変性疾患

原発性側索硬化症 update

The Stripe of Primary Lateral Sclerosis: Focal Primary Motor Cortex Hypometabolism Seen on Fluorodeoxyglucose F18 Positron Emission Tomography. Arch Neurol. 2010;67(1):122-125.
FDG-PETで、1次運動野の集積を認めた原発性側索硬化症の3例

Clinical features that distinguish PLS, upper motor neuron-dominant ALS, and typical ALS. Neurology 2009 72: 1948-1952.
局所的な筋力低下、球麻痺は下位運動ニューロン障害を示唆し、その後体重減少、肺活量の低下、四肢の筋力低下が下位運動ニューロン障害有意のALSと強い関連があり、PLSとの鑑別に有用である

Differentiation of Hereditary Spastic Paraparesis From Primary Lateral Sclerosis in Sporadic Adult-Onset Upper Motor Neuron Syndromes. Arch Neurol. 2009;66(4):509-514.
原発性側索硬化症とHSPは発症形式、臨床徴候がオーバーラップすることが多く鑑別が難しいため遺伝子診断の重要性が高い

Brain atrophy in primary lateral sclerosis. Neurology 2009 72:
原発性側索硬化症では特に中心前回と脳梁の萎縮が見られる

A novel ALS2 splice-site mutation in a Cypriot juvenile-onset primary lateral sclerosis family. Neurology 2009 72: 28-32.
ALS2に新たな変異を認めたキプロス島の原発性側索硬化症の家系

A Locus for Primary Lateral Sclerosis on Chromosome 4ptel-4p16.1. Arch Neurol. 2008;65:383-386.
4番染色体の4ptel-4p16.1は、原発性側索硬化症(PLS)の新たな遺伝子座かもしれない

大脳皮質基底核変性症 診断

概念
CBD (corticobasal degeneration)は、大脳皮質と皮質下神経核(特に黒質と淡蒼球)の神経細胞が左右差を持って脱落して、神経細胞およびグリア細胞内に異常リン酸化タウが蓄積する疾患です。そのため、左右差の強い、肢節運動失行、観念運動失などの大脳皮質症状と、錐体外路症状が出現します。
しかしながら、左右差のない例、認知症が前景にたつ例、進行性核上性麻痺の臨床症候を呈した例など非典型例が数多く報告され、CBDの臨床像はきわめて多彩であることが明らかになっています。そのため最近では病理診断名としてCBD、臨床診断名としてcorticobasal syndrome(CBS)を用いられるようになってきています。

症状

    中年期以降に発症して緩徐に進行
    大脳皮質徴候:肢節運動失行、観念運動失行、皮質性感覚障害、把握反応、他人の手徴候、反射性ミオクローヌスなど
    錐体外路徴候:無動・筋強剛やジストニア
    これらの神経症候に顕著な左右差がみられる

検査

    脳MRI:なかなか一側前頭葉、頭頂葉の皮質萎縮を判断するのは微妙なのでSPECT所見と総合的に判断します
    脳SPECT、PET
    SEP、ENGなどの電気生理学的検査
    髄液検査

大脳皮質基底核変性症診断基準
1 主要項目
(1) 中年期以降に発症し緩徐に進行する。
(2) 失行あるいはその他の大脳皮質徴候

 肢節運動失行があり,左右差が目立つ。
 肢節運動失行が明瞭でなくても,皮質性感覚障害,把握反応,「他人の手」徴候,反射性ミオクローヌスのいずれがあり,左右差が目立つ。
 観念運動失行が肢節運動失行よりも顕著な場合は,左右差は目立たないことが多い。
 その他の認知機能障害
稀に,認知症,異常行動,注意障害,失語などが早期から目立つ例がある。
(3) 錐体外路徴候
 パーキンソニズム(無動,筋強剛,振戦):障害は下肢よりも上肢に目立つことが多い。
 ジストニー
(4) その他の神経症状
 偽性球麻痺(構音障害,嚥下障害)
 尿失禁
(5) 画像所見
CT,MRI,SPECT で,一側優位性の障害(大脳半球の萎縮または血流低下)は診断において,重要な支持的所見である。しかし,両側性あるいはび漫性に異常所見が出現する例もあるので,診断上必須所見とはしない。
(6) 除外すべき疾患
 パーキンソン病
 進行性核上性麻痺
 多系統萎縮症(特に線条体黒質変性症)
 薬剤,脳炎,脳血管障害,外傷など
 類似症状を呈するその他の疾患
(7) 判定
次の3 条件を満たすものを皮質基底核変性症と診断する。
 (1)を満たす。
 (2)の1項目以上,および(3)の1項目以上がある。
 他の疾患を除外できる。
注:なお,必須ではないが,画像所見によって他の疾患を除外し,一側性優位性の障害を確認する事が望ましい。
2 参考所見
大脳皮質基底核変性症(CBD)は,一側優位性が目立つ大脳半球萎縮および基底核変性を生じる神経変性疾患で,特有の大脳皮質症状と運動障害を呈する。
(1) 臨床的には,以下の所見がみられる。
 中年期以降に発病し緩徐に進行する。
 大脳皮質症状として,前頭・頭頂葉症状が見られる。最も頻度が高く特徴的な症状は肢節運動失行で,この他に観念運動失行,皮質性感覚障害,把握反応,他人の手徴候,反射性ミオクローヌスなどが出現する
 錐体外路症状として,パーキンソニズム(無動,筋強剛,振戦),ジストニーなどが出現する。症状は下肢よりも上肢のほうが顕著なことが多い。
 上記神経症状には,病初期から顕著な一側優位性がみられることが多い。
 注意障害,認知症,異常行動のような精神症状は,通常,運動症状よりも遅れて出現する。
 歩行障害,偽性球麻痺(構音障害,嚥下障害)などが早期から出現するために,
進行性核上性麻痺と鑑別困難な症例がある。
(2) 画像所見
CT,MRI,SPECT で,一側優位性の大脳半球萎縮または血流低下を認めた場合には,重要な支持的所見である。しかし,両側性あるいはび漫性の異常を認める例もあるので,診断上必須所見とはしない。
(3) 薬物等への反応
Lドパや他の抗パーキンソン病薬への反応は不良である。抗うつ薬,ドロキシドパ,経頭蓋磁気刺激などが試みられているが,効果はあっても一時的である。
(4) 病理学的所見
前頭・頭頂葉に目立つ大脳皮質萎縮が認められ,黒質の色素は減少している。顕微鏡的には皮質,皮質下,脳幹の諸核(視床,淡蒼球,線条体,視床下核,黒質,中脳被蓋など)に神経細胞減少とグリオーシスが認められる。ピック細胞と同様の腫大した神経細胞が大脳皮質および皮質下諸核に認められる。黒質細胞には神経原線維変化がみられる。ガリアス染色やタウ染色ではグリア細胞にも広範な変性が認められ,特にastrocytic plaque は本症に特徴的である。

進行性核上性麻痺 診断

はじめに
1964年にSteeleやRichardsonにより、核上性眼球運動障害、項部ジストニア、仮性球麻痺、認知症などを呈し、病理学的に基底核、脳幹、小脳などに神経脱落や神経原性変化を認める症候群と定義されました。現在では、様々な臨床病型が知られています。

概念
脳内のタウ蛋白の蓄積により、パーキンソン症状を来たす疾患でタウ蛋白loadの量と分布により以下の三つの亜型に分類されます

    1. Richardson症候群(PS):Steeleらの原著例に近いNINDS-SPSP criteriaのprobableにほぼ対応
    2. Progressive supranuclear palsy-parkinsonism (PSP-P):左右非対称の発症、振顫、L-dopaに対する部分的な反応などが特徴(臨床的にPDに類似した部分もある一群)
    3. Unclassifiable PSP(分類不能)
     Pure akinesia with gait freezing
     Cerebral cortical sign(CBS; PSP syndrome):alien hand、apraxiaなどを伴う
     Predominant frontal presentations:executive dysfunstionなど
     Cerebellar ataxia:小脳失調症状を伴う一群[ref]

