感染性脊髄炎 診断

以下の様なagentが原因になりますが、最近は梅毒性はあまりなく、ウィルス性が多い印象があります
ウィルス性

    単純ヘルペス脊髄炎:特にHSV-2
    帯状疱疹ウィルス脊髄炎:帯状疱疹出現後に多い
    HTLV-I脊髄症
    HIV-1関連脊髄症
    ポリオウィルス:急性灰白質炎
    エンテロウィルス

細菌性

    リステリアなど

結核性:radiculopathyを伴うことも多い
梅毒性:後索障害やArgyll Robertson瞳孔(縮瞳、対光反射の消失、近見反射正常)
寄生虫性

    ブタ蛔虫:レバ刺し
    イヌ蛔虫
    ライム病
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ウィルス性脳炎 (Viral encephalitis) 治療

日本神経感染症学会治療ガイドライン:必ず熟読されてください。
Infectious Diseases Society of Americaの脳炎ガイドライン
ヘルペス脳炎―診療ガイドラインに基づく診断基準と治療指針 (書籍)

代表的なのは単純ヘルペス脳炎 (HSE) です。治療18ヶ月後の死亡率は28%と高いのですが、症状出現後4日以内にアシクロビルを開始した場合の死亡率は8%です。したがって、HSEを疑ったら確定診断が付く前にすぐにアシクロビルによる治療を開始してください。
確定診断がつくあるいは強く疑われる場合には、中途半端に治療を中止せず14日間(欧米では21日間)きちんと治療を行ってください。中途半端に中止すると再発したり慢性化したりすることがあります。再発率はおよそ5%といわれています。アシクロビル治療後に髄液PCRでHSVが陰性化していることの確認も必要になります。
ただし、アシクロビルは副作用の強い薬剤です。単純ヘルペス脳炎の診断が除外されたら速やかに中止してください。また、痙攣発作を併発する可能性が高い疾患です、脳波で異常を捉えたり実際に痙攣を併発した場合、抗痙攣薬の投与が必要です。

処方例
1. 抗ウィルス薬
アシクロビル10mg/kg点滴静注 1日3回、14日間連日 (新生児は20mg/kg)
腎機能が正常の成人に関しては一般的に、1回10mg/kgを点滴静注します。アシクロビルは、1回2V投与することになるとおもいますので200ml以上の溶媒に溶かし、一時間以上かけて投与してください。アシクロビル不応例にはビダラビンを使用します。
ビダラビン15mg/kg静注 1日1回点滴静注、10?14日間
あまり使用頻度の高い薬剤でなく、溶解方法も注意が必要ですので添付文書をよく読まれてください。
これらの治療終了日も髄液PCRでHSVが陽性であれば、治療を継続するべきとも言われています。

2. アレビアチン静注
痙攣重責発作の治療法は>こちら

3.脳浮腫に対して
グリセオール、マンニトールなど。

4. 炎症に対して
アシクロビルとともにステロイドを使用した場合、予後が良好であるかどうかは証明されていません。しかしながら、脳幹脳炎、脊髄炎、血管炎などの脳実質の炎症がある場合は使用します。また、それらの併発を予防するために使用してもよいかもしれません。

    ステロイドパルス 3日間
    デキサメサゾン 12mg/日(4分割投与) 2-4日間

などが使用され、その後も徐々に減量することもあります。

予後不良因子
30歳以上、意識レベルがGCS<6、治療開始が症状出現後4日以降、入院してから治療開始まで2日以上など

腎機能障害時のアシクロビル投与量
腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するか又は減量するなど注意すること。
(1) クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)が>50の場合
標準1回投与量に対応する百分率 100%、投与間隔8時間
(2) クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)が25〜50の場合
標準1回投与量に対応する百分率 100%、投与間隔 12時間
(3) クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)が10〜25の場合
標準1回投与量に対応する百分率 100%、投与間隔 24時間
(4) クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)が0〜10の場合
標準1回投与量に対応する百分率 50%、投与間隔 24時間

