Archive for 11月, 2007

封入体筋炎

11月 7th 2007

1. Cochrane
2. Lancet neurology

副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤など多くの試みられ、一部反応を示す例があるものの、強い効果は期待できません。筋萎縮予防のリハビリが中心です。進行は比較的ゆっくりであり、心臓や呼吸筋は侵されにくいので、生命的な予後はよいとされています。

1. ステロイド治療
CKが低下する場合もありますが、その場合でも筋力は徐々に低下することも多く目立った効果は期待できません。

2. 免疫抑制剤
メソトレキセート、シクロフォスファミド、シクロスポリンなどを使用した報告例があります。

3. 免疫グロブリン大量静注療法
有効な可能性があります。いくつかの報告では、嚥下障害を改善したり、筋力低下の進行を抑えたとしています。

以下の治療法はさらにデーターの蓄積が必要です。
4. 抗胸腺細胞グロブリン
5. インターフェロン-β、TNF-α阻害薬
6. CoenzymeQ10、Carnitineなど

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重症筋無力症

11月 7th 2007

1. ガイドライン

眼筋型で、メスチノンのみでコントロール可能な軽症例は楽ですが、全身型で抗コリンエステラーゼ薬でのコントロールが不良な例はいくつかの治療オプションがあります。さらに主にはクリーゼ(急性増悪時)の時に、血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法を行います。

1. 対症療法
抗コリンエステラーゼ薬:コリン作動性クリーゼは注意、説明する。

    メスチノン:作用時間が短く最も使いやすい。1-3錠(60-180mg)/日
    ウブレチド:1日5-20mgを1-4回に群且つ経口投与。効果の持続時間が長い
    マイテラーゼ:メスチノンより効果が強く持続も長い一方で、副作用が強い。半錠5mg朝後より開始し、10mg/日朝昼分2から数日で15mg/日分3へ増量
    ワゴスチグミン:半減期が1時間ぐらいで作用時間が短いので単独でのMG治療には適さない副作用としてムスカリン作用が強いので、硫酸アトロピンと併用して用いられることが多い

2. 胸腺摘出術
重症筋無力症の緩解・改善の可能性を高める治療法として、全身型(眼筋型からの移行例も含む)の場合、胸腺腫の有無にかかわらず施行が望まれます。ただし、初発の場合、血漿交換、IVIg、ステロイド、免疫抑制剤などにより全身状態が落ちついた後に、行うことが多いようです
Sero-negativeのMGでは、胸腺腫の合併がほとんどなく胸腺摘除術の効果を証明したデーターもなく推奨することはできないようです。
眼筋型では、胸腺腫瘍が認められる場合は全身型への移行を予防する効果が期待できるため行うことが多いのですが,画像診断にて腫瘍を認めない場合は効果が明らかでなく,自然寛解することもあり、多くの場合は行いません。
抗MuSK抗体陽性の症例も、胸摘は無効であるので行いません

3. ステロイド
プレドニゾロンが日本では使用されます。少なくとも導入時に高容量(1mg/kg/日以上)を投与すると、少なくとも全身型MGでは初期増悪をきたしやすく、クリーゼを起こす例もあることから低容量からの導入し、漸増が望ましいと考えられます。
胸腺摘出術の前、あるいは術後に行うかどうかは一定した見解はありません。この疾患の場合、副作用を減らすため隔日投与が原則です。が、非服薬日に症状が悪化する場合は、非服薬予定日にも少量のPSLを内服にするか、連日投与にします。
また、重症例ではステロイドパルス療法を行います。
処方例:20mg隔日などから徐々に増量し、1mg/kg/日か2mg/kg/隔日で2-3 ヶ月間の治療量を維持した後、再燃を防ぐため5mg/月以下の割合で漸減する。

4. 免疫抑制剤
ステロイド抵抗性、あるいはSparingのため使用されることがあります。日本ではタクロニムスとシクロスポリンのみが保険適応があります。

    1. タクロニムス(プログラフ)
    3mg を1 日1 回夕食後に経口投与する。副作用の発現を抑えるため、血中濃度(トラフ値:およそ投与12時間後に採血)を20 ng/ml 以下に保つのが望ましい。血糖上昇の副作用に注意!
    2. シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
    5 mg/kg/day を2 回に分けての服用するのが標準であるが、腎障害と高血圧に注意が必要で、血中濃度(トラフ値)を100-200 ng/ml にする。血清クレアチニンや血圧が上昇すれば減量する。トラフ値が100 ng/ml 以下になれば3-4 週ごとに1 mg/kg/日増加させる。
    3. アザチオプリン(アザニン、イムラン)
    50 mg/day から開始し、副作用に注意しながら5-7 日間ごとに25-50 mg/day 増量する。通常維持用量は2-3 mg/kg/day。
    その他、エンドキサン、ミコフェノール酸モフェチール、リツキマブ、エンブレル、レフルノマイドなど

5.血漿交換療法
主に急性増悪時に一時しのぎ的に使用する。
保険適応:発病後5年以内で高度の症状増悪蛍光のある場合、または胸腺摘出術やステロイドが十分走行しない場合に限る。月に7回を限度として、3ヶ月間に限って算定が認められる

