リウマチ性多発筋痛症 診断


症状
痛み、こわばり:後頚部、肩(肩甲帯)、骨盤帯、四肢近位部分に痛みと朝のこわばり(morning stiffness)のが特徴ですが、強い肩こりとして訴える方もいます。
うつ症状:易疲労性、食欲低下、体重減少、うつ症状
比較的急に症状を自覚しますが、その後徐々に痛みの部位が広がり持続します。筋力低下はありませんが、痛くて動かせない場合も多いので、診察時には注意してください。なぜか、50歳以下では発症しません。

病態
不明。parvovirusB19、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydia pneumoniae感染との関連を疑う研究があり、さらにHLA DR4 alleleとの関連を示唆する報告があります。

診断
診断基準の1つ

1. 両側の肩に痛みとこわばりがある。
2. 発病から2週間以内に症状が完成する。
3. 朝のこわばり(頚部、肩甲帯、腰帯)が1時間以上続く。
4. 赤沈が40?(1時間)以上に促進する。
5. 65歳以上に発病する。
6. うつ状態ないしは体重減少がある。
PMR を疑う基準:
A.上述の項目のうち、3項目を充たす場合.
B.上述の項目のうち1項目以上を充たし、また臨床的、病理組織学的に側頭動脈に異常が認められる場合

CRPが上昇することも良くあります。
超音波検査:三角筋下の滑液包炎 (bursitis)、肩関節の上腕二頭筋の腱鞘滑膜炎 (tenosynovitis)などの所見が得られることがあります。

側頭動脈炎
原因不明の中大動脈の血管炎として巨細胞性肉芽腫性動脈炎 (giant cell arteritis) がありますが、その一つである側頭動脈炎temporal arteritisの50-75%にPMRが併発します。一方、PMRの15-40%に側頭動脈炎が併発します。失明することもありPMRよりやっかいで危険な病気です。以下が代表的な症状です。

    発熱、側頭動脈の圧痛
    最近出現した頭痛(側頭動脈の拍動性の頭痛、側頭痛など)
    物を噛むときの顎の痛み
    視覚、視野、視力障害

これらに、赤沈の著明な亢進、CRP陽性などがあり疑った場合は、側頭動脈生検をしてください

鑑別診断
炎症性疾患

    慢性関節リウマチ:多くは遠位部の関節、RA因子などの血液マーカー、関節のerosion
    脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎):背部の痛みやこわばりが目立つ。脊椎レントゲン所見、乾癬の有無
    RS3PE症候群 (Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema):手や足の浮腫
    多発性筋炎/皮膚筋炎:CK上昇、近位筋筋力低下、皮疹
    好酸球性筋膜炎
    膠原病(血管炎、SLE、シェーグレン、強皮症、サルコイドーシス)

非炎症性疾患

    線維性筋痛
    悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、骨髄腫、アミロイドーシスなど)
    変形性関節症、頚椎症
    癒着性関節包炎(五十肩)
    感染症(結核、感染性心内膜炎、骨髄炎)
    パーキンソン症候群
    内分泌異常(甲状腺機能亢進症と低下症、副甲状腺機能亢進症と低下症、偽痛風、骨軟化症)

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リウマチ性多発筋痛症 治療

ステロイド少量投与以外効果的な薬物療法はありません。
処方例
プレドニゾロン 15?20?/日(経口:2?3回分服)

    これでおよそ12時間後から症状が劇的に改善し始めます、もし効果がないようであれば他の疾患も疑います。
    赤沈、CRPも定期的に測定し治療の反応を見ましょう。
    その後、1-2?/日ずつ減量し、維持量を2.5-5?/日前後にして1年以上継続します。
    稀に長期に症状が持続する例があり、なかには10年以上ステロイド剤を継続しなければならない例もあります。
    10年以内に再発することが10%程度の確率であります。
    その他、NSAIDs、効果は確立されていませんが難治例に対するMTX、抗TNF-α薬などの報告もあります。

