Archive for 9月, 2009

ミトキサントロン 治療

9月 30th 2009

参考文献:Brain and Nerve 61巻5号 2009年5月: p575-

多発性硬化症
多発性硬化症に主に用いられますが、未だ保険適応はありませんので、それぞれの施設での倫理審査委員会の承認が必要となります。費用は安いのですが、、、

    ミトキサントロン 5-12mg/m2(20mg以下) + 生食 100ml 1時間で点滴静注
    最初の3回は1ヶ月ごとに行い、以降は3ヶ月ごとに行うが、投与総量が96mg/m2を超えない(70mg/m2を目処)ようにするため、永遠に使える訳ではありません

投与後、適宜制吐剤静注を行い、また白血球が2000/mm3以上を保つように量を調節します

副作用
最も有名な副作用は心毒性、心不全です
心毒性
一般的には心毒性予防のために総投与量に制限を設けるのですが、早期に出現することもあります。心毒性の軽減策として、リポソーム製剤や鉄キレート剤(dexrazoxane)の併用が検討されているようです
二次性白血病
すなわち、therapy-related acute leukemia (t-AL)です。
G-CSF併用により、t-AL発症のリスクが上昇する可能性があります
その他

    骨髄抑制作用
    生殖機能不全
    悪心、嘔吐、脱毛

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ミトキサントロン 概要

9月 30th 2009

概要
ミロキサントロン(Mitoxantrone)は、anthracycline系抗癌剤として開発され、日本では白血病や悪性リンパ腫、乳癌などの疾患で保険認可されています。
一方で、神経疾患領域では特に多発性硬化症に対する効果が知られているため、IFNβやglatiramer acetateなどの効果がない例に使用されます。

作用機序
ミトキサントロンはG2/M期とS期間で細胞内のDNA鎖と架橋形成すると書くと難しいですが、つまり核酸合成を抑制します。その他、topoisomeraseII阻害やDNA二重鎖破壊作用もあるようです。

薬物動態
ミトキサントロンは半減期がとても長いという特徴があります。
具体的には12-15mg/m2で投与された場合、最大血中濃度は300-940ng/mlと高値で、80日後の血中濃度は20pg/mlで、この時点でも免疫細胞への障害作用は持続します。また、肝臓、甲状腺、心筋に蓄積しやすいようです。
代謝は肝臓です

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屈曲性脊髄症、平山病 update

9月 30th 2009

Weak hands from a flexed neck. Neurology 2009 73: 996.
前屈時の頸髄MRIで頸髄の萎縮と硬膜の前方への剥離、静脈拡大を認めた屈曲性脊髄症の18歳男性例

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ミトキサントロン update

9月 30th 2009

Cardiotoxicity and other adverse events associated with mitoxantrone treatment for MS. Neurology 2010 74: 1822-1826.
多発性硬化症に対するミトキサントロンの投与により、14%にEFの低下、27%に好中球減少、15%に貧血と肝機能障害が出現し、心毒性に関しては必ずしも用量依存性ではないようだ

Evidence Report: The efficacy and safety of mitoxantrone (Novantrone) in the treatment of multiple sclerosis: Report of the Therapeutics and Technology Assessment Subcommittee of the American Academy of Neurology. Neurology 2010 74: 1463-1470.
多発性硬化症に対するミトキサントロン療法に関するエビデンス-心毒性や白血病の発症の危険性は従来の報告よりも多い可能性がある

Severe cardiac failure in a patient with multiple sclerosis following low-dose mitoxantrone treatment. Neurology 2009 73: 991-993.
少量のミトキサントロン投与後に重症心不全を発症したABC (ATP Binding Cassette) トランスポーター遺伝子異常を持つ多発性硬化症の26歳女性例

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血液浄化療法 update

9月 30th 2009

Plasma exchange for acute attacks of CNS demyelination: Predictors of improvement at 6 months. Neurology 2009 73: 949-953.
血漿交換療法は脱髄性疾患の63%で発症6ヶ月後の神経症状を改善させるが、特に早期の治療と退院時の症状改善が反応性良好と関連していた

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認知症、軽度認知機能障害 update

9月 30th 2009

バックアップ 1

The Trajectory of Gait Speed Preceding Mild Cognitive Impairment. Arch Neurol. 2010;67(8):980-986.
歩行速度、指タップの低下速度の割合は、軽度認知機能障害を発症した群で優位に強かった

Elevation of β-Amyloid 1-42 Autoantibodies in the Blood of Amnestic Patients With Mild Cognitive Impairment. Arch Neurol. 2010;67(7):867-872.
血中抗アミロイドβ42抗体はアルツハイマー病に進展した軽度認知機能障害群で正常対象群と比較して有意に高値であった