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HTLV-I関連脊髄症 診断

概念
西日本を中心に特に九州・四国,沖縄に多く分布するHTVL-Iキャリアーの1000人に一人、痙性対麻痺を来たすことがあり、HTLV-Iによる脊髄障害の可能性が示唆されている疾患です

症状
緩徐進行性の

    両下肢痙性不全麻痺:感覚障害は運動障害よりも軽度で、しびれ感や痛みなど自覚的なものが多い
    自律神経症状:膀胱直腸障害(病初期より),下半身の発汗障害、起立性低血圧、インポテンツなど
    その他:手指振戦、運動失調、眼球運動障害、軽度の痴呆

検査

    抗 HTLV-I 抗体:血清,髄液共に陽性
    末梢血所見:白血球数は軽度減少、核の分葉化を示すリンパ球が散見、ATL でみられるフラワー細胞は稀
    髄液:軽度の蛋白、細胞数の増加(核の分葉化したリンパ球がみられる例もある)
    髄液ネオプテリン:活動性炎症を反映していると考えられているため、病勢の把握に重要です。SRLで測定可能です
    脊髄MRI:脊髄に局所的な病変を指摘できる例はほとんどないですが、長期経過例では胸髄全体が萎縮している場合もあります
    頭部MRI:大脳白質や橋に T2強調画像で高信号域が散在してみられる例があります
    SEP:特に下肢で中枢伝導障害の所見
    針筋電図:傍脊柱筋で軽度の脱神経所見がみられ特徴

病理と病態
病理所見
慢性炎症過程が脊髄,特に胸髄中・下部に強調されて起こっています。
つまり、小血管周囲から脊髄実質に浸潤する T細胞主体の炎症細胞浸潤があり,周囲の脊髄実質(髄鞘や軸索)の変性脱落を伴います
一方で、炎症が終息した部では強いグリオーシスと血管周囲の線維性肥厚が見られます
炎症細胞浸潤は広く大脳を含めて全中枢神経系に広がっていますが、常に脊髄中・下部に強調されていて、生理的に血流の停滞しやすい部位により強い炎症が見られるのかもしれません
病態
もう一つの特徴は非常に長期間にわたって炎症が持続しているにもかかわらず、組織の破壊は緩徐です。HTLV-I のプロウイルスは血管周囲に浸潤している T リンパ球のみに局在していて、神経細胞やグリア細胞など神経組織自体に感染しているわけではありません
つまり、本来の宿主細胞であるヘルパーT 細胞に感染しているだけで、接着因子やメタロプロテイナーゼなどを介しての組織浸潤という形で脊髄に持ち込まれていることが推定されていますが、、、

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プリオン病 分類

1. CJD研究班
2. プリオン病と遅発性ウイルス感染症:最も良くまとまっている教科書です

概念
プリオン病とは、ヒトおよび動物における伝播性のある異常プリオン蛋白(PrPsc)が、主に脳に蓄積して、海綿状変化を生じる、人獣共通の致死性感染症の総称です。
病理学的には、脳の神経細胞脱落、海綿状変化、グリア細胞の増加と異常なアミロイド蛋白の蓄積が特徴といわれています。

分類
ヒトのプリオン病は以下のように分類されます
特発性プリオン病

    孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病(sCJD)

感染性プリオン病

    クールー
    医原性CJD(硬膜移植後CJDなど)
    変異型CJD(vCJD)[MM2B]

遺伝性プリオン病

    家族性CJD
    Gerstmann-Straussler-Scheinker病(GSS)
    家族性致死性不眠症(FFI)

最も頻度の高い、孤発性プリオン病の病型は、プリオン蛋白遺伝子多型とプリオン蛋白の2タイプを合わせて6型に分けられますが、臨床病型は以下のような特徴に分類されます
しかしプリオン蛋白の2タイプは、脳組織が必要ですので多くの場合、剖検しない限り判明しません

