Archive for 6月, 2009

脊髄小脳変性症 診断

6月 25th 2009

分類
脊髄小脳変性症は、運動失調症状が徐々に緩徐に進行する原因不明の神経変性疾患です
遺伝形式などから以下のように分類されます
Ⅰ:孤発性脊髄小脳変性症

Ⅱ:遺伝性脊髄小脳変性症

疫学

    10万人に対し5-10人が発症しますが、人種、性別、職業による発病差はありません
    日本においては、おおよそ、孤発性:遺伝性= 6:4 と、孤発性が多いようです
    遺伝性のものの大部分は常染色体優性遺伝です
    孤発性で最も多いのはMSAです

検査

    脳MRI:Saggital像も必要です
    髄液検査、血液検査:他疾患の除外のため、あるいはVitE測定など
    遺伝子検査:東京医科歯科大学神経内科、新潟大学神経内科などへ依頼可能
    眼球運動解析:ENGなど
    耳鼻科受診、眼科受診

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Axial, Saggitalともに、小脳が選択的に萎縮しています。このような脳幹萎縮を伴わないパターンは、SAC6でよく見られます

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123I-MIBG 心筋シンチ

6月 24th 2009

概要
神経内科領域では、主にパーキンソン病を疑ったときに施行する検査ですが、心筋梗塞などの心疾患がある場合は、もともと異常なのか、パーキンソン病だからなのか判別が難しく施行する価値は減ります。
パーキンソン病では、取り込み低下が目立ち感度は高いのですが、レビー小体病やMSAでも低下するため特異度は高くありません
あるいは、認知機能障害の場合、低下のないアルツハイマー病と、低下することの多いレビー小体病の鑑別に役立つかもしれません

検査オーダー前の注意
検査前に、ドパミン製剤を内服している場合で施行してもおそらく信頼の置けるデータは得られますが、ドプス(ドロキシドパ;ノルエピネフリンの前駆物質)内服は、MIBGでの集積を見かけより増加させてしまう可能性もあり、中止が好ましいと考えられます。
半減期約1.5時間で、内服12時間後には薬物自体はWash outされます。

方法
成人には、MIBG111MBqを静脈より投与し、約15分後(早期像)にガンマカメラを用いてシンチグラムを撮像します。
必要に応じて、3~6時間後(後期像)の心シンチグラムを撮像します

結果
心筋を取り囲む領域(H:heart)と、上縦隔(M:mediastinum)に感心領域を設定して、早期像、後期像それぞれのH/M比を算出します
H/M比:正常は約2-3程度 1.9以下は異常です
パーキンソン病では、早期像に比べ、後期像でH/M比がさらに低下します

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正常な方の心筋シンチ。H/M比は保たれています。緑の四角が縦隔、赤の丸が心筋の集積を測定するROIです。

123I-MIBG
123I-MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)はノルエピネフリンの生理的アナログで、心筋内摂取によりノルエピネフリンと同様の交感神経末端に貯留、摂取、放出動態を示します
そのため、特に心臓において交感神経の分布や、活動状態を評価することに使用されています。つまり、123I-MIBGは心筋梗塞、狭心症及び心筋症などの心疾患の局所または全体的な交感神経支配の喪失(denervation)・回復(reinnervation)を検出でき、従来の検査法では得られなかった心交感神経機能に関する画像情報が得られるとして多数報告されています。
一方で、神経疾患では下記のように自律神経障害を示す疾患で、早期像からの無集積や高度低集積を認めます

    パーキンソン病
    レビー小体病
    家族性アミロイドーシスによるニューロパチー
    MSA(自律神経障害の目立つタイプ)

など

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その他の内科疾患関連 update

6月 20th 2009

Painful paraplegia caused by spontaneous abdominal compartment syndrome. Neurology 2010 74: 1833-1834.
腹部コンパートメント症候群により急性の有痛性対麻痺を来たした2例

Neurologic manifestations of the cryopyrin-associated periodic syndrome. Neurology 2010 74: 1267-1270.
クリオピリン関連周期性症候群では、頭痛、感音性難聴、筋痛、乳頭浮腫などの神経症状が出現する頻度が高いが、脳MRIでは異常が検出されない

Teaching NeuroImages: MRI in fibrodysplasia ossificans progressiva. Neurology 2010 74: e20.
進行性骨化性線維異形成症の3歳男児の画像

Acute Bilateral Basal Ganglia Lesions and Chorea in a Diabetic-Uremic Patient on Dialysis. Arch Neurol. 2010;67(2):246.
舞踏病で発症し両側の基底核病変を認めた末期糖尿病性腎症の43歳男性例

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その他の運動ニューロン疾患 update

6月 20th 2009

Cortical excitability in hereditary motor neuronopathy with pyramidal signs: comparison with ALS
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2010;81:97-100

錐体路兆候を伴う遺伝性運動神経障害(dHMNP)をALSと比較した。中枢伝導時間(CMCT)はdHMNPで7.7msec(ALS4.9、コントロール5.1)と延長しており、短間隔皮質内抑制(SICI)はALSで0.8%(dHMNP6.4、コントロール8.6)とちいさくなっていた。

Study of 962 patients indicates progressive muscular atrophy is a form of ALS. Neurology 2009 73: 1686-1692.
下位運動神経症状のみが見られる進行性筋萎縮は、ALSよりも生存期間は長いが進行性の病態であり22%は経過中上位運動神経症状が出現し、ALSの1亜型と考えるのが妥当である

