Archive for 5月, 2009

舞踏病(Chorea)、バリスム 治療

5月 31st 2009

1.原疾患の治療
言うまでもありませんが、最優先です
2.対症療法
これらの不随意運動は、D2受容体作動薬で増強し、拮抗薬で抑制される傾向にあります

    スルピリド(ドグマチール)
    ハロペリドール(セレネース):Hunchingtonなどではパーキンソニズムを悪化させてしまうので、少量のみ
    リスペリドン(リスパダール)
    オランザピン(ジプレキサ)
    Tetrabenazine:本邦未承認

など
3.その他の対症療法薬

    リボトリール

など

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

舞踏病(Chorea)、バリスム 診断

5月 31st 2009

バリズム、舞踏運動、アテトーゼは区別が難しい場合も多く、責任病巣は基底核が中心ですので一括してhyperkinetic movement disordersといわれることもあります

舞踏運動(Chorea)

    非律動的な不随意運動で、短く、早く、手、手指の開閉、屈伸、回内・回外運動が起こります
    筋緊張は低下していて、軽度な場合には単に落ち着きがない様にも見えます
    随意運動や精神的緊張により増悪し、睡眠時には消失する傾向があります
    病巣、病態生理
    Hunchington病を例に挙げれば、尾状核の出力低下が、淡蒼球外節の出力が増大させ、続いて視床下核、淡蒼球内節・黒質網様体への抑制性出力が増大します。その結果、視床への抑制出力が低下し、視床からの出力が増大、大脳皮質からの出力が増大すると想定されています
    原因疾患
    妊娠舞踏病、Sydenham舞踏病、Hunchington病(AD遺伝)、有棘赤血球舞踏病、赤血球増多症、歯状核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、SCA17、neuronal ceroid lipofuscinoses、Extrapontine myelinolysis、尾状核や被殻の脳血管障害、もやもや病、薬剤性、老人性舞踏病、高血糖、低血糖、Wilson病、Hallervorden-Spatz病、CNSループス、抗リン脂質抗体症候群、ライソゾーム病、副甲状腺機能異常、Hg中毒などなど

バリズム(Ballism)

    制御できない、投げるあるいは蹴るような激しい不随意運動で、筋緊張は低下します
    病巣、病態生理
    対側の視床下核(ルイ体)の限局性病変が有名ですが、線状体、淡蒼球、視床、深部頭頂葉の報告もあります
    視床下核が障害されると、興奮性入力が減少するため、淡蒼球内節と黒質網様部の活動が異常に低下し、視床腹側核群は強い持続的な抑制から開放されて、大脳皮質運動領域は基底核からのフィードバックがない状態で興奮性が異常に亢進し、バリズムが起こるとも言われています
    原因疾患
    上記部位の脳血管障害や、転移性腫瘍、膿瘍、結核腫、非ケトン性高浸透圧性高血糖症、PKC (paroxysmal kinesigenic dystonic choreoathetosis)、ギラン・バレー症候群、など

診断
上記鑑別診断に対する、血液学的、髄液検査は必須です

    脳MRI:基底核病変、視床下核病変、尾状核の萎縮の有無など
    脳波
    表面筋電図

Ballismのビデオ

Posted by Edward under 不随意運動 | No Comments »

抗真菌薬 概要

5月 31st 2009

以下のように、現在使用できる抗真菌薬はたくさんあり、さらに最近承認された薬剤が多いのも特徴です。真菌性髄膜炎に対する治療ガイドラインは今のところ大きな変化はありませんが、近い将来よりよい治療法が選択できるのかもしれません。

以前からある抗真菌薬

    アムホテリシンB (AMPH,ファンギゾン、アンビゾーム)
    フルシトシン(5-FC、アンコチル)
    フルコナゾール(FLCZ、ジフルカン)
    ミコナゾール(MCZ、フロリード)
    イトラコナゾール(ITCZ、イトリゾール)

最近国内で承認された抗真菌薬

    アムホテリシンBリポソーム製剤(L-AMB):クリプトコッカス髄膜炎には6mg/kg
    ミカファンギン(MCFG、ファンガード)
    ボリコナゾール(VRCZ、ブイフェンド)
    ホスフルコナゾール(F-FLCZ、プロジフ)

