脳血管炎 update

Brain biopsy in children with primary small-vessel central nervous system vasculitis.Ann Neurol. 2010;68:602-10.
小児の原発性中枢神経小血管炎の13例の回顧的分析では,非病変部の生検でも診断可能であったが,ステロイドの使用や生検までの長時間の経過,不十分な生検では特異的な組織学的所見が見られなかった.

Giant cell arteritis of the Basal cerebral arteries: correlation of MRI, dsa, and histopathology. Neurology 2010 74: 1651-1653.
原発性脳血管炎による内頚動脈の炎症をMRIで検出しえた59歳女性例

Primary angiitis of the central nervous system: response to mycophenolate mofetilJ Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 1159-1161.
mycophenolate mofetilが奏効した中枢神経限局血管炎の一例

Primary Angiitis of the Central Nervous System. Arch Neurol. 2009;66(6):704-709.
脳血管炎の診断、治療に関する総説

Angiographic Diagnosis of Primary Central Nervous System Vasculitis With Spinal Cord Involvement. Arch Neurol. 2009;66(4):532-533.
血管造影にて診断しえた脳血管炎による脊髄症の43歳女性例

Primary CNS vasculitis with spinal cord involvement. Neurology 2008 70: 2394-2400.
原発性中枢神経系血管炎では5%に脊髄病変が認められ特に胸髄に多く、下肢の症状や排尿障害を来たしやすい

Primary central nervous system vasculitis: analysis of 101 patients. Ann Neurol. 2007;62:442-51.
脳血管炎の臨床的特徴

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Susac症候群 治療

RCTにより効果が確認された治療はありません。以下の治療はClassIII以下と考えてください。免疫抑制剤に反応を示しますが、再発することもあります。

主な治療
1. ステロイド

メチルプレドニゾロンパルス療法後に、60mg/日よりプレドニゾロン内服。2-4週間後に、2週間毎に薬10%の割合で漸減し、20mg/日まで減量したらよりゆっくりと減量する。
2.免疫グロブリン大量静注
4週間毎に1回(5日間)試行し、数回繰り返す。
3.アスピリン
すべての症例に投与したほうが良い可能性がある。

上記で効果が乏しい場合の治療
Cyclophosphamide
エンドキサンパルスを毎月1回、数回繰り返す。その後、維持療法として3ヶ月に一回のパルス療法を2年間施行。
Mycophenolate mofetil(日本未承認)
500mgx2/日、1週間。750mgx2/日、1週間。1000mgx2/日、1週間。と漸増し、最大量1000mgx3まで。2.5年間続ける。維持療法時にMTX(12-20mg/週)の併用も好ましい。

その他の治療
シクロスポリン
Rituximab(リツキサン、抗CD20抗体)
Etanercept(エンブレル):完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤
血漿交換療法

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Susac症候群 診断

原因
自己免疫性の血管内皮細胞障害かもしれません。小さな虚血が起こりますが、病理学的に炎症が認められ、免疫抑制剤による治療に反応します。

症状
次の三徴が有名ですが、すべてそろわないこともあります。
1.網膜動脈分枝閉塞症(branch retinal artery occlusion; BRAO)
dilated fundusを伴い主に後極に認められます。より末梢枝の閉塞は検出が難しいため、眼底蛍光造影が必要になります。
2.難聴
虚血に対する脆弱性の高い蝸牛の障害が原因です。耳鳴りやめまいを伴うこともあります。
3.脳症
頭痛、精神症状の他に病変部位により様々な神経症状を来たします。脳MRIでは脳梁に”snow balls”あるいは”spokes”と呼ばれる病変を来たすため、MS、ADEMが鑑別の対象になります
MRI画像の特徴を把握するのはとても重要です。しかし、70%の症例には灰白質に、33%の症例には髄膜にも異常が検出され、後者は鑑別の鍵になりそうです。

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悪性症候群 診断

重篤副作用疾患別対応マニュアル:悪性症候群のPDFを熟読されてください

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リウマチ性多発筋痛症 診断


症状
痛み、こわばり:後頚部、肩(肩甲帯)、骨盤帯、四肢近位部分に痛みと朝のこわばり(morning stiffness)のが特徴ですが、強い肩こりとして訴える方もいます。
うつ症状:易疲労性、食欲低下、体重減少、うつ症状
比較的急に症状を自覚しますが、その後徐々に痛みの部位が広がり持続します。筋力低下はありませんが、痛くて動かせない場合も多いので、診察時には注意してください。なぜか、50歳以下では発症しません。