Cerebrospinal Fluid Abnormalities and Rate of Decline in Everyday Function Across the Dementia Spectrum: Normal Aging, Mild Cognitive Impairment, and Alzheimer Disease. Arch Neurol. 2010;67(6):688-696.
認知機能正常者や軽度認知機能障害症例における髄液中のリン酸化タウ蛋白上昇、Aβ42低下はその後の認知機能の悪化と関連するが、アルツハイマー病の症例ではその後の認知機能の悪化の予測因子ではないようである

Effects of Aerobic Exercise on Mild Cognitive Impairment: A Controlled Trial. Arch Neurol. 2010;67(1):71-79.
軽度認知機能障害において6ヶ月間の有酸素運動は、特に女性で認知機能改善効果を認めた

Characteristics of hormone therapy, cognitive function, and dementia: The prospective 3C Study. Neurology 2009 73: 1729-1737.
閉経女性に対する最近のホルモン療法は治療期間が長いほど認知機能の保持と関連がありそうであり、また、アポE4遺伝子による認知症発症の危険性も低下させているかもしれない

Linking Hippocampal Structure and Function to Memory Performance in an Aging Population. Arch Neurol. 2009;66(11):1385-1392.
高齢者では内嗅皮質の血流低下と遅延再生の低下が関連し、海馬の体積は全再生能力の低下と関連があったが、アルツハイマー病症例を除外すると前者の相関がより強くなり、後者の関連は弱くなった

Effects of Family History and Apolipoprotein E {varepsilon}4 Status on Cognitive Decline in the Absence of Alzheimer Dementia: The Cache County Study. Arch Neurol. 2009;66(11):1378-1383.
APOE4遺伝子の保持やアルツハイマー病の家族歴の因子を保持しているということだけでは、認知機能障害の悪化速度はそれほど早くならないのかも知れない

Association of Muscle Strength With the Risk of Alzheimer Disease and the Rate of Cognitive Decline in Community-Dwelling Older Persons. Arch Neurol. 2009;66(11):1339-1344.
高齢者では筋力が強い方が認知機能低下の危険性が低かった

Adiposity indicators and dementia over 32 years in Sweden. Neurology 2009 73: 1559-1566.
中年期にウェスト/ヒップ比が0.8以上の場合、認知症発症の危険性が2倍になる

Ten-Year Change in Plasma Amyloid β Levels and Late-Life Cognitive Decline. Arch Neurol. 2009;66(10):1247-1253.
血清Aβ40/Aβ42比が中年後期に高値及び1O年間での上昇は、老年期の認知機能の悪化と強く関連していた

White matter hyperintensities and medial temporal lobe atrophy in clinical subtypes of mild cognitive impairment: the DESCRIPA study J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009; 80: 1069-1074.
MCIにおいて、内側側頭葉の萎縮のみのタイプは健忘症状を有する高齢者に多く、潜在的にアルツハイマー病を示唆する。内側側頭葉萎縮に白質のT2高信号を伴うものは病因が異なることが示唆された。

Prevalence and prognostic value of CSF markers of Alzheimer’s disease pathology in patients with subjective cognitive impairment or mild cognitive impairment in the DESCRIPA study: a prospective cohort study. Lancet Neurol. 2009;8:619-27. Epub 2009 Jun 10.
MCIや自覚的な健忘症患者における髄液検査で,ADの特徴であるAβ42の低下とタウの上昇は健常人よりも多く見られ,その後のADへの進展するも関係している.

Kidney function is associated with the rate of cognitive decline in the elderly. Neurology 2009 73: 920-927.
腎機能低下は認知機能低下の進行と関連し、eGFRの15ml/min./1.73m2低下は3年の加齢に相当する

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脳波と自律神経 書籍

9月 20th 2009

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まずはHead up tiltやSSRなどの自律神経検査はこれ1冊持っておきましょう

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とりあえず、脳波の本を1冊買うならこれを買いましょう

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実際の脳波が、実際の大きさで紹介されていて理解しやすい良い本だと思います。個人的には好きです。この本「入門編」以外に「症例編」もあります

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脳波の教科書として、神経内科医は持っているべきと思われます

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甲状腺機能異常にともなう神経障害

9月 20th 2009

甲状腺機能亢進症の神経障害

    甲状腺中毒性脳症:精神症状、痙攣、意識障害、振戦、球麻痺
    重症筋無力症:筋易疲労性、複視
    ミオパチー:近位筋の筋力低下、筋萎縮
    周期性四肢麻痺:脱力発作、男性/低カリウムが多い
    外眼筋麻痺:複視、眼瞼浮腫、眼球突出

