感染性疾患

抗真菌薬 治療

標準的な真菌による中枢神経感染症
アムホテリシンB(ファンギゾン)
1日1回 0.25mg/kg 6時間でゆっくり点滴静注 翌日より0.5-1.0mg/kgへ漸増。必ず500ml以上の5%ブドウ糖に溶解してください。
+
アンコチル(フルシトシン: 5-FC) 25mg/kg/回 1日4回経口

第二選択
ジフルカン
400mg/日 1日1回経口、経口不可能なら静注

その他
イトリゾール(イトラコナゾール) 200mg/日 1日1回 食直後経口
ブイフェンド(ボリコナゾール) 初回のみ12mg/kg/日分2、翌日より6-8mg/kg/日分2でゆっくり点滴静注。状態が落ち着いていれば、1週間を目安に経口400-600mg/日分2への切り替えを考慮する

クリプトコッカス髄膜脳炎の場合、臨床症状が改善し、髄液のクリプトコッカス抗原が陰性化したら、ジフルカンの内服に切り替え、比較的長期間使用します

神経梅毒 治療

T.pallidum(トレポネーマ・パリドム)はペニシリン耐性を得る能力がないので、再発例でもペニシリンで治療します。歴史的にもペニシリンが導入されて60年以上が経過していますが、未だにペニシリンの有効性は低下していません
治療後3~6ヶ月後に腰椎穿刺を行い、以降も半年ごとに施行して脳脊髄液内の白血球数が正常に戻り、脳脊髄液VDRLが陰性になるまで続けましょう。治療から二年経っても脳脊髄液所見が陰性化しない場合は再度の治療が推奨されます。また、脳脊髄液中の白血球数上昇や、脳脊髄液VDRLの増加が見られている場合も再度の治療が必要です。

1. ペニシリンG大量静注(1200-2400万単位/日、300から400万単位を1日6回投与)2週間
または
ペニシリンGプロカイン1200-2400万単位/日の筋肉注射とプロべネシド500mg経口を4時間毎

2. ただし、軽いペニシリンアレルギーを持つ患者に対しては代替策としてセフトリアキソン(ロセフィン)2g/日静注を10~14日間継続

注:Jarisch-Herxheimer reaction
治療開始から24時間以降に発熱、悪寒、筋肉痛、頻脈、頭痛、血管拡張、精神症状が悪化することがあり、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応 Jarisch-Herxheimer reactionと呼ばれています。これは、12から24時間以内に改善する一過性の反応なので、ペニシリンアレルギーと誤解して抗生剤の変更を行わないようにしましょう。

PenicillinとT.pallidum
T.pallidumにあるPBP(penicillin-binding protein)の一種であるTp47はペニシリナーゼとしても働きます。ペニシリンがTp47に結合して、ペニシリンが加水分解した結果出来た副産物が、Tp47に対する親和性高く結合してT.pallidumを破壊します。
penicillinctp47

神経梅毒 診断

はじめに
T.pallidum(トレポネーマ・パリドム)による中枢神経の感染症の総称です。初感染後初期から晩期までどの時期においても生じる可能性があります。T.pallidum は感染後3から18ヶ月以内に中枢神経系に侵入しますが、必ずしも潜伏感染する訳ではないようです。最近、見かけることは少なくなっていますが、HIV症例での感染も問題になっていて、HIV症例ではペニシリン治療のみでの治癒が困難になっています。

症状
1. 無症候型神経梅毒

    髄液細胞数・蛋白の上昇やVDRL陽性など異常を認めるますが、症状のない状態です。それでも、治療の必要性はあります。

2. 髄膜血管型神経梅毒

    髄膜血管型はさらに、髄膜型、脳血管型、脊髄髄膜血管型に分類されることもあります。
    頭痛、嘔吐、意識障害、脳神経症状(髄膜型)や血管炎により脳梗塞(脳血管型)が起こりえます。
    典型的には髄液細胞数がリンパ球主体で200〜400cells/ulで、蛋白は100〜200 mg/dL程度です。

3. 実質型神経梅毒
多くの場合、感染から15から20年以上経過した後に発症する病態で、治療の反応性は最も悪く、中には髄液細胞、蛋白増加も軽度の燃え尽き型もあります。また、視神経、網膜、ぶどう膜、脈絡膜などの眼病変を来すこともあります[ref]。