病態
不明。parvovirusB19、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydia pneumoniae感染との関連を疑う研究があり、さらにHLA DR4 alleleとの関連を示唆する報告があります。

診断
診断基準の1つ

1. 両側の肩に痛みとこわばりがある。
2. 発病から2週間以内に症状が完成する。
3. 朝のこわばり(頚部、肩甲帯、腰帯)が1時間以上続く。
4. 赤沈が40?(1時間)以上に促進する。
5. 65歳以上に発病する。
6. うつ状態ないしは体重減少がある。
PMR を疑う基準:
A.上述の項目のうち、3項目を充たす場合.
B.上述の項目のうち1項目以上を充たし、また臨床的、病理組織学的に側頭動脈に異常が認められる場合

CRPが上昇することも良くあります。
超音波検査:三角筋下の滑液包炎 (bursitis)、肩関節の上腕二頭筋の腱鞘滑膜炎 (tenosynovitis)などの所見が得られることがあります。

側頭動脈炎
原因不明の中大動脈の血管炎として巨細胞性肉芽腫性動脈炎 (giant cell arteritis) がありますが、その一つである側頭動脈炎temporal arteritisの50-75%にPMRが併発します。一方、PMRの15-40%に側頭動脈炎が併発します。失明することもありPMRよりやっかいで危険な病気です。以下が代表的な症状です。

    発熱、側頭動脈の圧痛
    最近出現した頭痛(側頭動脈の拍動性の頭痛、側頭痛など)
    物を噛むときの顎の痛み
    視覚、視野、視力障害

これらに、赤沈の著明な亢進、CRP陽性などがあり疑った場合は、側頭動脈生検をしてください

鑑別診断
炎症性疾患

    慢性関節リウマチ:多くは遠位部の関節、RA因子などの血液マーカー、関節のerosion
    脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎):背部の痛みやこわばりが目立つ。脊椎レントゲン所見、乾癬の有無
    RS3PE症候群 (Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema):手や足の浮腫
    多発性筋炎/皮膚筋炎:CK上昇、近位筋筋力低下、皮疹
    好酸球性筋膜炎
    膠原病(血管炎、SLE、シェーグレン、強皮症、サルコイドーシス)

非炎症性疾患

    線維性筋痛
    悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、骨髄腫、アミロイドーシスなど)
    変形性関節症、頚椎症
    癒着性関節包炎(五十肩)
    感染症(結核、感染性心内膜炎、骨髄炎)
    パーキンソン症候群
    内分泌異常(甲状腺機能亢進症と低下症、副甲状腺機能亢進症と低下症、偽痛風、骨軟化症)

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リウマチ性多発筋痛症 治療

ステロイド少量投与以外効果的な薬物療法はありません。
処方例
プレドニゾロン 15?20?/日(経口:2?3回分服)

    これでおよそ12時間後から症状が劇的に改善し始めます、もし効果がないようであれば他の疾患も疑います。
    赤沈、CRPも定期的に測定し治療の反応を見ましょう。
    その後、1-2?/日ずつ減量し、維持量を2.5-5?/日前後にして1年以上継続します。
    稀に長期に症状が持続する例があり、なかには10年以上ステロイド剤を継続しなければならない例もあります。
    10年以内に再発することが10%程度の確率であります。
    その他、NSAIDs、効果は確立されていませんが難治例に対するMTX、抗TNF-α薬などの報告もあります。

側頭動脈炎を合併している場合はより大量のステロイド投与(プレドニゾロン 60mg/日より開始)が必要です。

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神経性筋強直症 update

Teaching Video NeuroImages: Regional myokymia. Neurology 2010 74: e103-e104
局所性ミオキミアを認めたIssacs症候群26歳男性ののビデオと筋電図所見

Immunotherapy-reversed compulsive, monoaminergic, circadian rhythm disorder in Morvan syndrome. Neurology 2008 71: 2008-2010.
免疫療法によりVGKC抗体価が低下し、症状、日内変動が改善したMorvan症候群の64歳男性例

Clinical spectrum of voltage-gated potassium channel autoimmunity. Neurology 2008 70: 1883-1890.
130,000人の患者の血清VGKC抗体を測定したところ80人が陽性で、Neuromyotonia以外にも認知機能障害、てんかん、自律神経障害、ミオクローヌス、錐体外路障害など多彩な症状を来たし、免疫療法は約90%で効果がある。原因不明の急性神経疾患の時に腫瘍とともにチェックする価値がある