検査

    血液検査、髄液検査
    脳MRI:中脳背側部(中脳被蓋>中脳蓋)の萎縮に伴うHummingbird sign、第3脳室の拡大、前頭葉萎縮、上小脳脚交差の信号変化
    脳SPECT
    眼球運動検査(ENG)
    MIBG心筋シンチ:パーキンソン病との鑑別のため

psp
脳MRI矢状断 T1強調画像(左:PSP、右:正常対象者)
赤矢印:PSPでは矢状断MRIで中脳吻側部分が水平あるいは下に凸に変化します。正常対象者やパーキンソン病では、上に凸です。萎縮した中脳正中吻側部がハチドリの嘴に見えるためHummingbird signとも呼ばれています
黄矢印:それぞれ四丘体の上丘を指しています。PSPでは、四丘体上丘の萎縮が見られることもあります。本例ではあまりはっきりしませんが、、、

診断基準
1. 国際的な診断基準は、NINDS-SPSP criteriaが使用されています

2. 古典的な診断基準は以下の通りです
進行性核上性麻痺診断基準
1 主要項目
(1) 40 歳以降で発症することが多く,また,緩徐進行性である。
(2) 主要症候

    垂直性核上性眼球運動障害(初期には垂直性眼球運動の緩徐化であるが,進行するにつれ上下方向への注視麻痺が顕著になってくる)
    発症早期(概ね1-2 年以内)から姿勢の不安定さや易転倒性(すくみ足,立直り反射障害,突進現象)が目立つ。
    ほぼ対称性の無動あるいは筋強剛があり,四肢末梢よりも体幹部や頸部に目立つ。

(3) その他の症候

    進行性の構音障害や嚥下障害
    前頭葉性の進行性認知障害(思考の緩慢化,想起障害,意欲低下などを特徴とする)

    (4) 画像所見(CT あるいはMRI)

      進行例では,中脳被蓋部の萎縮,脳幹部の萎縮,第三脳室の拡大を認めることが多い。

    (5) 除外項目

      L-ドパが著効(パーキンソン病の除外)
      初期から高度の自律神経障害の存在(多系統萎縮症の除外)
      顕著な多発ニューロパチー(末梢神経障害による運動障害や眼球運動障害の除外)
      肢節運動失行,皮質性感覚障害,他人の手徴候,神経症状の著しい左右差の存在(皮質基底核変性症の除外)
      脳血管障害,脳炎,外傷など明らかな原因による疾患

    (6) 判定
    次の3 条件を満たすものを進行性核上性麻痺と診断する。
    (1)を満たす。
    (2)の2 項目以上がある,あるいは(2)の1 項目および(3)の1 項目以上がある。
    他の疾患を除外できる。
    2 参考事項
    進行性核上性麻痺は,核上性注視障害,姿勢反射障害による易転側性が目立つパーキンソニズム,及び認知症を主症状とする慢性進行性の神経変性疾患である。神経病理学的には,中脳と大脳基底核に萎縮,神経細胞脱落,神経原線維変化,グリア細胞内封入体が出現する。
    初発症状はパーキンソン病に似るが,安静時振戦は稀で,歩行時の易転倒性,すくみ足,姿勢反射障害が目立つ。進行するにつれて,頸部の後屈と反り返った姿勢,垂直性核上性眼球運動障害(初期には眼球運動の随意的上下方向運動が遅くなり,ついには下方視ができなくなる),構音障害や嚥下障害,想起障害と思考の緩慢を特徴とする認知症や注意力低下が出現する。徐々に歩行不能,立位保持不能となって,寝たきりになる。抗パーキンソン病薬への反応は不良である。一時的に抗うつ薬やドロキシドパで症状が改善することがある。
    非定型例として「純粋無動症」と呼ばれる病型があり,パーキンソン病に似て,歩行障害,すくみ足,易転倒性を特徴とするが,筋強剛や振戦を欠く。眼球運動障害も末期になるまで出現しないことが多い。

パーキンソン病 総説

When Does Parkinson Disease Start? Arch Neurol. 2010;67(7):798-801.
パーキンソン病の運動症状出現前に見られる可能性のある病態に関する総説

Practice Parameter: Treatment of nonmotor symptoms of Parkinson disease: Report of the Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology. Neurology 2010 74: 924-931.
エビデンスに基づいたパーキンソン病の非運動症状に対する治療に関するAANの総説

The scientific and clinical basis for the treatment of Parkinson disease (2009). Neurology 72 May 26, 2009 Supplement 4
パーキンソン病の病態に関する総説

Overview of the Extranigral Aspects of Parkinson Disease. Arch Neurol. 2009;66:167-172.
パーキンソン病における黒質線状体系以外の神経システムの異常の総説

パーキンソン病 update 2

バックナンバー:

Rivastigmine for gait stability in patients with Parkinson’s disease (ReSPonD): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial. Lancet Neurol. 2016;15:249-58.
AchE阻害薬はパーキンソン病患者での転倒頻度を減少させるかもしれない

Immediate effect of spinal magnetic stimulation on camptocormia in Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2014 Apr 29.
パーキンソン病の腰曲りに対して脊髄反復磁気刺激による治療効果が見られた

Pimavanserin for patients with Parkinson’s disease psychosis: a randomised, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet. 2013;S0140-6736(13)62106-6.
セロトニン5-HT2A受容体選択的拮抗薬(ピマバンセリン)は幻覚などの陽性精神症状を改善させる

Plasma apolipoprotein A1 as a biomarker for Parkinson disease. Ann Neurol. 2013;74:119-27.
HDLの主要な構成成分であるアポリポプロテインA-Iの血漿濃度の低下は、ドーパミン機能の低下やパーキンソン病発症リスクの増加と関連していた

Neurostimulation for Parkinson’s disease with early motor complications. N Engl J Med. 2013;368:610-22.
パーキンソン病で早期の運動合併症を有する患者において,QOLや運動症状及びジスキネジア陰性期間などに関して視床下核刺激は内科的治療よりも優れていた

Meta-analysis of early nonmotor features and risk factors for Parkinson disease. Ann Neurol. 2012;72:893-901.
パーキンソン病発症の危険因子をsystematicに解析したところ、パーキンソン病の家族歴、振戦の家族歴、便秘、喫煙歴の欠如が危険性の増加と関連していた

Symptoms of rapid eye movement sleep behavior disorder are associated with cholinergic denervation in Parkinson disease.Ann Neurol. 2012;71:560-8.
PD患者の脳のPET検査解析では,REM睡眠障害はドーパミンやセロトニン作動性神経の減少とは関係せず,新皮質や辺縁系皮質,視床のコリン作動性神経の減少と関連していた.

A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of antidepressants in Parkinson disease. Neurology.2012 Apr 17;78(16):1229-1236.
十分に管理された多施設研究から、パーキンソン病に関連したうつ症状に対してparoxetine(パキシル)およびvenlafaxine(エフェクサー;本邦未承認)の有効性が示唆された

Dihydropyridine calcium channel blockers and the progression of parkinsonism.Ann Neurol. 2012;71:362.
高血圧患者での前向き研究から,ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(アムロジピンやニフェジピンなど)の内服は脳透過性に関係なくパーキンソン病の発症や進行に影響を及ぼしてはいないようだ

Seven-tesla magnetic resonance images of the substantia nigra in Parkinson disease.Ann Neurol 2012;71:267-277.
7TのMRIでは,PD患者の黒質の信号異常や容積の変化により形態学的変化をとらえられる.

Nigral pathology and parkinsonian signs in elders without Parkinson disease.Ann Neurol 2012;71:258-266.
パーキンソン病でない高齢者でも1/3に黒質神経細胞の減少が,17%にレビー小体が認められ,パーキンソン症状と関連していた.

Amantadine use associated with impulse control disorders in Parkinson disease in cross-sectional study.Ann Neurol. 2010;68:963-8.
パーキンソン病患者の横断的研究では,アマンタジン使用は衝動制御障害や強迫的ギャンブリングの多さと相関している.

Involvement of the cerebellothalamocortical pathway in Parkinson disease.Ann Neurol. 2010;68:816-24.
小脳と運動野への経頭蓋磁気刺激での検討から,パーキンソン病では小脳視床皮質経路の活性が低下しており,姿勢時振戦の発生に関連している.

Plasma epidermal growth factor levels predict cognitive decline in Parkinson disease.Ann Neurol. 2010 Nov 29.
パーキンソン病患者の多数の血漿蛋白の前向き調査から,EGF(上皮細胞増殖因子)濃度の低値が認知機能低下と相関している.

