Archive for 2月, 2010

神経内科専門医試験 関連書籍

2月 25th 2010

なんと言っても、専門医試験は過去問だと思うのですが、直前に過去問以外に読んでおいても良い本は以下の通りです。

改訂版・神経内科のスピード学習と専門医学習
改訂版・神経内科のスピード学習と専門医学習
専門医試験、これを持っていないと始まりません

神経病理インデックス
神経病理インデックス
最近、人気のある中枢神経、末梢神経の参考書です

臨床のための筋病理
臨床のための筋病理
筋病理はこれで。上記の神経病理インデックスと、この埜中先生の本と、この岡先生が書かれたリンクで、病理はほぼ十分かと思います。

カラーアトラス神経病理
カラーアトラス神経病理
さらに、病理が心配であればこの本も

神経MRI診断学
神経MRI診断学
MRIは良書が沢山あって困りますが、、、

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小児/妊婦の多発性硬化症 治療

2月 25th 2010

多発性硬化症と妊娠、IFN-β(ベタフェロン®、アボネックス®)について>こちら

周産期のMSの活動性
MS と妊娠・分娩の関係については多くの疫学 的研究がおこなわれていて、妊娠・分娩が必ずしも MS に悪影響をおよぼさないことが明らかとなっています。
特に、欧州でおこなわれた pregnancy and multiple sclerosis (PRIMS) 研究が有名で、妊娠中のMS 再発率は低く、とくに第3三半期には再発率がおよそ 70% 減少していること が示されています。しかしながらこの研究ではMSとNMO の区別はなされていません。
また、出産後は一時的に再発率が上昇することも知られています。そして、母乳栄養をしている経産婦はMSの再発率が低下するという驚くべき報告もあります。

周産期のMSの病態
一般に、妊娠にともなう母体の免疫機能の変化としてサイ トカインバランスが Th2 へ偏倚することによって、妊娠を維持するように働いていることは有名かと思います。MSはTh1サイトカインが疾患増悪に関与していると考えられているため、妊娠中期のTh2 優位な状態が再発率減少の一因かもしれません。

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ボツリヌス毒素

2月 25th 2010

ボトックスは承認条件により、使用に当たっては講習・実技セミナーを受講する必要があります。
Botox.jpから登録し、オンラインで受講し受講修了登録が可能です。

図説入りでわかりやすいボトックスの作用機序

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心因性不随意運動(PMD; psychogenic movement disorders)update

2月 23rd 2010

Psychogenic movement disorders. Curr Opin Neurol. 2009 Aug;22(4):430-6.
心因性不随意運動に関する総説

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心因性不随意運動(PMD; psychogenic movement disorders) 治療

2月 23rd 2010

とにかく器質的疾患を適切に除外した上で、早期の治療介入が重要で、治療が遅れると難治性になると言われています。

治療法
1. 心理療法
2. 認知行動療法
3. 催眠療法
4. リハビリテーション
5. 薬物療法
 特にうつ病が合併している場合は、抗うつ薬(SSRIなど)

予後
一般的には、予後はあまり良くなく、治療を行っても14%は不変、38%は悪化したとの報告があります
予後因子 (ref)

    Perceived effective treatment by the physician
    Presence of anxiety
    Elimination of stressor(s)
    Complying with instructions to follow-up with other physicians/therapists
    Specific medication

予後不良因子

    Dissatisfaction with the physician
    Weaker physical health
    Longer duration of PMD symptoms
    History of smoking

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心因性不随意運動(PMD; psychogenic movement disorders) 診断

2月 23rd 2010

はじめに
神経内科医であれば、不随意運動を来す疾患を網羅的に検索しても原因がなく、心因性と考えざるおえない不随意運動をしばしば経験すると思います。一方で、近年これらの心因性不随意運動を積極的に診断する試みがなされてきています。
心因性不随意運動は、振戦が圧倒的に多く、次にジストニアが多いようです。舞踏運動の報告もありますが頻度はかなり低く、心因性movement disorderの2-5%程度のようです。以下の特徴が総説によく記載されています。

A) Historical(病歴)

    1. Abrupt onset(急性発症)
    2. Static course(非進行性)
    3. Spontaneous remissions(自然寛解)
    4. Obvious psychiatric disturbance(明らかな精神障害の合併)
    5. Multiple somatizations(複数の身体化障害)
    6. Employed in health profession(医療従事者)
    7. Pending litigation or compensation(係争中の訴訟をかかえる)
    8. Presence of secondary gain(二次的利益の存在)
    9. Young age(若年、女性)

B) Clinical(臨牀徴候)

