その他の薬剤 update

Dopamine Agonist Withdrawal Syndrome in Parkinson Disease. Arch Neurol. 2010;67(1):58-63.
PDではドーパミン作動薬(DA)減量に伴い21%程度に衝動制御障害などのドーパミン受容体作動薬離脱症候群(DAWS)が出現し、DA投与量が多く、内服期間が長く、UPDRSが低い場合発症の危険性が高い

Acute hippocampal sclerosis following ecstasy ingestion. Neurology 2009 73: 567-569.
エクスタシー(MDMA)使用後に、海馬の腫脹とその後の萎縮を来たした2例

Read More

脳塞栓 診断

TOASTでは以下のように分類されます(TOAST分類の詳細は>こちら
TOAST CES

検査
多くの場合、原因は非弁膜症性心房細動です。最近は非弁膜症性心房細動が半数以上、70%を占めるとの報国もある

    血液検査:D-dimerなど凝固線溶系マーカーも
    脳MRI、CT
    MRA
    頚動脈エコー、頚部血管3DCTA
    心エコー
    ホルター心電図

CES MRI

心原性脳塞栓の脳MRI
拡散強調画像(左)、T2強調画像(右):右側頭葉皮質を含み、中大脳動脈領域に虚血病巣を認めます。DWIでは、信号強度は一様に上昇していて、このようなパターンは心原性脳塞栓でよく見られます

Read More

感染性心内膜炎 診断

循環器病の診断と治療に関するガイドライン

循環器疾患にもかかわらず、脳梗塞やくも膜下出血などを併発することが比較的多く、なぜか循環器から神経内科へコンサルテーションがなされることもあります
生命予後は悪いですが、治療が奏効することもあり迷わず即入させてください。書くまでもありませんが、、、

検査

    血液培養:疑ったら必ず3本(最低でも場所を変えて2本)
    経胸壁心エコー
    経食道心エコー
    以下はそれぞれ必要時に
      塞栓部位の検索:胸腹CT、脳MRI、検尿
      細菌性動脈瘤の検索:MRA
      細菌性髄膜炎併発の検索:髄液検査、髄液培養

IE echo
僧帽弁前尖に可動性のある疣贅を認めます。このように経胸壁心エコーで疣贅やMRの所見がない場合も多いので、疑った場合は経食道心エコーも必ず行います

Read More

アテローム血栓性脳梗塞 診断

TOASTでは以下のように分類されます(TOAST分類の詳細は>こちら
TOAST ATBI

検査
血栓性梗塞の場合が多く、塞栓性、血行力学性の頻度は血栓性の機序に比べると低いようです

    血液検査:D-dimerなど凝固線溶系マーカーも
    脳MRI、CT
    MRA
    頚動脈エコー、頚部血管3DCTA
    心エコー
    ホルター心電図

ATBI

アテローム血栓性脳梗塞の脳MRI
拡散強調画像(左)、T2強調画像(右):放線冠を中心に虚血病巣が見られますが、皮質にも小さな虚血病巣が見られます。主幹動脈に強い狭窄病変がある場合、A to A的なメカニズムによるのか、このように多発する虚血病巣を来たすこともあり、内頸動脈の評価を行うことはもちろんですが、心原性脳塞栓症、過凝固疾患やIEなどによる脳梗塞との鑑別を注意深く行う必要があります

Read More

運動ニューロン疾患 診断

運動ニューロン疾患といっても色々な種類のものがあります、障害部位による運動ニューロン疾患の分類はおおよそ以下の通りです
1.上位運動ニューロン+下位運動ニューロン

    筋萎縮性側索硬化症(ALS)、進行性球麻痺(PBP)

2.上位運動ニューロンのみ

    原発性側索硬化症(PLS)

3.下位運動ニューロンのみ

    脊髄性進行性筋萎縮症(SPMA)
    球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
    脊髄性筋萎縮症(SMA)
    Multifocal motor neuropathy(MMN)
    ポリオ、鉛中毒など
Read More

自己免疫性自律神経節障害 (AAG) 診断

概念
neuronal nicotinic acetyl-choline receptor(ganglionic AchR)に対する自己抗体が、約半数に検出されることがあるため、自己免疫学的な機序が疑われている自律神経節障害疾患です
以前より、autoimmune autonomic neuropathy, acute pandysautonomiaなどと呼ばれてきた疾患の一部はこの疾患と思われます
悪性腫瘍が見つかることもあれば、他の自己抗体が陽性になることもあります