Physical activities and future risk of Parkinson disease. Neurology 2010 75: 341-348.
中等度から積極的な身体活動はパーキンソン病発症の危険性の低下と関連しているようだ

Atomoxetine for depression and other neuropsychiatric symptoms in Parkinson disease. Neurology 2010 75:448-455
アトモキシン(SNRI)はパーキンソン病の鬱症状の改善効果を示さなかったが、全般的な認知機能と日中の眠気を改善させた

Analysis of GWAS-linked loci in Parkinson disease reaffirms PARK16 as a susceptibility locus. Neurology 2010 75:508-512
中国人でのパーキンソン病に対する全ゲノム相関解析で、PARK1とPARK8遺伝子ので発症の危険性増加と関連するSNPを認め、PARK16では発症の低下と関連するSNPを認めた

Phasic muscle activity in sleep and clinical features of Parkinson disease.Ann Neurol. 2010;68:353.
パーキンソン病患者ではREM/nonREM睡眠でともに多くの筋収縮が認められ,睡眠中の脳幹から脊髄への脱抑制を示している

Initiating levodopa/carbidopa therapy with and without entacapone in early Parkinson disease: the STRIDE-PD study.Ann Neurol. 2010;68:18.
パーキンソン病の初期からL-dopaにCOMT-Iを併用しても,ジスキネジアの抑制にはならない.

Levodopa, methylmalonic acid, and neuropathy in idiopathic Parkinson disease.Ann Neurol. 2010;68:28.
パーキンソン病では健常者より末梢神経障害の合併が多く,レボドパと血清メチルマロン酸上昇と関連しており,レボドパとビタミンB12の併用を検討する必要がある.

Chaperone-Mediated Autophagy Markers in Parkinson Disease Brains. Arch Neurol. 2010;67(12):1464-1472.
パーキンソン病では黒質や扁桃体においてLAMP-2やhsc70などのシャペロン介在オートファジーマーカーの減少が認められた

SNCA Variant Associated With Parkinson Disease and Plasma α-Synuclein Level. Arch Neurol. 2010;67(11):1350-1356.
α‐シヌクレインをコードするSNCA遺伝子プロモーターの遺伝多型はパーキンソン病発症の危険性と関連していた、特にrs356219は血漿α‐シヌクレインの増加と関連する

L-type calcium channel blockers and Parkinson disease in Denmark.Ann Neurol. 2010;67:600.
L型カルシウムチャネル拮抗薬を内服していると,パーキンソン病発症のリスクが27%低下する.

Pathological gambling in Parkinson disease is reduced by amantadine.Ann Neurol. 2010;68:400
パーキンソン病の病的賭博にアマンタジン200mg内服が有効である.

Predictors of future falls in Parkinson disease. Neurology 2010 75: 116-124.
早期パーキンソン病であっても48%が転倒を経験しており、UPDRSを含めた複数のスコアを組み合わせることにより転倒の危険性を予測することができるかもしれない

A 12-Year Population-Based Study of Psychosis in Parkinson Disease. Arch Neurol. 2010;67(8):996-1001.
パーキンソン病では特に高齢発症、多くのパーキンソン病薬が必要な状態、レム睡眠行動異常症がある場合に精神症状の合併が多く見られ、精神症状の存在とADLや認知機能の低下に関連がみっれた

Serum Vitamin D and the Risk of Parkinson Disease. Arch Neurol. 2010;67(7):808-811.
血清のビタミンDが高値である集団はパーキンソン病発症の危険性が0.33倍に低下していた

Interaction Between ABCB1 and Professional Exposure to Organochlorine Insecticides in Parkinson Disease. Arch Neurol. 2010;67(6):739-745.
ABCB1遺伝多型とパーキンソン病発症の危険性は関連しないが、2つの多型[G2677(A,T)]保持者は有機塩素系殺虫剤暴露時間依存性に危険性が増加する

Impulse Control Disorders in Parkinson Disease: A Cross-Sectional Study of 3090 Patients. Arch Neurol. 2010;67(5):589-595.
パーキンソン病ではドーパミン作動薬の内服が衝動制御障害合併の危険性を約3倍に上昇させるが、その他にもレボドパの使用、未婚、若年、最近の喫煙、賭博の家族歴などの因子も関連も認めた

Glycopyrrolate for sialorrhea in Parkinson disease: A randomized, double-blind, crossover trial. Neurology 2010 74: 1203-1207.
グリコピロラート(副交感神経遮断薬)内服はパーキンソン病の慢性流涎(よだれ)に対し効果があり安全性も高い

Gum chewing improves swallow frequency and latency in Parkinson patients: A preliminary study. Neurology 2010 74: 1198-1202.
パーキンソン病ではガムを嚊むことにより嚥下の頻度と、嚥下までの潜時の短縮が見られた

Dyskinesia and the antiparkinsonian response always temporally coincide: A retrospective study. Neurology 2010 74: 1191-1197.
パーキンソン病ではレボドパによるパーキンソン症状改善効果とジスキネジアの出現時間は一致しており、長期間のレボドパ治療によりジスキネジアが出現しづらくなるということはなかった

Persistent organochlorine pesticides in serum and risk of Parkinson disease. Neurology 2010 74: 1055-1061.
有機塩素系農薬のなかでディルドリンはパーキンソン病発症の危険性の増加と関連しているかもしれない

Anti-inflammatory drugs and risk of Parkinson disease: A meta-analysis. Neurology 2010 74: 995-1002.
大規模研究の結果をまとめてみると、アスピリン以外のNSAIDsはパーキンソン病の発症の危険性を15%程度減らす可能性がある

Smoking duration, intensity, and risk of Parkinson disease. Neurology 2010 74: 878-884.
喫煙はパーキンソン病発症の危険性を低下させるが、1日の本数よりも喫煙期間が危険性の低下との関連が強かった

Increased Melanoma Risk in Parkinson Disease: A Prospective Clinicopathological Study. Arch Neurol. 2010;67(3):347-352.
パーキンソン病では、悪性黒色腫発症の危険性が2倍以上高い

Association of anosmia with autonomic failure in Parkinson disease. Neurology 2010 74: 245-251.
パーキンソン病における嗅覚障害は、黒質線状体系の障害よりは圧受容体反射障害などの自律神経障害との関連が強い

The Clinically Important Difference on the Unified Parkinson’s Disease Rating Scale. Arch Neurol. 2010;67(1):64-70.
UPDRSにおいて、臨床上有用な差異 CID(Clinically Important Difference)は,最小、中等度、最大で、ぞれぞれ4.3, 9.1, 17.1であった

Dopamine Agonist Withdrawal Syndrome in Parkinson Disease. Arch Neurol. 2010;67(1):58-63.
PDではドーパミン作動薬(DA)減量に伴い21%程度に衝動制御障害などのドーパミン受容体作動薬離脱症候群(DAWS)が出現し、DA投与量が多く、内服期間が長く、UPDRSが低い場合発症の危険性が高い

Effects of a Dopamine Agonist on the Pharmacodynamics of Levodopa in Parkinson Disease. Arch Neurol. 2010;67(1):27-32.
パーキンソン病では、レボドパによる運動症状改善効果をビ・シフロール併用でさらに増強させるが、ジスキネジアの増強効果も出現してしまった

Urate as a Predictor of the Rate of Clinical Decline in Parkinson Disease. Arch Neurol. 2009;66(12):1460-1468.
血清及び髄液の尿酸値の上昇はパーキンソン病の症状進行の予後因子であった

Occurrence and risk factors for apathy in Parkinson disease: a 4-year prospective longitudinal study J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009;80:1279-1282
PD患者ではアパシー(無気力)を一度以上経験したことがある人は49.4%と高率である。

Thoracolumbar spinal fixation for camptocormia in Parkinson’s disease J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009;80:1275-1278 PDの前屈症において胸腰椎固定術(外科手術)は推奨されない。

Medical records documentation of constipation preceding Parkinson disease: A case-control study. Neurology 2009 73: 1752-1758.
カルテ上の便秘の記載のある集団はない集団と比較してパーキンソン病発症の危険性が2.5倍に上昇し、発症の20年以上前に限定してもその関連は明らかであった

Validity of the MoCA and MMSE in the detection of MCI and dementia in Parkinson disease. Neurology 2009 73: 1738-1745.
モントリオール認知評価はMMSEよりもパーキンソン病に伴う認知症や軽度認知機能障害のスクリーニングに優れるが、どちらのテストも認知障害検出後はさらなる詳細な評価法が必要と考えられた

Stimulation of the subthalamic nucleus and impulsivity: release your horses.Ann Neurol. 2009;66:817-2
パーキンソン病の視床下核の深部脳刺激では,反射的や自発的な応答の抑制に関わる脳皮質活動を低下させ,抑制反応が障害されるような行動につながる.