甲状腺機能低下の神経障害

    粘液水腫様昏睡:意識障害、認知症、幻覚、痙攣など、橋本脳症との鑑別を
    ミオパチー:筋力低下、有痛性筋硬直、筋膨隆現象
    単ニューロパチー:手根管症症候群、外側大腿皮神経障害
    多発ニューロパチー:四肢末梢の感覚低下、筋力低下

自己抗体による神経障害

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関節リウマチの神経合併症 治療

9月 20th 2009

リウマチ性髄膜炎
症例数が少ないので、もちろんエビデンスが得られた治療はありません。
ステロイドに反応し予後良好である報告も多くあって、その場合検査値・画像改善は4週から5週で認めているようです。
一方で、ステロイド単独投与に不十分な症例もあり、アザチオプリン、シクロフォスファミドの投与にて改善した報告もあります。

関節リウマチに伴う末梢神経障害
Coming soon

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リウマチ性髄膜炎 診断

9月 20th 2009

概念
リウマチ性髄膜炎(Rheumatoid meningitis)は関節リウマチの稀な合併症で、髄膜あるいは硬膜にリウマトイド結節を伴う炎症を引き起こします。長期罹患患者の増加・画像診断の進歩とともに報告例が増加しています。
この疾患のMRI画像は比較的特長的ですので、覚えておいて損はないと思われます。

疫学

    年齢は50~80歳代
    RAの罹病期は非常に早期か長期罹患例が多く、52%が15年以上
    全身の関節炎の活動性と相関は必ずしもしないため、安定期や活動性が消失してリウマチ因子が陰性化した症例も報告されています

症状

    一般的な硬膜炎、髄膜炎の症状を呈します
    頭痛、痙攣、精神症状、脳神経症状、片麻痺、単麻痺など

検査

    血液学的検査:好中球優位の白血球上昇、血沈・CRP上昇、リウマトイド因子の上昇、RAHAの上昇、補体の低下、時にANCA陽性、抗CCP抗体陽性例があり
    髄液検査:細胞や蛋白上昇、TNF-α、IL-1β、IL-6の上昇
    脳波:全般的な徐波化、突発波
    単純CT:脳溝の不鮮明化
    脳MRI:クモ膜、硬膜が主には局所的にFLAIR画像で高信号、同部位の一部がDWIで高信号、Gd増強効果あり
    FLAIRで高信号域の一部が拡散強調画像で高信号となることが特徴的で、限局性に惹起された炎症が高蛋白質な成分(比較的高密度な細胞成分)が一部に含まれるためとも考えられています
    生検:確定診断には必須ですが、リウマトイド結節がうまく見られる例の方が少ないようです。また、肉芽腫性病変を得られても必ずしも特異的ではないため、結核との異同が問題となります。硬膜炎、髄膜炎の鑑別を適宜行ったうえで、生検をせずステロイドの反応を見るのも一つの方法です

rameningitis
FLAIR画像(左)では、硬膜、髄膜が高信号を示していて、拡散強調画像(DWI;右)では、FLAIR高信号の部位の一部がPatchyに高信号を示します。ここでは示していませんが、造影MRIではFLAIR高信号領域の少なくとも一部は造影されることが多いようです

クモ膜下腔がFLAIRで高信号となる疾患の鑑別
上記の画像のようにクモ膜下腔がFLAIRで高信号となる疾患は以下のようなものがあります

    クモ膜下出血:出血なのでCTで高吸収となる
    硬膜下膿瘍:DWIでFLAIR病変全体が高信号
    リウマチ性髄膜炎:DWIでFLAIR高信号領域の一部のみが斑状に高信号(patchy high intensity)
    癌腫症:Gd造影パターン(リウマチ性髄膜炎は経時的にもpatchyとなる)
    梗塞:皮質が高信号となりクモ膜下腔では血管が高信号となることがあるので、ADC低下・MRA所見で鑑別します
    破裂類皮嚢腫:Gd造影パターン

病理
病因は未だ不明ですが、病理学的所見としては、軟膜の血管周囲の炎症細胞浸潤・壊死性肉芽腫・リウマチ結節の3所見の報告が多いようです。
リウマチ結節がつかまれば、殆ど診断は確定ですが生検ではなかなかつかまらないことも多いようです
特に硬膜・軟膜の血管を中心とした中枢神経の血管炎を本態とする報告も見られますが、硬膜炎と軟膜炎で病理像に違いはないため、炎症の首座の違いの理由も明らかではありません

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