Archive for 7月, 2009

脊髄梗塞 診断

7月 30th 2009

概念
脊髄梗塞は、脳梗塞の脊髄版のようなものですので、もちろん多くは急性発症で、脊髄障害を起こす疾患です。脳梗塞と比較すると、頻度は低いのですが、その理由として、脊髄動脈波脳動脈と比較してアテローム硬化が少なく、また脊髄の血管は動脈間の吻合が豊富で、これが側副血行路として働くためとされています。

原因
脳梗塞と同様に、アテローム硬化/血栓症などによる脊髄動脈の閉塞が原因となりますが、大動脈解離、大動脈の手術など大動脈疾患に関連するものの頻度が高いようです。また、原因がはっきりしない場合もよく見られます

    Syphilis
    Hypercoagulability
    Giant cell arteritis、Polyarteritis
    Sickle cell anemia
    Intervertebral disc herniation
    Temporary cervical subluxation
    Mitral valve disease and multiple emboli
    Atherosclerosis of aortic vessels and branches
    Hypotension
    Cardiac arrest
    Traumatic rupture of aorta
    Dissection of ascending aorta
    Angiography
    Therapeutic renal artery embolization
    Surgery for aortoiliac occlusive disease

症状
とにかく、急性発症であることが重要です。しかし、5%程度は進行が数日単位で見られることもあり、その場合は脊髄炎やDural AVMなどとの鑑別をしっかり行わなくてはなりません。また、脳梗塞と同様に虚血部位により症状がことなります

    前脊髄動脈症候群
     対麻痺:もちろん錐体路症状は陽性ですが、急性期は深部腱反射が低下する場合もあります
     解離性感覚障害:深部感覚が保たれます
     膀胱直腸障害
     背中の痛み:椎体梗塞による??
    後脊髄動脈症候群
     病巣部以下の深部感覚優位の障害
     深部反射の低下/消失
     膀胱直腸障害
    分水嶺領域
     これは、脊髄中心部に虚血が出現します

検査

    血液検査:凝固能、梅毒、炎症所見など
    胸腹部造影CT:解離性大動脈瘤の検索
    脊髄造影MRI:T1、T2、脂肪抑制T2、可能ならDWI、Dural AVMとの鑑別のため造影T1も

spinal-cord
左:下部胸髄から円錐部にかけて腹側(前脊髄動脈領域)に高信号をみとめます。時々、椎体の梗塞のためか、椎体の異常信号を認めることもありますが、本例では認めません
右:脊髄腹側に高信号を認めます。赤い矢印は大動脈ですが、本例では異常を認めません

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脊髄梗塞 治療

7月 29th 2009

決まった治療法がなく、リハビリテーションが中心となりますが、脊髄梗塞以外の脊髄炎などの疾患の鑑別、及び脊髄梗塞の原因検索及び原因疾患の治療が重要です
脊髄炎などTreatableな疾患が本当に存在しないかどうかはしっかり検討しましょう

1.抗血栓療法
抗血小板療法、抗凝固療法共に治療効果を証明した研究はありません。しかし、アテローム硬化が原因と考えられる場合には、抗血小板薬の投与をしてもよいと思われます

2.リハビリテーション
運動機能回復のため最も重要で、かつ肺塞栓の予防にもなります。時間をかけて徐々にADLが上アップする症例も多くあります

3.原因疾患の治療
動脈解離、血管炎、梅毒、凝固機能異常などなどアテローム硬化以外の治療可能な原因疾患が存在すれば、その治療を行います

4.その他
浮腫の強い例では、ステロイド、ラジカット、グリセオールなどの投与が経験的に行われることもありますが、有効性は証明されていません

5.合併症予防

    肺塞栓
    膀胱直腸障害に伴う尿路感染症
    褥創
    呼吸機能低下による肺炎や気管支炎

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電気生理学的検査(NCV, nEMGなど)

7月 29th 2009

ncv-book1神経伝導検査と筋電図を学ぶ人のために
今のところ、針筋とNCVの理論を学ぶ本では一番のお勧めの木村淳先生の本です。
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甲状腺機能異常症