各種薬剤の作用部位は以下の図をクリック
fungus

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

抗ウィルス薬 概要

5月 29th 2009

作用機序
治療の対象となる、ウィルスはHSV、VZV、CMVです。
これらの、ヒトヘルペスウィルスは、DNAポリメラーゼ遺伝子をコードしていますので、現行の抗ヘルペスウィルス薬は、アンチセンス抗CMV薬のホミビルセン以外は、すべてウィルスDNAポリメラーゼを最終目標にしています。
ウィルスDNAポリメラーゼの反応基質は、dNTP(デオキシヌクレオシド三リン酸)で、dNTPの構造の一部である、デオキシヌクレオシド類似体、デオキシヌクレオチド類似体、あるいはピロリン酸の類似体がヘルペスウィルス薬として使用されます。

    デオキシヌクレオシド類似体
    グアノシン類似体として、アシクロビル、ガンシクロビル、ビリブジン。ウリジン類似体としてビブリジンがあります。
    デオキシヌクレオチド類似体
    シドフォビルはシチジル酸の類似体で、すでに1個のリン酸基が付加されています。そのため、ウィルスのリン酸化酵素は必要とせず、宿主細胞の酵素により、2個のリン酸基が付加され活性型となり、ウィルスDNAポリメラーゼ活性を阻害します。GCV耐性CMV感染症によく使用されます
    ピロリン酸の類似体
    ホスカルネットは、ウィルスDNAポリメラーゼのピロリン酸結合部分に直接作用して、そのDNA合成活性を抑制します。アシクロビル耐性HSV感染症、およびアシクロビル耐性VZV感染症、あるいはガンシクロビル耐性CMV感染症に対して使われます
    ウィルス遺伝子本屋う阻害薬ホミビルセン
    既知のヒト遺伝子由来のmRNAとは結合せずに、CMVに対してのみ選択的に毒性を発揮します

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

神経セロイドリポフスチノーシス 診断

5月 28th 2009

症状
原因遺伝子が多数あって、臨床病型としては幼児型・若年型・成人型の3タイプあります

    幼児型:精神退行、舞踏様運動、てんかん、ミロクローヌス
    若年型:精神退行、舞踏様運動、てんかん、ミオクローヌス、失調
    成人型:非常に稀です
    異常行動、錐体外路症状、錐体路症状、失調、認知症がみられます。この成人型はKufs diseaseとも呼ばれ、typeA (進行性のミオクローヌスてんかん・認知症)とtypeB(行動異常と認知症が前景に立ち、錐体路症状・錐体外路症状を伴う)に分けられます

検査

    脳波:多くは異常波が見られますが、成人型typeBでは見られないこともあります
    脳MRI:大脳全体の萎縮があり、白質は前頭葉優位に皮質直下のU線維も含めてT2WIで高信号となります
    病理:大脳皮質の神経細胞とアストロサイトに細胞内のセロイド物質(黄金色の脂質様の物質)が見られ、白質は比較的保たれるようです。その他の臓器での生検での診断が有用です。

遺伝
Kufs disesseの病態や原因遺伝子(多くは常染色体劣性遺伝で、まれに優性遺伝を示す)は解明されていないため、やはり診断は、病理学が必要になります

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

GM1, GM2ガングリオシドーシス 診断

5月 28th 2009

GM1ガングリオシドーシス

    β-ガラクトシダーゼ欠損
    骨を含む全身臓器にケラタン硫酸、オリゴ糖の蓄積が起こります
    乳児型はガルゴイリズム・骨変形、肝脾腫、知能障害、錐体路障害などの症状が見られて、眼底にcherry red spotが出現します
    若年型は症状が軽く、成人型はジストニアを主体とする錐体外路障害を呈するようです