    進行性麻痺(progressive paralysis)
    脳実質に炎症が波及した状態で、治療可能な認知症の病態の一つとしても重要です。つまり、Treponemaによる炎症や直接の神経細胞破壊により、記憶障害、多彩な精神症状などを呈します。
    未治療の場合は、数年で死亡することもあります。
    脊髄癆(tabes dorsalis)
    梅毒に感染した3-9%を占め、後索性失調性歩行、電撃痛、Romberg徴候陽性、排尿障害、感覚障害、内臓クリーゼなど脊髄障害による症状を来します。Argyll Robertson瞳孔やシャルコー関節(関節の無痛性腫大)など特徴的な所見が検出されることもしばしばあります。
    辺縁系脳炎様神経梅毒
    Saundersonらの側頭葉内側病変を呈した神経梅毒の24症例の報告では、46%で痙攣発作、認知機能障害、人格変化が報告されていて、時に急性発症型もあることから他の辺縁系脳炎との鑑別が難しい場合があります。なかなか画像的変化が捉えづらい神経梅毒ですが、このタイプでは側頭葉内側の高信号病変や萎縮などを認めるようです
    ゴム腫(gumma, gummatous neurosyphilis)

検査
梅毒を培養によって直接検出することは難しく、昔ながらの梅毒反応から類推します。おおよその診断基準は1. 髄液VDRL陽性、2. 髄液細胞あるいは蛋白増加、3. 髄液FTA-ABS陽性です。

    血液検査:まず血清FTA-ABS法およびTPHA法を行います
    髄液検査:RPR法やVDRL検査が陽性であれば神経梅毒と診断します。髄液FTA-ABSが陰性の場合には神経梅毒は通常否定されます。細胞数(単核球)軽度上昇、蛋白上昇、IgG上昇が一般的だが様々です
    MRI:病型により様々ですが、造影MRIを含めても異常病変をとらえられないことも多い印象があります。髄膜の造影病変(髄膜型)、梗塞病変(血管型)
    脳波
    SPECT:進行麻痺などでは、SPECTによる血流低下所見が得られることもありますが、いずれにせよ非特異的変化です。
    FDG-PET

参考
血清で梅毒反応が陽性であれば、髄液での梅毒反応の検査を行います。
梅毒反応は主に以下の二種類で、特異性はトレポネーマ抗原法が高い一方で、STSの抗体価の変動は臨床症状とよく一致します。治療により陰性化するのもSTSの抗体価です。
非Treponema抗体試験(非特異的検査法、STS (serologic tests for syphilis))
カルジオリピン-レシチン-コレステロール抗原複合体に対してIgGおよびIgMを測定する方法で、SLEや慢性肝疾患、RAなどでも上昇します(生物学的偽陽性)。

    ガラス板法
    RPR法(rapid plasma reagin)
    VDRL法(venereal disease research laboratory)

Treponema試験(特異的検査法、トレポネーマ抗原法)
T.pallidum抗原、またはその組換え抗原に対する抗体を測定します。過去に治療を行っていたとしても既往があれば、生涯陽性になります。

    FTA-ABS(fluorescent treponemal antibody absorption、蛍光トレポネーマ抗体吸収検査)
    TPPA(treponema pallidum particle agglutination assay)
    TPLA (treponema pallidum latex agglutination)
    TPHA (treponema pallidum hemagglutination、梅毒トレポネーマ血球凝集検定法)

トキソプラズマ脳炎 診断

概要
トキソプラズマ症(Toxoplasmosis)は人畜共通感染症で、Toxoplasmagondii(T.gondii) の感染によって発症すします。T.gondiiは胞子虫類に属する細胞内寄生性の原虫で、ネコ科の 動物の腸上皮で有性生殖を行い、糞便中に排出されたオーシスト(oocyst)あるいは食肉中の嚢 子の経口摂取から感染が起こります。
T.gondii感染は通常無症候性感染ですが、先天性感染や免疫 不全状態では様々な重篤な症状を引き起こしす。AIDS患者の場合、大部分は CD4陽性リンパ球数 が100/μl 未満に低下したときに、慢性潜在性に感染していたT.gondiiが再活性化して発症します。T.gondiiは中枢神経系においてもっとも再活性化しやすく、AIDS患者でみられる中枢神経系の日和見感染症のうち、もっとも頻度が高いものがトキソプラズマ脳症(Toxoplasmic encephalitis)のようです。

