Overshunting associated myelopathy(OSAM)治療

overdrainageの原因となっている、VPシャントの交換、圧調整、結紮、抜去によって多くの例が症状の改善を認めます。

頸髄造影MRI:本例では上位頸髄前方に造影される構造物を認め、これにより頸髄が圧迫されています。この造影されている構造物が、脊髄硬膜外静脈です(左)。シャントの抜去後にはこれらの所見は改善しています(右)refより抜粋

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Overshunting associated myelopathy(OSAM)診断

はじめに
Overshunting associated myelopathy(OSAM)とは、VPシャント挿入に伴って低髄圧になった場合に、Craniocervical junction(CCJ)を中心に脊髄硬膜外静脈が拡張して、圧排性にmyelopathy(頸髄症)を起こす疾患です。低髄圧であることと、シャント抜去によって神経症状の改善がみられることが多いことから、シャントによるoverdrainageが原因と推察されています。


Anterior epidural venous plexus、posterior epidural venous plexusが、本疾患で拡張する静脈です。

症状

    四肢麻痺、錐体路症状
    感覚障害、感覚性失調
    低髄圧であるにも関わらず、頭痛が出現しないという特徴があるようです

検査

    髄液:圧の低下
    頸髄MRI:両側前方、及び後方から圧迫されるため特徴的な画像を呈します(下図)
    脳MRI:髄液圧低下を反映した、硬膜の肥厚、下垂体の腫大、小脳扁桃の下垂。overdrainageによる側脳室の狭小化を見ることもありますが、その所見がないこともあります。
    造影CT/造影MRI:脊髄硬膜外静脈怒張がCCJ-C3付近にみられます


頸髄造影MRI:本例では上位頸髄前方に造影される構造物を認め、これにより頸髄が圧迫されています。この造影されている構造物が、脊髄硬膜外静脈です。refより抜粋

病態
Monoro Kellie doctorine(頭蓋内の容積は一定であり、脳そのものと髄液、血液の和は一定に保たれる)の法則を持ち出すことによって、以下のような仮説が考えられています。しかし、VPシャントの場合は、なぜ頸髄硬膜外静脈が拡張するのかはっきりとはわかっていません。
1. VPシャントにより側脳室から直接髄液が喪失
2. Monoro Kellie doctorineにより静脈還流量を増やして代償機構が働く
3. 脊髄硬膜外静脈の拡張
また、増加した静脈血は内頸静脈、椎骨静脈、硬膜外静脈を介して頭蓋外に流出します。OSAMにおいて、内頸静脈のflowが悪い症例がありステントを留置した症例報告もありますが、効果が乏しかったことから内頸静脈のflowの障害は本疾患の病態に強くは関与していないと考えます。

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蘇生後脳症(低酸素脳症) 診断

病態
循環不全または呼吸不全などによって、十分な酸素供給ができなくなり、脳に障害をきたした病態です。
低酸素脳症にはには、組織への血流量の低下(虚血)と、血液の酸素運搬能の低下(低酸素血症)の2つの病態が混在していることが多いので、低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy)とも呼ばれています。
心停止により脳への酸素供給が途絶えると、意識は数秒以内に消失して、3‐5分以上の心停止では、仮に自己心拍が再開しても脳障害(蘇生後脳症)を生じます。

原因
原因は大きく以下の4つに分類されますが、実際には、心停止や低酸素状態、低血圧などに対する蘇生後に神経内科医が診察、治療に関わることが多いと思われます。

    脳血流の低下 (stagnant hypoxia):心停止、心房細動、ショックなど
    低酸素血症(hypoxic hypoxia):窒息、呼吸不全、気道閉塞など
    血中ヘモグロビンの低下 (anemic hypoxia):出血、高度の貧血、CO中毒など
    細胞内の呼吸酸素系の障害(histotoxic hypoxia):シアン中毒、甲状腺機能亢進など

症状

    意識障害、精神症状:記憶障害、混迷、傾眠、昏睡など
    脳幹機能異常:対光反射、角膜反射の障害など
    筋力低下:四肢筋トーヌス低下、man-in-the-barrel syndromeなど
    痙攣発作:重積発作、ミオクローヌス性てんかん
    不随意運動:ミオクローヌス、アテトーゼ、ジストニア
    その他:パーキンソン症状、視覚性失認、皮質盲