7月 29th 2009

甲状腺機能亢進症
チウラジール
チウラジール(PTU)は時に血清のANCA抗体を産生し、血管炎を引き起こすこともあります。その場合、無機ヨード、アイソトープなどの治療に切り替え、それでも血管炎症状が残存する場合には、ステロイドを中心とした治療が必要となります。
チウラジールによるANCA関連血管炎の特徴

    ANCA陽性化の頻度:内服患者の4-32%に見られる
    内服期間7-11ヶ月(数年単位の報告あり)
    ほとんどがP-ANCA(C-ANCAは陰性、あるいは弱陽性)
    血管炎症状を伴わないseropositive例が多い
    内服中止後,数ヶ月単位で自然に陰性化する
    しかし、ANCA高力価例(≧100)では,血管炎症状を来たすことがあり,治療後もANCA低力価が遷延することが多い

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Fisher症候群, Bickerstaff脳幹脳炎

7月 29th 2009

概念
1956年、Fisherにより、Guillain Barré症候群の亜型として報告された疾患です。Guillain Barré症候群と同様に、上気道炎、下痢などの感染症状改善数週間後に症状が出現し、抗糖鎖抗体の関与が強く疑われますが、症状がGuillain Barré症候群とは全く異なります。
一般的に、呼吸筋麻痺は合併しないことが多いので、GBSよりも機能予後はよく、多くの場合完治します
再発はしないのですが、稀に再発例も報告されています

症状
以下の症状が、亜急性の経過で、つまり数日の単位で出現、進行します

    外眼筋麻痺(末梢性):すべての方向で障害されます
    運動失調:四肢より、体幹の失調が目立ちます
    四肢腱反射消失:入院し消失していなくても、翌日は消失しているかもしれません

以上が、3大徴候ですが、その他、以下のような症状も見られます

    対光反射消失、散瞳、眼瞼下垂
    末梢性顔面神経麻痺:なぜか、遅れて出現することが多い印象があります。両側が多い
    四肢末梢の異常感覚
    四肢よりむしろ体幹の振動覚の低下または消失
    筋力低下:GBSとの合併など
    軽度の頻脈など自律神経症状

検査

    脳MRI:脳幹脳炎、脳幹梗塞などの除外のため、Fisher症候群では脳MRIで陽性所見はありません
    髄液検査:蛋白細胞解離の有無、感染性疾患の除外
    血液検査:ビタミンB1測定はWernicke脳症との鑑別のため必須です
    抗糖鎖抗体測定(近畿大学神経内科などへ依頼):特にGQ1b抗体(GT1aと交叉反応を示す)が検出されます
    末梢神経伝導速度検査:GBS合併の除外のため
    感染症:サイトメガロウィルス、C jujuni感染の有無の検索

Bickerstaff型脳幹脳炎
Fisher症候群に、脳幹障害や意識障害を合併したような病態です
つまり、上部脳幹を主病変とし、急性の意識障害、眼筋麻痺、顔面神経麻痺、小脳性運動失調、錐体路症状などが亜急性の経過で進行します。
成因は免疫学的機序が考えられていて、Fisher症候群と同様の治療、あるいはステロイドを使用します

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脊髄梗塞 update

7月 23rd 2009

Teaching NeuroImages: Acute bilateral hand weakness from anterior spinal artery territory cord ischemia. Neurology 2009 73: e13.
下部頚髄の前脊髄動脈梗塞により両上肢の脱力で発症した58歳男性例

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常染色体優性 脊髄小脳変性症

7月 22nd 2009

比較的頻度の高いものは、以下のようなタイプです

    脊髄小脳失調症1 型(SCA1)[6p22-23, ataxin1]
    脊髄小脳失調症2 型(SCA2)[12q23-24.1, ataxin2]
    Machado-Joseph病 (SCA3)[14q24.3-32.1, MJD gene]
    脊髄小脳失調症6 型(SCA6)[19p13, CACNA1A]
    脊髄小脳失調症7型(SCA7)[3p12-21.1, ataxin7]
    脊髄小脳失調症10 型(SCA10)[22q13-qter, E46L]
    脊髄小脳失調症12 型(SCA12)[5q31-33, PPP2R2B]
    歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA) [12p12-ter, DRPLA gene]

