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起立性低血圧 診断

概念
人が仰臥位から立位になると、約 500 ~ 800ml の血液が胸腔内から下肢や腹部内臓系へ移動して、心臓への還流 血液量が約30%減少します。このため心拍出量は減少して、体血圧は低下します。
この循環動態の変化に対して、圧受容器反射系の賦活により対処しようとします。
圧受容器反射系は以下の三つで構成されています

    頚動脈・大動脈弓部・心肺・大静脈に存在する 圧受容器(伸展受容器)
    迷走神経(求心路)、延髄にある血管運動中枢(延髄孤束核,頭側延髄腹外側野)、交感神経(遠心路)
    末梢血管・心臓(効果器)

これらの圧受容器反射系の賦活の結果、心拍数増加、心収縮力増加、末梢血管抵抗増加。末梢静脈の収縮が行われて、健常者では血圧の過剰な低下を抑制しているのですが、圧受容器反射系のいずれかの部分に異常をきたすか循環血液量が異常に低下した状態では、起立時に高度の血圧低下をきたします

原因
特発性自律神経障害

    純粋自律神経失調(PAF)
    多系統萎縮(Shy-Drager症候群)
    自律神経障害を伴うParkinson病 など

二次性自律神経障害

    加齢
    自己免疫疾患:Guillain-Barre症候群、MCTD、RA、SLE、Eaton-Lambert 症候群
    腫瘍性自律神経ニューロパチー

中枢神経病変

    多発性硬化症
    ウェルニッケ脳症
    視床下部や中脳の血管病変
    腫瘍

Dopamine beta-hydroxylase欠乏症
Familial hyperbradykinism
全身性疾患

    糖尿病
    アミロイドーシス
    アルコール中毒
    腎不全

遺伝性感覚性ニューロパチー
神経系感染症

    HIV感染症、シャガース病、ボツリヌス中毒、梅毒

代謝性疾患

    ビタミンB12欠乏症
    ポルフィリン症
    ファブリー病
    タンジール病

脊髄病変
薬剤性及び脱水症性

    利尿薬
    α遮断薬
    中枢性α2受容体刺激薬
    ACE阻害薬
    抗うつ薬:三環系抗うつ薬、セロトニン阻害薬
    アルコール
    節遮断薬
    精神神経作用薬剤:ハロペリドール、levomepramazine、chlorpromazine等
    硝酸薬
    β遮断薬
    Ca拮抗薬
    その他(Papaverine等)

亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) 治療

SSPE研究班
薬物療法

    イノシンプラノベクス内服
    インターフェロン脳室内投与(IFNα or IFNβ)
    リバビリン脳室内投与

対症療法

    抗けいれん剤、筋緊張のコントロール、栄養管理

合併症

    病期の進行とともに,重症心身障害に一般的にみられる合併症が加わる。
    筋緊張亢進,関節拘縮
    睡眠時閉塞性無呼吸及び分泌物過多による呼吸障害
    胃食道逆流現象(嘔吐,吐血)

家族ケアー
青空の会

亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) 診断

1. SSPE研究班
2. プリオン病と遅発性ウイルス感染症:最も良くまとまっている教科書です

疫学
国内総患者数は約150人と非常にまれな疾患で、年間発症数5-10人程度です。小児科の疾患でもあり、国家試験ではよく見ても、実際に診療する機会のある神経内科医は殆どいません。
2歳未満に麻疹に罹患した場合や、免疫能が低下している状態での麻疹罹患で発症する可能性があります
発症の好発年齢は学童期で、発症の予防は麻疹ワクチン接種です

臨床症状
初発症状:学力低下、記憶力低下、行動が変、感情が不安定
その他:歩行が下手、持ち物を落とす、ミオクローヌス

経過  Jabbourの分類

    I期:軽度の知的障害、正確変化、歩行障害
    II期:ミオクローヌス、知的障害や歩行障害の悪化
    III期:歩行や摂食できず、自律神経症状、筋緊張の亢進
    IV期:意識は昏睡、ミオクローヌス消失、自発運動消失

診断

    臨床症状
    血清・髄液中麻疹抗体価の上昇、髄液IgG indexの上昇
    脳MRI:大脳白質のT2高信号域(?期以後)や大脳皮質 の萎縮(?期以後)
    脳波:周期性同期性高振幅徐波群発
    脳生検組織:炎症所見、細胞核内封入体、電顕によるSSPEウイルスヌクレオカプ シド、蛍光抗体法によるSSPEウイルス抗原の証明、脳からのSSPEウイルスの分離
    ハイブリダイゼーション法によるSSPEウイルス・ゲノムの脳内における証明
    (PCR法ではSSPEでない者の脳でもしばしば陽性となるので,SSPEの診断にはあまり役立たない)

sspe
脳MRI T2強調画像:大脳皮質の軽度の萎縮と、白質の高信号を認めます
鑑別診断

    早期には,てんかん,心因反応,精神病
    大脳灰白質変性症,特に広義の進行性ミオクローヌスてんかん
    白質脳症,特に副腎白質ジストロフィー
    その他の亜急性及び慢性脳炎

