Archive for 10月, 2009

ミオクローヌス・ジストニア症候群 治療

10月 31st 2009

今のところ、M-Dの病院に対する治療法はなく、下記の対症療法も大きな効果は期待できません。
ベンゾジアゼピン、抗コリン薬(トリへキシフエニジル)、ドパミンアゴニスト、セロトニン関連薬(トリプトファン,パロキセチン)、アマンタジン、抗てんかん薬(バルプロ酸、levetiracetam、バルビツール酸系薬、プリミドン、ピラセタム、カルバマゼピン、ガバペンチン)、神経安定薬(tetrabenazine、ハロペリドール)、β遮断薬など、様々な薬剤が試されいます。
内服治療

    抗コリン薬(アーテン)
    ベンゾジアゼピン
    抗てんかん薬:Levetiracetam、ピラセタム、ゾニサミド
    L-dopa、ドパミンアゴニスト投与
    アルコール:大部分の患者に対し劇的に有益 

その他

    ボツリヌス毒素:限局性ジストニア姿勢の治療に使用できる
    DBS:身体能力障害を伴う重症患者では選択肢の1つでとなります。他のタイプの原発性ジストニアと同様に、GPiに対するDBSはM-D患者においても安全かつ有効なようです。報告されている有益性は他の原発性ジストニア患者と同等で,改善率はミオクローヌスとジストニアのいずれにおいても通常50%を超えます。
    また、視床中間腹側核に対するDBSが有効であるとの報告もあります

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ミオクローヌス・ジストニア 診断

10月 31st 2009

概念
ミオクローヌス・ジストニア(myoclonus-dystonia;M-D)は,ミオクローヌス発作とジストニアと組み合わさった症状を特徴とする運動障害で,非常に稀な疾患です。
SGCE遺伝子(OMIM 604149)変異との関連があると言われています

疫学
遺伝性M-Dは、常染色体優性遺伝で10〜20歳で発症します
稀に、高齢発症もあります
女児のほうが男児よりも早く発症します(平均5歳 vs. 8歳)

症状
ミオクローヌス

大部分の症例はミオクローヌスが主症状で、ミオクローヌスが単独でみられる場合と,ジストニアを合併する場合とがあります
典型的な症状は非常に短時間の「電撃様」ミオクローヌス発作ですが,これが単独でみられる場合と軽度~中等度のジストニアを合併する場合があって、通常,上半身に好発するミオクローヌスはしばしば安静時にみられ,姿勢,動作,精神的ストレスにより誘発されたり,増悪したりしますが,刺激で誘発されることはないようです。
よくみられるパターンの1つに,上肢ミオクローヌスを伴い,頚部に好発する体幹性ミオクローヌス(axial myoclonus)があります。下肢ミオクローヌスが認められる症例は約25%です。

ジストニア
症例の約20%はジストニアを初発症状とします
ジストニアがみられる場合,ジストニアは通常軽度~中等度で、症状としては頚部ジストニアと書痙が最も多いようです。時に下肢が侵されて,下肢が初発部位となることもありますが、喉頭ジストニアはほとんどみられません

精神症状
M-D家系の一部では,うつ病,不安障害,強迫性障害,人格障害,噌癖,注意欠如・多動性障害(ADHD)症候群などの精神障害が報告されています

検査

    血液検査:乳酸、ピルビン酸、セルロプラスミン、Cu、赤血球形態に異常がないことを確認します
    脳MRI、脳CT:通常異常を認めません
    眼科受診:異常を認めないことを確認します
    表面筋電図:ミオクローヌス性バーストの持続時間は25-250msec、ジストニアは共同筋群と拮抗筋群の共同収縮や比較的長いジストニア性バーストはジストニア症状がある、身体箇所のミオクローヌスと関連している場合があります
    SEP:C反射やGiant SEPは記録されませんので、ミオクローヌスは皮質下性と考えられます

M-D確実例(defnite M-D)の診断基準

    1. 若年発症(20歳未満)
    2. 上半身に好発するミオクローヌスが,単独もしくはジストニアを合併する形でみられる
    3. 父系遺伝を伴う家族歴がある(「父系遺伝」はSGCE変異または欠失によるM-Dにのみ適用)
    4. 小脳性運動失調,痩縮,認知症など,他の神経学的所見はない。
    5. 脳MRI所見は正常

M-Dを示唆する追加所見

    ミオクローヌスに先行する電位変化を伴わない短いミオクローヌス性バースト(25~250ミリ秒)
    C反射反応(C-reflex Response)は陰性で,巨大体性感覚誘発電位は認めない
    小児期または思春期における四肢ジストニアの自然寛解
    アルコール摂取による改善

鑑別診断

    進行性ミオクローヌスてんかん
    多動性代謝性疾患
    DYT1およびDYT5ジストニアなどの原発性ジストニア
    良性遺伝性舞踏病

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線維筋痛症 (Fibromyalgia syndrome; FMS) 治療