Lance-Adams症候群
脳虚血後の昏睡状態から回復した症例で、意図的動作などをおこなう際に、ミオクローヌス(intention or action myoclonus) を呈する症候群で、1963年にLanceとAdamsにより初めて報告された病態です

検査

脳CT, MRI
他疾患の鑑別や脳損傷部位の同定、発症時期の推定に最も有用な検査法です
急性期(発症6日以内)
脳浮腫による大脳のびまん性腫脹、脳溝・脳室の狭小化、皮髄境界の不明瞭化が出現。MRIでは、大脳皮質のびまん性の細胞性浮腫を反映した拡散強調画像での高信号化
亜急性期(7日から29日)
大脳皮質の巣状壊死を反映し、脳回に沿ってT1強調像で高信号、T2強調像で早期は低信号、後期は高信号、Gd陽性となる病変
慢性期
大脳皮質のびまん性萎縮、脳室の拡大、両側の基底核にT1強調像、T2強調像で高信号の病変。Delayed post-hypoxic leukoencephalopathy(遅発性無酸素後脳症)では両側大脳半球白質にびまん性のT2強調像で高信号



脳MRI(A) :発症24時間後(左:FLAIR画像、中:拡散強調画像、右:拡散係数画像)FLAIR画像では大脳皮質がびまん性に高信号に描出され、同部位は拡散強調画像で高信号、拡散係数(ADC)値は低下している。後大脳動脈領域の大脳皮質は異常信号が目立たない。
脳MRI(B) :発症11日後(左:T1強調画像、中:FLAIR画像、右:造影後T1強調画像)T1強調画像、FLAIR画像ともに海馬を含む側頭葉皮質は高信号(laminar necrosis)を呈し、同部位は造影増強効果が認められる。
脳MRI(C):発症9ヶ月後(左:T1強調画像、右:FLAIR画像)両側基底核にT1強調画像、FLAIR画像ともに高信号の病変を認める。大脳皮質は年齢に比してびまん性に萎縮し、右島皮質、後頭葉皮質の一部はFLAIR画像で高信号を呈している。
脳CT(D):発症36時間後。両側大脳半球が腫脹し、皮髄境界が不明瞭化している。また、皮質や白質、基底核に低吸収域病変が散在して認められる。

脳波
大脳皮質の機能障害の推定、不随意運動と痙攣発作の鑑別するために必須です。
Generalized electrical suppression(平坦脳波)、Generalized burst suppression(群発抑制交代パターン)、generalized periodic complexes(周期性複合波)は予後不良に関連。その他、Periodic lateralized epileptiform discharge (PLEDs)、α波(α昏睡)、棘波・鋭波などの突発波

体性感覚誘発電位(Somatosensory evoked potential, SEP)
正中神経刺激のSEPによる両側N20の消失が認められる。発症1−3日におけるN20の消失は予後不良と関連している。

バイオマーカー
蘇生後1-3日後の血清NSE値33μg/L以上は予後不良とされています。その他、アストログリア関連蛋白の一種であるS-100βやGFAP、クレアチンキナーゼ(CK)、髄液乳酸値なども検討されていますが、予後予測に関する有用性は今のところ確立されていません。

その他の検査
1H-MRS(proton magnetic resonance spectroscopy)による乳酸ピークの上昇やNAA(N-AcetylAsparate)の低下、PETでの糖代謝の低下 など

無酸素脳症における予後不良因子
以下の項目が陽性の場合、予後不良の可能性が高いと考えます

検査の時期(発症後日数)
臨床徴候
 30分以上の心肺蘇生時間  
 8−10分以上の低酸素状態
 6時間以上の昏睡  
 痛み刺激に対して四肢の随意運動がない 3日
 対光反射あるいは角膜反射の消失 3日
 ミオクローヌスてんかん 24時間以内
検査所見  
 脳波所見  
 平坦脳波 (< 20μV) 3日以内
 群発抑制交代パターン (burst suppression) 3日以内
 周期性複合波 (periodic complexes) 3日以内
 体性感覚誘発電位(SEP)  
 N20の消失(正中神経刺激) 1-3日
 バイオマーカー  
 血清NSE > 33 μg/L 1-3日
 画像所見  
 脳CTでの灰白質/白質信号比の低下 蘇生直後
 脳MRIでの広範囲な拡散係数(ADC)低下病変 7日以内