    1. Inconsistent character of movement (amplitude, frequency, distribution, selective ability)
    一貫性に乏しい症状(頻度,振幅,分布など)
    2. Paroxysmal movement disorder(発作性)
    3. Movements increase with attention or decrease with distraction
    (注意させると増加し,気をそらさせると減少する;非常に重要な所見です!)
    4. Ability to trigger or relieve the abnormal movements with unusual or non physiological interventions. (e.g trigger points of the body)
    (非生理的な不随意運動の誘発,消失(トリガーポイントの存在など))
    5. False weakness
    (偽の筋力低下)
    6. False sensory complaints
    (偽の感覚障害)
    7. Self-inflected injuries(自傷行為)
    8. Deliberate slowness of movements(意図的な運動遅延)
    9. Functional disability out of proportion to exam findings
    (診察所見を超える機能障害)
    10. Movement abnormality that is bizarre, multiple or difficult to classify
    (奇妙で,多発する,分類困難な運動異常)

C) Therapeutic responses(治療反応性)

    1. Unresponsive to appropriate medications(適切な治療に対して反応不良)
    2. Response to placebos(偽薬が有効)
    3. Remission with psychotherapy(精神療法で寛解)

PMD診断のためのビデオプロトコール(J Neuro Sci 2007: 263; 94-99)
以下の連続したタスクを座位で行います。PMDでは、主に5番目のタスクで振戦が減弱し、8.9.番目のタスクで暗示にかかり、11番目のタスクで振戦が増強する特徴があるようです

    1.座位で手を腿の上において10秒間
    2.腕を前にのばして指広げて10秒間
    3.腕を外転させ、肘を曲げる
    4.指鼻試験(各上肢5回)
    5.片手ずつD2, D5,D3の順にfinger tapping 10回
    (反対の腕は前に伸ばして)
    6.片手ずつ手首を1-2Hzでゆっくり曲げ伸ばし 10回
    (反対の腕は前にのばして)
    7.各手で、大腿を速めに10回tappingする
    8.腕を伸ばした状態で「過呼吸で振戦が大きくなる」と被験者に伝え、10秒間過呼吸をしてもらう
    9.腕を伸ばした状態で、「からだに震えるものが触ると振戦がよくなります」と被験者に伝え、音叉を額に止まるまで当てる(2回)
    10.腕を伸ばした状態で、serial 7sをやってもらう
    11.片手ずつ、机に手をつけないようにしてアルキメデスのらせんを書いてもらう

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小児/妊婦の多発性硬化症 update

2月 19th 2010

Younger children with MS have a distinct CSF inflammatory profile at disease onset. Neurology 2010 74: 399-405.
小児期発症の多発性硬化症では10代発症と比較して7歳前後の発症群は、髄液細胞数の増加、好中球の割合の上昇が有意に見られたが、IgG値は低い傾向にあった

Long-term effects of childbirth in MS. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2010;81:38-41
MSの女性330人を4群(1子供がいない群、2MS発症前に出産、3発症後に出産、4発症前にも後にも出産)に分けて、発症してからEDSS6に達するまでの期間と年齢を調べた。発症後に出産した群(3,4)は1群よりもリスクが0.61倍、どのタイミングであれ出産したもの(2,3,4)は1群に比べリスクが0.66倍と低かった。

Difference in Disease Burden and Activity in Pediatric Patients on Brain Magnetic Resonance Imaging at Time of Multiple Sclerosis Onset vs Adults. Arch Neurol. 2009;66(8):967-971.
小児のMSは成人と比較して病変数が多く、後頭蓋の病変の頻度が高く(68.3% vs 31.4%)、経時的に病変が増加し造影病変数も多かった

Exclusive Breastfeeding and the Risk of Postpartum Relapses in Women With Multiple Sclerosis. Arch Neurol. 2009;66(8):958-963.
多発性硬化症では、出産後少なくとも最初の2ヶ月間は母乳のみで育てるほうが再発までの期間が約5倍遅くなる

Cyclophosphamide therapy in pediatric multiple sclerosis. Neurology 2009 72: 2076-2082.
再発が多く難治性の小児MS例に対してシクロフォスファミド治療は再発予防効果、神経症状改善効果があるが副作用も強く症例の選定が必要である

MRI in the diagnosis of pediatric multiple sclerosis. Neurology 2009 72: 961-967.
小児例であってもMcDonaldのMRI基準をやや改訂することで、多発性硬化症と他の神経疾患の区別が85%の感度で可能

Hepatitis B vaccine and the risk of CNS inflammatory demyelination in childhood. Neurology 2009 72: 873-880.
HBワクチンは一般には小児の中枢神経系炎症性脱髄のリスクを増加させないが、EngerixのHBワクチンは長期間使用すると多発性硬化症のリスクとなる

Increased Relapse Rate in Pediatric-Onset Compared With Adult-Onset Multiple Sclerosis. Arch Neurol. 2009;66:54-59.
小児期発症の多発性硬化症は成人期発症のものよりも再発率が2.81倍高い

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神経ベーチェット病 治療

2月 19th 2010

生活指導

    全身の休養と保温
    バランスのとれた食事内容
    ストレスの軽減
    口腔内の衛生、齲歯、歯肉炎の治療
    また、神経症状と喫煙の関連も指摘されています