症状
中心は自律神経障害です。亜急性の進行性の経過のことが多いですが、慢性の経過の場合はMSA-AやPAFが鑑別に上がります

    交感神経障害症状:起立性低血圧、無汗症
    副交感神経障害:膀胱直腸障害、脈拍変動、口渇、瞳孔収縮異常

その他、末梢神経障害、MG、Stiff-person症候群、不随意運動などの合併例も知られています
また、
α3-AchR抗体の抗体価により、臨床的特徴があることも知られています

検査

    自律神経検査
      Head-up tilt試験
      サーモグラフィー、SSR
      発汗検査
      点眼試験
    脳MRI:基本的にMSAの鑑別のためですが、時に尾状核、被殻に異常信号が検出されることもあります
    悪性腫瘍検索:肺癌、乳癌、腎臓、泌尿器系、卵巣系など様々
    髄液:軽度の蛋白、細胞数上昇を見ることもあります
    自己抗体:α3-AchR抗体 その他、GAD、Ach受容体抗体、ANNA-1、VGCC抗体、CRMP-5など
Read More

自己免疫性自律神経節障害 (AAG) 治療

IVIg単独での効果は少ないようですが、PEやIVIgと免疫抑制剤を追加してある程度の治療効果は見られそうです

免疫治療

対症療法

    コリンエステラーゼ阻害薬(メスチノンなど):軽度の改善を認めると言われているため、上記のような積極的治療を望まない場合は処方する価値があると考えられます
    起立性低血圧に対する治療
Read More

HTLV-I関連脊髄症 診断

概念
西日本を中心に特に九州・四国,沖縄に多く分布するHTVL-Iキャリアーの1000人に一人、痙性対麻痺を来たすことがあり、HTLV-Iによる脊髄障害の可能性が示唆されている疾患です

症状
緩徐進行性の

    両下肢痙性不全麻痺:感覚障害は運動障害よりも軽度で、しびれ感や痛みなど自覚的なものが多い
    自律神経症状:膀胱直腸障害(病初期より),下半身の発汗障害、起立性低血圧、インポテンツなど
    その他:手指振戦、運動失調、眼球運動障害、軽度の痴呆

検査

    抗 HTLV-I 抗体:血清,髄液共に陽性
    末梢血所見:白血球数は軽度減少、核の分葉化を示すリンパ球が散見、ATL でみられるフラワー細胞は稀
    髄液:軽度の蛋白、細胞数の増加(核の分葉化したリンパ球がみられる例もある)
    髄液ネオプテリン:活動性炎症を反映していると考えられているため、病勢の把握に重要です。SRLで測定可能です
    脊髄MRI:脊髄に局所的な病変を指摘できる例はほとんどないですが、長期経過例では胸髄全体が萎縮している場合もあります
    頭部MRI:大脳白質や橋に T2強調画像で高信号域が散在してみられる例があります
    SEP:特に下肢で中枢伝導障害の所見
    針筋電図:傍脊柱筋で軽度の脱神経所見がみられ特徴

病理と病態
病理所見
慢性炎症過程が脊髄,特に胸髄中・下部に強調されて起こっています。
つまり、小血管周囲から脊髄実質に浸潤する T細胞主体の炎症細胞浸潤があり,周囲の脊髄実質(髄鞘や軸索)の変性脱落を伴います
一方で、炎症が終息した部では強いグリオーシスと血管周囲の線維性肥厚が見られます
炎症細胞浸潤は広く大脳を含めて全中枢神経系に広がっていますが、常に脊髄中・下部に強調されていて、生理的に血流の停滞しやすい部位により強い炎症が見られるのかもしれません
病態
もう一つの特徴は非常に長期間にわたって炎症が持続しているにもかかわらず、組織の破壊は緩徐です。HTLV-I のプロウイルスは血管周囲に浸潤している T リンパ球のみに局在していて、神経細胞やグリア細胞など神経組織自体に感染しているわけではありません
つまり、本来の宿主細胞であるヘルパーT 細胞に感染しているだけで、接着因子やメタロプロテイナーゼなどを介しての組織浸潤という形で脊髄に持ち込まれていることが推定されていますが、、、

Read More

移植後リンパ増殖性疾患(PTLD) update

Clinical Reasoning: An unusual case of papilledema after orthotopic liver transplantation. Neurology 2009 73: e25-e29.
同所性肝移植後リンパ増殖性疾患(Posttransplant lymphoproliferative disease:PTLD)によりうっ血乳頭による視力低下と髄液細胞増多を認めた59歳女性例

Read More

大脳膠腫症(gliomatosis cerebri)update

Gray matter involvement predicts chemosensitivity and prognosis in gliomatosis cerebri. Neurology 2009 73: 445-449.
大脳膠腫症では灰白質病変の面積が30%を超えると予後が悪く、化学療法への反応が鈍い傾向があるが、染色体1p/19q欠損が検出されることは少ない

Read More