その他の認知症性疾患 update

Ventricular dilation: association with gait and cognition. Ann Neurol. 2009;66:485-9
脳卒中の既往のない高齢者では,MRI検査での脳室の拡大は歩行障害や認知機能障害と相関するが,排尿障害とは関連がみられない.

Clinical syndromes associated with posterior atrophy: Early age at onset AD spectrum. Neurology 2009 73: 1571-1578.
早期発症アルツハイマー病、Posterior cortical atrophy、Logopenic progressive aphasiaの3つの疾患はは後頭葉の萎縮部位が重複しており非典型的アルツハイマー病という範疇でくくれる可能性がある

Akinetopsia in the posterior cortical variant of Alzheimer disease.Neurology. 2009;73:731-2
後頭葉萎縮型ADの2例に見られた運動盲

Pattern and progression of white-matter changes in a case of posterior cortical atrophy using diffusion tensor imaging.JNNP 2009;80:432-6.
Posterior cortical atrophy患者のMRI拡散テンソル画像では初期に後頭葉でFAの低下が目立つが,進行するとアルツハイマー病と同様の数値を示すようになる.

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脆弱X関連振戦/運動失調症候群 診断

GRJ:FMR1関連疾患

概要
FXTAS(Fragile X associated Tremor/Ataxia Syndrome)はfull mutationの脆弱X症候群の類縁疾患で、FMR1遺伝子のCGGリピートが55-200回程度のpremutationを持つ男性で発症し,成人期発症,進行性の小脳失調,企図振戦を特徴とします。そのため、本邦では報告が2009年現在ないものの、MSAやパーキンソン症候群、脊髄小脳変性症と診断されている集団の中にもまぎれている可能性があります。
さらに、基本はX関連疾患ですので男性の疾患なのですが、FMR1遺伝子のCGGリピートが55-200回程度続くpremutation expansionを有する保因者の女性であっても20%ではpremature ovarian failure(早期卵巣機能不全症)を来たしたり、FXTASの症状の一部を発症しうることが報告されているので、注意が必要です。

症状

    企図振戦や失調歩行:2つの大臨床所見
    その他:パーキンソニズム、短期記憶の喪失、実行機能の障害、認知障害、末梢神経障害、下肢近位筋の筋力低下、自律神経障害など

診断

    脳MRI:白質病変、MCP sign(中小脳脚サイン)、大脳萎縮
    遺伝子検査

fxtas
Hagerman PJ and Hagerman RJ (2007) Fragile X-associated tremor/ataxia syndrome?an older face of the fragile X gene Nat Clin Pract Neurol 3: 107?112
より引用

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Trousseau(トルーソー)症候群 診断

概念
トルーソー症候群は、潜在性の悪性腫瘍の遠隔効果により神経症状を生じる傍腫瘍性神経症候群の一つで、悪性腫瘍に伴う血液凝固完進により脳卒中症状を生じる病態です。
脳は凝固外因系の引き金となるトロンボプラスチンが豊富で、トロンビンの拮抗因子であるトロンボモジュリンが乏しいため播種性血管内凝固異常症の標的臓器となりやすいようです。
原疾患の治療と抗凝固療法が必要です。

脳卒中の原因

    DICに伴う非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)による心原性脳塞栓:最も多い
    血管内凝固による微小血栓・塞栓:二番目に多い
    深部静脈血栓症を併発した卵円孔開存による奇異性脳塞栓症
    脳静脈洞血栓症
    腫瘍塞栓

原因となりやすい癌
固形癌が多く、その中では乳癌や子宮癌などの婦人科的腫瘍が最も多いようです。その他の癌としては,肺癌,消化器癌,腎臓癌,前立腺癌など

想定される凝固能亢進のメカニズム
腫瘍細胞による凝固活性化機序に関しては、凝固カスケードを活性化する組織因子、腫瘍プロコアグラント、第V因子受容体などの腫瘍細胞自体の発現、各種サイトカインや腫瘍抗原とその免疫複合体を介した血小板や内皮細胞との細胞間相互作用の惹起などが想定されています (Best Pract Res Clin Haematol 22:3, 2009)

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拡散強調画像(DWI)
両側大脳半球や脳梁に多発する虚血性病変を認めます
mra

