ミオクローヌス 診断

定義
ミオクローヌスは神経系の過度の興奮によって生じる、急速に起こる電撃的な不随意的筋収縮で、拮抗筋が同期して収縮することが多いと思います。
陽性ミオクローヌスと、筋収縮の瞬間的停止による陰性ミオクローヌスnegative myoclonusとに分類されます。陰性ミオクローヌスの病態ではasterixisや膝折れが有名です。
原因としては、以下のような様々なものがあります。病棟で問題になるのは、代謝性や感染に伴うもの、薬物性あたりが殆どだと思います

ミオクローヌスの原因
1.生理的ミオクローヌス

    睡眠時単収縮(Sleep jerks)、不安誘発性、運動誘発性、吃逆

2.本態性ミオクローヌス

    家族性本態性ミオクローヌス、夜間ミオクローヌスなど

3.てんかん性ミオクローヌス

    てんかん発作の部分症状
    小児のミオクローヌスてんかん(Lennox-Gastaut症候群など)
    進行性ミオクローヌスてんかん(Uverricht-Lundborg、DRPLAなど)
    良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)

4.症候性ミオクローヌス

    蓄積症(リピドーシス、セロイドリポフスチノーシスなど)
    ミトコンドリア機能異常にともなうミオクローヌス
    脊髄小脳変性症(DRPLA、Friedreich運動失調症など)
    大脳基底核の変性(Wilson病、皮質基底核変性症など)
    認知症にともなうもの(橋本脳症など)
    感染症(CJD、HSV、SSPE、Whipple病など)
    代謝性疾患(肝腎不全、CO2ナルコーシス、透析症候群、低Na、無酸素脳症、熱中症などなど)
    傍腫瘍症候群(抗NMDA受容体脳炎、神経芽細胞腫)
    局所の中枢神経障害(視床術後、外傷、脳血管障害、脳腫瘍)

5.中毒性ミオクローヌス

    ビスマス、重金属、臭化メチル。ドーパ、リチウム、水銀、アルミニウム

6.薬剤性ミオクローヌス

    抗パーキンソン病薬
    抗うつ薬(三環系、SSRI、リチウムなど)
    ドパミン阻害薬
    抗てんかん薬
    オピオイド薬剤
    抗がん剤
    抗生物質
    心血管系薬剤
    全身麻酔薬
    抗ヒスタミン薬

検査

    上記疾患を鑑別するため、検査は多岐にわたりますがとりあえずは、血液検査と脳MRIとビデオ撮影が必要です
    表面筋電図:振幅1-10mV、持続時間 20-60msec、変動する二相性ないし多相性の電位
Read More

ミオクローヌス 治療

最も重要なことは、原因疾患の治療、あるいは薬物誘発性ミオクローヌスでは原因薬剤の治療です。つまり、原因をはっきりさせることが最優先事項です。
対症療法的には、以下のような方法が行われます。

薬物療法
特に皮質性ミオクローヌスでは、髄液GABA濃度が低下することが多く、以下のようなGABA賦活薬が用いられます

    デパケン:ミオクローヌスてんかんのときにも推奨されます
    リボトリール
    ベンザリン(ニトラゼパム)

その他、以下の薬剤も有効な可能性があります

    エクセグラン(ゾニサミド)
    アーテン(抗コリン薬)
    アルマール、インデラル(β遮断薬)
    テグレトール(カルバマゼピン)
    セルシン(ジアゼパム)
    アレビアチン、ヒダントール(フェニトイン)
    ミオカーム(ピラセタム)
    ビガバトリン、レベチラセタム:本邦未発売

ボツリヌス毒素
特に脊髄髄節性ミオクローヌスでの報告あり

Read More

結節性硬化症 update

Everolimus for subependymal giant-cell astrocytomas in tuberous sclerosis. N Engl J Med. 2010 Nov 4;363(19):1801-11.
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞星状細胞腫の治療として、哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬であるエベロリムスの経口投与療法により、巨細胞星状細胞腫量に有意な減少が認められた

Biallelic TSC gene inactivation in tuberous sclerosis complex. Neurology 2010 74: 1716-1723.
結節性硬化症複合体での結節でのTSC1/TSC2遺伝子の検討では、胚細胞変異/体細胞変異の双方がみとめられ、症状の多様性は生殖細胞系の変異をもつ患者においてsecond hitがランダムに起こることによるというKnudsonのtwo hit理論を示唆すると考えられる

Noninvasive testing, early surgery, and seizure freedom in tuberous sclerosis complex. Neurology 2010 74: 392-398.
結節性硬化症 (Tuberous Sclerosis complex; TSC)の小児例では、MRI/FDG-PETによりてんかんの焦点を検索し外科的治療を行うことで67%がてんかん発作がなくなり、年齢の低さ、てんかんの持続時間の短さが予後因子であった

Cyst-like tubers are associated with TSC2 and epilepsy in tuberous sclerosis complex. Neurology 2009 72: 1165-1169.
TSC2遺伝子に関連した結節性硬化症では大脳皮質の嚢胞様結節が認められることが多く、より強い痙攣発作を来たしうる

Read More