Post-Cardiac Arrest Syndrome(PCAS)について
ここでは、主に中枢神経障害について書きましたが、低酸素脳症によって障害される臓器は中枢神経だけではありません。そのため心停止に伴って生じる様々な病態を包括してPost-Cardiac Arrest Syndrome(PCAS)と呼ばれ、以下のような病態が含まれます。
1. Post-Cardiac Arrest Brain injury
低酸素侵襲により神経細胞死が誘導され、意識障害、痙攣、ミオクローヌスなどを来す病態です。これは、今までの記載の病態です。
2. Post-Cardiac Arrest myocardial dysfunction
低酸素侵襲により心筋細胞が気絶現象を起こしてびまん性の心筋収縮力低下を来す病態です。一部は可逆性である事が知られています。自己心拍再開Return of spontaneous circulation(ROSC)後、8時間程度で極期になりますが、24?48時間後には回復傾向を示して、72時間後にはほぼ完全に回復するとされています。
3. Systemic ischemia/reperfusion response
全身性虚血と再灌流に伴って全身性の炎症反応が引き起こされて、敗血症に類似した全身性炎症反応症候群を来す病態です。炎症反応により血管内皮細胞障害を生じ、凝固亢進や多臓器不全を来すようです。
4. Persistent precipitating pathology
心停止に至った原因疾患の事を指します。病院外心停止から蘇生された患者の40%程度に急性冠症候群認められる事が知られていますので、冠動脈造影や急性期に於ける血行再建が重要である可能性があります。

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蘇生後脳症(低酸素脳症) update

Targeted Temperature Management at 33°C versus 36°C after Cardiac Arrest. N Engl J Med. 2013 Nov 17.
心肺蘇生後低体温療法に関して、目標体温を33度に下げたとしても、36度にした場合と比較してより強い治療効果は得られなかった

Trends in Survival after In-Hospital Cardiac Arrest. N Engl J Med 2012; 367:1912-1920.
米国における大規模研究では、院内心停止後の生存と神経学的転帰の両方が過去10年間で改善している

Prehospital epinephrine use and survival among patients with out-of-hospital cardiac arrest. JAMA. 2012 Mar 21;307(11):1161-8.
心停止に対する病院到着前のepinephrineは、1ヵ月の時点で、生存率を低下させ、神経学的アウトカムを悪化させる

Prognosis of coma after therapeutic hypothermia: A prospective cohort study.ANN NEUROL 2012;71:206-212.
心肺蘇生後低体温療法の後の予後判定にはNSEの値や運動機能スコアは不適切で,72時間後の脳幹反射やSEPが信頼性を有する.

Predictors of neurologic outcome in hypothermia after cardiac arrest. Ann Neurol. 2010;68:907-14.
心停止後の低体温治療3日目における脳幹反射や脳波,ミオクローヌスの有無などは予後決定因子である.

Hypoxic brain injury sparing the posterior circulation. Neurology 2010 74: 1476.
後方循環領域の障害が目立たなかった低酸素脳症の37歳女性例

Poor prognosis despite successful treatment of postanoxic generalized myoclonus. Neurology 2010 74: 1392-1394.
蘇生後脳症にともなうミオクローススに対してプロポフォールは症状、脳波上の改善を認めるが予後の改善効果はない

Does hypothermia influence the predictive value of bilateral absent N20 after cardiac arrest? Neurology 2010 74: 965-969.
心停止後の低体温療法を施行された集団において両側のN20が消失してる場合であっても、慢性期にN20が再び出現し意識レベルの改善を認める例が極少数存在した

Accuracy of clinical signs, SEP, and EEG in predicting outcome of hypoxic coma: A meta-analysis. Neurology 2010 74: 572-580.
低酸素脳症の意識障害の予後予測は、SEPのN20の方がGCS (Glasgow coma scale) のM1であることよりも若干有用である

Resuscitating the heart but losing the brain: Brain atrophy in the aftermath of cardiac arrest. Neurology 2010 74: 306-312.
心停止後脳症では帯状皮質、楔前部、島皮質、海馬後部、視床背内側核の萎縮が見られ、認知機能障害と関連が見られた

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頚椎症性脊髄症(CSM) 治療

保存的治療
基本は手術ですが、とりあえず手術までは以下の治療を行います
安静、頚椎カラー、牽引療法、対症療法(鎮痛剤、抗うつ薬、筋弛緩剤、神経根ブロックなど)

手術
基本的には保存的治療が多い頚椎症性神経根症と異なり、進行性の「脊髄症」や神経根症があれば手術を考慮します。前方、後方アプローチがありますが、それぞれの利点につき議論が盛んになされている段階です