GM2ガングリオシドーシス

    βヘキソミニダーゼ活性消失して、GM2ガングリオシドが神経内に蓄積します
    成人型がまれにみられますが30代までです
    成人型の症状は青年期からの運動失調(小脳症状は必発)、構語障害、嚥下障害、精神症状などで、同じく眼底にcherry red spotが出現します
    脳MRI:小脳萎縮、白質の異常信号の他に、
    早期では、基底核がT1低信号、T2高信号
    進行すると、基底核はT1高信号、T2低信号となるようです

診断法はリンパ球の酵素解析または遺伝子解析です

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

好気性運動負荷試験 方法

5月 27th 2009

目的
好気性負荷試験(aerobic exercise test)は、ミトコンドリア内膜電子伝達系のNADH oxidationの障害を調べる検査で、具体的にはKSS、MELAS、MERRFなどのミトコンドリア病の検索の目的で行われます

背景
ミトコンドリア内膜電子伝達系に障害があっても、嫌気性解糖から乳酸生成までは異常なく行えます。しかしながら、乳酸から電子伝達系によるATP産生が行えないため、乳酸及びそれと平衡状態にあるピルビン酸が蓄積・増加することとなります。
乳酸、ピルビン酸の蓄積、増加はミトコンドリア病では恒常的に認められることもありますが、多くの疾患では飢餓・運動などの負荷がかかった状況ではじめて認められることが多く、そのため本テストをするまでは乳酸・ピルビン酸の基礎値が正常でも安心できません。

準備
エルゴメーター、乳酸・ピルビン酸測定用除蛋白液入りスピッツ6本、CK測定用スピッツ3本、ヘパリン生食入りシリンジ、採血用シリンジ6本、太いサーフロー針、延長チューブ、駆血帯、三方活栓

方法
1.何度か採血が必要ですので、肘などの太い静脈に、太目のサーフロー針を留置して、サーフローに三方活栓をじかに付け、三方活栓に延長チューブをつけて、ヘパ生で満たし、いつでも採血ができるようにします。ここで、運動前の基礎値用の採血をします(満たされたヘパ生を捨ててから採血)。
2.準備が完了したら、エルゴメーターを15ワットにあわせます。患者さんに、「ペダルはゆっくり踏めば重く、軽く踏めば軽い」ことを説明し、その後15分間の運動を行ってもらいます。
3.以下の表に示した時間に、それぞれ採血をしてください。この場合、なるべく駆血はしないでください、強い駆血は嫌気性負荷を掛けることになってしまいます。採血後は当たり前ですが、凝血しないようにヘパ生で満たします。
4.採血後、乳酸、ピルビン酸スピッツは、除蛋白液と十分に混和させることが肝要です。
5.血清CKは、運動前と運動終了時(15分後)に測定することもありますが、必ずしも必要はありません。

乳酸 ピルビン酸
  (9-16 mg/dl) (0.3-0.6)
運動前    
運動開始5分後    
運動開始10分後    
運動開始15分後(運動終了)    
運動開始20分後(運動終了10分後)    
運動開始30分後(運動終了20分後)  

結果の判定
正常では、乳酸・ピルビン酸はこの程度の運動で殆ど上昇しません。
ミトコンドリア異常では、運動開始10-20分後あたりをピークに、少なくとも運動前の値の2倍以上は上昇します

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

ミトコンドリア異常症 診断

5月 27th 2009

ミトコンドリア異常症の以下のような検査で結果が出れば、ほぼ確定します

    1.血清、髄液の乳酸、ピルビン酸の上昇:髄液での上昇が重要
    2.好気性運動負荷試験
    3.筋生検
    4.遺伝子検査

さらに様々な臨床系を来たしますが、比較的頻度の高い病型だけでもその病型にoverlapがあり、以下の表ようになります。
各々の異常を検索するため、脳MRI、筋MRI、眼科受診、耳鼻科受診など様々な検査が必要になりますが、MERRFやMELASはSRLでの遺伝子検査でほぼ診断がつくため、労力を抑えることができるでしょう。

Symptom KSS MERRF MELAS NARP MILS
Seizure - + + - +
Ataxia + + + + ±
Myoclonus - + ± - -
Psychomotor retardation - - - - +
Psychomotor regression + ± + - -
Hemiparesis/Hemianopia - - + - -
Cortical blindness - - + - -
Migraine-like headache - - + - -
Dystonia - - + - +
 