側頭動脈炎を合併している場合はより大量のステロイド投与(プレドニゾロン 60mg/日より開始)が必要です。

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Danon病 update

Extension of the clinical spectrum of Danon disease. Neurology 2008 70: 1358-1359.
lysosome-associated membrane protein 2(LAMP2)B遺伝子に変異を認めるDanon病は、ミオパチーが目立ち精神発育遅滞が目立たない場合もあるので注意が必要

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先天性筋線維タイプ不均等症 Update

Mutations in TPM3 are a common cause of congenital fiber type disproportion. Ann Neurol. 2008;63:329-37.
TPM3遺伝子変異は先天性筋線維タイプ不均等症の主要な原因である.

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筋ジストロフィー全般 update

Muscle magnetic resonance imaging involvement in muscular dystrophies with rigidity of the spine.Ann Neurol. 2010 Feb;67(2):201-8.
脊椎の強直を伴う筋ジストロフィーでは,原因遺伝子異常により障害される筋の分布が異なりMRIで高い確立で区別ができる.

Natural history of Ullrich congenital muscular dystrophy. Neurology 2009 73: 25-31.
ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィーは最初の10年での筋力低下と呼吸筋麻痺の進行が強く、個体差は少ない

Mutation in BAG3 causes severe dominant childhood muscular dystrophy. Ann Neurol. 2008 Dec 9. [Epub ahead of print]
BAG3遺伝子変異が常染色体優性の筋細線維筋ジストロフィーの原因となる.

Brain involvement in muscular dystrophies with defective dystroglycan glycosylation. Ann Neurol. 2008;64:573-82.
5種の遺伝子異常に伴うジストログリカン異常症における脳の異常をMRIにて検討から,従来考えられているよりテント下の異常も多いようだ.

A phase I/IItrial of MYO-029 in adult subjects with muscular dystrophy. Ann Neurol. 2008;63:561-71. ]
Myostatinに対する中和抗体MYO-029の筋ジストロフィー患者への投与は,筋力の改善には至らなかったが安全性は確認され,今後のmyostatin阻害薬での治療に期待がもてる

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Bethlemミオパチー update

Autosomal recessive Bethlem myopathy. Neurology 2009 73: 1883-1891.
COL6A2遺伝子の複合ヘテロ接合突然変異を認めた常染色体劣性遺伝Bethlem myopathyの2例

A refined diagnostic algorithm for Bethlem myopathy. Neurology 2008 70: 1192-1199.
Bethlem myopathy (BM)の確定診断はcollagenVI遺伝子の変異を証明することであるが、筋生検の二重染色法では診断できないものの、皮膚由来のFibroblastに対するCollagenVIの蛍光免疫染色で診断精度が向上する

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先天性筋無力症候群 Update

Ephedrine treatment in congenital myasthenic syndrome due to mutations in DOK7. Neurology 2010 74: 1517-1523.
エフェドリン(15-90mg/日)はDOK7遺伝子変異による先天性筋無力症の症状を少なくとも短期的には改善させる

Refinement of the clinical phenotype in musk-related congenital myasthenic syndromes. Neurology 2009 73: 1926-1928.
MUSK遺伝子変異を有する先天性筋無力症候群5例の臨床的特徴

Endplate destruction due to maternal antibodies in arthrogryposis multiplex congenita. Neurology 2009 73: 1806-1808.
母体の胎児型(γsubunit)Ach受容体抗体により発症した先天性多発性関節拘縮症の1例

Myasthenic syndrome due to defects in rapsyn: Clinical and molecular findings in 39 patients. Neurology 2009 73: 228-235.
ラプシン欠損による先天性筋無力症では多くは生後2年以内に発症しコリン作動薬の効果があり比較的予後良好で、遺伝子変異による臨床的差は少ない

The CHRNE 1293insG founder mutation is a frequent cause of congenital myasthenia in North Africa. Neurology 2008 71: 1967-1972.
北アフリカの先天性筋無力症は[varepsilon]1293insG遺伝子の創始者変異によるものの頻度が高い