10月 29th 2009

1. 薬物療法

    NSAIDs
    抗不安薬
    三環系抗うつ薬(トリプタノールなど)
    SSRI、SNRI:SSRIよりはSNRI(トレドミン)の効果が優れるようです
    プレガバリン、ガバペンチン
    ノイロトロピン

2. 圧痛点へのトリガーポイントブロック

3. 睡眠障害の治療
マウスピース、ダイエット、CPAPなど

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線維筋痛症 (Fibromyalgia syndrome; FMS) 診断

10月 29th 2009

概念
全身的慢性疼痛疾患で、全身に激しい痛みが起こる疾患です
とにかく、心理的要因の強い疼痛障害でない、すなわち精神的要因/関与がないことを専門家とともに確認することが必要です。関与があれば、身体表現性疼痛障害など精神疾患の方が疑われます

疫学
アメリカでは女性で3.4%、男性は0.5%
好発年齢は40-69歳

診断基準(1990年アメリカリウマチ学会)

    広範囲の疼痛の既往がある
    18箇所の圧痛点のうち、4kg重の力で押し11箇所以上痛く、また広範囲の痛みが3ヶ月以上続いていることが条件
    (疼痛は0-4で評価)

臨床症状

    全身の筋肉/腱の痛み(特徴的な圧痛点)
    全身倦怠感
    睡眠障害(不眠)
    頭痛
    消化器症状
    こわばり
    しびれ感、異常感覚

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MTX関連リンパ増殖性疾患 (MTX-related lymphoproliferative disorders(MTX-LPD))

10月 29th 2009

概念
MTX長期投与に伴い出現するリンパ腫で、WHO分類ではMTX-LPDは免疫不全に伴うリンパ増殖性疾患に分類されています

疫学
発症頻度は明らかではないのですが、比較的高齢者に多く、MTX投与後平均3年で発症しています
MTX-LPD発症例のMTX投与期間は平均30ヶ月(2-108ヶ月)、総投与量は平均1500mg (180-3600mg)
現病のほとんど(85%)はRAですが、尋常性乾癬、皮膚筋炎などの報告もあります
移植後リンパ増殖性疾患のような100%の関連はないのですが、MTX-LPDでは60%程度EBVが組織に証明され、EBV感染、再活性化との関連が注目されています
MTX中止により、約半数例、特にEBV関連では自然退縮が見られる特徴があります

症状

    発熱、体重減少などの全身症状
    リンパ節腫脹
    皮膚や肺などのリンパ節外病変

検査

    全身造影CT、FDG-PET、Gaシンチなど
    血液検査:LDH上昇、s-IL2R上昇、CRP軽度高値、EB抗体、EB-PCRなど
    リンパ節生検:EBER in situも

組織学的には、B細胞リンパ腫が多く、特にdiffuse large〜mixed B cell lymphomaの頻度が高いようです

治療
1. MTX中止
特に、EBV陽性例はMTX中止により自然退縮が得られやすいようです
自然退縮率:EBV陽性例は60%、陰性例は40%

2. CHOPなどの化学療法
中止後、2週間でリンパ節腫脹など臨床症状の改善がなければ化学療法を考慮します

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脳原発悪性リンパ腫 診断

10月 29th 2009

概念
高齢者に多い、あるいはHIV症例に多く合併する脳腫瘍です。脳にはリンパ系組織はないかのに、なぜ悪性リンパ腫が発生するのかはまだわかっていません。
脳原発のものは、ほとんどがnon-Hodgkinリンパ腫 (NHL)で,B 細胞性リンパ腫(大細胞型)が約80~90%を占めます

検査
中枢神経感染症、サルコイドーシスなど肉芽腫性疾患、その他の腫瘍性疾患、MSなどの脱髄性疾患に関する鑑別を速やかに行ってください。
細胞診、生検による確定診断、及び脳原発か二次性であるのかにより治療法も異なりますので、全身臓器のリンパ腫の有無の確認が必要です。

    血液検査:s-IL2R
    骨髄穿刺、骨髄生検
    髄液検査:s-IL2R、細胞診は最低3回は提出、細胞数が多ければflow cytometryも
    全身造影CT
    Gaシンチ
    FDG-PET:全身臓器の集積の他に、中枢神経に局所的集積があるかどうかも忘れずに確認してください。悪性リンパ腫であれば必ずhot spotになるはずです
    脳造影MRI:著名な造影効果を有することはもちろんですが、ADCの低下を反映してDWI(拡散強調画像)の高信号が目立つという所見も有名です
    眼科受診:ocular lymphomaの有無や、ブドウ膜炎の有無を
    脳タリウムSPECT:retention indexでトキソプラズマとの鑑別にトライ