脊髄小脳失調症1 型(SCA1)
小脳失調で発症、腱反射亢進、注視眼振、外眼筋麻痺などが認められる。進行期には筋萎縮、外眼筋麻痺、腱反射の低下を伴うことが多い
第6染色体短腕、SCA1遺伝子内のCAGリピートに異常伸長を認める(40リピート以上)

髄小脳失調症2 型(SCA2)
小脳失調で発症することが多い、発症早期から緩徐眼球運動、腱反射の低下がみられることが多く、本疾患の特徴、痙性はまれで、むしろ筋ト-ヌスは経過と共に低下、発動性低下や人格低下も病期後半にあらわれる
第12染色体長腕に遺伝子座をもつSCA2遺伝子内のCAGリピートに異常伸長を認める(33リピート以上)

Machado-Joseph病 (SCA3)
常染色体優性遺伝、表現促進現象
若年~中年、ときに老年に小脳性運動失調を初発
眼振、錐体路徴候(痙性を示すことが多く特徴的)、その他アテトーシス、ジストニア、びっくり眼、顔面ミオキミア、眼球運動障害、筋萎縮などもある
晩期には感覚障害、自律神経症状 (排尿障害)も認められることがある
MRIで小脳萎縮、脳幹(特に被蓋部)萎縮を認める
第14染色体長腕(14q32)に遺伝子座をもつ MJD1遺伝子内のCAGリピートに異常伸長(55リピート以上)を認める

脊髄小脳失調症6 型(SCA6)
常染色体優性遺伝(表現促進現象はない)
中年~老年に小脳性運動失調で発症し、ゆっくりと進行する
歩行障害、四肢の失調、構音障害など純粋小脳失調を呈する
眼振が認められるが外眼筋運動障害はない
MRIで小脳萎縮のみを認める
第19染色体長腕上の電位依存性カルシウムチャネルのa1Aサブユニット遺伝子内のCAGリピートに異常伸長を認める(21リピート以上は本症の発症に強く関与)
image5image9
Axial, Saggitalともに、小脳が選択的に萎縮しています。このような脳幹萎縮を伴わないパターンは、SAC6でよく見られます

歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)
常染色体優性遺伝(顕著な表現促進現象)
第12染色体短腕遺伝子内のCAGリピートに異常伸長を認める(49リピート以上)
発病年齢は小児から中年まで幅広く、発病年齢によって臨床症状が異なる
20歳以下の若年発病ではミオクローヌス、てんかん、精神発達遅滞又は痴呆、小脳性運動失調が主症状、40歳以上の発病では小脳性運動失調、舞踏アテトーシス、性格変化、痴呆などが主症状、20~40歳では上記の移行型を示す
眼振や錐体路徴候を呈することがあるが、外眼筋麻痺、筋萎縮、感覚障害などはほとんどない
MRI:小脳萎縮、脳幹萎縮というよりも子作りな感じ。尾状核の萎縮はありませんが、脳幹や大脳白質の高信号が後半に出現します
drpla
DRPLAの脳MRI、FLAIR強調画像

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多系統萎縮症(MSA) 治療

7月 22nd 2009

根本的な治療はないため、対症療法が中心となります
一方で、抗結核薬のリファンピシン(RFP)がGCIの蓄積を抑制する作用があるともいわれていて、現在治験段階です。後は、間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell)の経静脈的投与が、信じられないことに症状を改善させたとの報告も勧告から出ています。

薬物療法

    小脳症状:セレジスト内服やヒルトニン静注
    パーキンソン症状:レボドパ(ネオドパストンなど)などの抗パーキンソン病薬
    自律神経症状:起立性低血圧、排尿障害などの自律神経障害に対する治療

対症療法
リハビリテーションによる歩行訓練など

声帯外転麻痺
高度の上気道狭窄/閉塞をきたしている場合、通常の気道確保やアンビューバッグ等を使用した人工呼吸では充分な換気が得られず、気管内挿管を要することが多い印象があります。
また挿管困難となることも多く、その場合は緊急気管切開を行います。
しかし、このような急性の呼吸障害をきたす前に喉頭ファイバーで上気道の狭窄度を評価しておくことが重要かもしれません。
声帯外転麻痺の重症度を判定しておき、「『覚醒時に声帯外転制限を認め、睡眠時に前部かつ後部の声門がスリット状の狭窄を呈した状態』以上で、終夜SpO2モニタリングでSpO2が90%未満となる時間が20%以上」となった時点でNPPVや気管切開を考慮する、との方針の提唱もあります。