Familial occurrence of autoimmune myasthenia gravis with different antibody specificity. Neurology 2008 70: 2011-2013.
母子で異なった自己抗体が検出された家族性MG

A transient neonatal myasthenic syndrome with anti-musk antibodies. Neurology 2008 70: 1215-1216.
MuSK抗体もAChR抗体と同様に胎盤を通過し胎児が一過性のMG症状を引き起こす

Clinical and molecular genetic findings in COLQ-mutant congenital myasthenic syndromes. Brain 2008 131: 747-759.
COLQ遺伝子変異による先天性筋無力症候群はAchE阻害薬の効果がなく、エフェドリンは効果があった

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封入体筋炎

1. Lancet neurology

副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤など多くの試みられ、一部反応を示す例があるものの、強い効果は期待できません。筋萎縮予防のリハビリが中心です。進行は比較的ゆっくりであり、心臓や呼吸筋は侵されにくいので、生命的な予後はよいとされています。

1. ステロイド治療
CKが低下する場合もありますが、その場合でも筋力は徐々に低下することも多く目立った効果は期待できません。

2. 免疫抑制剤
メソトレキセート、シクロフォスファミド、シクロスポリンなどを使用した報告例があります。

3. 免疫グロブリン大量静注療法
有効な可能性があります。いくつかの報告では、嚥下障害を改善したり、筋力低下の進行を抑えたとしています。

以下の治療法はさらにデーターの蓄積が必要です。
4. 抗胸腺細胞グロブリン
5. インターフェロン?β、TNF-α阻害薬
6. CoenzymeQ10、Carnitineなど

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重症筋無力症 治療

1. ガイドライン

眼筋型で、メスチノンのみでコントロール可能な軽症例は楽ですが、全身型で抗コリンエステラーゼ薬でのコントロールが不良な例はいくつかの治療オプションがあります。さらに主にはクリーゼ(急性増悪時)の時に、血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法を行います。

1. 対症療法
抗コリンエステラーゼ薬:コリン作動性クリーゼは注意、説明する。

    メスチノン:作用時間が短く最も使いやすい。1-3錠(60-180mg)/日
    ウブレチド:1日5-20mgを1-4回に群且つ経口投与。効果の持続時間が長い
    マイテラーゼ:メスチノンより効果が強く持続も長い一方で、副作用が強い。半錠5mg朝後より開始し、10mg/日朝昼分2から数日で15mg/日分3へ増量
    ワゴスチグミン:半減期が1時間ぐらいで作用時間が短いので単独でのMG治療には適さない副作用としてムスカリン作用が強いので、硫酸アトロピンと併用して用いられることが多い

2. 胸腺摘出術
重症筋無力症の緩解・改善の可能性を高める治療法として、全身型(眼筋型からの移行例も含む)の場合、胸腺腫の有無にかかわらず施行が望まれます。ただし、初発の場合、血漿交換、IVIg、ステロイド、免疫抑制剤などにより全身状態が落ちついた後に、行うことが多いようです
Sero-negativeのMGでは、胸腺腫の合併がほとんどなく胸腺摘除術の効果を証明したデーターもなく推奨することはできないようです。
眼筋型では、胸腺腫瘍が認められる場合は全身型への移行を予防する効果が期待できるため行うことが多いのですが,画像診断にて腫瘍を認めない場合は効果が明らかでなく,自然寛解することもあり、多くの場合は行いません。
抗MuSK抗体陽性の症例も、胸摘は無効であるので行いません

3. ステロイド
プレドニゾロンが日本では使用されます。少なくとも導入時に高容量(1mg/kg/日以上)を投与すると、少なくとも全身型MGでは初期増悪をきたしやすく、クリーゼを起こす例もあることから低容量からの導入し、漸増が望ましいと考えられます。
胸腺摘出術の前、あるいは術後に行うかどうかは一定した見解はありません。この疾患の場合、副作用を減らすため隔日投与が原則です。が、非服薬日に症状が悪化する場合は、非服薬予定日にも少量のPSLを内服にするか、連日投与にします。
また、重症例ではステロイドパルス療法を行います。
処方例:20mg隔日などから徐々に増量し、1mg/kg/日か2mg/kg/隔日で2?3 ヶ月間の治療量を維持した後、再燃を防ぐため5mg/月以下の割合で漸減する。