Single-cell expression profiling of dopaminergic neurons combined with association analysis identifies pyridoxal kinase as Parkinson’s disease gene. Ann Neurol. 2009;66:792
PD患者の黒質細胞の全ゲノム遺伝子発現解析で,ビタミンB6とドーパミン代謝に関するPDXK遺伝子の発現が変化しており,ゲノム連関解析ではPDXK遺伝子中のSNPsもPDの危険上昇との関連していることから,病態への関与が疑われる.

Dopaminergic transplantation for Parkinson’s disease: current status and future prospects.Ann Neurol. 2009;66:591
予想されたような効果が得られていないPDに対するドーパミン産生神経細胞移植についての現状と今後の展望.

Professional exposure to pesticides and Parkinson disease.Ann Neurol. 2009;66:494-50
職業で殺虫剤を使用する男性では,パーキンソン病発症の危険が約2倍になり,殺虫剤の種類によっても影響を受ける.

Selective enhancement of rapid eye movement sleep by deep brain stimulation of the human pons.Ann Neurol. 2009;66:110-4.
パーキンソン病患者で,大脳脚橋核を刺激することによりREM睡眠を倍増させることができた.

Treatment disparities in Parkinson’s disease.Ann Neurol. 2009;66:142-5.
同じ健康保険の状況においても,パーキンソン病患者のアフリカ系米国人は白人に比べて4分の1しか治療を受けていない.

History of falls in Parkinson disease is associated with reduced cholinergic activity. Neurology 2009 73: 1670-1676.
PETによる検討では、パーキンソン病による転倒は黒質線条体ドーパミン系の異常というよりも、視床のコリン作動系機能の低下と関連していた

Clinical Features in Early Parkinson Disease and Survival. Arch Neurol. 2009;66(11):1353-1358.
早期PDでは、特に姿勢反射障害、認知機能障害、幻覚といった症状が、それぞれ1.8, 1.7-2.7, 1.4倍の死亡率増加と関連していた

International study on the psychometric attributes of the Non-Motor Symptoms Scale in Parkinson disease. Neurology 2009 73: 1584-1591.
Non-Motor Symptoms Scale(NMSS)はパーキンソン病の非運動症状の簡便で正確な評価が可能である

Incidence of and risk factors for cognitive impairment in an early Parkinson disease clinical trial cohort. Neurology 2009 73: 1469-1477.
パーキンソン病では5年で5.8%程度の割合で認知機能障害を来たし、高齢、男性、幻覚、球症状、運動障害の増悪、腸管泌尿器系異常、左右差の消失などが認知機能障害と関連していた

Autoimmune disease and risk for Parkinson disease: A population-based case-control study. Neurology 2009 73: 1462-1468.
自己免疫疾患の既往はパーキンソン病発症の危険性を増加させないが、関節リウマチの既往は危険性を30%程度低下させていた

Anemia or low hemoglobin levels preceding Parkinson disease: A case-control study. Neurology 2009 73: 1381-1387.
パーキンソン病では対照群の約2倍、さらに発症20年以上前から貧血が見られる傾向がある

Family history of melanoma and Parkinson disease risk. Neurology 2009 73: 1286-1291.
パーキンソン病では、第一親等内に悪性黒色腫が発症する危険性が1.85倍に上昇する

Driving under low-contrast visibility conditions in Parkinson disease. Neurology 2009 73: 1103-1110.
パーキンソン病では霧のかかったような視野条件下での運転では対照群と比較して有意に車の制御能力が低く事故の危険性が高い

Comparison of Risk Factor Profiles in Incidental Lewy Body Disease and Parkinson Disease. Arch Neurol. 2009;66(9):1114-1119.
剖検で検出される偶発的Lewy小体病では生活歴や既往歴に関する危険因子がパーキンソン病と同様の傾向を示していた

Determinants of the Timing of Symptomatic Treatment in Early Parkinson Disease: The National Institutes of Health Exploratory Trials in Parkinson Disease (NET-PD) Experience. Arch Neurol. 2009;66(9):1099-1104.
発症早期のPDでは、症状の強さと教育歴の高さが治療が必要な時期の早さと関連していた

Swallowing problems in Parkinson disease: frequency and clinical correlatesJNNP 2009;80:1047-9
パーキンソン病の嚥下障害は、重症度や精神症状と相関があるが、罹病期間とは相関がない

Pilot randomised controlled trial of occupational therapy to optimise independence in Parkinson’s disease: the PD OT trialJNNP 2009;80:976-978
PDに対する作業療法の試験的盲検試験。8ヶ月後にはNEADLで3.5点PD-Q39で3.8点の有意差がみられた。

The spectrum of neuropsychiatric symptoms in patients with early untreated Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 928-930.
未治療の初期PD患者の56%が精神症状を呈し、気分障害と無気力が多い

Incidence of Parkinson’s disease in Norway: the Norwegian ParkWest study. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 851-857.
ノルウェーのPD発症率は、12.6人/10万人、男女比1.58で、他の欧米諸国と同等である

Patterns of motor and non-motor features in Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 846-850
PD患者において、痴呆・自律神経障害・精神症状などの非運動症状と姿勢障害・構語・嚥下障害の発現は、病期そのものと相関する

Course in Parkinson disease subtypes: A 39-year clinicopathologic study. Neurology 2009 73: 206-212.
パーキンソン病では振戦症状が中心のタイプは、固縮や無動が強いタイプあるいは両者の混合型と比較して発症が若く進行が遅く、認知機能障害の合併が少なかった

Elevated Serum Pesticide Levels and Risk of Parkinson Disease. Arch Neurol. 2009;66(7):870-875.
パーキンソン病はアルツハイマー病や正常対象者と比較して血清中のβ‐ヘキサクロロシクロヘキサン(農薬の一種)濃度が高いことが多い

Predictors of cognitive and psychosocial outcome after STN DBS in Parkinson Disease.JNNP 2009 May 21. [Epub ahead of print]
PDでの両側の視床下核深部脳刺激術後1年後の効果は,L-dopaへの反応が良い症例では運動機能の改善がみられ,反応が悪い症例や高齢者,注意力の低い症例では認知機能の低下が多い傾向にある.

Non-motor symptoms of Parkinson’s disease: dopaminergic pathophysiology and treatment.Lancet Neurol. 2009;8(5):464.
PDの非運動症状についてドーパミンによる病態と治療の可能性についてのレビュー

Neuroinflammation in Parkinson’s disease: a target for neuroprotection?Lancet Neurol. 2009 Apr;8(4):382-97.
PDのドーパミン作動性神経を中心とした細胞死におけるグリア細胞や末梢免疫細胞を介した炎症性の病態の関与と,それに介入しうる新しい治療法の可能性についてのレビュー.

Variation in GIGYF2 is not associated with Parkinson disease. Neurology 2009 72: 1886-1892.
GIGYF2遺伝子変異はパーキンソン病発症の危険性を上昇させない

Bilateral coordination of gait and Parkinson’s disease: the effects of dual tasking.JNNP. 2009 Mar;80(3):347-50
PDでは認知機能的負荷をかけると歩行時の協調性に低下がみられ,持続的で正確な左右の踏み出しを持続するために認知に関する要素も使用していると思われる.

Olfaction in patients with suspected Parkinsonism and scans without evidence of dopaminergic deficit (SWEDDs).JNNP. 2009 Mar 9. [Epub ahead of print]
PDにおいて嗅覚試験はPET/SPECTでのドーパミン機能画像よりも感度の優れた検査ではなさそうだ.

Cognition and mood in Parkinson’s disease in subthalamic nucleus versus globus pallidus interna deep brain stimulation: The COMPARE Trial.Ann Neurol. 2009 Mar 13. [Epub ahead of print]
PDにおける深部脳刺激において視床下核と淡蒼球内節では,運動機能改善のほか認知機能や気分に与える影響に大きな差はない.