遺伝子型と蛋白型 MM1 MM2 MV1 MV2 VV1 VV2
病型 古典型 皮質型/視床型 古典型 失調型 痴呆型 失調型
PrPsc沈着タイプ シナプス型 シナプス型  シナプス型  シナプス型/プラーク型 シナプス型   シナプス型/プラーク型
ミオクローヌス   +    ー   +    +  ー   +
脳波上PSD   +    ー   +   まれ  ー  まれ
14-3-3蛋白   +   +   +   まれ   +   +
進行速度  亜急性     緩徐  亜急性 緩徐  緩徐  亜急性
発症年齢 60歳代 60歳代 60歳代 60歳代 20歳代 60歳代
頻度 70% 2%   2% 1% 16%



典型的な周期性同期性放電(PSD)
psd 脳波

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日本脳炎などのフラビウィルス update

Polyradiculitis as a Predominant Symptom of Tick-Borne Encephalitis Virus Infection. Arch Neurol. 2009;66(7):904-905.
多発根神経炎症状が主体で発症しMRIで馬尾の造影効果が認められたフラビウイルス感染症の58歳男性例

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抗真菌薬 治療

標準的な真菌による中枢神経感染症
アムホテリシンB(ファンギゾン)
1日1回 0.25mg/kg 6時間でゆっくり点滴静注 翌日より0.5-1.0mg/kgへ漸増。必ず500ml以上の5%ブドウ糖に溶解してください。
+
アンコチル(フルシトシン: 5-FC) 25mg/kg/回 1日4回経口

第二選択
ジフルカン
400mg/日 1日1回経口、経口不可能なら静注

その他
イトリゾール(イトラコナゾール) 200mg/日 1日1回 食直後経口
ブイフェンド(ボリコナゾール) 初回のみ12mg/kg/日分2、翌日より6-8mg/kg/日分2でゆっくり点滴静注。状態が落ち着いていれば、1週間を目安に経口400-600mg/日分2への切り替えを考慮する

クリプトコッカス髄膜脳炎の場合、臨床症状が改善し、髄液のクリプトコッカス抗原が陰性化したら、ジフルカンの内服に切り替え、比較的長期間使用します

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トキソプラズマ脳炎 診断

概要
トキソプラズマ症(Toxoplasmosis)は人畜共通感染症で、Toxoplasmagondii(T.gondii) の感染によって発症すします。T.gondiiは胞子虫類に属する細胞内寄生性の原虫で、ネコ科の 動物の腸上皮で有性生殖を行い、糞便中に排出されたオーシスト(oocyst)あるいは食肉中の嚢 子の経口摂取から感染が起こります。
T.gondii感染は通常無症候性感染ですが、先天性感染や免疫 不全状態では様々な重篤な症状を引き起こしす。AIDS患者の場合、大部分は CD4陽性リンパ球数 が100/μl 未満に低下したときに、慢性潜在性に感染していたT.gondiiが再活性化して発症します。T.gondiiは中枢神経系においてもっとも再活性化しやすく、AIDS患者でみられる中枢神経系の日和見感染症のうち、もっとも頻度が高いものがトキソプラズマ脳症(Toxoplasmic encephalitis)のようです。

臨床症状
発症の様式は、急性のものから亜急性、慢性の経過をとるものまで様々で、初発症状も様々で、頭痛、意識障害、発熱に加え、神経学的局在症候としては片麻痺、小脳性運動失調、脳神経麻痺など病変部位に応じて出現します。脳以外の臓器では眼と肺が侵されることもあります。神経梅毒のように以下のような病型に分けることもあります。