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脳出血 治療

ガイドライン?2007AHA

出血源からの血腫の増大を防ぐのが治療の最大の目的です。ステロイド、血液希釈療法、グリセロール、マンニトールの脳出血に対する効果は現在までの臨床試験では効果がありませんでした。

1.脳外科コンサルト
神経症状が進行し脳幹圧迫/水頭症所見のある3cm以上の小脳出血は血腫除去術をすぐに行わなくてはなりません。また脳表から1cm以内に位置する皮質下出血の場合も脳外科にコンサルトしてください。
2.降圧療法
収縮期血圧200以上の場合、あるいは収縮期血圧が180以上+かつICP(頭蓋内圧)上昇の所見がある場合、160/90mmHgを目標に血圧を下げます。現在血圧低下の目標値設定のためATACH研究が行われています。急性期は1日6回ぐらい血圧測定をしてください。
ヘルベッサー(塩酸ジルチアゼム):10mg+生食10mlをゆっくり静注。以降、心機能に注意しながらヘルベッサー200mgあるいは250mg+生食100mlをつくり5ml/hで持続静注(最大 25ml/h)。徐脈に注意し、必要に応じ減量、中止、硫酸アトロピン1A ivも検討する。
その他、ラシックス20mg静注、ソルダクトン200mg静注など
3.全身管理
A.脳圧コントロール:評価は脳画像、脳室カテーテル以外に経頭蓋ドプラー超音波検査でも評価できるようです。以下の方法が脳圧を下げる手段として考えられますが、第一選択となるほど強い効果があるものはありません。

    頭部挙上:30度以上に上げると脳圧が低下するが頭部はまっすぐにする
    セデーション:挿管症例など、プロポフォール、ミダゾラムなど
    マンニトールなど:ICPは低下し、CPPは増加するが、リバウンドがあり血液量が減少してしまう
    過換気:CO2の目標値は、30-35mmHg
    ドレナージ:脳室からの髄液ドレナージ

B.血糖管理

    140mg/dL以上の血糖値は予後不良因子です

C.けいれん発作

    特にLobar出血ではけいれん発作の合併が高くなることが知られています。治療は重責発作時と同様です。

D.体温管理、感染症の治療

    体温上昇を防ぐことは推奨されますが、一方で低体温療法はICP低下に効果的なものの合併症も多くあまり行われません。

E.深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症の予防

    空気圧式マッサージ器の使用でICH症例での深部静脈血栓の合併率は下がるようですが、抗血栓薬の使用に関する効果のエビデンスレベルは高くありません。

4.その他
ワーファリン内服中の脳出血:PT-INR<1.35?1.5を目標にVitaminK1を静注(ケイツー20mg ivなど)する。ヘパリンは量に応じて(量は上記ガイドライン参照)、プロタミンの使用も考慮する。AF、弁膜症などでワーファリンを使用せざるおえない場合、再開は脳出血発症後2週程度経過した時点で考慮する。
血栓溶解療法後の脳出血:血小板(6-8U)、第8因子を含む血漿製剤の投与が考慮されることもあります。

臨床治験
遺伝子組換え活性型第 VII 因子:血友病症例に使用されていて、出血を抑える働きがあります。少なくとも血腫増大抑制効果はありそうですが、長期生存率、機能転機などに対する効果ははっきりしません。

予後不良因子
血糖上昇、ワーファリンの使用、意識レベル低下、体温上昇>37.5℃
予後因子
皮質出血、軽度の神経脱落症状、フィブリノーゲン低値

再発予防
1.高血圧の治療:急性期治療に降圧薬静脈投与した場合、いつ経口に切り替えるべきかということに関するデータはない
2.禁煙、アルコールを控えめにする

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脳ヒストプラスマ症 update

Successful Treatment of Histoplasmosis Brain Abscess With Voriconazole. Arch Neurol. 2008;65:666-667.
脳ヒストプラスマ症の脳画像(35歳男性)

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脳リンパ腫様肉芽腫症 update

Lymphomatoid Granulomatosis Involving Central Nervous System Successfully Treated With Rituximab Alone. Arch Neurol. 2008;65:662-665.
リツキシマブ(抗CD20抗体;375 mg/m2, 週1回、1ヶ月間投与)が著効した脳、肺リンパ腫様肉芽腫症の48歳男性例

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