神経ベーチェット病

    1. ステロイドパルス療法が一般的です
    その他、
    2. アザチオプリンメソトレキサートシクロホスファミドパルスなどの併用が試みられることもあります
    3. TNF阻害薬:治療抵抗例
    急性型は副腎皮質ステロイド薬治療に反応して改善することが多いのですが、一部は急性発作を繰り返しながら、慢性進行型に移行します。
    一方、精神症状、人格変化などが主体とした慢性進行型にあまり効果的な治療はありませんが、メソトレキサート週一回投与(10-15mg/wk)の有効性が報告されてはいます。
    眼病変に使われるシクロスポリンは禁忌ですので、神経症状の出現をみたら中止して下さい

血管病変

    副腎皮質ステロイド薬(0.5-1.0mg/kg)
    以下の免疫抑制剤の併用も考慮します
    アザチオプリン(50-100mg)
    シクロフォスファミド(50-100mg)
    シクロスポリンA (5mg/kg)
    外科的治療:動脈瘤破裂例など。手術後に縫合部の仮性動脈瘤の形成などの病変再発率が高いので、可能な限り保存的に対処すべきとの意見もあります。また、手術した場合には、術後再発の防止のための免疫抑制療法を十分に行う必要があるようです。
    深部静脈血栓症をはじめ血管病変に対しては抗凝固療法を併用することも多いのですが、肺出血のリスクを上げる可能性もあって一定した見解はないようです

眼症状

    虹彩毛様体など前眼部に病変がとどまる場合:副腎皮質ステロイド点眼薬+散瞳薬
    重症網膜脈絡膜炎:急性眼底発作時にステロイドのテノン嚢下注射あるいは全身投与を行って、発作予防としてコルヒチン 0.5-1.5mgが良く使用されます。
    難治例:シクロスポリン 5mg/kg程度より開始して、トラフ値は150ng/mlを目安に調整します
    難治例2:インフリキシマブ(TNF阻害薬)が保険適用となりました。投与スケジュールは関節リウマチに、投与量はクローン病に準じ、0, 2, 6週に 5mg/kg投与し、以後8週間隔とするのが一般的です。

皮膚粘膜症状

    口腔内アフタ性潰瘍、陰部潰瘍:副腎ステロイド軟膏を局所塗布
    内服薬:コルヒチン、セファランチン、エイコサペンタエン酸など
    生活指導:口腔内、病変局所を清潔にたもつことを指導するのも重要です

関節炎

    コルヒチン
    消炎鎮痛薬
    少量副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン換算10mg程度まで):上記で効果がない場合に使用します。短期的投与が望ましいようです

腸管病変

    副腎皮質ステロイド薬(0.5-1.0mg/kg):状態をみながら漸減し、できれば中止。長期投与は避けるのが原則です
    スルファサラジン (1500〜2000mg)
    メサラジン(1500〜2500mg)
    アザチオプリン (50-100mg)
    TNF阻害薬:難治例
    外科的治療:消化管出血や穿孔例

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肺血栓塞栓症 update

2月 18th 2010

Risk assessment of recurrence in patients with unprovoked deep vein thrombosis or pulmonary embolism: the Vienna prediction model. Circulation. 2010 Apr 13;121(14):1630-6.
原因が明らかではない深部静脈血栓症や肺塞栓症の初回発症の人の再発リスクは以外に高く、抗凝固薬の投与を中止して20%弱がDVTや肺塞栓を再発し、男性(ハザード 比:1.90)、近位深部静脈血栓症(同:2.08)、肺塞栓症(同:2.60)、高Dダイマー値(2倍となるハザード比:1.27)がリスク因子として上げられた

Dabigatran versus warfarin in the treatment of acute venous thromboembolism. N Engl J Med. 2009 Dec 10;361(24):2342-52.
急性静脈血栓塞栓症の治療において,固定用量のダビガトランはワルファリンと同程度に有効で,同等の安全性プロファイルを示し,検査によるモニタリングを必要としない.

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ABCD2, ABCDスコア

2月 18th 2010

ABCD2スコア
7点満点のスコアで、最初の受診より2日以内に脳卒中を起こすリスクは、

    スコア0~3の患者は1.0%、
    4~5の患者は4.1%、
    6~7の患者は8.1%
臨床所見 カテゴリー Score
A 年齢 60歳以上 1
60歳未満 0
B 血圧 SBP>140mmHg and/or DBP>90 mmHg 1
その他 0
C 臨床症状 一側の筋力低下 2
麻痺を伴わない構音障害 1
その他 0
D 持続時間 60分以上 2
10~59分 1
10分未満 0
D 糖尿病 あり 1
なし 0
合計 合計 合計 7

メモ:血圧はTIA発作後最初に測定した値を使用する

ABCDスコア

臨床所見 カテゴリー Score
A 年齢 60歳以上 1
60歳未満 0
B 血圧 SBP>140mmHg and/or DBP>90 mmHg 1
その他 0
C 臨床症状 一側の筋力低下 2
麻痺を伴わない構音障害 1
その他 0
D 持続時間 60分以上 2
10~59分 1
10分未満 0
合計 合計 合計 6

メモ:血圧はTIA発作後最初に測定した値を使用する

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