脳灌流画像 診断

はじめに
脳の灌流状態の評価は、脳血管障害(CAS, CEA, バイパスなど)だけでなく代謝性疾患、変性疾患など様々な病態で重要と考えられますが、「脳血流が、、、」という曖昧なセリフを吐く神経内科医が多くいますし、そもそもCBFとCBVの日本語が同一であることも問題かも知れません。
まず、脳灌流関連パラメーターは代表的なものでは以下のものが知られています。

    Cerebral perfusion pressure (CPP:脳灌流圧):脳は自動調節能があるため、ある程度のCPPの低下があってもCBFは保たれます
    Cerebral Blood Flow (CBF:脳血流量): 脳組織の毛細血管の血流で、脳組織単位重量(100g)あたりの毎分流量としてmL/100g/分という単位を使うことが多いと思います
    Cerebral Blood Volume (CBV:脳血流量): 脳組織の毛細血管、細小静脈の体積で、脳組織単位重量(100g)あたりの血管容積として、mL/100gという単位を使うことが多いと思います
    Mean Transit Time (MTT): 脳毛細血管に血液が留まる時間で、単位は秒、CBV/CBFで求められます。この値の上昇は脳循環予備能の低下時にみられます。
    Oxygen extraction fraction(OEF:酸素摂取率)
    Cerebral metabolic rate for oxygen(CMRO2:脳酸素消費量):脳血流 x 脳酸素摂取率 x 動脈血酸素含量 で求められます

これらのパラメーターは脳虚血では、虚血の軽い状態(右)から脳梗塞(左)の状態に向けて、以下のように変化します。


検査

    脳CT:Perfusion CT、Xenon CTは比較的定量性に優れています
    脳MRI:ASL(造影剤不要)はCBFしかわかりませんが、perfusion-weighted MRI(PWI:造影剤が必要)であればCBF, CBV, MTTが測定可能です。MRIは利便性は高いのですが定量性は優れません
    脳SPECT:CBFの測定と、SPECT特有の検査としてダイアモックスSPECTによる脳血流予備能の評価が可能です。動脈採血も加えると、comparableな値を得ることが出来ます
    脳PET:最も定量性に優れます。CBFに加えて、OEF, CMRO2の測定が可能ですが、測定可能施設が限られています
    血管造影検査:CBF(に近似した)が測定できます
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外頚動脈 走行/解剖

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Argyll Robertson瞳孔

外側膝状体に行く途中で分岐するE-W(Edinger-Westphal)核に向かう神経の障害により、縮瞳、対光反射消失をきたす状態です。一方で、輻輳は外側膝状体から視覚中枢まで到達したのちE-W核へ行く経路によるため障害されません。
つまり、以下の4つが特徴です。

    縮瞳
    直接および間接対光反応の欠如
    迅速な輻湊反応(近見反応は正常)
    両側性:左右で程度が異なるため瞳孔不同になっていることはあります

原因疾患
神経梅毒が有名ですが、中脳の視蓋前域のE-W(Edinger-Westphal)核の背側で、対光反射に関係する求心路が選択的に障害されれば起こり得ます。

    神経梅毒
    多発性硬化症
    糖尿病
    中脳水道周囲の腫瘍
    帯状疱疹
    など

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視床病変 (thalamic lesion)

両側視床病変
両側視床病変を来す疾患及びその徴候に関する論文>こちら(とても良く書かれています。googleで検索すると、無料のPDFが閲覧可能と思われます。)
一般的には、急性から亜急性の認知機能症状が出現した場合に、動脈系の梗塞(top or basilar)あるいは静脈系のうっ血あるいは梗塞(internal cerebral veinsの血栓症あるいは、静脈洞のAVF)、Wernicke脳症あたりを疑い、精査を進めます。それらが否定的な場合、感染性(CJDではMM2、VV2MV2、vCJD)、腫瘍性、変性疾患などなどマニアックなものの鑑別に入りましょう。

    両側視床病変を来しうる疾患
    血管性:両側傍正中視床梗塞、静脈性梗塞硬膜動静脈瘻
    感染性:日本脳炎、HSV脳炎、HIV脳炎、クリプトコッカス脳炎、トキソプラズマ脳炎など
    プリオン病:MM2、MV2VV2、variant CJD、fatal familial insomnia (FFI)
    腫瘍性
    傍腫瘍性:Ma2やHu関連 limbic encephalitis
    代謝性:アルコール関連脳症(Wernicke脳症など)、Wilson病、osmotic myelinolysis、CO中毒、低酸素脳症、肝性脳症
    その他:急性壊死性脳症

 

avf

脳MRI:硬膜動静脈瘻による両側視床病変(venous congestion)です。T2強調画像、拡散強調画像にて静脈灌流領域内に高信号病変を認めます。また、右小脳半球には拡張した静脈が見られました。硬膜動静脈瘻や静脈洞血栓症では、internal veinに灌流障害が生じると両側(稀に片側)視床病変を生じます[ref]。

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