    前方アプローチ
    3椎間までの病変や高齢でない場合に考慮されます。前方から骨棘が除去できる利点がありますが、Swan neck deformityが生じやすいためanterior platingやBraceが必要になることもあります
    後方アプローチ
    3椎間異常の多椎体病変、高齢者に行います。椎弓切除術(+後方固定術)、椎弓形成術などがあります

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頭部外傷 update

Placebo-Controlled Trial of Amantadine for Severe Traumatic Brain Injury. N Engl J Med 2012; 366:819-826.
アマンタジンは外傷後の意識障害患者において,投与期間中の機能回復速度を促進させた

Decompressive Craniectomy in Diffuse Traumatic Brain Injury. N Engl J Med. 2011 Mar 25.
重症びまん性外傷性脳損傷による頭蓋内圧亢進で治療抵抗性の成人患者において,早期の両側前頭側頭頭頂骨減圧開頭術により,頭蓋内圧が低下し,ICU 在室期間が短縮したが,転帰はより不良であった

A review of paroxysmal sympathetic hyperactivity after acquired brain injury.Ann Neurol. 2010;68:126.
頭部外傷や虚血脳症,脳血管障害などの後にしばしばおこるがあまり知られていない,発作性交感神経過活動についてのレビュー

Regionally Selective Atrophy After Traumatic Axonal Injury. Arch Neurol. 2010;67(11):1336-1344.
外傷性びまん性軸索損傷では、海馬、扁桃体、視床、脳梁、中心後回など萎縮を来たす部位に一定の傾向があり、全体の脳萎縮及び特定部位の脳萎縮は長期の機能障害の予後因子であった

New Perspectives on Amyloid-β Dynamics After Acute Brain Injury: Moving Between Experimental Approaches and Studies in the Human Brain. Arch Neurol. 2010;67(9):1068-1073.
頭部外傷後のAβ蛋白の動態に関する総説

Sleep disturbance and melatonin levels following traumatic brain injury. Neurology 2010 74: 1732-1738.
外傷性脳損傷では、不安、うつ状態、睡眠障害の頻度が対照群と比較して多く、睡眠障害に関しては睡眠効率の低下や中途覚醒を認め、体内で自然にメラトニン分泌が始まる時間(Dim-Light Melatonin Onset)に変化はないが夕方のメラトニンレベルが低かった

Ventromedial prefrontal cortex modulates fatigue after penetrating traumatic brain injury. Neurology 2010 74: 749-754.
穿通性頭部外傷では、腹内側前頭前野病変と疲労の強さが関連し、病変体積が大きいほど疲労も強かった

A prospective diffusion tensor imaging study in mild traumatic brain injury. Neurology 2010 74: 643-650.
軽度の外傷性脳損傷では脳梁などで一時的にFA値が上昇し、一時的な細胞障害性浮腫(Cytotoxic Edema)を反映している可能性がある

Thalamic integrity underlies executive dysfunction in traumatic brain injury. Neurology 2010 74: 558-564.
外傷性脳損傷では放線冠、内包、視床などのFA値が低下するが、特に視床のFA値が注意、実行機能、記銘力と相関していた

A multicentre study on the clinical utility of post-traumatic amnesia duration in predicting global outcome after moderate-severe traumatic brain injury
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2010;81:87-89

頭部外傷において、外傷後の健忘が4週以内で回復すれば予後は良好だが、8週間以上遷延すると後遺症が残る。

S-100B and neuron specific enolase are poor outcome predictors in severe traumatic brain injury treated by an intracranial pressure targeted therapyJ Neurol Neurosurg Psychiatry 2009;80:1241-1248.
S-100BとNSE(神経特異エノラーゼ)は重症頭部外傷の頭蓋内圧亢進に対する手術の予後判定マーカーには使えない

Perfusion computed tomography in the acute phase of mild head injury: regional dysfunction and prognostic value.Ann Neurol. 2009;66:809-1
通常のCTで異常のない軽症の頭部外傷患者でも,還流CTにより前頭葉で血流が低下していると予後が悪い

Loss of hypocretin (orexin) neurons with traumatic brain injury.Ann Neurol. 2009;66:555
外傷性脳損傷では視床下部のオレキシン産生神経細胞が減少し,慢性的な眠気の原因となる.