MRA
明らかな異常を検出できません

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Trousseau(トルーソー)症候群 治療

1.原疾患の治療
予後を最も左右するため、早期診断・早期治療が最優先されます

2.抗凝固療法
過剰な凝固反応に対して、以下のどちらかを行いますがワーファリンは無効なことが多いようでやっかいです。

3.補充療法
血小板や凝固因子の低下がある場合には、血小板3万/mm3、フィブリノーゲン 75mg/dlを目標に補充することもありますが、補充するときには血栓形成傾向が高まるので、抗凝固療法の併用が必要です

抗凝固療法の病体機序
固形癌で過剰発現している組織因子は凝固カスケードを活性化しますが、その他にも癌の成長、血管新生・転移を促進することが知られています。抗凝固療法の効果に関しては、低分子ヘパリンは抗血管新生作用があり、担癌動物モデルでアポトーシスを誘導することや、ヘパリンがインテグリン依存性の細胞接着を抑制して細胞間相互作用を抑制することにより、癌転移を抑制することなどが報告されています。
一方で、臨床的にはFragmin Advanced Malignancy Outcome Study (FAMOUS)で、進行した固形癌385例にダルテパリン5000単位の投与が、1年間の追跡調査では生存率を改善させたと報告されています。

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頚動脈病変 診断

内頸動脈病変の診断は、bifurcation部はエコーが最も解像度が良く、IMTの測定やプラークの種類も判定できます。一方で、tandem病変の検索に、頸部動脈CTA or CTA、頭蓋内MRA or CTAの検索も必要になります

検査

    頚動脈エコー
    頚動脈CTA or MRA:特に前者は造影剤が必要です
    プラークMRI:いわゆるプラークimagingですが、プラークの質的診断が可能です
    ダイアモックス負荷SPECT

ic-stenosis
頚動脈CTA、3D reconstruction像
右内頸動脈分岐部に高度の狭窄を認めます


coler doppler
頚動脈カラードップラーエコー
MRAで見られた狭窄部位は、エコー上もLowからIso echoicなプラークが存在し、強い狭窄が見られます

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ウィルス性辺縁系脳炎(主にHSV) 診断

概念、疫学
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus; HSV)による中枢神経感染で、死亡率が 10?30%、再発も 20?30%にみられるといった、重篤な神経感染症です
ウイルス脳炎のなかで最も頻度が高く、わが国では年間 300?400例の発症があります
9 歳以下にピークがありますが、各年齢でみられます

病因
HSVには、HSV-1とHSV-2がありますが、一般的にはHSV-1によるものが多く、HSV-2は産道感染で、新生児に脳炎を引き起こすことが多いといわれています。
(HSV-1は口唇ヘルペス、HSV-2は性器ヘルペスの原因ウィルスです)

感染経路

    新生児・幼児:産道における感染や皮膚・粘膜の初感染に続いて起きる
    成人・高齢者:ヘルペスウイルスの知覚神経節への潜伏感染後の再活性化による(回帰感染)

好発部位

    HSV-1:側頭葉、大脳辺縁系で、壊死傾向が強い
    HSV-2:神経根炎や脳幹病変を来たすことも多く注意が必要です

症状

    全身感染症状:発熱、全身倦怠感、上気道炎症状
    脳圧亢進症状、髄膜刺激症状:頭痛、嘔吐
    意識障害:ほぼ必発
    脳病巣症状:痙攣(70%)、片麻痺、不随意運動、人格変化、幻覚、記銘力障害などの側頭葉症状

検査

    髄液検査:細胞↑(リンパ球優位)、蛋白↑、圧↑、糖→、キサントクロミーが見られることがあります
    HSV遺伝子検査:髄液、血清ともに提出しましょう
    HSV抗体:EIA法で髄液、血清をAlbとともに提出して、抗体指数を算出します
    脳波:片側性に周期性同期性高振幅徐波が見られ、典型的にはPSD(periodic synchronous discharge)、PLEDs(periodic lateralized epileptiform discharges)が見られます
    脳MRI:一側優位の側頭葉下部、島、海馬病変に、異常信号が出現します

dwi-hse
拡散強調画像(DWI)
側頭葉、側頭葉に高信号領域を認めます
adc-hse
拡散係数画像(ADC)
拡散強調画像の高信号領域の一部はADC値が低下していますが、一部は上昇しています。ADC低下病変は急性期に、上昇病変は組織破壊の進んだ亜急性期以降に見られる印象があります
flair-hse
FLAIR画像
拡散強調画像と比較して高信号の程度は軽いですが、亜急性期以降は目立ってきます

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