PCNSL
Gd造影後T1強調画像では、脳室周辺、脳弓に造影増強効果を認め、同部位はFDG-PET(右下)でのグルコース代謝がかなり亢進しています


病理
N/C比の高いリンパ球様の細胞が密集します。病理学的に鑑別が難しいのは膠芽腫ですので、CD3, CD5などのPan-T cell marker、CD20などのB-cell markerが陽性かどうかは重要な所見です。
また、Ki-67、GFAP、Oligo2なども行い膠芽腫との鑑別を行います

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睡眠障害 update

10月 28th 2009

Sleep-related breathing and sleep-wake disturbances in ischemic stroke. Neurology 2009 73: 1313-1322.
脳梗塞後の睡眠覚醒障害、睡眠関連呼吸障害に関する総説

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Tourette症候群 診断

10月 14th 2009

チックについて
瞬間的な不随意運動で、同じ運動が不規則な間隔で繰り返され、一見「くせ」の用に見えます
顔面、首、肩に出現することが多く、睡眠中には消失し、正常運動を妨げないという特徴があります
臨床的には、単純運動チックと複雑運動チックに分けられます

疫学
2-15歳で発症、3:1で男性に多く、85%に家族歴を認めます

症状

    運動性チック
    言語性チック
    突発的な無意味語(vocal tic)
    coprolalia
    反復言語(palilalia)

ICD-10による「音声と多様性運動との混合性チック障害(ド・ラ・トゥレット症候群)」の診断基準

    A.多様性の運動チックと1つ以上の音声チックが、障害の期間
    中のある時期に存在したことがあるが、同時に存在するものとは
    限らない。
    B.チック症状の頻度は、1年以上にわたってほとんど毎日、1
    日に多数回でなければならない。しかも、その罹病している1年
    間において、2か月以上続く寛解期がない。
    C.発症は21歳以前である。

DSM-Ⅳによる「トゥレット障害」の診断基準

    A.多様性の運動チックと1つあるいはそれ以上の音声チックが
    疾患の経過中のある時期に存在したことがあるが、同時に存在す
    るものとは限らない(チックとは、突然で、急速な、反復する、
    非律動的で常同的な運動あるいは音声である)。
    B.チックは、1年間以上にわたってほとんど毎日あるいは間を
    おいて、1日に何回も(通常はまとまって)起こり、この期間に
    おいて3か月以上続く寛解期はない。
    C.障害によって、著しい苦痛あるいは、社会的、職業的または
    その他の重要な機能における重大な障害が引き起こされる。
    D.発症は18歳以前である。
    E.障害は、物質(例えば、中枢刺激薬)や全般的な医学的状態
    (例えば、ハンチントン舞踏病やウイルス感染後脳炎)の直接的
    な生理的結果によるものではない。

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Hallervorden-Spatz症候群 診断

10月 11th 2009

概念
1922年にHallervordenとSpatzにより記載された疾患で、PANTOTHENATE KINASE 2; PANK2 (Gene map locus 20p13-p12.3)遺伝子異常により、淡蒼球、尾状核、黒質に鉄が沈着します
ハレルフォルデン‐スパッツ症候群と読むようです

疫学
常染色体劣性遺伝
小児期~思春期発症

症状
筋強剛、ジストニー、構音障害、嚥下障害など

CT

    淡蒼球に低吸収値域or 高吸収値域
    低吸収値の場合:tissue destruction
    高吸収値の場合:dystrophic calcification

MRI

    淡蒼球の著明な低信号値化をT2強調像で認め,内部に限局した高信号が見られる (eye of the tiger sign)
    淡蒼球のT2強調像での低信号値化は, 鉄沈着によるmagnetic susceptibility effect

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Wilson病 治療

10月 11th 2009

早期発見、早期治療が重要で予後に関わります
治療目的は銅のキレート、排出促進、摂取の減少です

食事療法
低銅食
チョコレート、レバー、ナッツ、マッシュルーム、貝などに銅が多く含まれます

薬物療法

    D-ペニシラミン 1000-1500mg/日 食前1時間あるいは食後2時間
    銅をキレートしたペニシラミンの80%が尿から排出されます。
    副作用(発熱、皮疹などのアレルギー、血小板減少、好中球減少、蛋白尿)が強い場合は、200-500mg/日の少量から徐々に漸増する場合もあります。
    抗ビタミンB6作用のためビタミンB6併用することも特に小児、妊婦では行います
    トリエンチン (trientine)
    900-1200mg/日 分3
    ペニシラミンが副作用で使用できない場合に用いられてきましたが、最近はfirst line treatmentになっているようです
    テトラチオモリブデン酸アンモニウム(ammonium tetrathiomolybdate)
    上記二つの薬剤と同様に、これも銅キレート剤です
    亜鉛
    150mg/日
    亜鉛は銅の腸管での吸収を抑制します

肝移植
薬物療法が効果がない例、肝機能障害が強い例などに考慮されることもあります

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