発症機序

    ウィルス側の要因
    麻疹ウィルスの変異株(SSPEウィルス)が中枢神経系に持続感染
    M遺伝子の変異:粒子形成障害をおこす(Mタンパク質;ウィルス粒子の形成と細胞からの遊離をおこす機能)
    F遺伝子の変異:膜融合能の亢進(Fタンパク質;エンベロープ融合に関与)
    宿主側の要因
    IL-4産生が増加して、Th2が増加し抗体産生を促す
    MxAタンパク産生が増加し、ウィルス増殖が抑えられ神経細胞が免疫系から認識されにくくなる

L-2-Hydroxyglutaric aciduria 診断

概要
比較的画像が特徴的な白質脳症の原因疾患の一つです。白質では脱髄、海綿状変性や嚢胞性変化が、歯状核や淡蒼球では細胞体消失や海綿状変化が見られるようです。
常染色体劣性遺伝(L2HGD遺伝子変異)により、L2HGA脱水素酵素活性低下することが原因と考えられています。Multiple Acyl CoA dehydrogenase deficiencyともいわれます。

症状
遅発型(type?)は小児?成人まで発症例あり
遅発性はETFDH遺伝子に変異があることが多い
歩行障害、言語の遅れ、痙攣等で発症、進行性の小脳失調、眼振、構音障害、振戦、知的障害、錐体外路症状 など

検査
尿中、血中、髄液中のL2-hydroxyglutaric acidが増加、Lysineも増加
タンデムマスでは遊離カルニチンの低下がみられる場合がある(非特異的)
MRI
皮質下中心の大脳白質及び、基底核にT2WI高信号
早期:前頭葉皮質下優位、部分的には多巣性、尾状核・被殻(外側)のT2WI高信号、FLAIRは約半数で低信号
晩期:融合し中心へ進行、びまん性に(側脳室周囲辺縁部は保たれる)、基底核の高信号も均一に、大脳白質・小脳半球も萎縮を
脳幹や脳梁は比較的保たれます

予後・治療
一部の重症例を除き生命予後は比較的良好
riboflavin (vitamin B2) が著効する例あるようです

lha
両側大脳に、前頭側頭葉優位だがほぼびまん性に、皮質直下白質中心にT2延長病変を認める

神経内科専門医試験 関連書籍

なんと言っても、専門医試験は過去問だと思うのですが、直前に過去問以外に読んでおいても良い本は以下の通りです。



神経内科専門医試験問題 解答と解説
学生時代から必須の過去問です

神経疾患 (New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ)
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専門医試験、これを持っていないと始まりません

改訂版・神経内科のスピード学習と専門医学習
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やや古いですが皆さん持っています

神経病理インデックス
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最近、人気のある中枢神経、末梢神経の参考書です

臨床のための筋病理
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筋病理はこれで。上記の神経病理インデックスと、この埜中先生の本と、この岡先生が書かれたリンクで、病理はほぼ十分かと思います。

カラーアトラス神経病理
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さらに、病理が心配であればこの本も

神経MRI診断学
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MRIは良書が沢山あって困りますが、、、

ボツリヌス毒素

ボトックスは承認条件により、使用に当たっては講習・実技セミナーを受講する必要があります。
Botox.jpから登録し、オンラインで受講し受講修了登録が可能です。

心因性不随意運動(PMD; psychogenic movement disorders) 治療

とにかく器質的疾患を適切に除外した上で、早期の治療介入が重要で、治療が遅れると難治性になると言われています。

治療法
1. 心理療法
2. 認知行動療法
3. 催眠療法
4. リハビリテーション
5. 薬物療法
 特にうつ病が合併している場合は、抗うつ薬(SSRIなど)

予後
一般的には、予後はあまり良くなく、治療を行っても14%は不変、38%は悪化したとの報告があります
予後因子 (ref)

    Perceived effective treatment by the physician
    Presence of anxiety
    Elimination of stressor(s)
    Complying with instructions to follow-up with other physicians/therapists
    Specific medication

予後不良因子

    Dissatisfaction with the physician
    Weaker physical health
    Longer duration of PMD symptoms
    History of smoking

ASPECTS

中大脳動脈領域脳梗塞のCT 判定基準としてAlberta Stroke Programme Early CT Score(ASPECTS)を用いることが近年,一般化しています。これはMCA 灌流領域を代表的2 断面の10 カ所に分類して、陽性箇所を減点法で採点するものです。つまり点数が低い方が、梗塞面積が広いことを意味します。
例えば、8 点以上で患者予後が良好とされています。また、ASPECTS 8?10 点は7 点以下に比べ90 日死亡率が0.67 倍と低くなり、90 日modified Rankin Scale(mRS) 0?1 のNNT が8 人から5 人に減ることも報告されています。

CT用の10点満点のASPECTSと、DWI用の11点満点のASPECTS-DWIがあります

aspects