臨床症状
発症の様式は、急性のものから亜急性、慢性の経過をとるものまで様々で、初発症状も様々で、頭痛、意識障害、発熱に加え、神経学的局在症候としては片麻痺、小脳性運動失調、脳神経麻痺など病変部位に応じて出現します。脳以外の臓器では眼と肺が侵されることもあります。神経梅毒のように以下のような病型に分けることもあります。

    脳症型
    脳髄膜炎型
    腫瘤形成型

診断
血清学的検査
トキソプラズマ IgG (EIA)、IgM(EIA)、トキソプラズマ抗体(PHA)などを提出してください。ただし、抗体は必ずしも上昇しない場合もあります。
脳脊髄液検査
蛋白は軽度から中等度上昇、糖は正常から低下し、多くの例で 細胞数は単核球優位に軽度増加します。PCR法による脳脊髄液中の T.gondiiDNAの検出は特異度が高くお勧めです
画像診断
MRI
病変は多くの場合多発性で、約90%の症例でリング状の造影または増強効果がみられます。病変は浮腫及び占拠効果を伴い、皮質、皮質?髄質境界部、基底核などに認められることが多いです。つまり鑑別として、クリプトコッカス症 cryptococcosis、ヒストプラズマ症 histoplasmosis、アスペルギルス症 aspergillosis、結核症 tuberculosis、トリパノゾーマ症 trypanosomiasisなどの感染症、原発性および転移性脳腫瘍、悪性 リンパ腫などが鑑別疾患となります。
しかし免疫正常の場合(Immunocompetent)、このような典型的な造影効果をとらない場合もあり注意が必要です。
タリウムSEPCT
特にring-enhancementを伴う病変の場合、悪性リンパ腫との鑑別が難しくなりますが、その場合はタリウムSPECTが鑑別に有用の時があります。201Tl SPECTでは、早期像にて Tlの集積亢進がなければ悪性リンパ腫は否定的ですが、早期像にて201Tlの集積亢進があり、さらに retentionindexも高い場合は悪性リンパ腫、早期像にて 201Tlの集積亢進があっても、retentionindexが低い場合は本症を含む非悪性病変の可能性が高いとされています。

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV) update

Efficacy of the Herpes Zoster Subunit Vaccine in Adults 70 Years of Age or Older. N Engl J Med. 2016;375:1019-1032.
帯状疱疹サブユニットワクチンによって70 歳以上の成人における帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛のリスクが低下する

Herpes zoster as a risk factor for stroke and TIA: A retrospective cohort study in the UK. Neurology. 2014;82:206-12.
帯状疱疹は18〜40歳の罹患で脳卒中の独立した危険因子、18歳以上の罹患でTIAや心筋梗塞の独立した危険因子であった

Laser Scanning In Vivo Confocal Microscopy Demonstrating Significant Alteration of Human Corneal Nerves Following Herpes Zoster Ophthalmicus. Arch Neurol. 2010;67(5):640-641.
生体レーザー共焦点顕微鏡で角膜の神経走行異常が検出できた眼帯状疱疹の60歳女性例

Teaching NeuroImages: Herpes zoster ophthalmicus?related oculomotor palsy accompanied by Hutchinson sign. Neurology 2010 74: e65
眼帯状疱疹後に眼筋麻痺と鼻根部の帯状疱疹(Hutchinson’s sign)が出現し脳MRIにて動眼神経の造影効果を認めた51歳女性例

Herpes zoster ophthalmicus and the risk of stroke: A population-based follow-up study. Neurology 2010 74: 792-797.
眼部帯状疱疹ヘルペスは治療の有無にかかわらず1年間に約8%が脳卒中を発症し、対象群の4.5倍の発症率であった

Polyneuritis cranialis caused by varicella zoster virus in the absence of rash. Neurology 2010 74: 85-86.
皮疹はないものの帯状疱疹ウィルス感染に伴う脳神経障害を来した21歳男性例

Varicella zoster virus?associated polyradiculoneuritis. Neurology 2009 73: 1334-1335.
帯状疱疹ウィルスに関連した多発神経根炎を発症した79歳男性例