4. 免疫抑制剤
ステロイド抵抗性、あるいはSparingのため使用されることがあります。日本ではタクロリムスとシクロスポリンのみが保険適応があります。

    1. タクロリムス(プログラフ)
    3mg を1 日1 回夕食後に経口投与する。副作用の発現を抑えるため、血中濃度(トラフ値:およそ投与12時間後に採血)を20 ng/ml 以下に保つのが望ましい。血糖上昇の副作用に注意!
    2. シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
    5 mg/kg/day を2 回に分けての服用するのが標準であるが、腎障害と高血圧に注意が必要で、血中濃度(トラフ値)を100-200 ng/ml にする。血清クレアチニンや血圧が上昇すれば減量する。トラフ値が100 ng/ml 以下になれば3-4 週ごとに1 mg/kg/日増加させる。
    3. アザチオプリン(アザニン、イムラン)
    50 mg/day から開始し、副作用に注意しながら5-7 日間ごとに25-50 mg/day 増量する。通常維持用量は2-3 mg/kg/day。
    その他、エンドキサン、ミコフェノール酸モフェチール、リツキマブ、エンブレル、レフルノマイドなど

5.血漿交換療法
主に急性増悪時に一時しのぎ的に使用する。
保険適応:発病後5年以内で高度の症状増悪蛍光のある場合、または胸腺摘出術やステロイドが十分走行しない場合に限る。月に7回を限度として、3ヶ月間に限って算定が認められる

6. 免疫グロブリン大量静注療法
主に急性増悪時に使用します。0.4g/kg/日
献血ヴェノグロブリン®IH5%の保険適応が2011年に通りました。

7.重要筋無力症に対する禁忌薬の確認
重症筋無力症の禁忌薬>こちら

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多発筋炎、皮膚筋炎 (PM/DM)

急性期
ジストロフィーとの鑑別が問題となりますが、造影筋MRI (STIR含む)、針筋電図、筋正検などで診断が付き次第ステロイドの投与を開始してください。臨床経過から明らかな場合は筋正検の結果は待たず治療を開始可能と考えます。投与量に関してはエビデンスはないかもしれませんが大量投与後、ステロイドを経口に切り替え減量します。その際は朝1回投与より1日3回投与にしたほうが効果的な印象があります。
しばしばステロイド大量投与を行うものの、炎症を抑えきれない劇症型と言われる活動性の高い筋炎に遭遇することがあります。ステロイドパルス療法を二回行ってもCKなどのマーカーの低下が乏しいなどステロイドで炎症のコントロールが難しい場合にはIVIg大量静注療法が効果的なことがあります(保険適応外)。

慢性期
これらの疾患ではステロイドを完全に中止することはほぼ不可能であると思われます。少量のステロイドを持続し再発を予防しましょう。ステロイドsparing(ステロイド投与量を減らすための免疫抑制剤使用)のための方法(second line treatment)もいくつか報告されています。
また、SRP抗体陽性例ではステロイドの反応性が悪いことが知られています

    メソトレキセート:アザチオプリンよりも効果があるという報告もあります。7.5mg/週から初め、20mg/週程度まで増量することもあるようです
    アザチオプリン
    シクロホスファミド:DMの治療抵抗例や血管周囲の炎症が目立つ例に有効性が期待されています
    シクロスポリン
    タクロニムス
    将来の治療
    抗TNF-α治療(レミケード、エンブレル)
    インターフェロンβ1a
    リツキサン



amyopathic DM
皮膚筋炎ではamyopathic DMといいCKの上昇の乏しい間質性肺炎の強いタイプが存在し、治療抵抗性が強いと言われています。間違って神経内科のみで治療しているようであれば、即日アレルギー科にコンサルトしましょう。シクロスポリンAなどが若干効果があるといわれていますがそれでも致死率はかなり高い疾患です。

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