Mutations for Gaucher Disease Confer High Susceptibility to Parkinson Disease. Arch Neurol. 2009;66:571-576.
ゴーシェ病(Gaucher’s disease)の原因遺伝子であるGBA遺伝子のヘテロの変異は、パーキンソン病の発症、早期発症、家族内発症の危険因子である

Long-term Effect of Initiating Pramipexole vs Levodopa in Early Parkinson Disease. Arch Neurol. 2009;66:563-570.
レボドパあるいはpramipexole(ビ・シフロール)で初期治療を行ったPDでは長期追跡調査の結果、自己申告での神経症状に差はなかったが、前者は重度の眠気が少なく、後者はmotor fluctuationが少なかった

PET demonstrates reduced dopamine transporter expression in PD with dyskinesias. Neurology 2009 72: 1211-1216.
ジスキネジアを認める初期パーキンソン病では被殻のドーパミントランスポーターの発現が低下していた

Cognitive impairment in incident, untreated Parkinson disease: The Norwegian ParkWest Study. Neurology 2009 72: 1121-1126.
健常対象者と比較してパーキンソン病は早期で薬剤コントロール前であっても認知機能が低下してい可能性が2倍高い

A controlled trial of antidepressants in patients with Parkinson disease and depression. Neurology 2009 72: 886-892.
パーキンソン病のうつ症状にはパロキセチン(SSRI)よりもノリトレン(三環系抗うつ薬)の効果が高かった

Brain Penetration Effects of Microelectrodes and DBS Leads in STN or GPi.JNNP. 2009 Feb 22. [Epub ahead of print]
PDにおける視床下核や淡蒼球内節への深部脳刺激では,電極挿入半年後に刺激を12時間中止しても運動症状の改善がみられ,電極挿入術での脳組織への穿刺による効果があるのだろう.

Patterns of motor and non-motor features in Parkinson’s disease.JNNP. 2009 Feb 11. [Epub ahead of print]
PDの運動,非運動症状は病期の進行と関連する認知症,自律神経症状,日中の眠気などの諸症状や,治療薬内服と関連する運動系副作用,病状の重篤さと関連する睡眠やうつ状態,振戦や寡動などの4系統に分けられる.

Towards an understanding of fatigue in Parkinson’s disease. JNNP. 2009 Feb 9. [Epub ahead of print]
PDにおける疲労症状は,H&Y stageと相関し多変量解析では不安やうつ,意欲の欠如,UPDRSの運動スコア,疼痛と関連が見られ,日中の過眠などとは別の病態である可能性がある.

Therapeutic efficacy of unilateral subthalamotomy in parkinson’s disease: Results in 89 patients followed up to 36 months.JNNP. 2009 80:976-978.
PDにおける片側視床下核切除の3年間追跡調査では持続して対側の症状の改善,L-dopaの減量効果がみられたが,15%に片側舞踏病,バリスムが出現した.

Pedunculopontine nucleus stimulation induces monocular oscillopsia.JNNP. 2009 Feb;80(2):228-31.
PDの歩行障害に対して大脳脚橋核を電気刺激したら,中脳動眼神経への波及によると思われる同側の単眼の動揺視が出現した.

Deep brain stimulation activation volumes and their association with neurophysiological mapping and therapeutic outcomes.JNNP 2009 Jan 16. [Epub ahead of print]
PDでの視床下核深部脳刺激では刺激が広範囲に視床下核の背側縁にまで及んでいる方が症状改善効果が高い.

Deep brain stimulation of the subthalamic nucleus for the treatment of Parkinson’s disease. Lancet Neurol. 2009;8:67-81.
PDでの視床下核の深部脳刺激治療についての最近のまとめ.

Bilateral deep brain stimulation vs best medical therapy for patients with advanced Parkinson disease: a randomized controlled trial.JAMA. 2009 Jan 7;301(1):63-73.
進行期PDに対する6ヶ月の無作為比較研究では,深部脳刺激は内服治療に比べ外科手術に伴う重大な副作用の危険が高くなるが運動機能は有意に著明な改善を認める.

Genetic determinants of hair color and parkinson’s disease risk.Ann Neurol. 2009;65:76.
毛髪の色が薄い方がパーキンソン病になりやすい.

Biomarkers for Parkison’s disease: tools to assess Parkinson’s disease onset and progression.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S111-21.
PDの進行や治療評価などに使用できる生体指標についてのレビュー

What causes cell death in Parkinson’s disease? Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S3-15.
PD発症の分子生物学的な機序についてのレビュー

Functional models of Parkinson’s disease: a valuable tool in the development of novel therapies.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S16-29.
PDの機能モデル動物についてのレヴュー

The basal ganglia in Parkinson’s disease: current concepts and unexplained observations.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S30-46.
大脳基底核の生理的な役割とPDの病態における変化の最近の新しい知見についてのレビュー

Future of cell and gene therapies for Parkinson’s disease.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S122-38.
PDの細胞治療,遺伝子治療の見通しなどのレビュー

Nonmotor manifestations of Parkinson’s disease.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S65.
PDnおける精神症状,睡眠,自律神経障害などの非運動症状についてのレビュー

Premotor Parkinson’s disease: clinical features, detection, and prospects for treatment.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S139.
運動症状出現前のPDの臨床徴候や診断手段についてのレビュー

Why have we failed to achieve neuroprotection in Parkinson’s disease?Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S101.
PDの病態機序,モデル動物についてのレヴュー

Drug selection and timing of initiation of treatment in early Parkinson’s disease.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S47.
初期PDでの治療薬の選択と開始時期についてのrレビュー

Parkinson’s disease dementia: definitions, guidelines, and research perspectives in diagnosis.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S81.
アルツハイマー病やレビー小体を伴う認知症と鑑別してPDに伴う認知症を診断するための臨床診断基準の提案

How do you treat motor complications in Parkinson’s disease: Medicine, surgery, or both?Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S56.
PDの薬物治療と外科的治療を行うタイミングなどについてのレヴュー

Dopamine and impulse control disorders in Parkinson’s disease.Ann Neurol. 2008 Dec;64 Suppl 2:S93.
PDにおけるdopamine作動薬(L-dopa, agonist)と衝動行動制御障害についてのレヴュー

Impaired presynaptic inhibition in the motor cortex in Parkinson disease. Neurology 2009 72: 842-849.
パーキンソン病ではドーパミン系と関係の薄い運動野での皮質内抑制が認められた

B-type natriuretic peptide and cardiovalvulopathy in Parkinson disease with dopamine agonist. Neurology 2009 72: 621-626.
麦角系ドーパミンアゴニスト薬で治療されているPD症例ではBNP値と心エコーでの逆流の程度が相関する

Incidence and remaining lifetime risk of Parkinson disease in advanced age. Neurology 2009 72: 432-438.
特に男性ではパーキンソン病の発症リスクは少なくとも89歳まで増加する

アルツハイマー型認知症 Update 2

バックナンバー:

Olfactory epithelium amyloid-beta and paired helical filament-tau pathology in Alzheimer disease.Ann Neurol. 2010;67:462.
剖検検体で,アルツハイマー病の嗅上皮にはアミロイドベータやPHFタウの沈着があり脳と同様の病理がみられる.

Cognition, reserve, and amyloid deposition in normal aging.Ann Neurol. 2010;67:353.
cognitive reserve(認知機能の蓄え)があると、アミロイド沈着があっても認知機能の低下を来しにくい

Relationship between atrophy and beta-amyloid deposition in Alzheimer disease.Ann Neurol. 2010;67:317.
βアミロイドの蓄積量と脳萎縮の局所的な関係は健常者では認められるが、MCIやアルツハイマー病患者ではなくなり、βアミロイドの蓄積は早期の病態であろう。

Effect of apolipoprotein E on biomarkers of amyloid load and neuronal pathology in Alzheimer disease. Ann Neurol. 2010;67:308.
ApoEε4遺伝子は、アルツハイマー病の各種マーカーの中で髄液Aβの低値(脳への蓄積)と関係が強いが、総タウ(神経損傷)や脳萎縮とは関係少ない。

Comparing predictors of conversion and decline in mild cognitive impairment. Neurology 2010 75: 230-238.
軽度認知機能障害では年間17%程度がアルツハイマー病に移行するが、FDG-PETやエピソード記憶の異常がアルツハイマー病移行の予測因子で、髄液リン酸化タウ/Aβ42比の低下は認知機能悪化の予測因子であった

The child is father to the man: developmental roles for proteins of importance for neurodegenerative disease.Ann Neurol. 2010 Feb;67(2):151-8.
アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患で重要な蛋白の,神経細胞の発達,分化などにおける役割についての総説

Replication of CLU, CR1, and PICALM Associations With Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2010;67(8):961-964.
CLU, CR1, PICALM遺伝子のSNPsはアルツハイマー病発症の危険性と強い関連が認められる

APOE predicts amyloid-beta but not tau Alzheimer pathology in cognitively normal aging.Ann Neurol. 2010 Jan;67(1):122-31.
APOE4が多いほど,髄液中のアミロイドβ42の減少と脳への沈着が早期に見られるようになる.