Varicella zoster infection of the brainstem followed by Brown-Séquard syndrome. Neurology 2009 72: 1874.
帯状疱疹後に脳幹病変に引き続きBrown-Sequard症候群を発症した71歳男性例

The varicella zoster virus vasculopathies: clinical, CSF, imaging, and virologic features. Neurology. 2008;70:853-60.
帯状疱疹ウィルスによる脳血管障害の診断では、発疹または髄液細胞増多は必要条件ではないがMRIあるいはCTの異常所見はほとんどの症例で認められ大動脈と小動脈の両者が関与していた

Brown-Séquard syndrome after herpes zoster. Neurology 2009 72: 670-671.
帯状疱疹後に、頚髄のBrown-Squard症候群を発症した33歳男性例

結核性髄膜炎 治療

1. 抗菌剤
基本的には
INH + RFP + SM + PZAの4剤併用療法を2ヶ月
(INHによるビタミンB6欠乏症の予防に、ピリドキシン50mg/日投与)
その後
INH + RFP 10ヶ月
で治療します。特に、INH、RFPの副作用の確認、他の薬剤との相互作用はその都度確認するようにしてください。

2. 急性期の副腎皮質ステロイド薬
1ヶ月以上の長期間のデキサメサゾンの投与により、生存率は伸びるようですが、機能予後の改善効果はそれほど強くないようです(NEJM 2004)。
デキサメサゾン(デカドロン) は以下のどちらかの投与スケジュールで行います
1. 12mg/日を3週間投与し、3週間かけて漸減
2. 0.3 mg/kg/日 1週間、0.2 mg/kg/日 1週間静注後、 0.1 mg/kg/日 3週間経口投与、3 mg/日投与後、一週間に1mgずつ漸減

外科的治療
水頭症に対するシャント術、巨大な結核腫の除去など

薬剤投与量
イスコチン(イソニアジド: INH) 300mg/日または5 mg/kg/日分1-2経口
髄液移行性 90%、半減期 0.7-4時間
リファジン(リファンピシン: RFP) 450-600mg/日または10mg/kg/日分1、原則として朝食前空腹時投与、経口
髄液移行性 7-56%、半減期 1.5-5時間
ピラマイド(ピラミナジド: PZA) 1.0-1.8g/日または25mg/kg/日分1-3 経口
髄液移行性 100%、半減期 10-16時間
エサンブトール(エタンブトール: EB) 0.75-1g/日または15-20mg/kg/日分1-2 経口
髄液移行性 25-50%、半減期 4時間
硫酸ストレプトマイシン(硫酸ストレプトマイシン: SM) 1g/日筋注(60歳以上では0.5-0.75mg/日)
髄液移行性 0-30%、半減期 2.5時間

奇異性反応(Paradoxical reaction)
抗結核療法開始後1-3 カ月後に一過性の陰影の増悪,縦隔や頸部リンパ節腫脹,頭蓋内結核腫などの形でときに出現する病態で、結核性髄膜炎でもしばしば見られます。
奇異性反応の原因はよく解っていませんが,低下していた結核免疫が結核治療により急速に回復して,そのために菌体成分等に対する過剰な免疫反応が惹起されることがその発症機序として推察されています。
重篤な奇異性反応は,菌量の多い播種性結核に生じやすいこと、アルコール依存など免疫の低下した患者に起こりやすいこと、また強力な殺菌的治療が関与しているとも考えられています。実験的には,活動性結核の患者では菌体由来の多糖体等により結核免疫が抑
制されて、結核治療を行うと結核菌抗原に対する宿主の免疫反応は改善されることが示されているようです。

インフルエンザ脳症 診断

厚生労働省ガイドライン(平成21年9月改訂版

基礎疾患のない乳幼児に見られることも多く年間100-200例が発症し、無治療では30%が死亡、25%が何らかの後遺症を残すきわめて重篤な疾患です。

病型
以下のように病型が分類され、脳MRIでのびまん性脳浮腫などのほかに、肝機能障害、血液凝固障害(DIC)も合併することがあり、問題となっている乳幼児のインフルエンザ脳症は急性壊死性脳症の特徴を有している場合が多いようです。

