Neuronal voltage-gated calcium channels: Brief overview of their function and clinical implications in neurology. Neurology 2010 74: 1310-1315.
神経細胞の電位依存性カルシウムチャネルと疾患に関する総説
メモ
脳梗塞特に脳幹梗塞では嚥下障害を強く認め、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。
一方で、以下に咽頭筋が両側支配であっても一側性大脳病変でも嚥下反射遅延などによる嚥下障害が起こることが知られています。
その機序としては、島や視床を介する感覚系の障害による口腔・咽頭の知覚低下や、基底核障害による黒質線条体におけるドーパミン放出の低下などを介した迷走神経知覚枝の機能低下が考えられています
概念
脳アミロイドアンギオパチーは、脳血管へのアミロイド沈着が病態で、巨舌や末梢神経障害などを呈する全身型のアミロイドーシスとの関連はありません
一方で、高齢者やアルツハイマー病でしばしばみとめられ、特に後者では80-90%と高率に検出されます
病態
高血圧や高脂血症など全身動脈の粥状硬化との明確な関連はありませんが、以下のような血管障害を来します
- 脳葉型の大脳出血(特に前頭葉)
二次性くも膜下出血:脳表シデローシスを続発することもあります
小脳出血
白質脳症
皮質小梗塞や視床出血
検査
- 脳MRI:CADASILなどの深部白質の微小出血よりもむしろ、皮質下に多発する微小出血が特徴ですので、T2*あるいはSWIは必須です。また、炎症性アミロイドアンギオパチーが疑われる場合には造影MRIによる髄膜の増強効果の有無の確認が必要となります
髄液検査:Aβ増加などの報告はあります
遺伝子検査:家族性の場合は必要です
病理
現在6つの代表的なタンパク質が知られています
- プリオン蛋白(PrP関連アミロイド)
アミロイドβ蛋白
シスタチンC
トランスサイレチン
ゲルゾリン
ABri/ADan
血管壁の重複化(double-barrel lumen)、内膜の閉塞性変化及びヒアリン化、微小動脈瘤様の拡張、フィブリノイド壊死などの血管変化が見られ、特にフィブリノイド壊死が脳出血と強く関連しています
炎症性脳アミロイドアンギオパチーについて
アミロイドアンギオパチーの中に、微小出血に加えて髄膜の造影増強効果と白質病変を来し、病理学的に髄膜や髄膜の動脈周辺にリンパ球浸潤が認められる病態の報告が増えています。急激な認知機能障害が左右非対称性の白質病変の拡大とともに出現した場合、念頭に置きましょう。
特に、ステロイドなどの免疫療法により白質病変が改善する可能性があり、見逃しは厳禁です。

左:FLAIR画像、右:T1Gd造影画像
急速に認知機能障害が進行した高齢男性。白質病変はPRESも鑑別に浮かぶ画像ですが、島皮質下、左右非対称性な変化はややPRESとしては典型的でない部分もあります。Gd造影では後頭葉中心に軟膜の造影増強効果を認めます。この方は、最終的に炎症性アミロイドアンギオパチーと診断され、ステロイドにて白質病変は消失しました。
概念
おそらく、静脈うっ滞による海馬CA1の機能不全により出現する一過性の健忘を来す疾患です
突然何の前兆もなく、短期記憶の消失と、近時記憶の逆行性健忘で発症しますが、数時間で回復します
発作中は意識清明で、自我認識も保たれていて、日常の動作は変わりなく行うことができるのですが、周囲のことが理解できないため、不安に陥りしつこく家人に問いただします。また、発作中の記憶は永続的に消失します
診断基準(Hodges et al., 1990)
- 発作中の情報が目撃者から得られる
発作中、明らかな前向健忘が存在する
意識障害はなく、高次脳機能障害は健忘に限られる
発作中、神経学的局所徴候はない
てんかんの特徴がない
発作は24時間以内に消失する
最近の頭部外傷や活動性のてんかんのある患者は除外する
検査
ほとんど臨床症状から類推することが多く他覚的検査所見を得るのは難しいのですが、脳MRI
では海馬CA1を中心に小さな異常信号を検出できることがあります
- 脳波:てんかんの鑑別の目的で試行
血液検査:異常所見はありませんが、健忘の鑑別のためVitB1など提出
経静脈超音波:内頚動脈弁不全により、Valsalva手技を加えることにより静脈の逆流が検出されることがあります
SPECTやPET:海馬の血流やブドウ糖代謝の低下が検出されることがあります
脳MRI:発症24-72時間後に海馬にDWI高信号病変が出現します。ただし、病変が小さい(1-5 mm)ため以下のような条件で試行して下さい
1. 3テスラ
2. 海馬を中心に、axialとcoronalのThin sliceで
3. T2とDWIを。DWIのb-値は高めで
4. 発症早期ではなく、発症24-72時間後に試行

最上段:DWI、T2ともに右海馬に高信号病変を認めます
中段:それらの病変は、coronalではCA1に限局して見られます
最下段:発症60日後のMRIでは、急性期に見られた病変は消失しています
図は以下の論文より引用:Transient global amnesia: functional anatomy and clinical implications. Lancet Neurol. 2010;9(2):205-14.
概念
おそらく、静脈うっ滞による海馬CA1の機能不全により出現する一過性の健忘を来す疾患です
診断基準(Hodges et al., 1990)
- 発作中の情報が目撃者から得られる
発作中、明らかな前向健忘が存在する
意識障害はなく、高次脳機能障害は健忘に限られる
発作中、神経学的局所徴候はない
てんかんの特徴がない
発作は24時間以内に消失する
最近の頭部外傷や活動性のてんかんのある患者は除外する
検査
ほとんど臨床症状から類推することが多く他覚的検査所見を得るのは難しいのですが、脳MRI
では海馬CA1を中心に小さな異常信号を検出できることがあります
- 脳波:てんかんの鑑別の目的で試行
血液検査:異常所見はありませんが、健忘の鑑別のためVitB1など提出
脳MRI:発症24-72時間後に海馬にDWI高信号病変が出現します。ただし、病変が小さい(1-5 mm)ため以下のような条件で試行して下さい
1. 3テスラ
2. 海馬を中心に、axialとcoronalのThin slicaで
3. T2とDWIを。DWIのb-値は高めで
4. 発症早期ではなく、発症24-72時間後に試行