Survival Profiles of Patients With Frontotemporal Dementia and Motor Neuron Disease. Arch Neurol. 2009;66(11):1359-1364.
運動ニューロン疾患と伴う前頭側頭型認知症では、認知機能障害のみが目立ち運動症状の出現が遅い群は認知機能障害と運動障害が同時に出現する群よりも、生存期間が長い

Bilaterally symmetric form of Hirayama disease. Neurology 2009 72: 2083-2089.
平山病は発症早期は片側でも、以後両側に筋萎縮が出現することがあり上肢遠位部の自律神経障害や、不随意運動(minipolymyoclonus)を合併することがある

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ジストニア 診断

6月 20th 2009

概要
ジストニアは, パーキンソン病やハンチントン舞踏病と同様に大脳基底核に責任病巣があると考えられていて、姿勢異常や捻転, 不随意運動など, 重篤な運動障害を主徴します。ジストニアを特徴づける症候には、一般的に次の3 つが代表的です

    筋緊張亢進により硬直した姿勢異常(ジストニア姿勢)
    四肢や体幹の捻転を含む, 緩慢で持続的な不随意運動(ジストニア運動)
    目的運動の際に特定の筋群や広範な筋群に発現し, 目的運動を妨げるような不随意運動(動作性ジストニア)

このうち、動作性ジストニアは、特発性捻転ジストニアや職業性ジストニアの場合に特異的にみとめられて、特発性捻転ジストニアについては、DYT1 (early-onset primary dystonia) などの原因遺伝子が同定されていることから、少なくともその一部は遺伝性であると考えられているようです

ジストニアの原因による分類
特発性(1次性)ジストニア

    眼瞼れんしゅく、頚部ジストニアなど

症候性(2次性)ジストニア

    種々の遺伝性神経疾患
    パーキンソニズムに伴う
    脳血管障害、外傷
    薬剤性
    心因性など

ジストニアの分布による分類

    局所ジストニア
    分節性ジストニア
    全身性ジストニア
    多発性局在ジストニア
    片側ジストニア

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海綿状血管腫 診断

6月 20th 2009

病態
海綿状血管腫 (Cavernous hemangioma)は、脳内に見られる病変は腫瘍ではなく、血管奇形ですので海綿状奇形 (cavernous malformation) とも呼ばれます
多くは、小さな出血病変を来たしますが、大きいものでは出血を繰り返すこともあります。また、多発する場合には家族性の可能性が高くなりますので、近親者の画像チェックが必要になります

疫学
常染色体優性遺伝の場合があります。原因遺伝子は、CM1, CCM2, CCM3遺伝子変異によるKRIT1蛋白異常です

画像
画像の特徴は、以下のようで基本的には陳旧性の血腫と同様のパターンを取ります。つまり、陳旧性の脳出血との鑑別は血腫の存在部位と形、臨床経過が重要です

    T2強調画像で、辺縁部低信号、中心部高信号
    T2*、SWIでヘモジデリン沈着を反映して著明な低信号
    MRA、血管造影では異常なし

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運動誘発性ジスキネジア(PKD) update

6月 17th 2009

16p11.2-RELATED PAROXYSMAL KINESIGENIC DYSKINESIA AND DOPA-RESPONSIVE PARKINSONISM IN A CHILD. Neurology 2009 73: 479-480.
家族性発作性運動誘発性ジスキネジアとドーパ反応性のパーキンソニズムを来たし16p11.2上の遺伝子異常の関連が考えられた17歳男性例

Teaching Video NeuroImages: Paroxysmal kinesigenic dyskinesia. Neurology 2009 72: e118.
Paroxysmal kinesigenic dyskinesiaのビデオ症例

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Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー update

6月 17th 2009

A 49-year-old man with contractures, weakness, and cardiac arrhythmia. Neurology 2009 72: 2036-2043.
エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィーの49歳男性例

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Hallervorden-Spatz症候群 update

6月 11th 2009

Dystonia in neurodegeneration with brain iron accumulation: outcome of bilateral pallidal stimulation. Brain 2010 133: 701-712
脳の鉄沈着を伴う神経変性に伴うジストニアに対して特に重症例は、淡蒼球DBSは一定の治療効果を示すが、過去の報告例ほど有効性は高くないようだ

Neurodegeneration With Pantothenate Kinase Syndrome: Retinal and Magnetic Resonance Imaging Findings. Arch Neurol. 2009;66(6):798-799.
Hallervorden-Spatz病の眼底所見と脳画像(症例報告)

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肺血栓塞栓症 診断

6月 7th 2009

麻痺の多い、神経疾患ではこの合併症の知識なしでは治療ができません。突然のCO2低下をともなう呼吸不全の最大の原因と考えられます。

症状
頻脈、ショック、チアノーゼ、呼吸不全、胸痛、恐怖感などなど

検査
まずは、速攻で以下の検査を行いつつ、肺血栓塞栓を来す基礎疾患の検索を

    1. バイタル確認:特に血圧低下の有無
    2. 血液検査:D-dimerは不可欠ですが、休日で無理な場合はFDP
    3. 血ガス
    4. 胸部X-p:肺動脈の拡張像の有無を
    5. 心電図:右房負荷、S1Q3T3

次に、確定診断に向け以下の検査を適宜行ってください

    1. 胸部造影CT: 造影しなければ血栓は描出で来ません
    2. 換気血流シンチ:CTの感度が上がっているので、昔程必要性は高くありません
    3. 心エコー:右房の拡大、ICの呼吸性変動の低下や拡大の有無を
    4. 血管エコー:特に下肢静脈の血栓の有無を

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