

神経調節性失神 Update

The arterial baroreflex: Functional organization and involvement in neurologic disease. Neurology 2008 71: 1733-1738.
神経疾患における動脈圧受容体反射障害に関する総説

Enhanced vascular responses to hypocapnia in neurally mediated syncope. Ann Neurol. 2008;63:288-94.
神経調節性失神を起こす人では,低炭酸血症に対する血管の収縮,拡張反応が強くなっている.

心房細動 update

Incidence of atrial fibrillation detected by implantable loop recorders in unexplained stroke. Neurology. 2013;80:1546-50.
植込み型ループ記録計(implantable loop recorder:ILR)によって、原因が判明していない脳卒中において25%で心房細動が検出された

Predictive value of the HAS-BLED and ATRIA bleeding scores for the risk of serious bleeding in a ‘real world’ anticoagulated atrial fibrillation population. Chest. 2012 Jun 21.
心房細動患者における抗凝固療法による出血リスクの推定にはHAS-BLEDを用いた評価はATRIAより有意に優れていた

Sex differences in stroke risk among older patients with recently diagnosed atrial fibrillation. JAMA. 2012 May 9;307(18):1952-8.
65歳以上の心房細動患者の脳卒中リスクについて男女差を調べた結果、女性(2.02/100人/年)が男性(男性が1.61/100人/年)に比べて高かった

Dronedarone in high-risk permanent atrial fibrillation. N Engl J Med. 2011;365:2268-76.
ドロネダロン投与により,重大な血管イベントのリスクを有する永続性心房細動患者における心不全および脳卒中の発生率、心血管系の原因による死亡率が上昇した

A new risk scheme to predict warfarin-associated hemorrhage: The ATRIA (Anticoagulation and Risk Factors in Atrial Fibrillation) Study. J Am Coll Cardiol. 2011 Jul 19;58(4):395-401.
貧血、年齢、腎機能など5つの変数を組み合わせた出血リスクスコアは、心房細動に対するワーファリン治療関連出血の予測に有用であった

Incident stroke and mortality associated with new-onset atrial fibrillation in patients hospitalized with severe sepsis. JAMA. 2011;306:2248-54.
重要敗血症症例の6%に新規発症の心房細動が発症し、脳卒中及び死亡と関連していた

Rivaroxaban versus Warfarin in Nonvalvular Atrial Fibrillation. N Engl J Med. 2011 Aug 10.
心房細動に対する、経口第Xa因子阻害薬 (rivaroxaban)投与はワーファリンとほぼ同様のイベント発生率であった

Apixaban in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med. 2011;364:806-17.
脳卒中高リスクでワーファリン治療が適さない心房細動において、第Xa因子阻害薬apixabanはアスピリンに比べて、脳卒中や全身性塞栓症の発生が少なく、重大な出血等のリスクも有意に増加しなかった。

Radiofrequency catheter ablation of atrial fibrillation: a cause of silent thromboembolism? Magnetic resonance imaging assessment of cerebral thromboembolism in patients undergoing ablation of atrial fibrillation. Circulation. 2010;122(17):1667-73.
高周波左心房アブレーションの実施後、無症候性脳虚血病変が14%に認められた

Detection of paroxysmal atrial fibrillation with transtelephonic EKG in TIA or stroke patients. Neurology 2010 74: 1666-1670.
非心原性脳梗塞やTIAであっても、電話伝送心電図で10%弱に発作性心房細動が検出され、特にホルター心電図で異所性心房性期外収縮の検出、前方循環領域のDWI高信号病変(1.5cm異常)の検出との関連が強かった

Lenient versus strict rate control in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med. 2010 15;362(15):1363-73.
心拍数コントロール目標、110拍/分未満群と 80拍/分未満群に無作為化し転帰追跡したところ、症状、有害事象の頻度は、両群で同程度だった

Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med. 2009 17;361:1139-51.
dabigatran 110mg投与群では、脳卒中と全身性塞栓症の発生はワルファリンと同等だったが、重大出血の低下が大きかった。一方、dabigatran 150mg投与群では、同発生はワルファリンより低下したが、重大出血の発生はワルファリンと同等だった

Neurological Consequences of Atrioesophageal Fistula After Radiofrequency Ablation in Atrial Fibrillation. Arch Neurol. 2009;66(7):884-887.
心房細動に対するラジオ波焼灼治療法後に心房食道瘻を併発することがあり、敗血症、塞栓症などによる神経学的合併症を来たしうる

Atrial fibrillation detected by mobile cardiac outpatient telemetry in cryptogenic TIA or stroke. Neurology 2008 71: 1696-1701.
原因のはっきりしない脳梗塞や一過性脳虚血発作では、外来で可能なテレメトリー装置を使用することにより高率に心房細動を検出できる

ACC/AHA/Physician Consortium 2008 clinical performance measures for adults with nonvalvular atrial fibrillation or atrial flutter. Circulation. 2008 ;117:1101-20.
AHAのNVAFのReview 2008年度版

A comparison of rate control and rhythm control in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med. 2002;347:1825-33.
AFFIRM