    脳症型
    脳髄膜炎型
    腫瘤形成型

診断
血清学的検査
トキソプラズマ IgG (EIA)、IgM(EIA)、トキソプラズマ抗体(PHA)などを提出してください。ただし、抗体は必ずしも上昇しない場合もあります。
脳脊髄液検査
蛋白は軽度から中等度上昇、糖は正常から低下し、多くの例で 細胞数は単核球優位に軽度増加します。PCR法による脳脊髄液中の T.gondiiDNAの検出は特異度が高くお勧めです
画像診断
MRI
病変は多くの場合多発性で、約90%の症例でリング状の造影または増強効果がみられます。病変は浮腫及び占拠効果を伴い、皮質、皮質?髄質境界部、基底核などに認められることが多いです。つまり鑑別として、クリプトコッカス症 cryptococcosis、ヒストプラズマ症 histoplasmosis、アスペルギルス症 aspergillosis、結核症 tuberculosis、トリパノゾーマ症 trypanosomiasisなどの感染症、原発性および転移性脳腫瘍、悪性 リンパ腫などが鑑別疾患となります。
しかし免疫正常の場合(Immunocompetent)、このような典型的な造影効果をとらない場合もあり注意が必要です。
タリウムSEPCT
特にring-enhancementを伴う病変の場合、悪性リンパ腫との鑑別が難しくなりますが、その場合はタリウムSPECTが鑑別に有用の時があります。201Tl SPECTでは、早期像にて Tlの集積亢進がなければ悪性リンパ腫は否定的ですが、早期像にて201Tlの集積亢進があり、さらに retentionindexも高い場合は悪性リンパ腫、早期像にて 201Tlの集積亢進があっても、retentionindexが低い場合は本症を含む非悪性病変の可能性が高いとされています。

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水痘帯状疱疹ウイルス(VZV) update

Laser Scanning In Vivo Confocal Microscopy Demonstrating Significant Alteration of Human Corneal Nerves Following Herpes Zoster Ophthalmicus. Arch Neurol. 2010;67(5):640-641.
生体レーザー共焦点顕微鏡で角膜の神経走行異常が検出できた眼帯状疱疹の60歳女性例

Teaching NeuroImages: Herpes zoster ophthalmicus?related oculomotor palsy accompanied by Hutchinson sign. Neurology 2010 74: e65
眼帯状疱疹後に眼筋麻痺と鼻根部の帯状疱疹(Hutchinson’s sign)が出現し脳MRIにて動眼神経の造影効果を認めた51歳女性例

Herpes zoster ophthalmicus and the risk of stroke: A population-based follow-up study. Neurology 2010 74: 792-797.
眼部帯状疱疹ヘルペスは治療の有無にかかわらず1年間に約8%が脳卒中を発症し、対象群の4.5倍の発症率であった

Polyneuritis cranialis caused by varicella zoster virus in the absence of rash. Neurology 2010 74: 85-86.
皮疹はないものの帯状疱疹ウィルス感染に伴う脳神経障害を来した21歳男性例

Varicella zoster virus?associated polyradiculoneuritis. Neurology 2009 73: 1334-1335.
帯状疱疹ウィルスに関連した多発神経根炎を発症した79歳男性例

Varicella zoster infection of the brainstem followed by Brown-Séquard syndrome. Neurology 2009 72: 1874.
帯状疱疹後に脳幹病変に引き続きBrown-Sequard症候群を発症した71歳男性例

The varicella zoster virus vasculopathies: clinical, CSF, imaging, and virologic features. Neurology. 2008;70:853-60.
帯状疱疹ウィルスによる脳血管障害の診断では、発疹または髄液細胞増多は必要条件ではないがMRIあるいはCTの異常所見はほとんどの症例で認められ大動脈と小動脈の両者が関与していた

Brown-Séquard syndrome after herpes zoster. Neurology 2009 72: 670-671.
帯状疱疹後に、頚髄のBrown-Squard症候群を発症した33歳男性例

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結核性髄膜炎 治療

1. 抗菌剤
基本的には
INH + RFP + SM + PZAの4剤併用療法を2ヶ月
(INHによるビタミンB6欠乏症の予防に、ピリドキシン50mg/日投与)
その後
INH + RFP 10ヶ月
で治療します。特に、INH、RFPの副作用の確認、他の薬剤との相互作用はその都度確認するようにしてください。