6. 免疫グロブリン大量静注療法
主に急性増悪時に使用する。0.4g/kg/日
保険適応はない

7.重要筋無力症に対する禁忌薬の確認
重症筋無力症の禁忌薬>こちら

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多発性硬化症 治療

11月 7th 2007

1. 治療ガイドライン

治療はもちろん稀な進行型MSを除けば、急性期治療と再発予防治療に分かれます。
急性期治療は、第一選択薬は今でもやはりステロイドが使用されます。ただし、ステロイドが長期的な予後を改善するかどうかは明確な証拠がないため、むやみに使用することは避けるべきと考えます。日本でのみ認可されている血漿交換療法は長期的な有効性は否定的ですので、ステロイドの反応性の悪い場合に限られます。
再発予防治療防は、最もエビデンスが蓄積されているIFN-βを使用し、再発が多いようであれば免疫抑制剤を使用します。近い将来にその他の再発予防薬も使用可能になると予想されます。

急性期治療
1. 高用量ステロイド療法
2クール施行しても効果が乏しい場合、血漿浄化療法も考慮します
2. ステロイド経口投与
短期的、長期的な有効性を示すデーターはありません。上記のパルス療法の後療法として用いられることが多いようです。プレドニゾロン40-60mg/日から徐々に減量し、2-4週間で中止して、再発するようであれば再度ステロイドパルスを行うという伝統的な治療がよく行われます。
3. 血液浄化療法
単純血漿交換隔日3回 1クールなど

再発予防
1. ベタフェロン(IFNβ):800万国際単位隔日、皮下注
  アボネックス筋注用シリンジ30μg 週1回投与、筋注(2009年現在治験中)
再発予防効果が乏しい場合には、血中のIFNβ中和抗体を測定します(1年以上使用していた症例はバイエルが測定してくれます)。
IFNβ中和抗体は陰性化することもありますが、持続的に数年間消失しない場合には中止。これらで再発効果の乏しい場合は免疫抑制剤の使用を考慮します。本邦で多いNMOの場合は、IFNβによる増悪例の報告もあり、使用されないことが多いようです。
その他の禁忌、相対的禁忌は>こちら

対症療法
痙性しびれ神経痛排尿障害などによる治療

進行型MS
治療法は確立されていません。シクロホスファミドのパルス療法が試みられ、有効であったとの報告があります。その他、やはり再発予防と同様にベタフェロンや免疫抑制剤を使用することになります。

    シクロホスファミドパルス
    IFNβ
    ミトキサントロン
    メソトレキセート
    リツキサン(CD20モノクローナル抗体)
    免疫グロブリン

将来の治療
Fingolimoid(FTY720):FTY720は生体内でリン酸化体に変換され、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体アゴニストとして作用することによって、2次リンパ系組織および胸腺からの成熟T細胞の移出を阻止して、免疫抑制作用を発揮します
cladribine (プリン系代謝拮抗薬;ヘアリーセル白血病治療):2-chlorodeoxyadenosine triphosphateが正式名称です。細胞代謝阻害およびDNAの合成・修復を阻害しますが、リンパ球は代謝経路上影響を受けやすいため、CD4+、CD8+およびCD19+細胞数を迅速かつ持続的に減少します

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インフルエンザ脳症

11月 7th 2007

厚生労働省ガイドライン(平成21年9月改訂版

全身状態の管理をしながら鑑別診断をしっかり行ってください。致死率も高く、後遺症が残存する場合も多く予後の良くない疾患です。さらに、有効性の明らかになっていない治療法も多く、今後のデーターの集積が望まれます。まずは、気道確保、静脈ルート確保を行い全身管理を行ってください。その後、合併症のコントロール、特異的治療を速やかに開始します。

特異的治療
1. 抗インフルエンザ薬:タミフル 2mg/kg/回(最大量 75mg)、1日2回、5日間
2. メチルプレドニゾロン・パルス療法
3. 免疫グロブリン大量静注療法

その他の特異的治療
1. 脳低体温療法
2. 血漿交換療法
3. シクロスポリン療法
4. アンチトロンビンⅢ大量静注

合併症
1. 痙攣発作
2. DIC
3. 発熱(>40℃):身体の冷却、アセトアミノフェン投与 (アスピリン、ジクロフェナク、メフェナム酸は禁忌)
4. ケトーシス、アシドーシス、高乳酸血症など
5. 脳圧亢進:D-マンニトール 2.5-5.0ml/kgを1時間で点滴静注、1日3-6回

注意:解熱剤使用時は、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)のようにCOX-2選択性の高いNSAIDsは禁忌です。ジクロフェナクナトリウムはCOX-2の活性を阻害しPGE2の産生を抑制するため、PGE2によるTNF-α産生の抑制が低下し、TNF-α産生が増加することによって好中球の活性が増強され、また、PGE2によるエラスターゼ遊離抑制が起こらないと、血管内皮細胞がより強く障害されると考えられるためです。

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