睡眠時無呼吸
Nasal CPAP(NPPV)など

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Autosomal Recessive Spinocerebellar Degeneration

7月 21st 2009

普段経験しない疾患ばかりです。一応代表的なものをまとめます。

Friedreich 失調症
通常25歳以前に発症する緩徐進行性の失調症を特徴とする.典型的には深部腱反射の減弱,構音障害,Babinski反射陽性,位置覚・振動覚の 低下・消失を伴う.約25%の患者では25歳以降に発症する,深部腱反射の減弱が見られない,きわめて進行が遅い,などの非定型的な臨床像を呈する.たい ていの患者はFXN遺伝子のGAAトリプレット・リピートの過剰伸長が見られる.CAGリピートの伸長による常染色体優性遺伝性失調症に比べてFriedreich失調症では表現促進現象は見られない.

毛細血管拡張を伴う失調症(ataxia telangiectasia)
1-4歳に発症する進行性の小脳失調を特徴とする.眼球運動失行,頻回の感染症併発,舞踏病アテトーゼ,眼球結膜の毛細 血管拡張,免疫不全が見られ,特に白血病やリンパ腫などの悪性腫瘍に罹患するリスクが高い.本症の診断を支持する検査所見として,末梢血リンパ球での核型 分析にて7;14染色体の転座を同定する,免疫不全の存在を証明する,in vitroで放射線高感受性を証明する,などがある.ATM遺伝子の解析も行われている.

ビ タミンE欠損を伴う失調症(ataxia with vitamin E deficiency,AVED)
通常,学童期から10歳代に構音障害や失調性歩行(特に暗いところでの)で発症する.早期から固有感覚が障害されるため進行性の巧緻運動障害も見られる.ジストニアや精神異常(パラノイア),網膜色素変性,知能低下が見られることもある.大半の患者は小脳失調と下肢の筋 力低下のために11歳~50歳の間に車椅子生活となる.臨床的にFriedreich失調症と似ているが,本症ではFriedreich失調症と比べて頭 部振戦やジストニアを伴いやすく,一方,心筋症は伴いにくい.AVEDはビタミンEの補充により治療しうるので疑わしい患者では血清ビタミンEを定量し,AVEDかどうか見極めることが重要である. SCA8とAVEDを合併した患者ではビタミンEが効かなかったことが報告されている.

眼球運動失行を伴う失調症1型(ataxia with oculomotor apraxia type 1,AOA1)
小児きに発症し(平均発症年齢7歳),緩徐進行性の経過を取る小脳失調症である.数年以内に眼球運動失行を伴う.眼球運動失行は進行する と外眼筋麻痺に至る.患者は重度の運動神経優位の末梢神経障害をきたし,発症から7-10年後には四肢の麻痺から日常生活が自立できなくなる.ポルトガル人家系では知的機能は保持されているが,日本人家系では精神運動発達遅滞が見られる.AOA1の診断は臨床所見に基づいてなされる.

眼球運動失行を伴う失調症2型(ataxia with oculomotor apraxia type 2,AOA2)
10歳から22歳の発症,小脳萎縮,軸索型の運動感覚性ニューロパチー,眼球運動失行,血清中のa-フェトプロテインの上昇を特徴とする.AOA2の診断は家族歴を含めた臨床所見,検査所見を基になされる.また診断には毛細血管拡張を伴う失調症やAOA1を除外する必要がある.

幼児期発症の脊髄小脳変性症(infantile-onset SCA)
フィンランドから報告された稀な病型であり,小脳,脊髄,脳幹の変性と軸索型の感覚性ニューロパチーを伴う.ミトコンドリアDNAへリカーゼの遺伝子変異が報告されている.

Marinesco-Sjo¨gren症候群
小脳失調に精神運動発達遅滞,白内障,低身長,筋緊張低下を伴う稀な病型である.SIL1遺伝子の変異が多数報告されている.