    急性壊死性脳症:脳浮腫+視床・脳幹などの局所病変。髄液蛋白上昇
    古典的ライ症候群:高アンモニア血症
    ライ症候群:低ケトン性低血糖
    HSE様症状:ショック、下痢
     (hemorrhagic shock and encephalopathy)
    痙攣重積型
    その他の型

以上の病型の中で死亡率が高い(30%)のは、サイトカインの嵐を主病態とするライ様症候群、HSE症候群、急性壊死性脳症で、これらの3症候群ではショック、DIC、多臓器不全などマクロファージ活性化に伴う全身症状とともに、早発性(発症48時間以内)にびまん性脳浮腫を来たします。脳は腫大し、しばしば小脳扁桃ヘルニアを呈することもあるようです。

症状
発熱に始まり、急性の経過で意識障害、痙攣、嘔吐、異常行動、失見当識障害、幻視、幻覚などが出現します。その後、DICを続発し、腎不全、膵炎、多臓器不全に至ります。

検査
脳MRI、CT:脳浮腫、両側視床、白質などのびまん性信号変化
髄液:正常のことが多いが、TNF-α、IL-1β、IL-6などの炎症性サイトカイン高値

脳ヒストプラスマ症 診断

概要
ヒストプラズマ症は温度依存性の二形性真菌Histoplasma capsulatumによって引き起こされ、輸入真菌症として注目されているものの一つ(渡航歴のない例も本邦で報告されていますが)で、高病原性から健常人にも感染します。呼吸器系への障害が多いのですが、まれに中枢神経系へ波及します。

臨床症状
以下の病態を示します

    急性肺ヒストプラズマ症
    縦隔肉芽腫
    心筋炎
    リウマチ様症状
    慢性肺ヒストプラズマ症
    播種性ヒストプラズマ症
    脳ヒストプラズマ症

脳ヒストプラズマ症
発熱、頭痛、精神症状、痙攣、巣症状などを来たし、髄液は単核球有意の細胞増多、蛋白上昇、糖低下と一般的な真菌性髄膜脳炎と同様です。臨床病型は以下の6つに分けられます

    腫瘤形成をきたす限局性CNS histoplasmoma
    全身性播種性病変を呈さない限局性慢性髄膜炎
    全身性播種性ヒストプラズマ症経過中に発症する髄膜炎
    全身性播種性ヒストプラズマ症治癒後に発症する髄膜炎
    ヒストプラズマ心内膜炎による脳塞栓症
    AIDS患者に出現する髄膜炎

診断
髄液培養:感度は20-65%。10ml以上の髄液提出が望ましいようで、培養期間は少なくとも4週間以上必要です
髄液抗原:感度は40%。治療効果の判定も可能です。
抗体測定:感度は70-80%。千葉大学真菌医学研究センターにて抗体測定が可能です

脳ヒストプラスマ症 治療

以下の治療を行うことが多いのですが、約半数が6-24ヶ月後に再発しています。以下の推奨量は欧米の量ですので、保険診療で許容される投与量と比較して投与量を判断してください

1.アムホテリシンB (ファンギゾン) 
1日1回0.25mg/kgで投与開始、次回より漸増し1日1回 3-5 mg/kg以上ゆっくりと点滴静注
髄液培養、髄液抗原が陰性になるまで続ける

2.フルコナゾール(ジフルカン)600-800mg 1日1回経口 あるいは
イトラコナゾール(イトリゾール)400-600mg 1日1回食直後経口

アムホテリシンB投与後に、この疾患は再発率が高いため、これらの後療法を少なくとも1年以上行います

3.ボリコナゾール(ブイフェンド)が効果的であったとの報告もあります

神経感染症総論 update

Emerging Viral Infections of the Central Nervous System: Part 2. Arch Neurol. 2009;66(9):1065-1074.
中枢神経ウィルス感染症の総説(PMLなど)

Emerging Viral Infections of the Central Nervous System: Part 1. Arch Neurol. 2009;66(8):939-948.
中枢神経ウィルス感染症の総説(パート1)

Continuous Electroencephalographic Monitoring in Critically Ill Patients With Central Nervous System Infections. Arch Neurol. 2008;65:1612-1618.
中枢神経系の感染症では、脳波上の痙攣波、周期性てんかん型放電が48%に認められ、予後不良因子だった