CSF biomarkers predict a more malignant outcome in Alzheimer disease. Neurology 2010 74: 1531-1537.
髄液Aβ42低下とタウ蛋白の上昇が目立つアルツハイマー病はコリンエステラーゼ阻害薬の効果に乏しく、また認知機能の悪化速度も早い

Occupational exposure to pesticides increases the risk of incident AD: The Cache County Study. Neurology 2010 74: 1524-1530.
職業的な農薬の暴露はアルツハイマー病発症の危険性を若干増加させるかもしれない

A Summary Risk Score for the Prediction of Alzheimer Disease in Elderly Persons. Arch Neurol. 2010;67(7):835-841.
心血管系危険因子の有無によるスコアによりアルツハイマー型老年期認知症発症の危険性を予測できる

Genetic Variation and Neuroimaging Measures in Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2010;67(6):677-685.
全ゲノム関連解析によりアルツハイマー病との関連が示された遺伝子座は脳画像でのアルツハイマー的変化とも関連し、本研究によりBIN1とCNTN5もアルツハイマー病との関連が新たに示された

Food Combination and Alzheimer Disease Risk: A Protective Diet. Arch Neurol. 2010;67(6):699-706.
サラダドレッシング、ナッツ、魚、トマト、フルーツ、緑黄色野菜、鶏肉、ダイコン、キャベツなどの摂取の増加と、アルツハイマー病発症の危険性の低下と関連が見られた

An Inherited Variable Poly-T Repeat Genotype in TOMM40 in Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2010;67(5):536-541.
APOE遺伝子近傍に存在するTOMM40遺伝子多型とアルツハイマー病の関連に関する総説

Reduced Lean Mass in Early Alzheimer Disease and Its Association With Brain Atrophy. Arch Neurol. 2010;67(4):428-433.
健常人と比較して早期ADでは除脂肪体重が減少しており、除脂肪体重の減少と、皮質/白質萎縮、認知機能の悪化が相関していた

Randomized controlled trial of atorvastatin in mild to moderate Alzheimer disease: LEADe. Neurology 2010 74: 956-964.
中等度までのアルツハイマー病に対してアトロバスタチン80mg/日の内服はRCTで効果が証明できなかった

Gene expression levels as endophenotypes in genome-wide association studies of Alzheimer disease. Neurology 2010 74: 480-486.
アルツハイマー病においてインスリン分解酵素(Insulin-degrading enzyme, IDE)の発現レベルに関与するSNPsが3つ同定され、そのうち一つはアルツハイマー病発症の危険性の低下と関連していた

Correlation of Longitudinal Cerebrospinal Fluid Biomarkers With Cognitive Decline in Healthy Older Adults. Arch Neurol. 2010;67(2):217-223.
認知機能障害のない高齢者では、髄液Aβ42低下、リン酸化タウ蛋白の上昇などアルツハイマー病に関連したバイオマーカーの変化が見られる場合、経時的な認知機能の低下が強い

Effect of cognitive fluctuation on neuropsychological performance in aging and dementia. Neurology 2010 74: 210-217.
アルツハイマー病であっても認知機能の変動が見られることがあり、変動がある場合はその後の認知機能の悪化が強い

No effect of donepezil on striatal dopamine release in mild to moderate Alzheimer’s disease
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2010;81:119-121

軽?中等度のアルツハイマー病において、線条体のドパミン分泌にドネぺジルは影響を与えなかった。

Effect of tarenflurbil on cognitive decline and activities of daily living in patients with mild Alzheimer disease: a randomized controlled trial. JAMA. 2009;302:2557-64.
軽度アルツハイマー病に対し、選択的Aβ42低下薬であるtarenflurbilを投与しても、認知機能やADL(日常生活動作)の低下を遅延させる効果は見られなかった

Cancer linked to Alzheimer disease but not vascular dementia. Neurology 2010 74: 106-112.
白人高齢者ではアルツハイマー病の存在は癌での入院の危険性を半減させ、癌の存在はアルツハイマー病発症の危険性を減少させるが、脳血管性認知症との関連はなかった

Reduced gray matter volume in normal adults with a maternal family history of Alzheimer disease. Neurology 2010 74: 113-120.
母系遺伝のアルツハイマー病を有する場合、認知機能が正常な場合もアルツハイマー病で障害されやすい部位の灰白質の体積が減少している

Donepezil Treatment and Changes in Hippocampal Structure in Very Mild Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2010;67(1):99-106.
軽症のアルツハイマー病においてドネペジルの内服は、海馬の体積減少傾向に影響を与えないようだ

Differential association of [11C]PIB and [18F]FDDNP binding with cognitive impairment. Neurology 2009 73: 2079-2085.
アルツハイマー病では、[11C]PIB集積増加は全般的な認知機能障害と関連し、[18F]FDDNP集積増加はエピソード記憶の障害と関連していた

The neuropathology of probable Alzheimer disease and mild cognitive impairment.Ann Neurol. 2009 Aug;66(2):200-8.
アルツハイマー病やMCIが疑われた剖検例では,病理学的に皮質型レヴィー小体は少ないもののアルツハイマー病変や大小の梗塞があるものやその混合が多く,不均一な病理像を呈している.

A gamma-secretase inhibitor decreases amyloid-beta production in the central nervous system.Ann Neurol. 2009;66:48-54.
γセクレターゼ阻害薬LY450139投与による用量依存性のアミロイドβの産生低下が,アイソトープ標識と髄液採取を組み合わせた方法で確かめられた.

Apolipoprotein E-dependent accumulation of Alzheimer disease-related lesions begins in middle age.Ann Neurol. 2009;65:650-7.
ApoE4多型を持つものは50代でも老人斑が40%に見られ対照群の5倍の頻度だが,神経原線維変化は変わらない.

Association of parental dementia with cognitive and brain MRI measures in middle-aged adults. Neurology 2009 73: 2071-2078.
APOE4遺伝子保因者の中年において、両親の認知症あるいはアルツハイマー病の存在は言語及び視空間記憶の低下と脳萎縮に関連していた

Combined risk effects of IDE and NEP gene variants on Alzheimer disease
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009;80:1268-1270
フィンランドにおいてNEPとIDEの遺伝子型の影響は正常と比べてアルツハイマー病の発症率を3倍にする。両方の遺伝子が変化していても相乗効果は生じなかった。

Diabetes is associated with a slower rate of cognitive decline in Alzheimer disease. Neurology 2009 73: 1359-1366.
前向き多施設研究の結果ではアルツハイマー病は糖尿病を合併している場合、認知機能障害の進行が緩やかだった

Implication of Sex and SORL1 Variants in Italian Patients With Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2009;66(10):1260-1266.
SORL1遺伝子のSNPにはアルツハイマー病発症と関連するものが3つあり、そのすべては女性であることと関連していた

Baseline CSF p-tau levels independently predict progression of hippocampal atrophy in Alzheimer disease. Neurology 2009 73: 935-940.
アルツハイマー病では髄液中リン酸化タウ蛋白(スレオニン181リン酸化型)の上昇は、海馬萎縮の進行及び記憶力の悪化と強く関連していた

Extrapyramidal Signs Before and After Diagnosis of Incident Alzheimer Disease in a Prospective Population Study. Arch Neurol. 2009;66(9):1120-1126.
振戦、固縮、無動などの錐体外路症状は、AD初期検査時の12%に見られ病気と進行とともに合併例が増加し、錐体外路症状が見られる例はより認知機能障害の悪化の度合いが強い