常染色体劣性遺伝性痙性失調症(Charlevoix-Saguenay型)(Autosomal Recessive Spastic Ataxia of Charlevoix-Saguenay;ARSARCS)
12-18ヶ月の幼児期発症で歩行困難や歩行時のふらつきを 特徴とする.神経学的には小脳失調,構音障害,痙性麻痺,病的反射陽性,遠位筋の筋萎縮,下肢優位の運動感覚性ニューロパチー,水平注視方向性眼振などが 見られる.これらはたいていの場合,進行性である.カナダケベック州出身のARSACS家系では網膜の視神経乳頭辺縁から放射状に伸びる有髄神経の増生が見られる.このような網膜変化はフランス人,チュニジア人,トルコ人のARSACS家系では稀である.ARSACSの患者は平均41歳で車椅子生活となる が,認知機能はよく保たれ,晩期まで日常生活動作は可能である.

その他の常染色体劣性遺伝性小脳失調症

    日本から精神遅滞と末梢神経障害,著しい小脳萎縮を伴う失調症が報告されている.
    常染色体劣性遺伝性の小脳失調症と軸索型の感覚運動性ニューロパチーを呈するサウジアラビアの1家系は第14染色体長腕(14q31-q32)に連鎖することが知られていたが,TDP1遺伝子(トポイソメラーゼ1依存性DNA損傷修復酵素をコードする)の変異によることが判明した.
    脊髄後索の変性と網膜色素変性を伴う失調症が記載されている.
    低ゴナドトロピン性機能不全症を伴う失調症が記載されている.類似の症状を持つ同胞にはコエンザイムQ10の欠損が見られている.
    血族婚を有し,精神遅滞,視神経萎縮,皮膚病変を伴う失調症を呈するレバノン人家系が15q24-q26に連鎖することが報告されている.
    失調症,難聴,視神経萎縮を伴い,6p21-p23に連鎖する家系が報告されている.
    Swarzらは14人の同胞中5人が失調症,衝動的なintrusions,感覚性ニューロパチー,ミオクローヌスを呈するスロヴェニア家系を報告している.
    血族婚を有するノルウェー人家系において幼児期発症の非進行性失調症が記載されているが,この家系では20q11-q13に連鎖することが判明している.
    ビオチニダーゼ欠損症の年長児にしばしば失調症と発達遅延が見られる.
    Barisらは精神運動発達遅滞と小脳萎縮を呈するパレスチナ人家系が22q11に連鎖することを報告している.
    極低比重リポ蛋白受容体遺伝子の変異を有するHutterite家系が見出されている.この家系は常染色体劣性遺伝性の非進行性小脳失調と精神運動発達遅滞,小脳下部の低形成,軽度の大脳回のsimplificationを特徴としている.
    Breedveldらは11p15に連鎖する常染色体劣性遺伝性の小児期発症の失調症を呈するオランダ人家系を報告している.この家系では症候的に錐体路徴候,姿勢時振戦,後索性の感覚障害が見られている.
    常染色体劣性遺伝性で種々の程度の先天性小脳形成異常を伴う病態にはJoubert症候群,新生児期糖尿病を伴う小脳無形成症,グリコシル化の先天的な異常症が含まれる

X連鎖性の遺伝性失調症
X連鎖性の失調症を呈する家系がいくつも報告されている.
殆どの家系は痙性麻痺,精神運動発達遅滞,難聴,認知症,鉄芽球性貧血などの他の症状・症候を合併している.鉄芽球性貧血と失調症の原因となる遺伝子(ABC7)が同定されているが,この遺伝子はミトコンドリアの鉄移送に関与していることからFriedreich病と共通した病態機序が推察されている.
これら代表的な8つのAR-SCDの中では本症例は網膜有髄繊維の増生は認めなかったもののARSARCSが最も臨床像が近いと考えられた。ARSARCSはこれまでカナダ、日本、イタリア、スペイン、チュニジア、トルコ、イタリアで遺伝子変異を持つ家系が同定されているが、今後さらに世界中で報告される可能性があると考えられる。

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遺伝性末梢神経障害(CMT、HMSN) 治療

7月 21st 2009

主には、毎日の運動、整形外科的なアキレス腱、あるいはPes cavusの治療が中心になります。薬物療法は、モデルマウスのレベルでは効果が実証されているものもありますので、特にVitCなどの投与も考慮されます

CMT1などの脱髄型(特にPMP22関連)

    ビタミンC
    抗プロゲスチン剤
    NT-3

その他

    CoQ10など

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