Intracortical electroencephalography in acute brain injury.Ann Neurol. 2009;66:366-77.
頭部外傷後において皮質内電極脳波は頭皮電極脳波に比べ,高感度にてんかん発作や脳波変化をとらえることができる.

Fornix Injury in a Patient With Diffuse Axonal Injury. Arch Neurol. 2009;66(11):1424-1425.
びまん性軸索損傷による脳弓障害をFLAIR及びFA画像で描出しえた40歳男性例

Early seizures and cerebral oedema after trivial head trauma associated with the CACNA1A S218L mutation
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 1125-1129.
頭部外傷後に早期痙攣・脳浮腫・片麻痺を伴う偏頭痛を呈する一群はCACNA1A S218L変異と関連するかもしれない

Symptomatic left temporal arteriovenous traumatic fistula. Neurology 2009 73: 570.
外傷後頭皮動静脈瘻の25歳男性例

Effect of Mannitol and Hypertonic Saline on Cerebral Oxygenation in Patients with Severe Traumatic Brain Injury and Refractory Intracranial Hypertension.JNNP. 2009 Mar 16. [Epub ahead of print]
頭部外傷でのマンニトールで難治性の頭蓋内圧亢進に対しては7.5%高張生理食塩水投与が脳の酸素化や脳還流圧,心拍出量を改善する.

Alleviation of carer strain during the use of the Neuropage device by people with acquired brain injury.JNNP. 2009 Feb 25. [Epub ahead of print]
後天性脳損傷患者に,思考や発語などを補助し文字を表示する装置(ニューロページ)を使用すると,介護者の負担も軽減される.

Long-term risk of epilepsy after traumatic brain injury in children and young adults: a population-based cohort study. Lancet. 2009 Feb 20. [Epub ahead of print]
子供や若者では,中等度以上の外傷性脳損傷後10年以上経ってもてんかんの危険性は依然高い.

NGF, DCX, and NSE upregulation correlates with severity and outcome of head trauma in children. Neurology 2009 72: 609-616.
髄液中のNGF, DCX, NSE濃度は小児の頭部外傷の良いマーカーで、NGFとDCXの上昇は機能予後の良さと関連する

Efficacy of methylphenidate in the rehabilitation of attention following traumatic brain injury: A randomized, crossover, double-blind, placebo controlled inpatient trial. JNNP 2008 Dec 5. [Epub ahead of print]
中等度から重度の頭部外傷受傷後2ヶ月くらいのリハビリにメチルフェニデートを使用することにより,情報処理能力の改善が見られれる.

Towards an understanding of sex differences in functional outcome following moderate to severe traumatic brain injury: a systematic review. JNNP. 2008;79:1197-201.
動物実験ではメスはオスより頭部外傷の後遺症が少ないとされているが,人での11の報告をまとめると中等度から高度の頭部外傷ではそのような性差はみられない.

Verbal memory deficit following traumatic brain injury: assessment using advanced MRI methods. Neurology 2008 71: 1199-1201.
fMRIによる解析を行った外傷後の言語性記憶障害の一例

Return-to-Play Criteria After Athletic Concussion: A Need for Revision. Arch Neurol. 2008;65:1158-1161.
スポーツに関連した脳震盪(Concussion)に関する総説

Compensatory strategies for acquired disorders of memory and planning: differential effects of a paging system for patients with brain injury of traumatic versus cerebrovascular aetiology. JNNP. 2008;79:930-5. Epub 2007 Nov 26.
頭部外傷と脳血管障害後では,認知機能の障害に対して呼び出し装置による機能の代償には差がある.

Early prediction of favourable recovery 6 months after mild traumatic brain injury. JNNP. 2008;79:936-42. Epub 2007 Oct 19.
外傷性脳障害では,受傷前後の症状などから6ヶ月後の予後をある程度予測できる.