Identification of independent APP locus duplication in Japanese patients with early-onset Alzheimer disease JNNP 2009 Sep;80(9):1050-2.
日本人の家族性アルツハイマー病(FAD)25家系、孤発性アルツハイマー病11人のAPP遺伝子を調べたところ、FAD2家系にAPP遺伝子重複が認められた。

Misplacing objects in mild to moderate Alzheimer’s disease: a descriptibe analysis from the VISTA clinical trial JNNP 80:966-975
軽度から中等度アルツハイマー病の”misplacing”とは「物をいつもと違うところにおいてしまうこと」よりも「普段の置き場所がどこだったか思い出せないこと」であり、患者の半数はそれを自覚し、自覚者の半数はそれを苦にしている。

Systemic inflammation and disease progression in Alzheimer disease. Neurology 2009 73: 768-774.
血中のTNF-αが半年以上にわたり2倍以上上昇しているアルツハイマー症例は、認知機能障害の進行度が4倍になる

Effect of a CYP2D6 polymorphism on the efficacy of donepezil in patients with Alzheimer disease. Neurology 2009 73: 761-767.
CYP2D6遺伝子の一塩基多型(rs1080985)が強く軽度から中等度のアルツハイマー病に対する塩酸ドネペジルの反応に影響を及ぼす

Parental history of Alzheimer disease associated with lower plasma apolipoprotein E levels. Neurology 2009 73: 681-687.
親がADの子供はない場合と比較して血中ApoEレベルが有意に低く、中年期のApoEの低下はADの危険因子なのかもしれない

Treatment of vascular risk factors is associated with slower decline in Alzheimer disease. Neurology 2009 73: 674-680.
ADでは動脈硬化性の危険因子の治療で認知機能の悪化を遅くすることができる

Semantic memory activation in individuals at risk for developing Alzheimer disease. Neurology 2009 73: 612-620.
ADの危険因子を持つ集団は特に常識的な言語負荷でのfMRIでの前頭前野や帯状回などの活動性の上昇が、危険因子のない群と比較して顕著であった

IV immunoglobulin is associated with a reduced risk of Alzheimer disease and related disorders. Neurology 2009 73: 180-185.
他疾患で免疫グロブリン療法を受けた症例は未使用例と比較して、5年後にアルツハイマー病類縁疾患に罹患する可能性が40%程度低下していた

Risk of dementia and AD with prior exposure to NSAIDs in an elderly community-based cohort. Neurology 2009 72: 1899-1905.
高齢者に関してはNSAIDsの服用がアルツハイマー病発症の危険性を低下させることはなかった

Reduced circulating angiogenic cells in Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 1858-1863.
アルツハイマー病では末梢血中の血管内皮前駆細胞の数が減少していた

Delirium accelerates cognitive decline in Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 1570-1575.
アルツハイマー病ではせん妄症状があると、認知機能悪化の度合いが強くなる

Cerebrospinal fluid biomarker signature in Alzheimer’s disease neuroimaging initiative subjects.Ann Neurol. 2009 Apr;65(4):403-13.
髄液中のアミロイドβ42と総タウの値が,軽症のアルツハイマー病の検出に優れMCIからの発症も予測できる.

Cerebrospinal Fluid Biomarkers and Rate of Cognitive Decline in Very Mild Dementia of the Alzheimer Type. Arch Neurol. 2009;66(5):638-645.
非常に早期のADでは髄液のタウ及びリン酸化タウ蛋白の上昇、Aβ42の低下と進行が早さに関連が認められた

Cortical α7 Nicotinic Acetylcholine Receptor and β-Amyloid Levels in Early Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2009;66(5):646-651.
ADでは認知機能障害が進行すると上前頭皮質のAβ蛋白は増加しニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)は明らかな変化がなかったが、ニコチン性アセチルコリン受容体の上昇とAβプラークの増加には関連が見られた

Effect of APOE genotype on amyloid plaque load and gray matter volume in Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 1487-1494.
APOE4遺伝子はAD発症の危険因子であるだけでなくPETで測定した脳内のアミロイドβ蛋白の沈着を促進させる

In vivo mapping of amyloid toxicity in Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 1504-1511.
アルツハイマー病では海馬や扁桃体において萎縮と[11C]-PIBの集積が良く相関するが、新皮質では相関関係が乏しい

Reduction of SorLA/LR11, a Sorting Protein Limiting β-Amyloid Production, in Alzheimer Disease Cerebrospinal Fluid. Arch Neurol. 2009;66:448-457.
アルツハイマー病では髄液中のsortilin-related receptor(SORL1)が低下しており、アミロイドβ蛋白の産生を増加させている可能性がる

CSF biomarkers in relationship to cognitive profiles in Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 1056-1061.
アルツハイマー病では髄液のタウ蛋白、リン酸化タウ蛋白が非常に高いと明らかに認知機能が悪い

Hippocampal atrophy rates in Alzheimer disease: Added value over whole brain volume measures. Neurology 2009 72: 999-1007.
海馬の萎縮率はアルツハイマー病への進行の予後因子となりえる

Memantine augments the effects of cholinesterase inhibition in the treatment of Alzheimer’s disease.JNNP. 2009 Feb 9. [Epub ahead of print]
ADに体する平均62ヶ月の長期追跡調査から,コリンエステラーゼ阻害剤にメマンチンを併用すると,死亡時期に差は見られないが介護施設への入所には有意な延長効果が見られる.

Decreased cerebrospinal fluid Abeta(42) correlates with brain atrophy in cognitively normal elderly.Ann Neurol. 2009;65:176-83.
髄液中のアミロイドβ42の減少は非痴呆者の脳容積と相関し,髄液中のタウやリン酸化タウの濃度は軽症アルツハイマー型痴呆患者の脳容積と逆相関しており,痴呆発症前の段階でアミロイドβの脳への沈着により髄液中濃度が低下している可能性がある.

Free radical damage to cerebral cortex in Alzheimer’s disease, microvascular brain injury, and smoking.Ann Neurol. 2009;65:226-9.
The Adult Changes in Thought研究の脳の解析から,選択的に増加したフリーラジカルがアルツハイマー病や微小血管脳病変,現在の喫煙と関連していたが,抗酸化補助食品の使用とは関連がみられなかった.

Cerebrospinal Fluid β-Amyloid 42 and Tau Proteins as Biomarkers of Alzheimer-Type Pathologic Changes in the Brain. Arch Neurol. 2009;66:382-389.
髄液のAβ42の低下とタウ蛋白の上昇はアルツハイマー病に関連した老人斑などの病理所見の存在を強く示唆する

Contribution of Vascular Risk Factors to the Progression in Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2009;66:343-348.
コレステロール、LDLコレステロール値の上昇、糖尿病の病歴はアルツハイマー病の認知機能障害の進行度と相関する

PGC-1α Expression Decreases in the Alzheimer Disease Brain as a Function of Dementia. Arch Neurol. 2009;66:352-361.
アルツハイマー病では脳内のPGC-1αの発現が減少していたが、このPGC-1αはFoxO3aを介してアミロイド前駆蛋白のαセクレターゼを介したアミロイド以外への代謝を促進している可能性がある

Safety and efficacy of galantamine (Reminyl) in severe Alzheimer’s disease (the SERAD study): a randomised, placebo-controlled, double-blind trial. Lancet Neurol. 2009;8:39-47. Epub 2008 Nov 29.
高齢者の重症認知症アルツハイマー病でもgalantamine内服にて,全体的な生活での改善は有意でないが,記憶や実行,視空間能力などに改善がみられる.

Autoantibodies against beta-amyloid are common in Alzheimer’s disease and help control plaque burden.Ann Neurol. 2009;65:24.
アルツハイマー病の患者では老人斑に反応する抗体が存在し,その量が多いほど老人斑の沈着は少なく貪食ミクログリアが増加し微小出血が減少しており,アミロイドβの沈着抑制に関与しているのだろう.