Peripheral neuropathy ± ± ± + -
           
Muscle weakness/intolerance + + + + +
Opthalmoplegia + - - - -
Ptosis + - - - -
 
Pigmentary retinopathy + - - + ±
Optic atrophy - - - ± ±
 
Sideroblastic anemia ± - - - -
 
Diabetic mellitus ± - ± - -
Short stature + + + - -
Hypoparathyroidism ± - - - -
 
A-V block + - ± - -
Cardiomuopathy ± ± ± - ±
 
Exo-pancreatic dusfunction ± - - - -
Intestinal pseudoobstruction - - - - -
 
Sensorineural hearing loss - + + ± -
 
Fanconi syndrome ± - ± - -
 
Lactac acidosis + + + - ±
Muscle biopsy RRF+ + + + - -
 
Maternal Inheritance - + + + +
Sporadic + - - - -

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

脊椎硬膜外膿瘍 update

5月 25th 2009

An extensive spinal epidural abscess successfully treated conservatively. JNNP. 2009 Mar;80(3):351-3
C2からL3に広がる脊椎硬膜外膿瘍を,外科的治療なしに抗菌治療のみで治療可能であった症例の報告.

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

iPhone apps for physicians

5月 24th 2009

iPhone/iPod touch お勧めApps
0. M2Plus Launcher M2Plus Launcher

    なんと、イヤーノート、ERマニュアル、今日の治療薬、サンフォード感染症治療ガイドなど、このサイトにある電子版の教科書をiPhoneに入れ、検索できるようになります。超お勧め!

1. 英辞郎 for iPhone
icon

    1000円ですが、いつでもどこでも英辞郎は快適です。音楽を聴きながら、Podcastを聴きながら検索も可能です。ちなみに、医学用語もほとんど網羅されている、この英辞郎を知らない医者は人生損しています。PC版も含めて購入を検討してください。

2. Johns Hopkins POC-IT ABX Guide
icon

    2900円/年。抗生剤選択の検索は、Sanford Guideも良いのですが、John Hopkinsの方は、抗生剤の選択だけでなく起因菌、症状など包括的に紹介されていて、より有用に思います。Skyscapeをまずインストールし、その後SkyscapeのWebsiteで購入します。

3. Mediquations
icon

    600円。臨床で使用するさまざまなスコアを計算してくれます。米国単位になっている場合には、iPhone or Touchの「設定」で変更可能です。この他にも、MedCalc、Cardio Calcなど無料のAppsもありますが、Mediquationsが有料だけあり、使いやすいと思います。

4. PubMed On Tap
icon

    350円。このソフトを開くときはVPN接続で大学のサーバーに接続してFulltextを読めるようにしています。
    同様のソフトに、PubSearch(Plus)がありますが、本ソフトは検索結果が見やすく、検索履歴が残る点で便利さを感じています。

5. Netter’s Neuroscience Flash Cards
icon

    4600円。神経系のミクロからマクロまでの、解剖が掲載されています。神経内科専門医が、参考にしなくてはならない情報は少なくインストールする必要はありませんが、自慢するために入れてもよいかもしれません。他にも、Netter’sシリーズには、骨格筋などなどありますので、必要に応じて入れてみましょう。

神経内科医が聞くべきPodcast:すべて無料です
1. American Academy of Neurology
icon

    神経内科医必読のNeurology誌から、毎週数個の論文をピックアップし、Authorにインタビューしながら論文を紹介してくれます。これを聞いてない方は神経内科医ではないといっても過言ではありません。

2. Lancet Neurology
icon

    Lancet Neurology。。。読む分には大変勉強になる良い雑誌なのですが、Podcastはいまいちメリハリがありません。

3. New England Journal of Medicine
icon

    NEJM。このリンクのように、本文中の雑誌を淡々と紹介するものと、Authorへのインタビューと2種類あります。両方入れてみて、自分に合う方を選択してください。

 iTunes Store(Japan)

Posted by Edward under 未分類 | No Comments »

Next »