2. 急性期の副腎皮質ステロイド薬
長期間のデキサメサゾンの投与により、生存率は伸びるようですが、機能予後の改善効果はないようです(NEJM 2004)。
デキサメサゾン(デカドロン) 0.3 mg/kg/日 1週間、0.2 mg/kg/日 1週間静注後、 0.1 mg/kg/日 3週間経口投与、3 mg/日投与後、一週間に1mgずつ漸減

外科的治療
水頭症に対するシャント術、巨大な結核腫の除去など

薬剤投与量
イスコチン(イソニアジド: INH) 300-500mg/日または4-15mg/kg/日分1-2経口
髄液移行性 90%、半減期 0.7-4時間
リファジン(リファンピシン: RFP) 450-600mg/日分1、原則として朝食前空腹時投与、経口
髄液移行性 7-56%、半減期 1.5-5時間
ピラマイド(ピラミナジド: PZA) 1.0-1.5g/日分1-3 経口
髄液移行性 100%、半減期 10-16時間
エサンブトール(エタンブトール: EB) 0.75-1g/日分1-2 経口
髄液移行性 25-50%、半減期 4時間
硫酸ストレプトマイシン(硫酸ストレプトマイシン: SM) 1g/日筋注(60歳以上では0.5-0.75mg/日)
髄液移行性 0-30%、半減期 2.5時間



奇異性反応(Paradoxical reaction)
抗結核療法開始後1 ? 3 カ月後に一過性の陰影の増悪,縦隔や頸部リンパ節腫脹,頭蓋内結核腫などの形でときに出現する病態で、結核性髄膜炎でもしばしば見られます。
奇異性反応の原因はよく解っていませんが,低下していた結核免疫が結核治療により急速に回復して,そのために菌体成分等に対する過剰な免疫反応が惹起されることがその発症機序として推察されています。
重篤な奇異性反応は,菌量の多い播種性結核に生じやすいこと、アルコール依存など免疫の低下した患者に起こりやすいこと、また強力な殺菌的治療が関与しているとも考えられています。実験的には,活動性結核の患者では菌体由来の多糖体等により結核免疫が抑
制されて、結核治療を行うと結核菌抗原に対する宿主の免疫反応は改善されることが示されているようです。

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インフルエンザ脳症 診断

厚生労働省ガイドライン(平成21年9月改訂版

基礎疾患のない乳幼児に見られることも多く年間100-200例が発症し、無治療では30%が死亡、25%が何らかの後遺症を残すきわめて重篤な疾患です。

病型
以下のように病型が分類され、脳MRIでのびまん性脳浮腫などのほかに、肝機能障害、血液凝固障害(DIC)も合併することがあり、問題となっている乳幼児のインフルエンザ脳症は急性壊死性脳症の特徴を有している場合が多いようです。

    急性壊死性脳症:脳浮腫+視床・脳幹などの局所病変。髄液蛋白上昇
    古典的ライ症候群:高アンモニア血症
    ライ症候群:低ケトン性低血糖
    HSE様症状:ショック、下痢
     (hemorrhagic shock and encephalopathy)
    痙攣重積型
    その他の型

以上の病型の中で死亡率が高い(30%)のは、サイトカインの嵐を主病態とするライ様症候群、HSE症候群、急性壊死性脳症で、これらの3症候群ではショック、DIC、多臓器不全などマクロファージ活性化に伴う全身症状とともに、早発性(発症48時間以内)にびまん性脳浮腫を来たします。脳は腫大し、しばしば小脳扁桃ヘルニアを呈することもあるようです。

症状
発熱に始まり、急性の経過で意識障害、痙攣、嘔吐、異常行動、失見当識障害、幻視、幻覚などが出現します。その後、DICを続発し、腎不全、膵炎、多臓器不全に至ります。

検査
脳MRI、CT:脳浮腫、両側視床、白質などのびまん性信号変化
髄液:正常のことが多いが、TNF-α、IL-1β、IL-6などの炎症性サイトカイン高値

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