Growth hormone secretagogue MK-677: No clinical effect on AD progression in a randomized trial. Neurology 2008 71: 1702-1708.
IGF-1分泌促進剤であるMK-677 (ibutamoren mesylate) の投与はADの認知機能障害の進行を抑制できなかった

Longitudinal prognostic value of serum “free” copper in patients with Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 50-55.
アルツハイマー病ではセルロプラスミンに結合していない自由銅が高い群では認知機能障害の進行が強い

Increased striatal dopamine (D2/D3) receptor availability and delusions in Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 528-534.
妄想の強いアルツハイマー病患者は線状体のドーパミン受容体の効率が上昇している

Predictors of driving safety in early Alzheimer disease. Neurology 2009 72: 521-527.
アルツハイマー病では正常対象者と比較して運転中のエラーの確率が上昇し、特に交通規則無視が多い

GAB2 as an Alzheimer Disease Susceptibility Gene: Follow-up of Genomewide Association Results. Arch Neurol. 2009;66:250-254.
GRB2-associated binding protein 2(GAB2)遺伝子はアルツハイマー病発症の危険性に影響を与える

A Specific Enzyme-Linked Immunosorbent Assay for Measuring β-Amyloid Protein Oligomers in Human Plasma and Brain Tissue of Patients With Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2009;66:190-199.
アルツハイマー病では脳と血液におけるAβ蛋白のオリゴマーとモノマー量は双方とも増加し、血中では経過とともに低下する

Alzheimer Abnormalities of the Amygdala With Kluver-Bucy Syndrome Symptoms: An Amygdaloid Variant of Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2009;66:125-129.
扁桃体に老人斑を認めKluver-Bucy症候群を来たしたアルツハイマー病の70歳男性例

Carbon 11-Labeled Pittsburgh Compound B and Carbon 11?Labeled (R)-PK11195 Positron Emission Tomographic Imaging in Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2009;66:60-67.
アルツハイマー病では、[11C]PiBの集積は病期と相関して増加するがミクログリアのトレーサーである[11C](R)-PK11195の集積増加は見られなかった

フリードライヒ失調症 update

A Phase 3, Double-blind, Placebo-Controlled Trial of Idebenone in Friedreich Ataxia. Arch Neurol. 2010;67(8):941-947.
イデベノン(Idebenone)はフリードライヒ失調症の症状の改善効果は少なくとも6ヶ月間の観察期間中は認められなかった

Visual system involvement in patients with Friedreich’s ataxia. Brain 2009 132: 116-123
Friedreich失調症では視放線を含む視覚系の障害が認められる

Friedreich Ataxia. Arch Neurol. 2008;65:1296-1303.
フリードライヒ失調症とその遺伝子変異とメカニズムに関する総説

多系統萎縮症(MSA) 診断

MSAの診断基準 2008

疫学
脊髄小脳変性症の中で最も頻度が高く、発症年齢は40-60歳で性差はありません。進行性の疾患で予後は5-7年程度です

分類
最近は、MSAで統一されていますが昔から以下のような呼び方もあります

    オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)あるいはMSA-C:小脳失調症状が目立つ
    線条体黒質変性症(SND)あるいはMSA-P:パーキンソン症状が目立つ
    Shy-Drager症候群(SDS):自律神経障害が目立つ

検査

    脳MRI:小脳/橋底部の萎縮、線条体外側異常信号。橋十字サインが有名です。T2*やSaggital T1も加えてください
    血液検査、髄液検査:他疾患の除外のほかに、髄液中の5-HIAA、HVAの測定をすることもあります
    自律神経検査:Heat up tilt試験で多くの場合OHが検出されます
    MIBG心筋シンチ:基本的にはパーキンソン病と異なり集積は低下しません。

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右:脳幹中心部に十字サイン(Hot Cross bun sign)を認め、脳幹・小脳脚の萎縮を反映し第4脳室の拡大を認める 
左:脳幹、小脳の萎縮を認める

似たMRI所見と取り得る鑑別疾患
ちなみに、十字サインはSCA2, SCA7, SCA8, fragile X associated tremor/ataxia syndromeでも見られることがあり、被殻背外側高信号はSCA17, 成人GM1ガングリオシドーシスで見られることがあります

MSAを含む脊髄小脳変性症の呼吸不全に関して
これらの疾患では、明らかな原因を認めない喘鳴(stridor)や夜間の高音性の「いびき」、睡眠時無呼吸等が徐々に増悪していたという病歴が聴取されることがあって、このような状態下に誤嚥、呼吸器感染を生じると急性呼吸不全を呈することがあります。実際に、MSAにおける睡眠中のstridorは予後不良因子です。
しかしながら、明らかな誘因なく急性呼吸不全に陥ることがあるため注意が必要でです

症状

    声帯外転障害
    舌根、軟口蓋、披裂部、喉頭蓋など上気道の他部位の狭窄/閉塞、floppy epiglottis
    中枢性呼吸障害(中枢性睡眠時無呼吸、Cheyne-Stokes呼吸、失調性呼吸、cluster breathingなど)

これらの、上気道狭窄、中枢性呼吸障害は睡眠中に顕在化・増悪する場合が多いと言われています。さらに、小脳性失調、パーキンソニズム、自律神経障害に先行に先行して、呼吸障害が初発症状であることもあります

検査

    喉頭ファイバー:声帯観察を、覚醒時及びセルシン、ドルミカム、プロポフォール投与などによる睡眠時に行います。覚醒時所見が正常でも麻酔下の観察で狭窄が明らかになることが多いようです
    睡眠ポリソムノグラフィ検査

脊髄性筋萎縮症(SMA) 診断

概念・定義
脊髄性進行性筋萎縮症とはspinal progressive muscular atrophy:SPMAの訳であり、脊髄性筋萎縮症(SMA)とも呼ばれます。主に脊髄前角の運動神経細胞が変性し、全身の筋力低下と筋萎縮が徐々に進行性に悪化する病気です。
脊髄性筋萎縮症は、下位運動ニューロンのみが障害される運動ニューロン疾患の一型で、上位運動ニューロン徴候を伴わないことが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と異なる点です。感覚神経の障害はありません。遺伝子から別の診断として分離された、球脊髄性筋萎縮症(bulbo-spinal muscular atrophy:SBMA)との区別は明確にしてください。

疫学
十分な疫学調査はないが、ALS(人口10万人当たり2?3人)よりは少ない。

病因
近年の遺伝子解析で、乳幼児期に発症する常染色体性劣性遺伝を呈する脊髄性筋萎縮性(Werdnig-Hoffmann病、Kugelberg-Welander病)のうち第5染色体長腕(5q13)に遺伝子座(SMA遺伝子)がある家系が報告されているが、病因は未だ不明である。

検査

    針筋電図
    末梢神経伝導速度検査
    筋生検
    遺伝子検査:SMN、NAIPは東京女子医科大学小児科で測定可能

病型と症状
遺伝性脊髄性進行性筋萎縮症
1) Werdnig-Hoffmann病(I型)
常染色体性劣性遺伝を示す。出生直後から6ヶ月以内に診断され、四肢近位部優位の筋萎縮、筋緊張低下、筋力低下を示す。腱反射は初期には認められるが、後に消失する。筋緊張低下が著しいと乳児として印象的な症状から、floppy infant (ぐにゃぐにゃ児)と呼ばれる。生後2年以内に死亡する。
2) 中間型(II型)
I型とIII型の中間。生後7-18ヶ月で発症し、介助なしに座ることができないが、稀に補助器具で歩くことのできる例もある。細かな振戦が指を伸ばしたり、握ったりするときに認められることがある。
3) Kugelberg-Welander病(III型)
常染色体性劣性遺伝が基本であるが、優性遺伝例も報告されている。3歳以下の発症がIIIa、3歳以降の発症がIIIbとも分類される。児童期から思春期にかけて、下肢近位筋の筋力低下で発症し、筋萎縮、筋力低下、腱反射消失を主徴とする。次第に障害は全身に拡がり、進行性で運動機能が低下する。早期から歩行困難に陥るが、就学、社会生活は10?20年の長期にわたり可能な場合がある。
4) 成人型(IV型)
孤発性で、成人から老年にかけて発症し、緩徐に進行する。多くの場合上肢遠位に始まる筋萎縮、筋力低下、筋線維束性収縮、腱反射低下が見られる。これらの症状は、徐々に全身に拡がり、運動機能が低下する。四肢の近位特に肩甲帯の筋萎縮で初発する場合もある。本型は、経過が長く、末期になっても球麻痺症状や呼吸障害は目立たない。