Moderate and severe traumatic brain injury in adults.Lancet Neurol. 2008;7:728-41.
中等症以上の成人の外傷性脳障害について最近の臨床分類や対処の変化,議論となっている点についてのレビュー

Neuroendocrine disorders after traumatic brain injury. JNNP 2008;79:753-9.
外傷性脳障害のあとの下垂体を中心とした内分泌障害は高頻度であり,注意が必要である

Blood-brain barrier disruption in post-traumatic epilepsy. JNNP 2008;79:774-7. Epub 2007 Nov 8.
外傷性脳障害後には血液脳関門の機能が持続的に障害されていることがあり,外傷後のてんかんとも関連がある

Hypothermia therapy after traumatic brain injury in children. NEJM 2008;358:2447-56.
小児の重症頭部外傷で受傷後8時間以内に開始し24時間行った低体温療法は有効ではなく,死亡率も高い傾向になった

Comparison of indices of traumatic brain injury severity: Glasgow Coma Scale, length of coma and post-traumatic amnesia. JNNP 2008 79:678-85.
外傷性脳障害では意識消失時間と外傷後健忘,意識回復から見当識正常化までの時間は直線的な関係にある

The Effect of Telephone Counseling on Reducing Post-Traumatic Symptoms after Mild Traumatic Brain Injury: A Randomized Trial. JNNP. 2008 May 9 [Epub ahead of print]
軽度の外傷性脳障害に電話でのカウンセリングを行うことで,外傷後の後遺症が軽減する

Early predictors of unfavourable outcome in subjects with moderate head injury in the emergency depa.
rtment. JNNP 2008;79:567-73.
中等症(GCS9-13)の頭部外傷で救急室に運ばれた患者で,頭蓋骨折,くも膜下出血,凝固異常,硬膜下血症,modified Marshall category,GCSの変数が予後と関連し,これらを組み合わせて評価することでかなり正確な予後が判定できる

Diffusion Tensor Tractography of Traumatic Diffuse Axonal Injury. Arch Neurol. 2008;65:619-626.
外傷性びまん性軸索損傷急性期に拡散テンソル画像を撮像することにより、障害部位と長期予後を予測できるかもしれない

Association between apolipoprotein-epsilon4 and long-term outcome after traumatic brain injury. JNNP 2008;79:426-30.
APOEのε4型を持っているほうが,外傷性脳障害のあとの回復が良い.

Observational approach to subjects with mild-to-moderate head injury and initial non-neurosurgical lesions. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2008 Mar 20 [Epub ahead of print]
軽度から中等度の頭部外傷で当初手術の必要のない患者は,CTが撮れて遠隔の神経専門家に相談が可能で30-60分以内に脳外科病棟に移送できるのであれば,一般病院に入院させても,脳外科病棟と予後は変わらない.

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特発性正常圧水頭症 update

Deconstructing normal pressure hydrocephalus: Ventriculomegaly as early sign of neurodegeneration. Ann Neurol. 2017 Oct;82(4):503-513.
特発性NPHは長期的なシャント術の効果が乏しい例も多く、脳室拡大はPSP、AD、DLBなどの変性疾患による二次性の変化である場合もある

Low-dose acetazolamide reverses periventricular white matter hyperintensities in iNPH. Neurology. 2014;82:1347-51.
低容量アセタゾラミド投与は、特発性正常圧水頭症の脳室周辺の高信号領域を減少させ、歩行の改善も得られる可能性がある

Lack of shunt response in suspected idiopathic normal pressure hydrocephalus with
Alzheimer disease pathology.Ann Neurol. 2010 Mar 8. [Epub ahead of print]
皮質生検でアルツハイマー病の病理所見のある正常圧水頭症の人は,シャント術による症状の改善が乏しい.

Perioperative risk factors for short term shunt revisions in adult hydrocephalus patients
D Farahmand, H Hilmarsson, M Hogfeldt, M Tisell
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009;80:1248-1253

成人水頭症において、術後6ヶ月以内にシャントに問題が生じる割合は、術式(脳室腹腔シャントと脳室心房シャント)によらなかった。

The longitudinal profile of CSF markers during external lumbar drainage J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 1130-1133.
iNPH患者に72h持続髄液ドレナージを行い、髄液のマーカーを調べた。乳酸・VEGF・GFAP・総タウは72時間で上昇し、NF(h)は低下した。ドレナージ開始時の髄液でAβと総タウに相関、GFAPはAβと総タウの両方に相関、NF(h)はVEGFと逆相関がみられた。

Retrograde jugular flow associated with idiopathic normal pressure hydrocephalus. Ann Neurol. 2008;64:217-21.
特発性正常圧水頭症では,頸静脈の逆流が有意に多く見られる

Normal Pressure Hydrocephalus: Very long term outcome after shunt surgery. JNNP. 2008 Mar 20 [Epub ahead of print]
iNPHのシャント手術後の経過を回顧的に見たところ,再手術が必要となった例も多いが,5−7年は症状の改善が続いているようである.

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